キックボクシング
インタビュー

【REBELS】55戦目のベテラン宮元啓介の目標は「とりあえず誰にも負けないこと」小笠原瑛作とリマッチ

2020/11/06 21:11
 2020年11月8日(日)東京・後楽園ホール『REBELS.67』の第6試合「REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント」準決勝で、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者・小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)と対戦するINNOVATIONフェザー級王者・宮元啓介(橋本道場)のインタビューが、主催者を通じて届いた。  宮元は小学4年生から空手を始め、数多くのタイトルを獲得。2010年1月、MA日本キックボクシング連盟でプロデビューし、WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王者を始め、これまで6本のベルトを獲得している。志朗、内藤大樹、那須川天心、工藤政英、江幡塁など国内55kg級のトップ選手とはほとんど対戦経験があり、空手仕込みの蹴り技を駆使して国内55kg級のトップ戦線に長く君臨している。9月大会では栗秋祥梧を判定で降した。  小笠原とは2016年12月の『KNOCK OUT』旗揚げ戦で対戦し、3RにKO負けしており今回はリベンジマッチとなる。 自分がやるべきことは決まっている ――9月の「KNOCK OUT」栗秋祥梧戦では判定勝ちでした。試合を振り返っていただけますか。 「SNSを見ていると若い栗秋選手が勝って世代交代してしまうのでは? という雰囲気を感じていたのですが、自分はまだまだできるぞをいうところを見せたかったので何としてでも完勝したいと思っていました。試合前に栗秋選手の映像を見たところ、パンチ力があり飛びヒザなどの一瞬のスピードが早かったので結構警戒していたのですが、1R目に栗秋選手のパンチがしっかり見えていたので大丈夫だなと。ガードの上から受けても問題ないと思い、落ち着いて臨んだら練習通りの作戦がはまって自分がやりたい試合ができました」 ――作戦はどういうものを? 「とりあえず三日月蹴りをばんばん蹴って中に入らせないようにすることや、相手のフックに合わせてヒジを出すことでした。1R目に三日月蹴りを入れたときに顔を見たら結構効いていた表情で、このまま続けて蹴れば行けるかと感じました」 ――次が55戦目になりますが、未だに国内55kg戦線のトップ戦線を走っていられる秘訣は何でしょう。 「練習量は以前とは変わりませんが、結婚して子供が産まれて背負うものができたことで、より負けられないという気持ちが強くなり、練習に身が入るようになりました。あと、今までは試合が決まっても相手の映像を1~2回見るだけで倒したい技を磨いていただけでしたが、今は勝ちに近づけるかを真剣に考えて対策を立てて絶対に勝つという気持ちで臨んでいます。しっかり対策を立てることで、試合では頭で考えていなくても瞬時に身体が練習通りに動くので、やはりそういうのは大切だと思いました」 ――それでは今回対戦する小笠原瑛作選手との対策もバッチリ? 「そうですね。映像を見て小笠原選手のパターン、癖もわかってきて作戦をしっかり決めているので、練習でそれをしっかり磨いて作戦に近づけるようにしている段階です」 ――小笠原選手とは2016年12月の「KNOCK OUT」で一度対戦し3RKO負けしていますが、その時と比べて印象はどうでしょう。 「4年前の時よりも今はお互いに確実に強くなっているので、前回の試合のことは全く参考にしていません。逆に僕も前回よりも格段に強くなっているので向こうも参考にはならないでしょう。再戦ということは関係なく相手は前に出てくるんだろうなと思いますし、自分がやるべきことは決まっているので、それがうまくはまれば。今までに見せたことのないような技もあるので、楽しみにしていてください(笑)」 ――反対ブロックで対戦する小笠原裕典選手とKING強介選手の二人のどちらが決勝戦にくると予想してますか? 宮元選手は両者とも対戦経験があり、裕典選手とは1勝1分、強介選手とは1分です。 「僕の中では気持ち的にはどちらが上がってきてもいいというのはあるのですが、強介選手だったら一発のパンチがありますし、裕典選手もリーチが長く一発で切り裂けるヒジがあるので正直どちらが来るかは分かりません。僕はどちらが来ても自分の中で勝ちパターンはいくつかあるので反対ブロックのことは特に意識していません」 ――宮元選手はこれまでに6本のベルトを獲得していますが、トーナメントで優勝してベルトを獲得したいという欲はまだありますか? 「デビュー当時や一つ目のベルトを獲った時は、次はあのベルトを獲りたいといった欲が凄くありましたが、今はとにかく強い選手に勝ちたいなと。ぶっちゃけベルトは二の次で考えていて、とりあえず強いメンバーの中で優勝するということだけしか考えていないですね。優勝してリング上で子供と写真をぜひ撮りたいです」 ――キャリア終盤ではあるかと思いますが、その先の目標はありますか? 「とりあえず誰にも負けないことです。決められた試合を一つずつ勝っていけばさらに違う景色が見えてくるのかなと思います。僕は先のことを考えると今のことが疎かになってしまうので、とりあえず目の前のことをクリアして次のことを考えるようにしています。キャリアも長くなってケガも多くなって歳を重ねるごとに治りも遅くなっているので、接骨院とかにいく頻度を多くしてしっかりケアするようにしています」 ――安本晴翔選手、白幡裕星選手、花岡竜選手といった橋本道場の後輩たちの活躍が目立っていますが、プレッシャーはあります? 「みんな成長するスピードが早く凄く強くなっていて、焦っているわけではありませんが、自分も抜かされないように頑張らなきゃなと良いモチベーションになっています。階級関係なくいいライバルであって、仲間にも負けたくないという気持ちがみんなから伝わってきますね。そして、試合では誰かが勝てば、自分も負けないで上に行くぞという気持ちにもなって、切磋琢磨できるのでいいチームですよね。晴翔をはじめ後輩たちはパンチが強いのでスパーでも試合のような緊張感を持ってやらないと倒されてしまいます。そういう面でもパンチを見切る力が養えていて、試合でも落ち着いて戦えるようになりました。20代前半の時は勢いでガンガン行くだけでしたが、今だとテクニックで完全にいなすことができるので僕は全然強くなっています」 取材:安村発 (プロフィール)宮元啓介(橋本道場) Miyamoto KeisukeWPMF世界スーパーバンタム級王者WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王者WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王者INNOVATIONスーパーバンタム級王者INNOVATIONフェザー級王者MA日本スーパーバンタム級王者1992.12.16生/埼玉県入間市出身/27歳/168cm/オーソドックス/54戦34勝(11KO)13敗7分
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント