防衛戦にして最後の試合に臨む前澤。試合終了後には引退セレモニーも行われる予定だ
2020年10月31日(土)東京・ニューピアホール『DEEP JEWELS 30』の前日計量が、30日(金)都内にて12:30より行われた。
メインイベントのDEEP JEWELSアトム級タイトルマッチ5分3Rで対戦する、王者・前澤智(リバーサルジム 立川 ALPHA)と挑戦者・青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)は共にリミットちょうどの47.6kgで計量をパス。
前澤はこの防衛戦がラストマッチになることが決まっており、全試合終了後には引退式が行われる。おそらくこれが現役選手として最後となるインタビューをお届けしよう。
MMAを始めた時に最後の“A”がARTだと知って凄く感動した
――いよいよラストマッチが明日になりましたが、今の心境は?
「不思議と過去一番緊張していません。なんか自然な感じです」
――それはもう引退試合だからということで、気が抜けているわけではないですよね?
「そうですね。最後だから一番練習をやってきたし、だからこそですかね。心配していないのだと思います。一番追い込めたと思います」
「悔いなく終わりたいというのもありますし、勝って終わるのと負けて終わるのではこの先の人生が全然違うと思います。第2の人生をスタートするにしても楽しく始められるのか、悲しいところから始めるかは明日にかかっているのでケアは十分です」
――今回、ビーガン専門店に減量のための食事サポートを受けたそうですね。
「体調が良かったと思います。やっぱり食べられるという現実はありがたいことですよね。青森時代の友人がやっている店なので、そういう面でもずっとつながりが持てて嬉しかったし、今回引退するんだよってことを地元の友だちにそこまで手広く教えることはしていなかったんですけれど、コロナで来られる人も限られちゃって、ライブ配信があるんだよって高校の時の友だちに連絡したら『実はYouTubeを今までも見ていたよ。元気もらっていたよ』とか、実は知らないところで仲間たちとつながっていたことが知れて凄く嬉しかったですね。だからそういう食の面でも気持ちの面でも、もちろん立川に来てつながった縁もそうなんですけれど、ずっとあった縁をまた再確認できたってことで気合いが入り直したかなと思います」
「そうですね。食べてもそこまで脂質が高くなかったりとか、糖質が抑えられていたりとか。今日はこれを食べたけれど動きやすかったよとか、今日はこれを食べてこんな感じだったよって連絡を取って、向こうがそれに合わせて料理を考えてくれました。疲れてくると今日何を食べたいと思っても作るのも面倒くさかったりするんですが、レンチンで出来るのでラクだったのも良かったと思います。食べずに減量するのではなく、食べながら減量できたので気がラクでした」
――「過去最高の前澤のARTを見てください」と宣言しました。
「MMAを始めた時に、何でMMAって言うんだろうって調べた時に、最後のAがARTだと知って凄く感動したんですよ。それをずっと今まで胸に生きてきて。確かにそうだなと。例えば、ホッケーが“氷上の格闘技”と言われたり、水球が“水中の格闘技”と言われたりするじゃないですか。だから、格闘技って全部の中心だって私は思っているんですよね。それのARTだと。凄いぐっと来たというか。私もARTな魅せ方を試合でしたいなと思っていて。魅せようとばかりして技術が伴っていないのはもちろんダメなので、技術は金原代表の元で磨いてきたと思いますし、あとはそれを青野ちゃんに全部ぶつけて、いい終わり方をしたいと思います」