2020年11月6日に配信されたONE Championship「ONE:INSIDE THE MATRIX 2」にて、約1年ぶりの試合に臨んだONEフライ級ランキング4位の若松佑弥(日本)が、韓国のストライカー キム・キュサン(韓国)を1R 1分46秒、右ストレートでKOに下した。
2019年3月の両国大会でデメトリアス・ジョンソンに2Rギロチンチョークで敗れた若松だが、8月のマニラ大会でジェヘ・ユスタキオに1R、右ストレートでKO勝利。続く10月の試合でも韓国のキム・デファンを相手に1Rに右手を骨折しながらも判定勝利しており、今回のキュサン戦の勝利でONE3連勝をマークした。
ケージの中で若松は、「1年間試合できなくて、今まで自分が強くなったのか、すごい自問自答していました。最後、1発良いのが当たったのですが、相手のキム選手もすごい気合いが入っていて、良いのもらっちゃいました。KOできて最高に嬉しいです。次は、リース・マクラーレン選手とやって、KOして、そのあと、タイトルマッチに挑みたいです」と、次戦に上り調子のマクレーレンを指名し、ベルト獲りまであと2戦と宣言をした。
大会後、若松佑弥は何を語ったか。
──およそ1年ぶりの試合でした。率直な感想をお聞かせください。
「単純にやっと試合が出来たことが凄く嬉しかった。さらに、勝つことが出来て嬉しいと言うよりも“生き残った”とホッとしています」
──KOは最初から想定していましたか。
「はい。やはり僕は僕の戦いをしないといけないし、格闘技という概念に囚われたらダメだと思います。野性に帰って、ただ敵を狩るだけだと思い、単純に殴って倒すことを考えていました。色々想定して練習していましたが、最後は簡潔に持っていけました」
──勝利後のコメントで、「次はリース・マクラーレン」と名前を挙げました。4位の若松選手に対して、マクレーレンは前戦でアレクシ・トイヴォネンをヒザ蹴りでKOしてはいますが、ランキングでは5位です。マクラーレンを指名した理由を教えてください。
「やはり(マクラーレンは)ONEの中でトップの選手であることと、この間の試合(10月9日)で無敗の選手をKOしていて強いと思ったからです。この強い人間をみんなの前で倒したいと思い、名前を出しました」
──試合前には「キム選手は綺麗なボクシングする選手、自分とは違うスタイルの選手」と話していましたが、実際に対峙してみて、どんな選手でしたか。
「気持ちの強い選手で、打たれ強いと想定してきましたが、対峙した時も打ち合う気満々で来たので、想定内ではありましたが、思っていたより気合いが入っている、気持ちの良い選手だと思いました」
──どんなゲームプランを持って試合に臨みましたか。
「どの局面でも圧倒してやろうと思って、勝つパターンを何通りも考えていました。相手が出てきたときの事も想定していたし、1番の理想はジャブを突いて、触らせないで勝つことを想定していました」
──コロナ禍のなかでの渡航でした。試合前に隔離されるなど、これまでとは違った経験になったかと思いますが、実際のところいかがでしたか。
「この経験は人生で2度ないと思う大会で、普段試合するよりもいくつも色んな事があり、とても良い経験になりました。PCR検査や、隔離で部屋から出られないこと、コロナに絶対に感染しないように配慮するなど、僕の中では、今までで1番、色々考えさせられた試合でした」
──試合直後にもかかわらずありがとうございました。最後にファンの方へメッセージをお願いします。
「本当に皆んなの支えで生きて行けています。僕の試合で少しでも皆んなが“頑張ろう”とか思ってくれたらそれで良いと思います。いつも応援ありがとうございます!」
なお、次回のONEは11月13日(金)に、事前収録された「ONE: INSIDE THE MATRIX 3」が配信される。メインイベントでは、元ONEバンタム級世界王者でランキング1位のコンテンダー、ケビン・ベリンゴン(フィリピン)がランキング5位のジョン・リネカー(ブラジル)と対戦。
また日本からは、2020年9月に行われた「Road to ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHT」で、豪快なKO勝利を飾った“ジャパニーズ・ビースト”こと手塚裕之(日本)が出場し、ムラド・ラマザノフ(ロシア)を相手にONE2戦目を迎える。
さらに、修斗世界王者で2020年初旬にONEと契約した箕輪ひろば(日本)が、チームラカイの新星リト・アディワン(フィリピン)を相手にONEデビューに臨む。