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レポート

【DEEP】牛久が弥益をドミネートし新王者に! 大島はにっせー下し、女子王者に。中村が長倉を鮮烈KO、体重超過のKINGレイナ敗れる

2020/09/20 17:09
skyticket Presents DEEP 97 IMPACT 2020年9月20日(日)後楽園ホール開場17:30 開始18:00 ▼DEEPフェザー級タイトルマッチ 5分3R×弥益ドミネーター聡志(王者/team SOS)65.55kg[判定1-4] ※28-28マスト牛久、29-28弥益、28-29×3牛久〇牛久絢太郎(挑戦者/K-Clann)65.65kg※牛久が新王者に  今回のメインイベントのカードは、2020年5月6日の後楽園大会で一度は決定しながら、新型コロナウイルスの影響で中止となっていたもの。  弥益は2018年10月27日、再戦となる芦田崇宏を相手に判定5-0で勝利し、フェザー級王座を奪取。独特のステップから放たれる様々な距離の打撃に、離れ際のサッカーキック、さらにグラウンドでのドミネイトと、新たな進化も見せての完勝劇で7連勝を決め、2019年5月大会でDJ.taikiに2R TKO勝ちで初防衛に成功。今回が2度目の防衛戦となる。  対する牛久は柔道出身。2019年5月大会でDEEPに初参戦しザック・ベナベンテを1R KO。9月に横山恭典に判定勝ちし、12月にハリー・スタローンに1R サッカーキックでTKO勝ち。王座挑戦にこぎつけた。2018年11月のPANCRASEでの試合も含め5連勝中だ。組みの強さに加え、強い体幹から放たれる打撃にも磨きをかけてきた。  SNSでは、5月中旬から同じ足立区出身の江川優生との屋外での練習の様子や、自粛期間後のK-Clannでの練習の模様もアップしており、満を持してタイトルマッチに向かう。  タイトルマッチ宣言後、記念撮影、ゴング。  1R、オーソドックス構えの弥益、サウスポー構えの牛久は左ミドルで牽制。角度をつけて中に入る弥益。ダブルレッグからボディロックで組んで金網まで詰めて腰を抱き小外がけでテイクダウンは牛久。さらに上四方からキムラを狙うが立つ弥益。  スタンドで詰める牛久は首相撲ヒザ。さらにボディロックから金網まで押し込む。片足を当てて凌ぐ弥益は突き放す。左からワンツーは弥益。牛久の左は大きく空振り。左フックで飛び込む弥益。牛久の右をかわして左。しかし牛久はダブルレッグで腰を回してテイクダウン! 弥益が尻を着いてガードの中に入れてゴング。  2R、近づくと首相撲ヒザは牛久。ボディロックから金網まで押し込むと、1R同様に弥益は片足を上げてヒザにつけて距離を取り突き放す。右を突く弥益。牛久は左ミドルを当てる。前蹴りを見せる弥益。蹴り返しの左は牛久。タックルからボディロックもまたも弥益は突き放す。  スタンドで左を当てた牛久! 後方にダウンした弥益は上の牛久を下からストレートアームバーで極めスイープして立つ。左右を振って組んでくる牛久を切る弥益。牛久の左に右跳びヒザを合わせる弥益。しかし牛久は左ミドル。  弥益の右ミドルから組み付いてきた牛久に右ヒザは弥益! ダウンした牛久にサッカーキックを放つ弥益。足にしがみつく牛久は立ち上がり組んで腰を抱いてテイクダウン! 恐るべきタフネスさで残りタイムを凌ぐ。弥益にとっていつもより近い距離での戦い方は、倒し倒されの激闘に。  3R、拳を合わせた両者。頭を上下に沈ませ左を放つ牛久。さらに左。詰める弥益に後ろ廻し蹴りの牛久は空振り。弥益の左右、右ヒザを受けながら詰める牛久は左で差してボディロックから後方にテイクダウン! すぐにアームロックを組む弥益は下から極めてスイープ!バックに回るが、落とす牛久が上に。ハーフから下で再びアームロックに行く弥益。  しかし外した牛久が上に。バックテイクでリアネイキドチョークを狙うが、腰をずらした弥益が、立ち上がり、サッカーキック! そこに足をからねて組み付き倒す牛久。