MMA
インタビュー

【UFC】玉袋筋太郎「UFCヘビー級は怪獣映画を超えている!」

2020/11/16 09:11
【UFC】玉袋筋太郎「UFCヘビー級は怪獣映画を超えている!」

(C)Getty Images 

 初代王者のマーク・コールマンから、第21代王者のスティーペ・ミオシッチまで、UFCでは数々のヘビー級のスーパースターたちがオクタゴンを闊歩してきた。その最高防衛回数が、現王者のミオシッチの3回防衛ということからも、その“怪物”階級ぶりがうかがえる。

 そのUFCのスーパースターたちの過去の名勝負をまとめたWOWOWの特別企画『UFC 甦る名勝負選!』のヘビー級篇の再放送(12月27日(日)深夜1:30[WOWOWライブ])にあたり、収録後、ゲストとして出演した浅草キッドの玉袋筋太郎に、UFCとヘビー級の魅力について語ってもらった。

 ブロック・レスナー、ミルコ・クロコップから、現王者スティーペ・ミオシッチまで、UFCヘビー級で繰り広げられた名勝負とは?

モンスターたちの政権交代が次々と行われてきた


(C)WOWOW

──今、『UFC 甦る名勝負選!』ヘビー級特集の収録が終わったばかりですが、いかがでしたか?

「いや~、すごかった!これこそ“キング・オブ・モンスターズ”であり、“怪獣総進撃”だったよ。しかもUFCヘビー級は、特撮もCGも使わない生身であの迫力だから。怪獣映画を超えてるよね」

──次から次へと、新たなモンスターが現れています。

「だからUFCヘビー級王者は、初代王者のマーク・コールマンから、今、第21代王者のスティーペ・ミオシッチまでいるわけだけど、その防衛回数は、ミオシッチの3回防衛が最高記録というところがすごい。怪獣映画の世界では、ゴジラがずっと王者だけど、UFCヘビー級はもっと弱肉強食で群雄割拠な世界ってことだよね。モンスターの政権交代が次々と行われてきたわけだから。そういうすげえ世界が見れてよかったよ」

――2000年代後半に、PRIDEのトップファイターが次々とUFCに出てきたときなんか、その弱肉強食ぶりが顕著でした。

「そうそう。俺なんか“やっぱりPRIDEファイターが最強だろ”って思っていたところに、ミルコ・クロコップやアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが負けていった、あのショックといったらなかったよ。ただ、そういった結末の残酷さ、勝負の厳しさ、それがまたたまらなく面白くて、UFCにますますハマっていくわけですよ」

――最強の打撃を持ったミルコがKO負けして、“柔術マジシャン”と呼ばれたノゲイラが一本負けを喫するという……。

「ミルコがナパオン・ゴンザガにハイキックで負ける姿なんて見せられた日にゃ、どうするんだってことですよ。あれは俺たちPRIDEを見てたファンにとって、終戦記念日だったよ」

──あの日からPRIDEからUFCへ、時代が完全に移ったというか。

「うん、ひっくり返ったね。俺たちの場合、高田延彦さんがヒクソン・グレイシーに負けたとき、最初の終戦記念日を迎えてるんだけど、その後、日本の格闘技は桜庭和志選手の活躍なんかもあって繁栄を築くわけですよ。それが2度目の終戦を迎えた感じかな。ただ、それによって、総合格闘技が本当の意味で世界のものになった気がするな。」

──世界には、まだまだ強い男たちがいる、という。

「今回の放送ではファブリシオ・ヴェウドゥムも出てきたけど、あの選手も他団体であのPRIDEヘビー級王者だったエメリヤーエンコ・ヒョードルを初めて破ってるわけだからね(2010年6月26日のStrikeforceでヴェウドゥムが腕ひしぎ三角固めで一本勝ち)。“皇帝”が崩御してるわけだから。で、そのヒョードル首を手土産にファブリシオはUFCに復帰して、ケイン・べラスケスをタップアウトさせて、UFCでもチャンピオンになるというね。しかも、ファブリシオはもともとミルコの柔術コーチだったりとかさ。物語が幾重にも重なってるんだよ。そういった歴史を感じられるのもたまらないね」

インパクトでいえばレスナー、腹の据わり方が素晴らしい


(C)Josh Hedges/Zuffa LLC/UFC

――今回の番組では、いろんな怪物たちが出てきましたが、一番印象に残った選手は誰ですか?

