「KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.2[創世のタイガGP 第2部 RED]」2020年9月13日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント 第9試合 創世のタイガGRAND PRIX 61.5kg RED初代王座決定トーナメント決勝戦 REDルール 3分3R延長1R〇スアレック・ルークカムイ(タイ/スタージス新宿/REBELS-REDライト級暫定王者)判定3-0 ※30-29×3●重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者)※スアレックが優勝。REBELS-RED初代61.5kg王座に就く。
2月の「無法島GRANDPRIX 64kgトーナメント」に続き、今大会ではヒジありの「創世のタイガGRANDPRIX KNOCK OUT 61.5kg RED初代王座決定トーナメント」(ワンデートーナメント)が開催され、決勝戦は両者共に一回戦は延長戦に持つれ込む激闘の末に勝利を収めたスアレックと重森の対戦となった。
1R、スアレックは右ミドルを出しながらパンチを強振。重森もミドルを返しつつパンチにつなぐが、スアレックに組まれてこかされペースを握れない。
2R、ガンガン前進するスアレックの前に、重森は右ミドル、前蹴りで距離を取るも詰められてしまう。近距離の打ち合いではスアレックがアッパーで重森を捉えた。
3Rも距離を潰して打ち合いにいくスアレック。重森がパンチで行くと組み付かれてペースを握れずにスアレックの上手さが光る。疲れの見える重森に、スアレックがパンチ、右ミドルを随所で当てていきフルマークの判定勝ち。
ベルトを巻いたスアレックは満面の笑みを見せ「スアレック、ベルト巻きました。非常に嬉しいです。いっぱい応援ありがとうございました」とマイクアピールした。
▼セミファイナル 第8試合 REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント一回戦 REDルール 3分3R延長1R〇小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/ISKA世界バンタム級王者)KO 1R 1分37秒 ※右フック●壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)
3月の新日本キック主催大会から新型コロナウイルスの影響で延期となっていたトーナメントの一回戦。
壱が記者会見で「瑛作選手以外は興味無い」と発言したことから、初戦で両者の激突が実現。小笠原は昨年8月の江幡塁戦、11月のサオエーク戦と連敗を喫したが、今年1月にタイのオトコー3スタジアム、2月にルンピニースタジアムで勝利を収めて復活を果たしている。戦績は34勝(18KO)6敗1分。
壱は12月のムエタイオープンで岩浪悠弥にまさかの初回KO負けを喫し、14連勝が途切れた。2月のルンピニースタジアムでの再起戦でも敗れ、初の連敗でこの試合に再起をかける。戦績は14勝(4KO)3敗1分。
1R、左ローを当てる小笠原は組み付くと壱をこかしてペースを乱す。壱の蹴り足を掴んで大きく払うように倒すと、壱は高く持ち上がって後頭部から勢いよく落ちてしまう。これで意識朦朧となった壱にすかさずダウンカウントが入る。
立ち上がる壱に小笠原が右フックを当てると、壱は前のめりに倒れレフェリーがストップ。KO勝ちした小笠原は那須川天心&江幡塁との対戦をアピールした。
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▼第7試合 57.5kg契約 REDルール 3分3R延長1R〇安本晴翔(橋本道場/REBELS-REDフェザー級王者)TKO 2R 1分12秒 ※ドクターストップ●ウィサンレック・MEIBUKAI(タイ/MEIBUKAI)
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座を獲得した。2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月のREBELSでは栗秋祥梧を破りREBELS-REDフェザー級王座を戴冠。
8月のKNOCK OUTでは古豪・駿太、10月のKNOCK OUTではWBCムエタイ日本統一フェザー級王者・新人を初回KO。11月のイノベーション岡山大会ではプレム・T.C.ムエタイも初回KOで下してWPMF世界フェザー級暫定王座を獲得し三冠王に。2月のKNOCK OUTでは元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位ダウサイアム・ノーナクシンからも勝利を収めている。戦績は16勝(6KO)1敗2分で現在6連勝中。
