2020年10月11日(日)神奈川・ぴあアリーナMM『RISE DEAD OR ALIVE 2020 YOKOHAMA』で、「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」に出場するRISEライト級王者・原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)が9月25日(金)大阪府内の自身のジムで公開練習を行った。
原口はミット打ちでパワフルなパンチに加えて後ろ廻し蹴りなど空手仕込みの蹴り技も披露し、調子の良さをうかがわせた。「自分のジムなのでやりたいことが出来ているし、誰にも気を遣わずに自分だけに集中してやっています」と、いい練習ができているようだ。
8月の『RIZIN』では大雅との再戦で初回KO勝ち。圧倒的強さを見せつけたのがまだ記憶に新しいが、「やっと作戦通りに体が動くようになったかなっていうのがありますね。練習でしてきたことをそのまま試合に出せたので、やっと試合に慣れてきたなっていうのがあります。試合経験とやっている対戦相手とか、自然に自信も付いていますし、試合する毎に動きもよくなっていて自然と良くなっている」と、経験を積んだことが大きいと振り返る。
特に今年から始めたウェイトトレーニングには力を入れていると言い、「記録は日に日に伸びています。ボディメイクのプロとやらせてもらって。本業の人に教えてもらったので一気に重量が上がりました。ベンチプレスで130kgですね。瞬発力が付いた感じがあります。重たいのを一発で上げるので、そのために体幹がしっかりしていないと上げられないから、それがパンチにもしっかりいけてます。大雅選手もほぼ一発で吹っ飛んだので」と、パンチ力アップにつながった。
「今回はパンチを磨いていますね。脱力して力を入れない、コンビネーションを磨いています。あとはいかに力が抜けるかですね。1回戦はあまり蹴ると足が痛くなるので、できるだけパンチ重視で。足が痛いのは嫌なので(笑)。王子には三日月蹴りをバーン行きたいのであまり使いたくないのはあります。1回戦はパンチ、決勝はパンチと蹴りでボコボコって感じですね」とのプランも。
1回戦で対戦するシュートボクシング日本ライト級王者で初代KNOCK OUT 64kg級王者の西岡蓮太(龍生塾)については、「印象は倒しに行く系のファイターではないので、僕の良いところを消してくると思う。お互いにいいところを消し合うタイプなので、対策はせずに自分を磨いている感じですね。勝ちに徹底しているというかスタミナがあるのでワンデー(トーナメント)に向いているんです。KNOCK OUTでも優勝しているので。危険は危険ですね。上手く戦われると負けちゃう可能性があるので難しいです。一番警戒しています」と、もう一方のブロックに位置する白鳥大珠(TEAM TEPPEN)と直樹(BRING IT ONパラエストラAKK)よりも警戒しているとする。
「蓮太君が一番強いと思っているんですよ。優勝候補は王子(白鳥)ですが、一番強いのは蓮太君なので王子を見ている暇はないかなって感じですね。僕らのブロック勝った方が優勝ちゃうかなって」と、この試合に勝った方が優勝すると自ら予想。
西岡とは同じ関西ということで面識があり「大雅選手とやる前に軽く練習をやったことがあり、同じ関西で頑張って行こうって仲間意識は多少ありました。『ゴング格闘技』(2020年5月号)で対談をして仲良くなって、その時に『いつかやろうね』って言ってたんですが、もうやるっていう(笑)。最悪です」と、こんなに早く対戦するとは思っていなかったという。しかし、「仕事なのでプロとして倒しに行きます。そこは全然大丈夫です」と、戦いに私情を挟むつもりはない。
また、RISE王者として「向こうは(ベルトを)2個持っているので、タイトル的には負けているので勢いで行きます。RISE王者の方が強い? そうですね、そうじゃなければ意味がないので」と、他団体の王者には負けられないと話す。
「できるだけ1回戦はダメージ少なく行きたいですね。決勝は骨折してもいいので全力でやりたいですけれど、1回戦でどう勝てるかだけに集中しています」と、1回戦をいかにノーダメージで勝つかということに重きを置いている。決勝では白鳥と直樹のどちらと戦いたいかとの質問に「もちろん王子ですね。RISEのファンのためにも、僕ら2人のためにもやりたいです」と白鳥との対戦を熱望。
以前から白鳥と会見やSNSで事あるごとにやり合っているが、なぜそこまで白鳥に敵意をむき出しにするのか。それを聞くと「男前が嫌いなので、僕。アンチ・イケメンなんですよ。モデルできへんようにしてやります。当面YouTubeも休止させたろかなって思っています」と、白鳥のイケメンぶりが鼻につくという。
「天心君がいなくてもRISEが行けるんだぞってところを見せていきたいですね。そのためには王子と決勝をしないとダメなので。RISEのためにも」と、那須川天心不在となるビッグマッチで、存在感を示したいとした。
原口はワンデートーナメントの経験が2度あり、1度目は2017年11月の「RISE DEAD OR ALIVE -57kg TOURNAMENT 2017」、2度目は2018年6月の「Road to RIZIN KICK Tournament」。しかし、「もう忘れたんですよ、あの感じ。(ワンマッチと)全然ちゃうんで。慣れてると言いたいですけれど、忘れているので慣れていません。分かりません。ワンデーと思うとしんどいので、一戦一戦を大切にすれば勝手に終わっているかなっていうのがあります」と、感覚的なものは忘れてしまったと苦笑する。
そして今回と同じ名称の「RISE DEAD OR ALIVE -57kg TOURNAMENT 2017」では、1回戦で当時シュートボクシング王者だったら内藤大樹に延長戦の末に敗れており、今回もシュートボクシング王者の西岡が1回戦の相手ということで因縁めいたものも感じる。それを聞くと原口は「演技悪いですよね。ヤバいですよね」とさらに苦笑した。
トーナメント後の目標については「国内にはもう正直やる相手がいないので、海外の人とやっていきたいですね。世界を見て」と、世界の強豪たちと戦っていきたいとする。
記者会見では500万円の賞金を「ボディメイクに使いたい」と言っていた原口に、改めて聞くと「ボディメイクっしょ。それが本音です。自分磨きに行きます」と、改めてボディメイクの資金にしたいとした。