「みんなすげえけど、やっぱりインパクトでいえば、ブロック・レスナーだろうな。アメリカのプロレス界のトップがUFCに出てくるって面白さがあるしさ。俺たちが以前、夢中になって観ていたPRIDEのヘビー級も藤田和之選手、小川直也選手とかプロレスラーが挑んでいったけど、それがスケールアップしてUFCで行われてるっていうのがいいよ。しかも、WWEっていう世界最大のプロレス団体のチャンピオンが、UFCという総合格闘技の最高峰に出ていって、チャンピオンになってしまうというね。あの金網のオクタゴンに入ろうと決心した、レスナーの腹の据わり方も素晴らしい!」

──PRIDE以上にMMAが進化したところにプロレスラーが出ていったという。

「そうなんですよ。PRIDEでも後期はプロレスラーが勝てなくなって、“もう完全に別物だな”と思ったところで、エンターテインメントを標榜するWWEから、レスナーという一番大きな波が来た、というね。そういう非現実的な世界が見られるのもUFCヘビー級の魅力なんじゃないかな」

──そのレスナーが、近い将来UFCに復帰するんじゃないか、なんて噂もあります。

「観たいね~! さらにライトヘビー級の絶対王者だったジョン・ジョーンズがヘビー級に上がってくるんじゃねえか、なんて噂もあったりとかしてさ。こんなのめちゃくちゃ面白れえじゃん。そのためにも、ジョーンズは私生活にだけは気をつけてほしい!」

──ジョーンズには、いろんなスキャンダルがありましたね(笑)。

「今月末、スキャンダルとトラブルの王様であるマイク・タイソンも真人間になって現役復帰するんだから、ジョーンズも新たな姿で出てきてほしいね」


(C)WOWOW

──ちょうどヘビー級が新たな時代を迎えそうな時でもありますし。

「ダニエル・コーミエーも引退して、世代交代の時だからね。次から次へと怪物が出てくるから。恐竜の時代もジュラ紀、白亜紀とか、時代が移り変わっていったけど、UFCヘビー級もそれと同じじゃねえかな。マーク・コールマンとか、ケビン・ランデルマンなんかは、初期の恐竜でさ。今はフランシス・ガヌーとか、進化した恐竜も出てきてる。だから、これからも恐竜の時代はまだまだ続く。UFCヘビー級があるかぎり、恐竜は絶滅しないよ!」(取材/文・堀江ガンツ)

WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送スケジュール
『UFC 甦る名勝負選!最重量ヘビー級 激闘の歴史』

12月27日(日)深夜1:30[WOWOWライブ]リピート
WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)

【対戦カード】

▼UFC70 ヘビー級王座挑戦者決定戦
ミルコ・クロコップ
ガブリエル・ナパオン・ゴンザーガ

▼UFC100 ヘビー級王座統一戦
ブロック・レスナー
フランク・ミア

▼UFC110 ヘビー級
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
ケイン・ベラスケス

▼UFC188 ヘビー級王座統一戦
ケイン・ベラスケス
ファブリシオ・ヴェウドゥム

▼UFC198 ヘビー級タイトルマッチ
ファブリシオ・ヴェウドゥム
スティーペ・ミオシッチ

▼UFC218 ヘビー級
アリスター・オーフレイム
フランシス・ガヌー

▼UFC226 ヘビー級タイトルマッチ
スティーペ・ミオシッチ
ダニエル・コーミエ

▼UFC241 ヘビー級タイトルマッチ
ダニエル・コーミエー
スティーペ・ミオシッチ 他

WOWOW番組オフシャルサイト

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア