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2020年10月31日(土)18時から、東京竹芝・ニューピアホールにて『DEEP JEWELS 30』が開催される。大会は「SPWN」にてライブPPVで配信される。
前日計量では、メインイベントの「DEEP JEWELSアトム級タイトルマッチ」5分3Rで対戦する、王者・前澤智(リバーサルジム 立川 ALPHA)と挑戦者・青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)が共にリミットちょうどの47.6kgで計量をパスしている。
前澤のベルトに挑戦する青野は静岡県出身。ロンドン五輪グレコローマン日本代表・長谷川恒平らを輩出した静岡県立焼津中央高等学校レスリング部を経て、日本大学レスリング部に進学。2013年、東日本学生女子選手権48kg級優勝、2014年、全日本社会人レスリング選手権大会48kg級優勝などの実績を誇る。
2017年12月のMMA転向後は、プロデビュー戦でMMAキャリア3年の佐藤絵実に敗れるも、以降、桐山安奈、古瀬美月、ARAMIを相手に3連勝。2019年3月にベテランの富松恵美にリアネイキドチョークで一本負け。同年6月の檜山美樹子戦、9月の古澤みゆき戦と連続一本勝ちを収めて2019年12月、事実上のDEEP JEWELSアトム級王座挑戦者決定戦をハム・ソヒの妹分パク・シウ(韓国)と争ったが1R3分40秒、TKO負けを喫した。
再起戦となった2020年7月のリオン戦では、柔術ベースのリオンに対し、青野は得意のダブルレッグでテイクダウンを奪うと、リオンの下からの腕十字の仕掛けを潰してパスガード。サイドからの鉄槌連打でリオンを出血させ、1R 4分53秒、TKO勝ちで復活を果たしている。
前日計量後、挑戦者の青野は「明日は必ず勝って王者になります」と王座奪取を宣言した。
――アトム級王座戦が決まりました。率直に決まった瞬間はどんな気持ちでしたか。
「嬉しかったですね。12月にパク・シウ選手に負けて、また遠のいてしまったかなと思っていたんですけど、7月に勝って、パク選手もコロナで日本に入って来れなくて、それでチャンスが来たなとは思いました」
――パク・シウ戦の敗戦から、リオン戦のTKO勝ち。ご自身でどんなテーマを持ってやってきましたか。
「気持ちも全部入れ換えて、練習から、気合とかも全然違いますし、取り組むこととか、一つひとつのことをちゃんと見直してやってきました」
――その間、渡部修斗選手がRIZINに出て、「僕がRIZINを目指すきっかけになったのがセコンドに就いてくれた青野が目指していて、その道しるべになりたいと思ったからなんです。彼女が諦めない限りは背中を見せ続けたいし、今度は一緒にRIZINに上がりたい」と発言しました。背中を後押しされたりしましたか。
「そうですね。本当は私が先に行くつもりだったんですけど、先を越されました。“私が連れていくから”くらいに思っていたんです」
――元UFCファイターの井上直樹選手に修斗選手が敗れた。あの試合をどう感じましたか。
「やっぱり試合の中で、やってきたことを出せないと駄目だなというのは思いました。それを大舞台でも出すことは難しいものだと」
――その上で、今回の前澤戦に向け、強化してきたことは?
「打撃をすごく練習してきたのと、あとは壁レスをすごい練習しました。今回はケージですし、この間、全部やってこれたので、すごい自信はあります」
――チャンピオンで引退するという前澤選手と戦うことについては、思うところはありますか。
「引退することは全然気にはならないですし、勝負の世界なので勝てばいいと思っています。相手がどういう状況とかそういうのは本当、勝負には関係ないと思ってるんです。ただ、チャンピオンの前澤さんとはずっとやりたいと思っていたので、戦えることがすごく光栄で嬉しいし、勝ちたいと思っています」
――柔道ベースながらケージレスリングも手練ていて、金原正徳選手ゆずりのステップ&打撃も細かい。そういう相手に対して、作戦をチームで練ってきましたか。
「そうですね。細かいことは言えないですけど、やることは全部やってきたという自信があります」
渡部 単純に強くなったと言えます。レスリングバックボーンなので、本当タックルばっかり見られがちなんですけど、そういう先入観とか取っ払って、なんかもう本当にMMAファイターとしてのひかるをお客さんに見てほしいなというのを、切実に思います。これくらいのキャリアの子って“1年でこんな変わるんだな”というのを知ってもらいたい。僕の1年だと限界がありますが、ひかるは違います(笑)」
――では、マジカルチョークも?
「いろいろやります。楽しみにしていてください!」