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【RIZIN】朝倉海「RIZINの社長にも『僕はUFCでチャンピオンになりたいので、時が来たら行かせてください』と言っています」

2020/10/28 13:10
 2020年大晦日に堀口恭司(ATT)との再戦を控えるRIZINバンタム級王者・朝倉海(トライフォース)が、自身が出稽古に通う和術慧舟會HEARTSの大沢ケンジ代表のYouTubeチャンネルに出演。BIGジョーとの相撲対決後、あらためて、海外UFC、Bellatorへの挑戦を語った。  8月に扇久保博正、9月に昇侍をいずれも1R TKOに下した海。開口一番「打撃のレベルが凄い」と海の成長を讃えた大沢は、2019年8月の堀口恭司との前戦に触れ、「海が勝ったのは『偶然じゃないか』と思っていた人もいたと思う」と、当初はその実力に懐疑的な意見もあったことを伝えた。  海は、「僕は(堀口戦の)試合前から自信があった。作戦が何個もあって、それがハマると思ってたし、右のカウンターの作戦があったから(勝負に)行けた。でも今は、その頃よりも全部のレベルが上がっている」と、さらなる進化を遂げているとし、「堀口選手はいまRIZINにいる選手の中でもぶっちぎりに強い。甘くはないと思っています。自信はありますけど。余裕で勝てる相手ではない」と、その強さを認めながらも、再戦に自信があることを語った。  その進化の内容について、海は「ボクシング技術の向上」「フェイントや蹴りによる散らし」「位置取り」を挙げている。  1年前の大晦日のマネル・ケイプ戦は「(メインイベントのプレッシャーで早く決めに行こうとし過ぎてた?)それがちょっとあったのと、作戦ミスがあった。普通に組んで散らしていけば勝てたと思いますが、過信していた部分があって雑になっていました。それにボクシング技術が足りていなかった。あそこからすごく改善できました」と、内山高志のジムでボクシング技術の見直しと、MMAの組みの融合に取り組んできたことを明かす。  その後の扇久保戦、昇侍戦での連続TKO勝ちは、「もらわなくなりました。無駄打ちをしなくなった。以前は意味のない攻撃を結構出していて、被弾したり、打ち終わりにももらっていた。今はすべての騙し・散らしが出来るようになりました。散らしまくるんで」と、フェイントや攻撃の幅が広がったことで、「すべての攻撃に意味をもたせて組み立てられるようになりました。自分から圧力をかけることも出来るし、引き込んでカウンターを取ることも出来る。相手に応じて戦い方を変えることが出来るようになりました」と、対戦相手に合わせた「攻防」のなかで“待つ”ことも可能とし、理詰めで戦えるようになったという。  本誌の取材で既報通り、豊橋から上京し、大沢代表のジムに出稽古に来た時点では、「根性とパワーだけだった」と振り返る海だが、大沢は「もともとスピードがあった。そして吸収が早い」と、持ち前のスピードと、格闘技に対する理解度の速さが、海の急激な進化のもとになっていると語る。  そして戦いを制する鍵となる「距離とタイミング」を掴んだこと。「相手の攻撃は当たらず、自分だけが当てる」距離で、MMAならではの「フェイント」を織り交ぜ、試合を支配する。それを海は「状況を作る」と表現した。 「位置取りですね。“ここにいたら危ない”“ここに居られたら嫌だろうな”とか、そういう距離感も掴みました。(足も)止めないですね。横・前後、相手が追ってくる頃には打ち始めています。振らせて相手が見て入ってきた瞬間には(こちらが)打ち始めている状況を作りたい」と、試合をコントロールする術を語る。  さらに、「フェイントもかけまくっている。画面上で横から見ている人にはそんなに分からないかもしれませんが、目の前に立っている相手には訳が分からないくらいフェイントをかけている。何が来るか分からない状況を作っています」と明かす。 ほんとうの意味で日本の格闘技を盛り上げるのは、世界でチャンピオンになること  これらの進化にも海は「全然、満足していない」という。さらなる高みを目標に設定しているためだ。 「大晦日後」を問われた海は、「UFCのチャンピオン? 狙っています」と答え、北米WEC参戦経験を持つ大沢に「めっちゃ嬉しい。悲願」と、顔をほころばせている。 「RIZINの(榊原信行)社長にも『僕はUFCでチャンピオンになりたいので、時が来たら行かせてください』と言っています」と明かした海は、UFCとBellatorでベルトを持つ王者についても語った。  現UFC世界バンタム級王者のピョートル・ヤンについては、「強いとは思いますけど、相性はいいと思います。勝てなくはないと思って。こういうことを言うと叩かれるかもしれませんが、本心で思っています。普通にやってみたいですね。どんくらい強いのか」と、組み・打撃のすべてでウェルラウンダーであるヤンの強さを肌で感じてみたいとした。  また、現Bellator世界バンタム級王者のフアン・アーチュレッタについても、「アーチュレッタもやりたいですね。向こうも『戦いたい』と言ってきてくれているので。もし大晦日クリア出来たら、挑戦したいですね」と相思相愛であるとし、堀口戦後の海外挑戦のプランを語った。  現在、UFCバンタム級では、王者のピョートル・ヤンに続き、トップ5は、  1位 アルジャメイン・スターリング(12月12日にピョートル・ヤンに挑戦) 2位 コリー・サンドハーゲン(6月にスターリングに一本負け、10月にモラエスにKO勝ち) 3位 マルロン・モラエス(10月にサンドハーゲンにKO負け) 4位 コーディ・ガーブラント(11月にフライ級王者フィゲレードと対戦予定もキャンセル) 5位 フランキー・エドガー(8月にペドロ・ムニョスに判定勝ち)  といった状況だ。なかでも海は、現4位のコーディ・ガーブラントに興味があるという。「相性いいと思います。やってみたいですね。バチバチですね。スリリングでむちゃくちゃ面白い試合になると思います」と、打撃戦での相性の良さを語る。 (C)Jeff Bottari/Zuffa LLC 「そこに食い込んで行きたい。UFCのトップに。最初からそこを目指している。意識しているのはずっとそこ。RIZINのチャンピオンになりましたけど、全然、そこがゴールだとは思っていない。全然、満足していない。こっからだろうと」と、世界最高峰に挑むことを目指している海は、その目的が、日本に格闘技を根付かせることにあるという。 「日本人がUFCで勝てないじゃないですか。だから勝ちたい。今までUFCで日本人のチャンピオンがいないですよね。そこを目指したい。ほんとうの意味で日本の格闘技を盛り上げるのは、世界でチャンピオンになること」と、日本人初のUFC世界王者になることが、日本で格闘技をメジャーにすることに繋がるとした。  1993年10月31日生まれ。もうすぐ27歳になる海に大沢は「怪我しない限り、確実に今からピークを迎える朝倉海にほんとうに挑戦してもらいたい」と“世界一”の誕生に期待を寄せた。  動画では、朝倉海と大沢ケンジの対談のほか、193cm、180kgのBIGジョーと海が「本気で相撲対決」をしている姿も映し出されている。まわしを締めた海(試合時61kg)は、BIGジョーといかに戦ったか。海のバックボーンのひとつである相撲の動きにも注目だ。
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