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【DEEP】阿部大治が1R TKO勝ち「住村、待ってろ!」ライト級転向も宣言、バティスタが水野にTKO勝ち、平田樹の兄・直樹が一本勝ち。「朝倉未来1年チャレンジ」勢は2勝1敗

2020/11/01 12:11
 2020年11月1日(日)、DEEPが東京竹芝・ニューピアホールで昼夜2大会を開催。  昼大会(12時開始)の「DEEP 98 IMPACT」のメインは、ウェルター級で悠太(ALLIANCE)と阿部大治(フリー)が対戦。夜大会の「DEEP 99 IMPACT」メインでは、バンタム級で元谷友貴(フリー)vs. 米山千隼(マルワジム横浜)が対戦する。両大会は「SPWN」にてライブPPVで配信された。 ▼ウェルター級 5分3R×悠太(ALLIANCE/元DEEP王者)[1R 4分17秒 TKO]〇阿部大治(フリー/元パンクラス王者)  阿部大治は、柔道で全国的に活躍後、初代J-NETWORKライトヘビー級王者、第11代PANCRASEウェルター級王者となり、UFCに参戦し1勝2敗。ONE Championshipではルイス・サントス、イブ・タンに敗れ4連敗を喫したが、8月23日の「DEEP 96」で佐藤洋一郎との死闘をスプリット判定で制し、再起を遂げている。  対するは元DEEP同級王者の悠太は、3月の王座戦で王者・住村竜市朗に判定負け以来、8カ月ぶり再起戦。高校でレスリング部を学び、2013年3月にDEEPウェルター級王座戴冠を果たした。同年12月には前王者・白井祐矢をKOに下して初防衛に成功。2016年4月に加藤久輝とRIZIN.1で対戦するも、KO負け。同年10月にはDEEPウェルター級GP一回戦で住村と初対戦。2Rにリアネイキドチョークで一本負けしている。  その後、怪我で長期入院もあり1年8カ月のブランクを経て、2018年6月のDEEP84で復帰も川中孝浩に判定負け。しかし、以降はANIMAL☆KOJI、渡辺良知、佐藤洋一郎相手にいずれも判定勝利で、住村に敗れるまで3連勝を挙げていた。  佐藤戦でフルラウンドスタミナを切らすことなく戦い、競り勝った阿部にとっては、連勝で王座挑戦を決めたいところ。悠太にとっても、住村とのタフファイトで逃したベルトに再びたどり着くためには落とせない戦いで、ウェルター級のコンテンダー争いの一戦となる。  1R、ともにオーソドックス構え。阿部は左ジャブ連打に右アッパーを織り交ぜる。さらに前足に内・外とローキックを当てる。阿部のジャブに出血する悠太。再開。左ミドルを当て、左ジャブをヒットさせる阿部に、悠太は組みにいくが切る阿部。再び出血後再開。左ミドルハイを当て悠太に接近させない阿部は、左ジャブ、左アッパー、左フックでダウンを奪い、パウンド。レフェリーが間に入った。  試合後、阿部は息子とともに撮影に応じると、「サポートしてくれた人、県外からも駆け付けてくれた人、ありがとうございました。一つだけ言いたいことがあります。あと1試合残してライト級に行きます。誰とは言わないけど、僕の試合を断って、ほかの試合に出た、誰とは言わないけど、2月、覚悟しとけよ、住村!」と叫び、ウェルター級王座獲りを宣言。さらにRIZIN出場もアピールした。 [nextpage] DEEPミドル級 5分3R×水野竜也(フリー) [2R 4分44秒 TKO]〇ジョアンオ・バティスタ・ヨシムラ(TOP 1 FITNESS GYM)  39歳の水野は8連勝中で、前戦は2019年12月の「DEEP 93」でジョシュア・ロビンソンに2R リアネイキドチョークで一本勝ち。対する38歳のバティスタは9月の「HEAT47」でウェルター級で、菱沼郷に1R、左フックでTKO勝ち。2016年7月の「PANCRASE 279」での冨樫健一郎戦以来、4年ぶりのMMAで白星を挙げたばかり。1階級上で身長差もある水野を相手にどんな試合を見せるか。  1R、ともにサウスポー構え。バティスタは筋骨隆々。左の重いカーフキックを当てるバティスタに水野は上下に散らしてボディ打ち、ヒザ蹴り。さらに左フックでヒザを着かせる。2R、左のカーフキックをバチン! と音を響かせて当てるバティスタ。水野は足が流れる。左フックを当てたバティスタ、打ち返しに来た水野を詰めてさらに左! 下がる水野にダメ押しの左ストレートでダウンを奪い、パウンドアウトした。  試合後バティスタは、「とてもいい選手でした。愛知県の人が稽古しています。夢の人がスパーリングしているよ、ダニーロ先生、助けてくれた。これからどこまで僕が行けるか。見直してください。ありがとうございました」と日本語で語った。また会見では、「ミドル級はこれで最後、次はウェルター級に戻す」と語っている。 [nextpage] ▼DEEPフェザー級 5分2R ×星野 豊(和術慧舟會HEARTS)[2R 3分59秒 腕十字]〇平田直樹(K-Clann)  ONE Championshipで活躍中の平田樹の兄・平田直樹(K-Clann)がプロデビュー。2017年度プロ修斗フェザー級新人王・星野豊(和術慧舟會HEARTS)とフェザー級の2Rで対戦する。  樹より早く講道館・春日柔道クラブに通っていた直樹は、国士舘高校時代に柔道で体重別で団体戦に出場するなど活躍。その後も名門・国士舘大学柔道部に所属。  2020年2月のフューチャーキングトーナメントでは、1回戦でアゴ骨折の重傷を負いながら柔道仕込みの内股での投げから腕十字で一本勝ち。2回戦では三角絞め、腕十字など柔術練習の成果も発揮し、判定勝ちで優勝。アゴの治療を終え、満を持してプロデビュー戦に臨む。樹のSNSでの「やってやろうぜ」の期待に応えることが出来るか。  対する星野は、MMA4勝4敗とキャリアで平田を上回る。中学生のころはひきこもりのようになり、「2年生の終わりから学校へ行けなくなった」という星野だが、15歳から20歳まで地元・燕市の空手教室で学び、SAI-GYMに入門。定時制は続かなかったが、20歳から通信制で学び直して2017年春に卒業している。  上尾ケージファイト等を経て、2017年に修斗フェザー級新人王を獲得した。2018年春に上京し和術慧舟會HERTSに移籍。高橋孝徳、久保村嘉輝に敗れ、DEEPに戦場を移し、2019年8月に高塩竜司にスプリット判定で勝利。しかし、前戦同年12月の「DEEP 93」では、前述の神田コウヤの左ストレートを浴びTKO負けを喫している。再起戦で注目の新人相手にキャリアの差を見せつけるか。  1R、サウスポー構えの星野にオーソドックス構えの平田。星野の左の蹴りの打ち終わりに組んでテイクダウン。立ち際にギロチンを狙い、首を抜いた星野にリアネイキドチョークを狙う平田。2R、蹴り足を取られた平田が下に。ギロチン狙いから立つと。投げの圧力でがぶりで上にマウントからリアネイキドチョーク狙い。1R同様に正対して凌ぐ星野に得意の腕十字を極めた。  試合後、平田は「とりあえずプロデビュー戦で勝ててホッとしています。これからどんどん試合をして勝ち続けてチャンピオンになります」とマイクで語った。 [nextpage] ▼DEEPライト級 5分2R×佐々木 大(トライフォース赤坂)[2R 1分41秒 リアネイキドチョーク]〇石塚雄馬(AACC)  朝倉兄弟が牽引するトライフォース赤坂から、佐々木大と、『朝倉未来1年チャレンジ』出身の西谷大成、畠山祐輔、ヒロヤが参戦。  トライフォース池袋で柔術を学び、赤坂でMMAに進んだ佐々木は、2019年9月のデビュー戦ではハーレイ・ベーハンにチョークで一本勝ちも、同12月の2戦目では大木良太に判定負けを喫しており、白星を先行させたいところ。  対する石塚雄馬(AACC)は2007年からプロで活躍し、豪州「Australian FC」など海外大会にも参戦しているベテランだがブランクもあり、国内では2013年・中村和裕の「King Kaz Fight」で米田奈央に判定負けを喫している。  1R、佐々木の蹴り足を掴んで組む石塚。離れ際に右を振る。佐々木は右を強振。2R、右のカーフキックを当てる佐々木。2度目のカーフを掴んでテイクダウンは石塚! 佐々木は下から腕十字狙いも察知する石塚はその立ち際をバックに。リアネイキドチョークを極めた。 [nextpage] ▼DEEPフェザー級 5分2R〇樋口 武(骨法烏合會矢野卓見道場)[1R 3分24秒 アンクルホールド]×西谷大成(トライフォース赤坂)  フェザー級では、西谷大成が樋口武(骨法烏合會矢野卓見道場)と対戦。 『THE OUTSIDER』第2代&第4代-65kg級王者の樋口は、プロMMA8勝6敗。しかしアマチュア時代には、2011年11月に金太郎に腕十字で一本勝ち、2013年12月には朝倉未来にもヒールフックで一本勝ちするなど、両選手のキャリア初期ながら、高校時から通う骨法鳥合会矢野卓見道場らしい関節技で10連勝をマークしている。  しかし、プロ転向後は怪我もあり、黒星が先行。金太郎、未来にリヴェンジを許すと、一念発起。2016年12月から6連勝を飾った。DEEPには2019年12月に初参戦。高塩竜司に1R TKO負けと厳しい洗礼を受けている。2020年4月に『THE OUTSIDER』のベルトを返上、前田日明からもRyoとともに指導を受けている。  樋口は、SNSで「皆さまの力添えがあり手術後にまた試合復帰することが出来ました。そのことに感謝しつつ対戦相手を全力でぶっ壊します」と意気込みを記している。  対する西谷は、レスリングをバックボーンとするサウスポー構えのファイター。『朝倉未来1年チャレンジ』で自営建設業から転身し、2020年8月の『DEEP 96』では1R、リアネイキドチョークで岩永翔吾を仕留めている。突貫ファイトの西谷と、寝技師・樋口。勝負を決めるのは打撃か寝技か。それとも……。  1R、ともにオーソドックス構え。右ローを当てる樋口に、右ストレートを振る西谷。右フックを当てた西谷に、ダブルレッグテイクダウンは樋口。立ち上がる西谷に、樋口はストレートフットロック狙いから潜り、アンクルホールドでタップを奪った。 [nextpage] ▼DEEPバンタム級 5分2R〇ヒロヤ(トライフォース赤坂)[1R 3分27秒 TKO] ※パウンド×力也(KRAZYBEE) 『朝倉未来1年チャレンジ』のヒロヤ(近藤大耶)は、「姫路では自分を知らないヤンキーはいない」と豪語し、姫路の総合格闘技道場・華王州や、神戸の総合格闘技reliableでも練習を積んできたバンタム級ファイター。しかし、前戦ではCAVEの実力者・橋本優大相手に判定負け。三銃士のなかで最も期待されながら、苦杯を舐めた。  しかし、今回の相手も一筋縄ではいかない。力也(KRAZY BEE)は、2012・2013年、レスリンググレコローマンスタイルインカレ優勝(二連覇)、2014年レスリング世界学生選手権グレコローマンスタイル5位入賞等の実績を誇るレスラー。  PANCRASEでは田代悠生に勝利も、後藤丈治、聖王DATEにいずれもTKO負けで1勝2敗と負け越している。得意のレスリングをストライカー・ヒロヤ相手に発揮できるか。  1R、右ストレート、左フックでダウン奪うヒロヤ。立つ力也がダブルレッグテイクダウンも、すぐに立つと力也のテイクダウントライを潰して投げてヒジ、さらにサイドバックからパウンド。レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼DEEPフェザー級 5分2R〇畠山祐輔(トライフォース赤坂)[2R 1分57秒 リアネイキドチョーク]×健吾(F3) 「朝倉未来1年チャレンジ」の畠山は柔道でインターハイ出場経験を持つサウスポー。術科特別訓練(特練)員として活躍したが、警察官を辞めて「格闘技に賭けたい」と1年チャレンジに応募した。  8月大会では、BRAVEのレバナ・エゼキエルを相手に判定2-0で勝利。今大会は、Fighting NEXUSを主戦場としてきた健吾(F3)を相手に連勝を狙う。試合は長身の健吾の蹴りをブロックした畠山が右ストレートを入れるなど打撃も織り交ぜテイクダウン。バックからリアネイキドチョークを極めた。 アマチュアファイト※ メイン終了後に実施▼DEEP 58kg以下 アマチュアキックルール 2分2R〇木村琉音(K-Clann)[判定2-0] ※20-18, 20-19, 19-19×大島広也(JORKERジム)
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