対するウィサンレックはルンピニースタジアムでフライ級とバンタム級の2階級制覇を成し遂げ、ムエタイ時代のゲーオ・ウィラサクレックにも2度勝利した実績を持つ。ムエタイで300戦近いキャリアを持ち、トレーナーとして来日後も勝利を収めていたが、2017年8月の『KNOCK OUT』で那須川天心に3RでTKO負け(ヒジありルール)を喫した。
今年6月のRISEでは鈴木真彦の強打で3Rにマットに沈められているが、今回はヒジあり・首相撲ありの得意分野。本人もこのルールなら自信満々のようで、安本晴翔退治を実現し、名誉挽回するつもりだ。
1R、圧力をかけるウィサンレックに、安本はハイ、ローと蹴り技を駆使して主導権を握る。パンチも交ぜていくが、ウィサンレックはしっかりガードして決定打を許さない。
2Rには、ウィサンレックがパンチで前進すると、安本はヒジを合わせてカットに成功。ドクターチェックが入ったところでストップとなり、安本がTKO勝ちした。
▼第6試合 56kg契約 REDルール 3分3R延長1R〇宮元啓介(橋本道場/元INNOVATIONフェザー級王者)判定3-0 ※30-28、30-27×2●栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)
宮元は当初8月30日の『REBELS.65』にてREBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント1回戦で鈴木貫太(ONE'S GOAL)との対戦が発表されていたが、諸事情によって試合が流れてしまい、今大会への出場となった。KNOCK OUTには旗揚げ戦から参戦しており、空手仕込みの蹴り技を駆使して国内55kg級のトップ戦線に長く君臨。WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王者を始め、これまで5本のベルトを獲得している。
一方、ハードパンチャーの栗秋は近年のREBELSを牽引する存在で、2019年8月大会で185戦166勝の戦績を持つルンピニースタジアムの元ランカーをKO、10月のKNOCK OUTではISKAスペイン・ムエタイ・フェザー級王者ミケール・フェルナンデスを降している。また、12月にはシュートボクシングに参戦し、SB日本スーパーバンタム級王者・植山征紀をヒジ打ちでTKOに葬り、今年2月のKNOCK OUTでは駿太もヒジでTKOに破り4連勝中。 1R、宮元は右ロー、左三日月蹴りを主体とした攻めで栗秋を下がらせる。栗秋は様子見か、なかなか手を出さないがバックブロー、ヒジと狙いすました攻撃で宮元を揺さぶる。
2Rも、宮元の一方的な攻撃の展開となるが、栗秋はもらいながらも重いパンチを返す。
3R、疲れを見せつつもキレのある一撃を見せる栗秋に対し、宮元は攻め続けヒザ、ヒジの連打でKO寸前まで追い込んだかに見えるも栗秋は耐える。宮元が危なげなく判定勝ちした。
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▼第5試合 51.5kg契約 REDルール 3分3R延長1R〇老沼隆斗(STRUGGLE/REBELS-RED スーパーフライ級王者)KO 2R 1分47秒 ※上段後ろ回し蹴り●清志(新興ムエタイジム/NJKFバンタム級2位、WMC日本バンタム級3位)
老沼は空手仕込みの多彩な蹴り技で2018年6月に王座に就き、REBELS軽量級のエースとして君臨。12勝(5KO)2敗1分の戦績で、2018年2月にREBELSに参戦してからは無敗の快進撃を続けていたが、9月の新日本キックで元日本フライ級王者・泰史(伊原道場本部)にKO負けして連勝がストップ。12月の新日本キックで濱田巧の挑戦を退け、2度目の防衛を達成して復活を果たした。今年2月の白幡裕星戦では延長戦の末に判定勝ち。
対する清志はNJKFバンタム級2位、WMC日本バンタム級3位。7月のRISEでは志朗に秒殺KO負けしており、再起を狙う。
1Rから前に出続ける清志に対し、老沼は変則的なステップから右ロー主体の攻めで圧倒。清志はパンチで出るも老沼の攻撃は止まらない。
2R、距離を詰めてパンチ勝負の清志に、老沼は左ハイ。これが空振りすると上段後ろ回し蹴りにつなぐ。この一発でバッタリと倒れた清志は立ち上がれず担架で運ばれた。
見事なKO勝ちを収めた老沼は「白幡選手との試合で年間ベストバウトと言われましたが、これで年間KO賞をもらいたいです」とマイクアピールした。
▼第4試合 清水工業株式会社presents 73kg契約 REDルール 3分3R〇渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)TKO 3R 1分59秒 ※レフェリーストップ●釼田昌弘(テツジム/NKBミドル級4位)
渡慶次はパンクラスを主戦場とするMMAファイターだったが、2017年からラウェイに参戦。現在まで6勝4敗5分と本場ミャンマーの選手を相手に勝ち越しており、その勝利の中には2018年6月にミャンマーの英雄ソー・ゴー・ムドーをKOした試合や、同年12月にミャンマーで開催された国際大会の『KBZ グランドファイナル』でKO勝ちして日本人2人目の同大会王者に輝いた試合も含まれる。今大会では初めてボクシンググローブを着けてのキックボクシングルールの試合に臨む。これはコロナの影響でラウェイ大会開催の見通しが立たず、戦わないと家族を養えないためだという。
渡慶次も異色だが、剱田はさらに異色の経歴を持つ。桐蔭学園から立教大学まで柔道に励み四段の腕前。総合格闘技の経験もあり、社会人アメリカンフットボールチームにも所属。さらに元松竹芸能所属の役者・モデルで、現在は大手機械部品メーカーの営業で勤める戦うビジネスマンなのだという。
1R、右ミドル主体の釼田に対し、冷静に攻撃を見切る渡慶次は左ロー、左フックをクリーンヒットさせる。
2R、釼田は右ローからパンチにつないでかく乱戦法でガンガン攻めるが、渡慶次は被弾するも構うことなく大振りの左フック、左ハイを決めて優勢を印象付ける。
3R、NKBの選手らしく捨て身で勝負に出る釼田は渡慶次の攻撃をもらうも倒れず前に出る。しかし、遂に渡慶次の左ローでダウン。最後に渡慶次がカウンターの左フックを当てて倒すと、レフェリーがストップした。
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▼第3試合 創世のタイガGRAND PRIX 61.5kg RED 初代王座決定トーナメント一回戦 REDルール 3分3R延長1R〇スアレック・ルークカムイ(タイ/スタージス新宿/REBELS-REDライト級暫定王者)KO 延長R 0分45秒 ※パンチ連打●高橋一眞(真門ジム/NKBライト級王者)※スアレックが決勝へ進出。本戦の判定は29-28、29-29×2
1Rから髙橋はアグレッシブな攻め。右ロー、左ハイを飛ばしていき、スアレックは様子見ながらも冷静にディフェンス。そして場内に響く右ミドルを当てて髙橋にペースを握らせない。
2Rも右ローを集中打する髙橋だが、スアレックは痛みを見せることなく右ミドルを淡々と当てていく。3Rも右ローの髙橋に、強引に前に出たスアレックはパンチの打ち合いを呼び込みヒット数で上回るが決定打はなく本戦はドロー。
延長R、一気に勝負に出たスアレックは打ち合いにいくと右ストレートでダウンを奪う。何とか立ち上がった髙橋に、スアレックは再びパンチラッシュを仕掛けてダウンを追加。髙橋は大の字になり、スアレックがKO勝ちした。
▼第2試合 創世のタイガGRAND PRIX 61.5kg RED 初代王座決定トーナメント一回戦 REDルール 3分3R延長1R〇重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者)延長R 判定3-0 ※10‐9×3●小川 翔(OISHI GYM/WBCムエタイ日本統一ライト級王者、ホーストカップスーパーライト級王者)※重森が決勝へ進出。本戦は28‐29、30-29、29-29
1R、小川は右ロー、左ミドルを散らすのに対し、重森はほぼ前蹴りのみの攻撃。2Rには、前蹴り、左ミドルで距離を取る重森に、強引に距離を詰める小川は左フックを当て始める。
3R、左ボディからフックで追い込む小川に、重森はカウンターのヒジ。左ミドルで距離をとってこつこつ当てていく。お互いに決定打はなく延長戦へ。
変わらず前に出る小川に、重森はテンカオを何度もヒット。左フックでぐらつかせ、前蹴りでのけぞらせるなどの好印象を与えた重森が激戦を制した。
▼第1試合 創世のタイガGRAND PRIX 61.5kg RED 初代王座決定トーナメントリザーブマッチ REDルール 3分3R延長1R〇古村匡平(FURUMURA-GYM)判定3-0 ※29-28、30-28×2●中澤良介(TRY HARD GYM)
1R、右ロー主体の中澤に対し、古村は右ハイを効かせて一気にラッシュ。2R、古村は接近戦でヒジ・ヒザで中澤を防戦一方に追い込み力の差を見せ付けるも、中澤はタフネスぶりを発揮し耐える。3R、中澤は強烈な左ボディで古村を下がらせたが、古村は手数を出し続け判定勝ちした。