半身になり金網際でアームロック狙いも外した牛久がバック狙い。半身ながら肩固めの体勢で固め、ゴングが打ち鳴らされると、両者ともに疲労困憊。上体を立てて、抱き合った。  判定は4-1(28-28マスト牛久、29-28弥益、29-28×3牛久)で牛久が勝利。悲願のベルトを腰に巻いた。弥益は拍手をして勝者を讃え、ケージを降りた。  試合後、牛久は「弥益選手が対戦相手だから盛り上がりました。横田先生のベルトを持ち帰ることができました。引き継いで強くなります」と挨拶。マット上で横田代表と涙の熱い抱擁をかわした。 [nextpage] ▼DEEP女子ミクロ級王者決定戦 5分3R×にっせー(フリー)43.6kg[1R 2分10秒 TKO] ※ハンマーロック〇大島沙緒里(AACC)43.9kg※大島が新王者に  2019年12月、プロ3戦目のにっせーがしなしさとことノンタイトルで対戦。しなしが1R TKO負けで11年ぶりに日本人選手相手に黒星を喫した。その後、2020年5月6日の後楽園ホール大会で、しなしがにっせーを相手に「女子ミクロ級王座初防衛戦」として再戦が決まっていたが、新型コロナウイルスの影響で大会が中止に。しなしが王座返上し、「2021年は新たに挑戦者として戦う」としている。 今回「DEEP女子ミクロ級王者決定戦」に臨むにっせーは沖縄在住。高校時に半年レスリングを学んだ後にMMAジムに入門。2018年9月のDEEP JEWELSアマチュア大会での活躍が佐伯繁DEEP代表の目に留まり、2019年3月の後楽園ホール大会でプロデビュー。KOTORIに敗れはしたものの好試合を展開した。9月大会では山崎桃子を腕十字で破りプロ初勝利を飾ると、プロ3戦目にして女王しなしと対戦。顔面への右前蹴りを当てると、しなしの組みをヒザ蹴りで剥がして右ストレートをヒット。ダウンしたしなしをパウンドアウトしている。  対するAACCの大島は、3歳から始めた柔道歴21年を数え、2019年の全日本アマチュア修斗で圧倒的な強さで優勝。2020年1月には修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメントに抜擢され、一回戦で小生由紀をKOし、5月の準決勝では元DEEP JEWELSアトム級王者の黒部三奈相手に敗れはしたものの、新人離れした才能を発揮した。  AACCで浜崎朱加や杉本恵、本野美樹ら、柔道・レスリング出身MMAファイターたちと鎬を削る大島は戦績以上の力を急速に身につけており、2020年7月23日の『DEEP JEWELS 29』では、柔術出身のさくらとの寝技合戦を制し、キムラロックによるテクニカルサブミッションでの一本勝ちで再起を果たしている。  シャープな打撃を武器とするにっせーに対し、大島もさくら戦では重い打撃を見せており、何より柔道ベースの強力な組み力を誇る。このコロナ禍のなか、1月、5月、7月、9月とほぼ2カ月おきにコンスタントに試合を行ってきたこともアドバンテージとなりそうだ。ミクロ級の新鋭同士の戦いは熱戦必至の王座戦になるだろう。  また、当初はDEEP JEWELSで開催中もコロナ禍で延期となっているミクロ級トーナメント決勝アム・ザ・ロケット(Tarnthong Gym)vs. 古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)の勝者が、しなしvs.にっせーの勝者と統一戦のプランもあったため、RIZINで浅倉カンナに1R TKO負けし、休養を宣言している古瀬、来日許可待ちのタイのアム、そして「新たに挑戦者として戦わせて頂きます」というしなしも含めたコンテンダー争いにも注目だ。  タイトルマッチ宣言後、記念撮影、試合へ。  1R、ともにオーソドックス構え。すぐにニータップで組む大島、にっせーの右手を脇に挟んで小内刈でテイクダウン! ハーフガードのにっせーから足を抜くとサイドへ。  