プロハースカ「エネルギーを集中させる」
2020年7月には、元RIZINライトヘビー級王者イリー・プロハースカ(チェコ)がオクタゴンデビュー戦で、UFC同級7位でタイトル挑戦経験もあるヴォルカン・オーズデミア(スイス)と対戦し、2R、右ストレートで衝撃の失神KO勝ち。いきなり同級5位にランクインした。
2021年2月27日の「UFC Fight Night: Reyes vs. Prochazka」では、UFCライトヘビー級2位のドミニク・レイエス(米国)との対戦が予定されており、勝てばタイトルショットも狙える位置にプロハースカはつけている。
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現在、UFCライトヘビー級戦線は、王者ヤン・ブラホヴィッチ(ポーランド)を筆頭に、中欧・東欧勢の活躍が目立っている。
◆UFC世界ライトヘビー級ランキング(※2020年11月4日時点)
・王者 ヤン・ブラホヴィッチ(ポーランド)
※2020年9月にドミニク・レイエスとの王座決定戦で2R TKO勝ちで王座獲得。2019年2月にチアゴ・サントスに3R TKO負け
・1位 チアゴ・サントス(ブラジル)21勝7敗
※2020年11月7日に3位のグローバー・テイシェイラと対戦
・2位 ドミニク・レイエス(米国)12勝2敗
※2021年2月27日に5位のイリー・プロハースカと対戦
・3位 グローバー・テイシェイラ(ブラジル)31勝7敗
※2020年11月7日に1位のチアゴ・サントスと対戦
・4位 アレクサンダル・ラキッチ(オーストリア)13勝2敗
※2020年8月にアンソニー・スミアスに判定勝ち
・5位 イリー・プロハースカ(チェコ)27勝3敗1分
※2021年2月27日に2位のドミニク・レイエスと対戦
・6位 ヴォルカン・オーズデミア(スイス)17勝5敗
※2020年7月にイリー・プロハースカに2R KO負け
・7位 アンソニー・スミス(米国)33勝16敗
※2020年11月28日にデヴィン・クラークと対戦
・8位 ニキタ・クリロフ(ウクライナ)27勝7敗
※2020年3月にジョニー・ウォーカーに判定勝ち
・9位 ジョニー・ウォーカー(ブラジル)18勝5敗
※2020年9月にライアン・スパンに1R KO勝ち
・10位 ミーシャ・サークノフ(ラトビア)15勝5敗
※2019年9月にジミー・クルートに一本勝ち
そのなかで、プロハースカと対戦予定のレイエスは、試合時に31歳となるメキシコ系米国人。レスリングとNFL入りを目指したアメリカンフットボールがバックボーン。弟のアレクサンダーのジムであるコンバットケージアカデミーでMMAのトレーニングを受け、アマチュアで5連勝後、プロで12勝2敗。
初黒星はジョン・ジョーンズとの王座戦。2020年2月にMMA12勝無敗の戦績で当時の王者ジョン・ジョーンズ(米国)に挑み、中盤まで打撃で優位に立つも、JJのレスリング&スタミナ戦に終盤を失い、僅差で判定負けした。
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その後、JJのベルト返上により、ヤン・ブラホヴィッチと王座を争うもブラホヴィッチの左ミドルを被弾し、最後は左フックの前に2R TKO負けを喫している。
2連敗中のレイエスだが、身長193cm、リーチ196cmから繰り出される左の攻撃は脅威。左ストレート、左アッパーでのフィニッシュのみならず、左ハイでも試合を決めている。
サウスポー構えのレイエスに対し、プロハースカはスイッチはするものの基本オーソドックス構え。低い手の位置からの打撃は出どころが分かりにくいが、相手のパンチを被弾することも多く、また、これまでの試合では前傾姿勢の前足にカーフキックを効かされる場面も見せている。
身長はレイエスと同じ193cmでリーチでは203cmと、レイエスを7cm上回っているが、自身と同体格のレイエスを相手にどこまで得意のステップでペースを握ることが出来るか。跳びヒザ蹴りもこれまでの相手のようにはいかないことも予想される。
"Concentrate your Energy and hoard your Strength" - Sun Tzu
— Jiri Denisa Prochazka (@jiri_bjp) November 3, 2020
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レイエス戦の決定にプロハースカは、「エネルギーを集中して力を蓄える」と孫子の言葉を引用。対するレイエスは、ダン・ヘンダーソンのジムにて、LFAで活躍中のジャマル・ポーグスとの練習写真とともに、「ヤングガンズとのスパーリングに乾杯。情熱と気合を持って帰って来たよ。前回の試合はドミニク・The Devastator(破壊者)・レイエスのキャラクターから外れて試合を見に来てくれたみんなに申し訳なかった。今回は回復して自分らしく戦えることに興奮しているよ」と復活を宣言している。
同級1位のチアゴ・サントスが、11月7日に3位のグローバー・テイシェイラとのブラジル対決を控えており、勝者が現王者・ブラホヴィッチとの次期王座挑戦権を得るものと予測される。プロハースカにとっては、レイエスに勝利し、2021年中の王座挑戦を実現したいところだろう。