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レポート

【ONE】ムエタイ世界王座戦はサムエーがトナーを圧倒TKO、マクラーレンがトイヴォネンをKO!

2020/10/09 22:10
 2020年10月9日、ONE Championshipが本拠地「シンガポール」にて無観客&ライブ配信の大会を再開。メインイベントでONEストロー級ムエタイ世界タイトルマッチ、コーメインイベントでは、ONEフライ級トップコンテンダー同士の対戦が行われた。  ▼ONEストロー級(56.7kg)ムエタイ世界タイトルマッチ 3分5R〇サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)王者[2R 2分30秒 TKO] ※レフェリーストップ×ジョシュ・トナー(豪州)挑戦者  サムエーはルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級とスーパーフライ級の2階級、プロムエタイ協会ではスーパーバンタム級・スーパーフライ級・フェザー級の3階級を制覇した実績を持つムエタイレジェンド。  ONE最初のムエタイの試合を戦ったサムエーは、ONEフライ級ムエタイ世界王者にもなったが、2019年5月にジョナサン・ハガティに判定負け後、10月にストロー級転向。ダレン・ローランドにKO勝ちすると、12月にはワン・ジュングァンに判定勝ちし、新設されたONEキックボクシング世界ストロー級王者となった。さらに2020年2月、ロッキー・オグデンを破りムエタイ世界同級王座も獲得して二冠王となっている。戦績は369勝47敗9分。  トナーは元ISKA世界フェザー級王者。2016年11月のK-1 WORLD GP初代フェザー級王座決定トーナメント1回戦で小澤海斗に1R KO負け後、ONEに参戦。2018年7月にペッダムに2R KO負けも10月にはジョセフ・ラシリに判定勝ち。2019年1月のONEでは秋元皓貴に判定負けも、秋元の左ミドルに右フックを合わせてダウンを奪っている。さらに2019年7月には森本“狂犬”義久と対戦し、判定勝ちを収めているなど日本人選手との対戦が多い。そして2020年2月には日本での寺戸伸近との大激闘が記憶に残るアンディ・ハウソンをKOしている。戦績は35勝17敗。  1R、サウスポーのサムエーはジャブ、前蹴りでまずは様子見。トナーが蹴って来ると蹴り足をキャッチして左ミドルを蹴る。トナーは頻繁に左右に構えをスイッチし、前へ出ていくがサムエーは左ローを狙い撃ち。  2Rもサムエーは左ローを狙い撃ち、トナーが組み付くとすかさずヒジを打ち込み、首相撲でコカす。再開後、サムエーがトナーの左前蹴りをキャッチしての左ストレートでダウンを奪う。左ロー、左ハイ、さらに左ハイとパンチの連打で畳み込むサムエー。軸足払いでコカすとこれにダウンカウントが入る。左ハイ、左ヒジ、左ミドル、左ローと圧倒的な攻めを見せるサムエー。そして左ローからの左ストレートでトナーが仰向けに倒れ、レフェリーがストップ。サムエーが一方的な勝利で防衛を果たした。 [nextpage] ▼ONEフライ級(※61.2kg)○リース・マクラーレン(豪州)[1R 4分18秒 KO] ※右ヒザ蹴り×アレクシ・トイヴォネン(フィンランド)  コーメインイベントは、欧州グラップリング王者に3度輝いたアレクシ・トイヴォネン(フィンランド)が無敗キープをかけて、公式ランキング・フライ級5位で元世界タイトルマッチ挑戦者のリース・マクラーレン(豪州)と激突する。  マクラーレンは、ONEでアナトポン・ブンラッド、ジアニ・スッバ、和田竜光に3連勝後、カイラット・アクメトフに判定負け、ダニー・キンガドにもスプリット判定で敗れたが、2019年12月にグルダージャン・マンガットにリアネイキドチョークで一本勝ちし、再起を遂げている。  対するトイヴォネンは、2019年7月のONEデビュー戦で藤沢彰博に1R リアネイキドチョークで一本勝ち。MMA7勝無敗をマーク中だ。両者ともパワフルな打撃を有するサブミッションの達人でもある。  1R、ともにオーソドックス構え。右のカーフキック、さらに左ハイを狙うマクラーレン。トイヴォネンの組みに左で差すマクラーレンが崩しに行くが、トイヴォネンは突き放す。左から右アッパーはマクラーレンもかわすトイヴォネン。  スイッチするトイヴォネンは右ミドル。マクラーレンも右ストレートを返すが、トイヴォネンは右のカーフキック! しかしマクラーレンも右のカーフ! 両者ともに前足が流れる。  金網に詰めて左からショートの右ストレートを当てるマクラーレン! 右ストレートに反応が遅れるトイヴォネン。マクラーレンはさらに左ボディを当てて追うと、トイヴォネンはサークリング。そこを左右に追って詰めたマクラーレンは、左から右ストレート! トイヴォネンの左の返しを避けて組みつくと両脇を差し上げられる。  両脇を差し上げられながらも右に置いていた頭をトイヴォネンの首の左に置き変えて着けたマクラーレンは同時に右腕をトイヴォネンの首後ろで抱き、首相撲で引き寄せながら空いたボディに右のヒザ蹴り! この1発でトイヴォネンが「ウオッ」とうめき声とともに腹を押さえて倒れ、マクラーレンのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼ライト級(※77.1kg)○アミール・カーン(シンガポール)[1R 4分47秒 TKO] ※パウンド×ラウル・ラジュ(インド)  ONE Championship史上最多KO数でライト級王者のクリスチャン・リーと並ぶアミール・カーン(シンガポール)が久々に登場し、9つ目のノックアウト勝利を目指して、インドのライト級スター、ラウル・ラジュ(インド)と対戦。ラジュは過去2戦、リアネイキドチョークで一本勝ちを挙げている急上昇中の選手だ。  1R、ともにオーソドックス構え。右ローをカーフに突くカーン。その打ち終わりにラジュから組んで行き左を差すが、切るカーンは左ハイ、左ミドル。  詰めるラジュはハイクラッチのシングルレッグでテイクダウン。カーンの立ち際にスタンドバックに回る。カーンは正対。  ダブルレッグでテイクダウンを奪うラジュだが、立ち上がるカーンは金網背に左手でラジュの頭を手前に引いて崩すと右に回りながら右ヒジ! ダウンしたラジュにカーンがパウンド連打し、試合を決めた。  カーンは2月の江藤公洋戦でのRNCでの一本負けから再起のTKO勝ち。 [nextpage] ▼キャッチウェイト 63.5kg○エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)[1R 2分29秒 アメリカーナ]×ムルガン・シルブラージョ(マレーシア)  アミール・カーンと同ジム「Evolve MMA」所属でインドネシア・レスリング王者のエコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)が、ONEデビューとなるムルガン・シルブラージョ(マレーシア)と対戦。  エコロニの左右の打撃に下を向いてしまうシルブラージョ。サプトラはヒジを当て金網に詰めてダブルレッグテイクダウンからサイドを奪うと、シルブラージョの右腕を両足で挟んでアメリカーナを極めた。実力差の感じられるマッチメークだったが、サプトラはONE3連勝をマーク。 [nextpage] ▼ストロー級(※56.7kg)○ハシガトゥ(中国)[判定2-1]×デェダムロン・ソー・アミュアイシルチョーク(タイ)  初代ONEストロー級世界王者のデェダムロン・ソー・アミュアイシルチョーク(タイ)が2015年にCMPCファイター・オブ・ザ・イヤーを獲得したハシガトゥ(中国)と対戦。  遠い間合いでデェダムロンの打撃を避けるハシガトゥは、飛び込んでの右フックを当てる。ローキックを当てて前に出てくるデェダムロンにカウンターのテイクダウンを決めたハシガトゥがスプリット判定勝ちで3連勝をマークした。 [nextpage] ▼フライ級(※61.2kg)○ロシャン・マイナム(インド)[2R 2分22秒 リアネイキドチョーク]×リュウ・ペンシュアイ(中国)  オープニングマッチでは、インド・レスリング王者のロシャン・マイナム(インド)がONEデビュー2連勝をかけてONE合肥フライ級トーナメント王者リュウ・ペンシュアイ(中国)と対戦。 マイナムがダブルレッグテイクダウンからパスガード、マウント&パウンド。背中を向けたペンシュアイにリアネイキドチョークを極めた。  インドSFL出身のマイナムはONE2連勝をマーク。
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