袈裟固めからにっせーの右腕を両足で挟み、クルスフィックスにとらえると、右のパウンド連打! パウンドを受け続けるもレフェリーは見ている。にっせーは時折ブリッジするが、抜けられない。大島は袈裟固めから両足でアメリカーナ(ハンマーロック)で極めると、レフェリーがストップ。最初のテイクダウンから極めまで圧倒した大島が新王者に輝いた。  マット上で大島は、「娘たちが(泣いてリングに)上がれないですけど、育児をしながら格闘技は大変なんですけど充実しています。50kg、52.4kg、今日はじめて44kgで戦わせていただきました」と今後の適正階級についても語った。退場の花道で大島は、夫(2018年の「講道館杯全日本体重別選手権」男子60kg級優勝の大島優磨)とともに双子の娘と再会を果たした。 [nextpage] ▼DEEPライト級 5分3R〇中村大介(夕月堂本舗)70.45kg[2R 0分16秒 KO] ※右フック×長倉立尚(フリー)70.6kg  MMA(総合格闘技)で50戦近いキャリアを持つ中村は40歳。この2年ほどは「QUINTET」でグラップリングマッチに出場し、2019年11月の秋田大会では現修斗世界王者の齋藤裕にヒザ十字で一本勝ちするなど、変わらぬ極めの強さを見せていた。  MMAでは、2016年9月の「MGL-1 vs DEEP」で現ONEファイターのアマルサナ・ツォゴーフ(モンゴル)に3R KO負けして以来の試合となる。  約4年振りの復帰を決めた中村大介は、プレスリリースで「前回デビュー以来初めての失神KO負けをしまして、MMAの試合から遠ざかりました。20年近くやっていて初めて、打撃への恐怖心が生まれました。そこで改めて自分のルーツ、憧れたプロレスリングのスタイルを見直して、『三年先の稽古』を始めました。  そんな中、QUINTETというグラップリングの大会に誘っていただき、世界のグラップラーと組む経験をさせていただきました。更に、あのキャリアでいまだに楽しそうに格闘技に取り組まれている桜庭和志さんにとても影響を受けました。そして、QUINTETでの修業の成果を、MMAで見せたいと思うようになり、今回の復帰となりました」と経緯を説明。  さらに、「このままMMAをやらないで終わるのもアリだとも思いましたが、自分の恐怖心と闘い、そして現代MMAの選手にも挑戦していきたいと思います。復帰はやはり、DEEPです。世界中が大変な状況で、試合したい選手もたくさんいる中、出場させていただき本当にありがとうございます。大変長くなりましたが、一言で言うと『時は来た!』です。作戦名は『楽しくいこーぜ』です。MMAファンの皆様、長倉選手、どうぞよろしくお願い致します」と、今回の復帰の目標を「現代MMAの選手への挑戦」と語った。  中村の対戦相手は、DEEP屈指のストライカーである長倉立尚に決定。長倉は2017年以降は、Rebel FCでホドルフォ・マルケスにサッカーボールキックで反則負け、DEEPでジョイ・ボーイにジャンピング左ジャブでKO勝ち。ロバート・ワスティグにサッカーキックでKO勝ちと対海外勢相手には2勝1敗と勝ち越したものの、2018年12月の大原樹里戦ではヒジ打ちを浴び、カットによりTKO負け。前戦は2019年10月の「DEEP92」で、元DEEPフェザー級王者の芦田崇宏に判定負けで2連敗となっている。  トップキープにこだわらずサブミッションを仕掛け続ける中村は、低いガードからの右ストレートなども武器に、国内ライト級の強豪たちと鎬を削ってきたベテラン。対する長倉は、1年前の芦田戦でも変わらぬ強いテイクダウンを見せており、元祖カーフキックの使い手としても知られる36歳の強豪だ。スクランブル全盛の現代MMAのケージのなかで、ベテランの両者はどんな試合を見せるか。  1R、ともにオーソドックス構え。左ハイは中村! 崩れた長倉は飛び込んで来た中村をがぶり。中村の潜り足関節狙いから立つ。首相撲からヒザを突く中村。得意の右カーフキックは長倉! 中村の組み付きも剥がし、前に出る長倉は右ロー! 