ムエタイ
レポート

【BOM】竜哉が蹴り合いで勝利してRIZIN参戦アピール、名高は圧巻のノーダメージKO勝ち

2020/10/04 21:10
「BOM~The Battle Of MuayThai~BOM WAVE02 -Get Over The COVID-19-」2020年10月4日(日)会場非公開 ▼メインイベント BOM -50kg契約 3分5R〇竜哉・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム)判定3-0 ※49-47、49-47、50-47×リュウノスケ・ウォー・ワンチャイ(ウォー・ワンチャイ・プロモーション)※リュウノスケは前日計量で700グラムオーバーしたが、竜哉が減点を望まなかったため通常通りに行われた。  竜哉は小学4年生でムエタイを始め、アマチュア時代は約100戦を経験して9本のベルトを巻いた。中1の時にタイでプロデビューを飾り、タイで試合(約20戦)・練習経験を積んで2018年4月に満を持して国内プロデビュー。いきなりWMC世界ピン級王座を獲得して世界王者となった。  2019年7月にはタイでIBFムエタイ世界ミニフライ級王座決定戦を制して日本人3人目のIBFムエタイ世界王者となり、9月には同じくタイ・ラジャダムナンスタジアムにて日本人として8人目のラジャダムナンスタジアム王者に。凱旋試合となった12月のWPMF世界ライトフライ級王座決定戦では判定2-0で惜敗したが、今年2月にKO勝ちでWPMF世界ミニフライ級王座を獲得した。  対するリュウノスケはジュニア時代からタイでの試合経験を積み、ムエタイ経験は11年。ラジャダムナンスタジアムでも試合を行う和製ムエタイ戦士。  1R、竜哉は右カーフキックを狙い撃ち。さらに左ローも踏み込んで蹴る。右ストレートもヒット。リュウノスケは右ハイ、右ローを繰り出すが、竜哉がかわす。終盤ロープを背負ったリュウノスケは左ミドルを2発蹴ったが、ほとんど技を出すことなく1Rを終えた。  2R、竜哉は右ローから左フックをクリーンヒット。1Rは2人ともほとんど動かなかったが、このラウンドは竜哉が前へ出ていく。竜也が右ミドル、左右ロー、リュウノスケが右ミドルを蹴ると必ずキャッチしての嫌がらせ。前に詰める竜哉をリュウノスケは前蹴りで押し戻し、右ミドルをヒットさせた。 3R、右でローとミドルを蹴っていく竜哉。リュウノスケはキャッチして軸足を払おうとしたが竜哉がかわす。リュウノスケは右ローが効いたかサウスポーに構えを変え、左ミドルのカウンターを狙う。竜哉の左ミドルでオーソドックスに構えを戻したリュウノスケに竜哉は右ロー。リュウノスケは右ミドルで対抗し、お互いに“来いよ”と手招き。 4R、下がってカウンターを狙うリュウノスケに竜哉は蹴り込んでいく。ミドルとローの応酬が繰り広げられ、組むと竜哉が投げを見舞う。サウスポーのリュウノスケが左ミドル、竜哉は右ロー。リュウノスケは飛び二段蹴りを繰り出す。前に出て積極的に攻めるのは竜哉だが、リュウノスケは徹底してカウンター狙い。  5R、リュウノスケは両脇を差して竜哉を転倒させる。さらに左ミドル、左ローとここへ来て積極的に攻めていく。見ていた竜哉だが右ミドルをヒットさせると追い打ちの右ストレート。リュウノスケが組み付くと反転して転倒させる。最後は竜哉が流し気味に進めて試合終了。判定3-0で竜哉が勝利した。  竜哉はマイクを持つと「メインイベントなのにつまらない試合をしてすいません。リュウノスケ選手強かったです、ベストコンディションの時にもう一度やりましょう。年末RIZINに名高と出たいので、ムエタイの強さを名高と一緒に証明したいのでよろしくお願いします」と、年末のRIZIN参戦をアピールした。 [nextpage] ▼ダブルセミファイナル2 BOM -49kg契約 3分5R〇名高・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム)KO 2R 2分39秒 ※3ノックダウン×阿部秀虎(鷹虎ジム)  名高(吉成名高)は2018年12月、ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座を奪取し、日本人として7人目の同スタジアム王者になり、2019年4月15日にはルンピニースタジアム認定同級王座も獲得。日本人初のルンピニー王者になると同時に、ムエタイの2大殿堂であるルンピニーとラジャダムナンの王座を同時に保持した史上2人目の外国人(タイ人以外)選手となった。  また、2017年4月にWMC世界ピン級王座、2018年4月には日本人4人目の快挙となるWBCムエタイ世界タイトル(ミニフライ級)を獲得。さらに同年9月にはIBFムエタイ世界ミニフライ級王座もKOで獲得し、日本人初のIBFムエタイ世界王者となっている。2019年12月のBOMではBOMフライ級初代王座決定トーナメントを圧倒的な強さで制した。  1R、サウスポーの名高が左ミドルで先制。阿部は右ミドルと右ローで対抗するが、名高は左ミドルをバンバンと蹴っていく。強い左ローも蹴り、後半は鋭いテンカオを前へ出ながら何度も突き刺していった。  2R、右ヒザから組み付いた名高はすかさず左ヒジを見舞ってダウンを奪う。名高は左ミドルを蹴り、阿部が放ってくるパンチを寸前でかわす。飛び込んでのテンカオをグサリと突き刺し、もう一発テンカオでダウンを追加。そして左テンカオから右ヒジを振り抜き、3度目のダウンを奪って圧巻のKO勝ちを飾った。  名高はマイクを持つと「前回8月9日にRIZINに出場してKOで勝つことが出来ました。僕の目標はムエタイがもっと日本に普及して人気が出て欲しいと思っています。これから僕がムエタイの代表としてムエタイの強さを見せて、世間に関心を持たせたいと思います」と、ムエタイを日本で広めていきたいとアピールした。 ▼ダブルセミファイナル1 BOMバンタム級王座決定トーナメント1回戦 3分5R〇カイト・ウォー・ワンチャイ(ウォー・ワンチャイ・プロモーション)TKO 3R 1分26秒 ※レフェリーストップ×ユット ZERO(ZERO)  カイト(福田海斗)はタイで活躍を続ける日本人選手。中学1年生でタイにてプロデビューし、タイで試合を重ねてルンピニーとラジャダムナンのランキングに何度も名を連ねる。2015年3月、WPMF世界フライ級王座獲得。同年11月には藤原敏男以来となる、日本人2人目のルンピニー&ラジャダムナン2大殿堂同時ランクインを果たし、12月にはタイ国プロムエタイ協会フライ級王座も獲得。同年の最優秀外国人選手に選ばれた。  2018年9月にTrue4Uスーパーフライ級王座を獲得、2019年10月には日本の『Suk Wanchai MuayThai Super Fight vol.6』でルンピニースタジアム認定スーパーフライ級王者ルンナライをKO撃破し、True4Uバンタム級王座を奪取するなど、本場タイのムエタイで最も活躍する日本人選手として知られる。日本での試合は2019年10月以来で、関東での試合は実に2016年7月以来となる。  対するユットはキックボクシングジムZEROのタイ人トレーナー。2019年2月の『BOM』に出場し、加藤有吾にKO負けを喫している。  1R、カイトは強い右ローを蹴り、ロープを背負ったユットにワンツー・左フック。何度かパンチをまとめて打ち、ニヤリと笑みを浮かべる。ユットは様子見か。  2R、ユットの右ミドルをキャッチして左ヒザを突き上げ、ヒジへつなげるカイト。さらに蹴り足をキャッチして軸足を払い、ユットを大きく宙に舞わせる。ユットは左右に構えをスイッチし、飛び込んでの右を放つがカイトは動じず、パンチでボディを攻めていく。ユットも右フックをヒットさせ、前に出てくるカイトへ左右のヒジを見舞う。  3R、首相撲でのヒザの蹴り合いからカイトが右ヒジでカットに成功。流血でドクターチェックが入る。再開後、組んでの右ヒジ、叩きつけるような右ヒジ、そして右フックとカイトは笑いながら傷口を矢継ぎ早に狙う。ユットは防戦一方となり、流血が酷くなったことでレフェリーが試合をストップした。  カイトはマイクを持つと「このような状況の中、試合を組んで下さいました皆様に感謝します。鬱憤が溜まる日々が続いていますが僕ら格闘家も頑張っています。なので僕ら格闘家の試合を見て気晴らしになったらいいなと思います」とメッセージを送った。 [nextpage] ▼第8試合 ムエサイアムミドル級王座決定戦 3分5R△柿沼 慶(ポゴナクラブ/BOM スーパーウェルター級王者)ドロー 判定1-0 ※49-49、50-49、49-49△プーパンレック(タイ/WMCインターコンチネンタル・ミドル級王者)※王座は主催者預かり。  柿沼はスーパーウェルター級らしい強打を武器とする選手で、2018年12月にWMC日本同級王座を獲得すると、翌2019年4月には同インターコンチネンタル王座も獲得。同年12月には初回KO勝ちでBOM スーパーウェルター級初代王座に就き、2月に念願のIBFムエタイ世界スーパーウェルター級王者決定戦に臨んだが、古豪レック・エイワスポーツジムにTKOで敗れ世界王座奪取ならず。WMCインターコンチネンタル王者のプーパンレックを相手に再起戦に臨む。 1Rはローの蹴り合い。柿沼は時折左右フックを放つが、プーパンレックはガードが堅い。ならばと柿沼は左ボディを打つ。  2Rもロープを背負って戦うプーパンレックに柿沼は左ボディを2連打。プーパンレックはジャブ、右ストレート、右ミドルを軽く当てに行く。  3R、序盤は右ミドルで快音を響かせたプーパンレックだが、柿沼の左フック、右ストレート、ワンツーを浴びて頭が大きく揺れ動く。柿沼のパンチがプーパンレックを捉える場面が一気に増え、プーパンレックは鼻血を出す。  4R、プーパンレックはのらりくらりと動き、ジャブ、右ストレート、左右ミドルで柿沼を警戒させるが、柿沼は手数は少なめも左フック、左右の連打をヒットさせていく。  5R、柿沼の左フックにプーパンレックは右ミドルを蹴って組み付きヒザ蹴り。口を大きく開けてバテ気味のプーパンレックだが、柿沼のパンチをかわしてジャブを突く。最後までのらりくらりとかわしたプーパンレックを柿沼は捉えきれず、判定はドローとなった。 ▼第7試合 WMCウェルター級 3分5R〇栄基(エイワスポーツジム)KO 4R 1分47秒 ※前蹴り×KAZU(GTジム/蒼天塾/WMC 日本ウェルター級王者)※KAZUが前日計量で100グラムオーバーしたが、栄基が試合を了承し減点を望まなかったため通常通りに行われた。  栄基はWMC日本タイトルで2階級制覇。今年は世界を目指す予定だったが、コロナの影響でかなわず今回は1階級上の王者と対戦する。KAZUは昨年12月にWMC日本ウェルター級王者となった。12月に予定されているBOMウェルター級王座決定トーナメント出場を狙う両者の対戦となった。 1R、サウスポーのKAZUは左右ロー、栄基は左手を伸ばしてけん制しつつ右ミドルを蹴る。KAZUの左ストレートをもらう栄基だが、ジャブを返す。  2R、栄基が右ストレートをヒットさせた直後にKAZUの右フックで転倒するがこれはスリップ。KAZUが前へ出てパンチと首相撲からのヒザ。栄基はコカす。  3R、栄基の放った左ストレートがKAZUのガードの隙間を縫ってアゴにヒットし、ダウンを奪う。続いて組んできたKAZUに右ヒジを直撃させて栄基が2度目のダウンを追加。  4R、左ヒジでグラつかせた栄基が前へ出る。右ボディストレートを突き刺し、KAZUが右フックを放ってくるとカウンターの右ミドル。KAZUはうずくまって栄基のKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第6試合 WMC日本ミドル級 3分5R×J(TSK JAPAN/WMC日本ミドル級王者)判定0-3 ※48-49×2、47-50〇バス・レンジャージム(レンジャージム)  WMC世界王座を狙うJが元WMC世界王者のバスと対戦。 1R、ガードを上げて前へ出るバスに、Jはジャブを突いて右ストレート、右ヒジ。バスはノーガードで入り込んで挑発し、バックスピンエルボーを繰り出す。  2Rもガードを上げて前へ出るバスにJが右ストレート、右ヒジを見舞う展開だが、中盤を過ぎるとバスがジャブ、右ヒジ、右ミドルと攻め手を徐々に増やしていった。  3Rはジャブの突き合いからバスがノーガードで打ち合いに持ち込む。バスは右ヒジをヒットさせ、首相撲に持ち込むとヒザ蹴り。離れると左ミドルで快音を響かせる。  4Rが始まると同時に首相撲に持ち込んでヒザ蹴り、そしてコカすバス。離れると右ミドルを連続ヒット。左右ミドル、右ストレートとバスが完全にペースを握る。  5R、声を上げながらワンツーで前へ出るJにバスは左右フック。前足を払ってバランスを崩し、首相撲に持ち込んでヒザを蹴る。前に出るJの健闘空しく、バスが判定勝ちした。 ▼第5試合 WMC日本フライ級王座決定トーナメント1回戦 3分5R〇士門・P.Kセンチャイジム(P.Kセンチャイジム)判定3-0 ※50-44×2、50-45×誓(ZERO)  1R、士門は完全なムエタイスタイルで誓を首相撲で豪快にコカし、前蹴りで転倒させる。  2R、パンチで切り込む誓に士門は左フックで迎え撃ち、接近すると首相撲に持ち込んでのヒザ蹴り。離れると前蹴り、誓の右ミドルをスネでブロックして右ミドルハイを蹴り返す。  3R、右のパンチで切り込んでくる誓に士門はブロックして首相撲に捕まえてのヒザ蹴り連打。首相撲でコカし、誓の蹴り足をキャッチして転倒させるなど翻弄する。さらに右ヒジを狙い撃ちし、誓は左目上から流血。  4Rも士門は長いリーチからジャブを出し、誓がパンチで切り込んでくると首相撲に捕まえる。そしてヒジとヒザ。前足を引っかけるようにしてバランスを崩させるなどムエタイの技を全開させる士門。誓は思うように攻められず首を傾げる。  5Rが始まってすぐ、士門が不用意に左ミドルを蹴ったところに士門が右フックを合わせてダウンを奪う。ここからは流し気味の士門が誓のパンチをかわし、ブロックし、前足を払ったり首相撲でコカしたりする。  判定3-0で士門がパーフェクトな勝利を飾った。 [nextpage] ▼第4試合 WMC日本フライ級王座決定トーナメント1回戦 3分5R〇天馬(WSR西川口)判定3-0 ※49-48×3×タクト・ウォー・ワンチャイ(ウォー・ワンチャイプロモーション)※天馬が決勝へ進出。  1R、サウスポーの天馬は左ミドルと左ロー、タクトは左へ回り込みつつ天馬が蹴ってくるとパンチの連打や右ローを返す。両者とも1Rは様子見か、待ちの姿勢だった。  2Rも同様に天馬が左ミドルを蹴ればタクトが右ミドルを蹴り返すなど、天馬の攻撃を待ってタクトが返す展開。しかし中盤以降、天馬はタクトの右ミドルをスネでブロックする。  3Rはタクトが前へ出てパンチ中心に攻め込む。連打に天馬は組み付いて止める場面が増え、タクトの圧力に天馬が徐々に削られている様子。  4Rも前に出るタクトに天馬は左ストレート、前蹴り、スーパーマンパンチ、スーパーマンパンチのモーションでの飛びヒジ打ちなど先手を取る。タクトの右ミドルは天馬がしっかりとスネでブロック。  5R、タクトは右ストレートで天馬にロープを背負わせると右縦ヒジを打つ。前へ出て右ミドル、右ストレートで攻めるタクト。天馬はタクトの右ヒジをかわし、左ストレートを顔面とボディへ打って反撃。タクトの右ミドルはスネでブロックし、タクトに組み付いて動きを止める。  消極的に組み付く場面が目立った天馬だが、攻撃の適格性で上回り、判定3-0で勝利を収めた。 ▼第3試合 WMC日本スーパーバンタム級 3分3R×中村 空(尚武会)KO 1R 1分41秒 ※右ストレート〇森岡悠樹(北流会君津ジム)  序盤から力強い右を放つ森岡が右ローを蹴りつつ何度も右で森岡を脅かす。飛び込むようにして放った右ストレートでダウンを奪うと、続けて前蹴りで抵抗する中村に右クロス。この一発で中村がひっくり返り、森岡のKO勝ちとなった。 ▼第2試合 WMC日本フェザー級 3分3R〇瀬島 渉(エイワスポーツジム)KO 1R 1分49秒 ※右ストレート×古山和樹(北流会君津ジム)  右ストレートと右ヒジで開始から勢いよく攻めるのは瀬島。早くも側頭部をカットして古山はドクターチェックを受ける。その後も右ストレートで圧倒する瀬島が、右ハイでグラつかせての狙いすました右ストレート2連打でKOした。 ▼第1試合 BOM -48kg契約 3分3R×甲斐駿斗(エイワスポーツジム)判定1-2 ※30-29、29-30、28-29〇シンイチ・ウォー・ワンチャイ(ウォー・ワンチャイプロモーション)
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