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【DEEP JEWELS】有終の美を飾るか、悲願の王座奪取か。王者・前澤智が引退試合で青野ひかるを相手に防衛戦=10.31 竹芝

2020/09/17 12:09
【DEEP JEWELS】有終の美を飾るか、悲願の王座奪取か。王者・前澤智が引退試合で青野ひかるを相手に防衛戦=10.31 竹芝

(C)ゴング格闘技

 2020年10月31日(土)東京・ニューピアホールで開催される『DEEP JEWELS 30』の対戦カードが発表された。

「DEEP JEWELSアトム級タイトルマッチ」(5分3R)として、王者・前澤智(リバーサルジム立川 ALPHA)が、挑戦者・青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)を迎えて、防衛戦かつ引退試合に臨む。

▼DEEP JEWELSアトム級タイトルマッチ 5分3R
前澤 智(リバーサルジム立川 ALPHA)王者
青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)挑戦者

 前澤は青森県八戸市出身。八戸商業高校で柔道部に所属し、弘前市の東北女子大を経て、八戸に戻り就職。並行してパラエストラ八戸に通い、柔道のほかサンボ、ブラジリアン柔術を経験し、2012年にJEWELSでプロMMA(総合格闘技)デビュー。本格的に格闘技に取り組むために16年に上京すると、元UFC・金原正徳主宰のリバーサルジム立川 ALPHAに移籍。

 17年8月に韓国のROAD FCで、当時しなしさとこを破るなど3連勝中だったイ・イェジにアウェイでスプリット判定勝利をもぎ取ると、2018年12月には黒部三奈もスプリット判定で破り、DEEPJEWELSアトム級のベルトを巻いた。

 その後、2019年3月にケージで行われたDEEP JEWELSでのノンタイトル戦で浅倉カンナに判定負け、7月のRIZINでもハム・ソヒに1R TKO負けを喫するなど、王者として悔しい試合が続いたが、2019年10月の「DEEP JEWELS 26」でアトム級王座防衛戦に臨み、柔術ベースの富松恵美に判定勝ち。初防衛に成功した。

 2020年8月のRIZINでは、対戦相手探しが難航していた前RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎朱加に名乗り。日本格闘技界の女王に果敢に挑むも、2Rにキムラロックで一本負け。試合後、マイクを渡され、「DEEP JEWELSだったりRIZINだったり、どんどん若い選手が出て来て、格闘家になりたいという若者が増えてくれたらなと思います」と、競技人口の増加を願っていた。

 今回の引退試合の決定に前澤は、「立場的にも、キャリア的にも、勝つことが当たり前だと思います。そして今回の試合を最後に引退したいと思ってます。結婚、コロナ、自分の格闘技への向き合い方、要因は様々です。引退という言葉を使うと、自分の戻る場所が無くなると思っていましたが、終わる覚悟ができました。青野ちゃんに私の最後を託します」と、「勝つことが当たり前」「最後を託す」という表現で、引退試合に臨む思いを表現。

 さらにSNSでは、「前澤どうしたんだろう? と、思ってる方もいるかと思いますが、言葉よりも拳で語ります! よろしくです!」と、最後のMMA戦への意気込みを語っている。

 前澤のベルトに挑戦する青野は静岡県出身。ロンドン五輪グレコローマン日本代表・長谷川恒平らを輩出した静岡県立焼津中央高等学校レスリング部を経て、日本大学レスリング部に進学。2013年、東日本学生女子選手権48kg級優勝、2014年、全日本社会人レスリング選手権大会48kg級優勝などの実績を誇る。

 2017年12月のMMA転向後は、プロデビュー戦でMMAキャリア3年の佐藤絵実に敗れるも、以降、桐山安奈、古瀬美月、ARAMIを相手に3連勝。2019年3月にベテランの富松恵美にリアネイキドチョークで一本負け。同年6月の檜山美樹子戦、9月の古澤みゆき戦と連続一本勝ちを収めて2019年12月、事実上のDEEP JEWELSアトム級王座挑戦者決定戦をハム・ソヒの妹分パク・シウ(韓国)と争ったが1R3分40秒、TKO負けを喫した。

 再起戦となった2020年7月のリオン戦では、柔術ベースのリオンに対し、青野は得意のダブルレッグでテイクダウンを奪うと、リオンの下からの腕十字の仕掛けを潰してパスガード。サイドからの鉄槌連打でリオンを出血させ、1R 4分53秒、TKO勝ちで復活を果たしている。

 同門のコーチの渡部修斗に続いてRIZIN出場を目指す青野は、「まずは自分の団体でチャンピオンになる! という目標で今までやってきました。やっと挑戦できます。しっかり勝ってチャンピオンになる! 前澤さんよろしくお願いします」とSNSに意気込みを記している。

ケージでの王座戦はどう作用する?

 王者・前澤は柔道、挑戦者・青野はレスリングと、ともに組み技をベースとするが、前澤は師匠・金原譲りのステップワークからの打撃が武器のひとつ。MMAのキャリアで劣る青野にとっては、スタンドでも対峙し、得意のタックルで前澤の距離を潰すことが出来るか。

 また、今大会はケージ使用となるため、互いの金網際での対処が勝負のキーにもなる。青野がテイクダウンで金網までドライブした場合、ケージレスリングでも優位に立てるか。金網を利したデフェンスや立ち方も前澤にとっては、UFCで培った金原との対策を活かす必要がある。

 そして、5分3Rの王座戦を戦い切るモチベーションはどうか。引退を決めた王者が有終の美を飾るべく、充実の仕上がりを作れるか。挑戦者にとっても15分で競り勝つ“汗かきファイト”の覚悟を持って、悲願の王座戦に臨むことになるだろう。

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