崩れる中村に長倉はさらに左ジャブ! 右サッカーキック! 右を内・外と打ち分ける。  しかし、ノーガードの中村は長倉の左に右を被せてテンプルに当てると、長倉がグラつく! そこを詰める長倉もクリンチ。  2R、右ローを当てる中村が圧力をかけると、ケージ背にたまらず左を打ちに行った長倉。そこに中村は右フックを振り抜き、長倉がダウン。すぐにレフェリーが試合を止めた。2R 0分16秒 KOで中村が鮮烈勝利! 長倉は担架に乗せられてケージを後にした。  試合後、中村は「MMAの試合4年ぶりですごく怖くて。乗り越えて練習して、長倉選手すごく強くて勝てて良かったです。正直グラップリングで勝とうと思っていたんですけど、最近グラップリングをやっていて、来月、後楽園で桜庭さんとやっているQUINTETをやりますので、よろしかったら見に来てください」と、アピールした。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS KICKルール 63kg以下→64.5kg 3分3R×KINGレイナ(K-Clann)64.9kg→64.5kg※[判定0-3] ※26-30×2,25-30〇熊谷麻理奈(WSRフェアテックス札幌)62.5kg ※レイナが再計量1.50kg体重超過のため、減点2とイエローカード2枚提示で試合開始。熊谷が勝利した場合のみ公式記録に残り、KINGレイナが勝ってもノーコンテストとなる。  8月23日以来の再戦。前戦では、ローキックを当て、オーバーハンドフック、アッパーで前進するKINGレイナに対し、熊谷が捌きながらジャブ・ストレート。さらに相手を掴まないテンカオ・ヒザ蹴りをボディに突き刺す展開に。KINGレイナも金網に詰めて熊谷が避けきれないところに左右の連打をまとめていった。  判定は2-1のスプリットでKINGレイナが辛勝。的確な打撃を当てたと見られた熊谷の敗北に、関係者、現場観戦者、ネット生配信の視聴者から様々な意見が上がるなど、物議をかもす判定となっていた。  今回の再戦決定に、KINGレイナは、「8月23日の試合内容が納得していませんので、早い段階でDEEP事務局に再戦をお願いしました。今回は圧倒する試合をさせていただきますので、皆様応援よろしくお願い致します」と、自ら再戦を望んだとするコメントを発表。  一方の熊谷も、「こんなにも早く再戦のチャンスをいただき、DEEP事務局には感謝しています。本当にありがとうございます。そしてKINGレイナ選手と、もう一度戦える事をとても嬉しく思います。今回は誰が見ても分かる様な、そして楽しくて目が離せない試合にします。必ずKOしますので、どうぞ皆様、応援宜しくお願いいたします」と、「誰が見ても分かる」内容での完全決着を誓っている。  KINGレイナは、2019年10月大会で63kg契約のMMAの試合を2.3kgの体重超過により失格に。2020年2月24日の前戦ではタイのアンドレ・ザ・ロケットを相手にフェザー級(66.3kg※王座戦以外は+0.5kg含む)契約で戦い、1R3分29秒、マウントからのパウンドでTKO勝ちしている。物議をかもした8月23日大会は、半年ぶりの復帰戦の立ち技ルールだった。  対する熊谷麻理奈はWSRフェアテックス札幌所属。“北の女武芸者”と呼ばれるマルチファイターで、元々はアマチュアボクシングで活躍しキックボクシングに転身。さらに2018年5月にはMMAにも挑戦(Road FC 47で女子バンタム級(-61.2kg)でジン・インチャオに判定負け)、同年9月には、素手にバンテージのみで戦うラウェイにも出場し、4R判定無しのドローとなっている。2019年6月30日の「ノースエリア格闘技イベントBOUT37」では、57kg契約でチェ・ウンジ(MAXFC/FEARLESS-GYM)に判定勝利。-57kgでも戦える熊谷にとって、-63kg契約での立ち技はそもそも階級上の戦い。  しかし、前日計量でレイナが再計量1.50kgと大幅体重超過。