キックボクシング
インタビュー

【REBELS】引退カウントダウンの北川“ハチマキ”和裕「負け続けても応援してくれた人たちの前で、燃え尽きる覚悟で戦って、勝つ姿を見せます」

2020/10/26 14:10
【REBELS】引退カウントダウンの北川“ハチマキ”和裕「負け続けても応援してくれた人たちの前で、燃え尽きる覚悟で戦って、勝つ姿を見せます」

引退カウントダウンマッチとしてREBELSのリングに上がる北川ハチマキ

 2020年11月8日(日)東京・後楽園ホール『REBELS.67』の第7試合64.0kg契約3分3R延長1RのREDルール(ヒジ打ちあり)で、REBELS-RED ライト級王者・良太郎(池袋BLUE DOG GYM)と対戦する元REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級&ライト級王者・北川“ハチマキ”和裕(PHOENIX)のインタビューが、主催者を通じて届いた。

 北川は1986年6月19日、埼玉県さいたま市出身の34歳。高校時代にボクシングを経験し、法政大学2年の時にPHOENIXに入門。2007年にハチマキのリングネームでプロデビューした。2013年7月『REBELS.17』でREBELS-MUAYTHAIライト級王座決定戦に勝利して初代王者に。2015年1月には『REBELS.33』でREBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王座決定戦に勝利して初代王者となり、2階級制覇を達成した。2018年8月、病から1年9カ月ぶりの復帰を果たすとリングネームを北川“ハチマキ”和裕に改名。

 今年6月のNKBで引退試合をする予定が、コロナ禍により中止。来年に延期されたことで、北川が愛し、北川が愛されたREBELSでの「REBELSラストマッチ」が実現。かつて北川が巻いたREBELS-MUAYTHAIライト級の現王者、良太郎(池袋BLUEDOG GYM)と対戦する。戦績は37戦16勝(2KO)17敗4敗。身長175㎝。

 REBELSを初期から盛り上げた北川に聞いた。題して「REBELSと私」。

「弱者」が戦えるヒジありルールで華のあるREBELSはありがたかった

 ハチマキは、REBELSを愛し、REBELSファンに愛された「REBELSの申し子」。今年6月の引退試合がコロナ禍で中止となり「REBELSラストマッチ」が実現したのは必然だったのかもしれない。

「不思議ですよね。『辞める前にもう一度REBELSで試合したい』という気持ちはありましたけど、やれると思ってなかったですし、デビュー前から憧れてた全日本キックの、立役者の宮田(充)さんがREBELSのプロデューサーになって本部席にいる。これが運命だったのかな、って」


 ハチマキの所属するPHOENIXは特定の団体に所属しないフリーのジム。フリーは、どこのリングにも上がれる反面、どこからも声が掛からなければ試合の機会はない。そのため、実力の見合う相手とコンスタントに試合して経験を積み、力を付けていく「新人育成」が団体所属選手に比べて難しい。
 ハチマキも、新人時代にフリージムの苦労と悲哀を味わった。

「僕は10戦目まで全部違うイベントに出ているんです。無名の新人で試合も地味なので、1度出ても『次もウチで』とならなかったです(苦笑)。それで転々と、いろんなイベントに出ました」

 様々なイベントでヒジありもヒジなしも経験して、ハチマキは自分の適性が「ヒジありのキックボクシング」であることを知った。


「RISEに出て『やっぱり首相撲があって、ヒジもあるルールの方が自分に向いてる』と思ったんです。僕は特別にムエタイが上手いわけではないですけど、選択肢のある方が『弱者』も戦える。相手が首相撲が出来なければ首相撲で行くし、パンチが出来なければパンチで行く。選択の幅がヒジありの方が広いです。
 3Rで組みのないルールだと、瞬発力とか打ち合いに強い選手が有利です。採点傾向もパンチの方が印象が強くて、ガードしてもパパっとパンチをまとめられると相手にポイントを取られてしまう。
 そういう意味でもヒジありなら弱者が戦えます。このルールで強い選手には失礼かもしれないけど、僕がここまで戦ってこれたのはこのルールだからだと思います」

 当時、キック界は「ヒジなしルール」が主流になっていた。

「K-1 MAXがあって、RISEがあって、Krushが出来て、全日本キックが無くなってしまって。キック界が『K-1風』にヒジなしルール主流になる中で『反逆して、従来のキックボクシングをやる』というコンセプトが『REBELS(反逆者)』だと僕はとらえてました。
 REBELSの旗揚げ戦(2010年1月23日)で梅ちゃん(梅野源治)が『日本対タイ、5対5マッチ』に出て『こんなタイ人みたいな戦い方でタイ人に勝てる日本人がいるんだ』ってブレイクしたんですけど、僕は5対5マッチが『全日本キックっぽいな』と思いましたし(笑)、イベントを見て『いい感じになっていきそう』っていう雰囲気を感じました。


 途中でSHOWTIMEと一緒にやったり、従来のキックボクシングルールが『REBELS-MUAYTHAIルール』になって『あれ?』と思ったんですけど(苦笑)。やっぱりムエタイというより『従来のキックボクシングルール』、首相撲もヒジもある昔の全日本キックにファンの頃から憧れもあって『従来のキックボクシングルールで華のあるイベント』のREBELSはありがたいイベントだと思ったんです」

 同門の梅野源治が凄まじいスピードで上り詰めるのを横目に、ハチマキは新人育成が目的の「REBELS-EX」に出場して2連勝。晴れてREBELS本戦の常連となった。

 2013年7月の『REBELS.17』でREBELS-MUAYTHAIライト級王座決定戦に勝利してプロ初のタイトルを獲得。2015年1月の『REBELS.33』でREBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王座決定戦に勝利して初代王者となり2階級制覇を達成。
 当時、ハチマキは「もっとREBELSを盛り上げたい」という気持ちで燃えていた。


(写真)2013年7月のREBELS-MUAYTHAIライト級王座初戴冠

「客観的に見て『勢いのある団体』と思われてたとは思うんですけど、当時はKrushがめちゃめちゃ盛り上がっていたんです。何とかKrushに負けないように盛り上げたいと思ってた時、山口さん(山口代表)は新しいことにチャレンジするんですよね。『IKG(イケてない格闘家グループ)』だったり、YouTubeの『REBELS TV』だったり」

 IKGは日菜太、町田光、ハチマキの3選手で結成。個性派キックボクサーのキャラクターに着目し、トークをYouTubeチャンネルで配信した。
「他の団体はどこもやってなくて、YouTube配信はKrushより早かったんです。
 自分っていう選手を格闘技ファンに浸透させてくれたのがREBELSです。他の団体でチャンピオンになってそこそこの結果を出しても、いまだにこんなにたくさんの人に応援されてないと思いますし。6月のNKBで引退してたはずが、今回『REBELSに出る』と発表したらみんなすごく喜んでくれて。それはREBELSだったからこそだと思うし、REBELSでよかったと思います」

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