2020年10月17日(土)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.118』の一夜明け会見が、18日(日)都内にて行われた。
メインイベント(第10試合)のスーパー・ライト級3分3R延長1Rで、中野滉太(POWER OF DREAM)を判定3-0(29-28×2、30-28)に下したKrushスーパー・ライト級王者の佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が出席。前夜の試合を振り返った。
「昨日のリング上での攻防は凄く楽しく幸せな時間でした。試合をしてまた課題が見えた、感じた部分があるので、より準備できるなって時間を過ごしました」と、満足そうな表情。
当初、この試合はタイトル防衛戦として行われるはずだったが、中野が前日計量で契約体重-65.0kgから1.5kgオーバーでクリアすることができずノンタイトル戦に変更された。
「試合をやることには変わりなかったので、こういうこともあるんだなと。一昔前の自分なら飲まれていたと思う。体重面でも1~2kgは大きい差があるなって。でも、目指しているセンチャイ(近代ムエタイの最高傑作と言われるムエタイ選手)は上の階級の人でもいなせるくらいの強さを見せるので、僕もそれを目指しているので改めてセンチャイの凄さを感じましたね」
モチベーションが下がることもなく「気持ち的には変わらずでした。むしろ、よりしっかり身が引き締まりましたね。また違う緊張感がずしっと来ました。公開練習の時に『終わり良ければ総て良し』と言いましたが、それをしっかり見せないとなって感じでした」と、メインの役割を果たすとの使命感が強まったという。
対戦した中野については「一言で言うと強かったです。駆け引きの部分ですとか、やろうとしていることもさせてもらえず、頭をフル回転させる感じでやっていました」と、中野が試合前に予告していたように頭脳戦になったと言い、「楽しくて、中野選手もそういう表情を見せてくれて、僕も凄く楽しめた。自然と表情で表現できたと思います」と、お互いに楽しんだ試合だったとする。
同じ体重でのタイトルマッチとしての再戦は、との質問には「同じ体重でいつかまたって気持ちはありますが、こういうことはあってはならないことなので。自分ももしかしたらまだ戦っていくので、そういった過酷な状況にならないとは言えないので身が引き締まる想いでしたね。他人事じゃないなって。自分を戒めるいい経験でした。それを胸に高みを目指していきたいと思います」と、またいつかと思うと同時に自分への戒めにもなったと答えた。
試合後のマイクは「苦手なので空回りしましたね。まあ、皆さんがそれぞれ感じてもらえれば」と詳しくは言わなかったが、試合後のコメントでは「ルールがあってどの選手も必死に練習も日常も過ごして、お客さんもタイトルマッチを楽しみにしていたと思うので(中野は)プロとしてよくなかったと思います。古川会長も覚悟を持って中野選手を指導されていると思うし、選手はそういう会長の覚悟や期待に応えられるようにしなきゃいけない。自分自身も改めて思いました」と説明している。
次に関しては「12月にK-1の両国国技館大会が決まっているので、運よく怪我もないのでもうひとつ、K-1のスケールの中で佐々木大蔵の、昨日はどういうアートが表現されたか分かりませんが、K-1という大会で佐々木大蔵のアートを見せたいなと思っています」と、12月13日(日)東京・両国国技館で開催される『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN』への参戦をアピール。
これを受けて中村拓己K-1プロデューサーは「年内の大会と年明け以降のマッチメイクをしているところで、両国に出たいとアピールしている選手も多いので佐々木選手やKRESTさんと話して次の試合を考えていきたいと思います。佐々木選手は試合をする、戦うことにポジティブな王者ですが、そこは相手もいるので調整して考えていきたいです」と調整していきたいと答えた。
最後に佐々木は「さらにもっともっと強くなって行けるとの自分の想いがあるので、目指すはセンチャイ。センチャイを超えることを目指していきたいと思います」と、ムエタイの生ける伝説を超えるような選手になりたいと語った。