レイナに減点2とイエローカード2枚提示で試合は行われ、熊谷が勝利した場合のみ公式記録に残り、KINGレイナが勝ってもノーコンテストとなる。  1R、ともにオーソドックス構え。積極的に詰める熊谷。左ジャブを当てて右! レイナも右を返すが下がりながらで勢いにかける。ローにワンツーは熊谷。さらに前蹴り。右アッパー、左フック、右も当てる熊谷。さらにワンツー! 下がるレイナに熊谷は跳びヒザ。右ストレート! そこにレイナは右オーバーハンドを返す。前蹴りの熊谷。レイナは右のダブルで前に出る。研究のあとがうかがえる熊谷の攻め。  2R、ここも前に出るのは熊谷。右ミドルを当てる熊谷。さらに左を当てる。レイナはジャブも踏み込みが浅く届かない。右ストレート、左ローは熊谷。レイナはローを打つが届かない。右ミドルは熊谷、右ストレートから左ヒザは熊谷! さらに右ストレートから左の逆ワンツー。レイナの右オーバーハンドをかわして左を当てる。  3R、右ローから右オーバーハンドを当てるレイナ! 左フック返す熊谷もレイナのクリンチにスタミナを削られる。押し込んでの左、さらに右から左のワンツーは熊谷! 右の相打ちから右ボディは熊谷。レイナも右を当てる。右ストレート。近距離での打ち合いは熊谷も退かず。レイナの押し込む右にカウンターの右は熊谷。ダーティボクシングでも熊谷は細かいアッパーを突く。  レイナは体重超過の減点2点もあり、大差判定3-0(30-26×2,30-25)で熊谷が勝利。レイナは下を向いてケージを降りた。試合後、ケージのなかで熊谷は、「今日はお忙しい中、応援ありがとうございます。いろいろありましたが、ここで勝てたことが自分は嬉しいです。KINGレイナさん、戦ってくれてありがとうございます。大丈夫です。一緒に頑張りましょう」と敗者にエールを送った。 [nextpage] ▼DEEPフライ級 5分2R×ランボー宏輔(パラエストラ千葉)56.6kg[2R 0分36秒 KO] ※左フック〇藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)57.05kg  プロ修斗で世界王座挑戦者決定戦にも進んだランボー宏輔は、MMA14勝11敗3分。2016年10月からDEEPに参戦し、一時は3連敗を喫するも、2018年10月に石神保貴に勝利。続く鮎田直人戦ではスプリット判定で敗れたものの、2019年10月の前戦・島袋力との試合では、ダブルレッグに来た島袋にカウンターのギロチンでタップを奪うなど白星の数を増やしている。  対するボクシング出身の藤田大和はMMA4勝3敗。2017年10月にRIZIN MMA 特別ルールで那須川天心と対戦し、判定3-0で敗れ黒星デビューとなると、同年大晦日には那須川とキックルールで再戦し、1R KO負けを喫した。MMAでは2018年12月の「DEEP 87 IMPACT」で初白星を飾るも、2019年3月に鮎田直人に判定負け、5月に森脇公三に2R KO勝ち、9月に伊藤裕樹に1R リアネイキドチョークで一本負けと、白星と黒星を繰り返してきた。2019年12月15日には松丸息吹に判定勝利。そして2020年3月に、ランボーが一本勝ちしている島袋に判定勝利し、2連勝をマークしている。  総合のキャリアでは大きく上回るランボーが、エリートアスリートの藤田を封じ込めるか。それともMMAファイターとして成長を遂げている藤田がベテランを飲み込むか。  1R、ともにオーソドックス構え。藤田のワンツーの打ち終わりに組んだランボーは右を差して押し込む。金網背に四つの藤田。ブレーク。右からボディフックで前に出る藤田。しかし、ランボーも左で差して組む。頭を上下にレベルチェンジはランボー。藤田は右ロー、さらに右ストレート、左フックでダウンを奪う!  金網使い立ち上がり跳び蹴りはランボー。藤田の左ジャブが当たり始める。低しダブルレッグはランボーもがぶる藤田はバックへ! バックマウントからリアネイキドチョーク狙い。  2R、近い距離。ワンツーを当てる藤田。徐々に詰める藤田は飛び込んでの左フック! 後方に倒れたランボー。レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼DEEPウェルター級 5分2R〇米田奈央(フリー)77.4kg[判定3-0] ※20-18×3×泰斗(高本道場)76.0kg  2019年3月に約3年ぶりの復帰戦で佐藤洋一郎に判定2-0で敗れた米田だが、9月大会では嶋田伊吹を1R、キムラで極めて白星を掴んでおり、今回2連勝を目指す。  対する泰斗は、2014年8月「PANCRASE 260」でのアンドリュー・ロバート戦での判定負けを経て、2020年6月の「TTF CHALLENGE」で関野大成を相手に2R、パウンドによるTKO勝ちを収めている。今回がDEEP初参戦。  1R、先に詰めてテイクダウンは米田。サイドを奪うと亀の泰斗のサイドバックからパウンドも立つ泰斗。しかし米田はすぐにボディロックから再びテイクダウン。中腰になる泰斗のバックからリアネイキドチョークへ。  2R、詰める米田はダブルレッグへ。そこにヒジを肩口に落とす泰斗。しかし米田は背中を着かせハーフから鉄追を落とす。さらにマウントを奪いアメリカーナ狙いもそこでリバースする泰斗。スタンドでヒジを振るが、米田はすぐに組み付きダブルレッグでテイクダウン、みたび上を取り、判定3-0(20-18×3)で勝利した。 [nextpage] ▼DEEPバンタム級 5分2R〇原 虎徹(CAVE)61.5kg[判定3-0] ※19-19マスト原、20-18×2×日比野“エビ中”純也(ISHITSUNA MMA)61.15kg  CAVEの原は、4歳から極真空手を習い、キックボクシング、柔術、ボクシング、レスリングも始めた。第2回U-15ボクシング全国大会、第1回ジュニア修斗-44kg(2011年9月)、全日本新空手道選手権大会に数々のキックボクシングや柔術の大会で優勝。一時はバイクレースに励んでいたが、2018年に格闘技に復帰。2019年の「DEEPフューチャーキングトーナメント2019」バンタム級で優勝を果たし、満を持して本戦デビューとなる。  対する日比野は2019年7月のアマチュア修斗北海道選手権フェザー級で優勝し、9月の全日本選手権では3位入賞ならずもプロライセンス取得推薦枠を獲得していた。「GRACHAN CHALLENGE」も経て、2019年11月の「Fighting NEXUS vol.18」では鈴木万友に1R 腕十字で一本勝ちでプロデビューを飾っている。  現役中学生が1人もいない「永遠に中学生」を掲げたアイドルグループ「私立恵比寿中学」をこよなく愛しており、日比野のリングネームの“エビ中”は同グループが所属するスターダストプロモーションから使用許可を得たといい、“自称エビ中ファイター”から“公認エビ中ファイター”へと昇格している。  1R、サウスポー構えの原のセコンドは石渡伸太郎。オーソドックス構えの日比野は低いダブルレッグ入るが切る原。今度は原が右で差して組むがブレーク。ワンツーの左が長い原。しかし詰める日比野がダブルレッグテイクダウン。尻まで着かせて原の立ち上がり際にスタンドバックに。原はアームロック狙い。後ろからヒザを突く日比野は再びダブルレッグ。原に尻まで着かせる。  2R、細かいステップは日比野。原は左ミドル。遠間からダブルレッグでドライブする日比野だが切る原。日比野も左ジャブ、右ローを前足に当てる。中央に向かって低いダブルレッグは日比野。しかし、ヒザ着きとなり切る原はがぶりからバックへ。背中に跳び乗った原はリアネイキドチョーク狙い。  腕を掴んで原を落とした日比野はシングルレッグへ。それを切りながらバックを狙う原だが、ここも落としてシングルレッグで詰める日比野が離れて右フックをヒットさせてゴング。判定は3-0(19-19マスト判定原、20-18×2)で原が勝利した。
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