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【ONE】スタンプがONE女子アトム級ムエタイ世界王座防衛戦=8月28日(金)バンコク生配信

2020/08/24 14:08
【ONE】スタンプがONE女子アトム級ムエタイ世界王座防衛戦=8月28日(金)バンコク生配信

(C)ONE Championship

 2020年8月28日(金)、タイ・バンコクにて、ONE Championship「ONE: A NEW BREED」の無観客開催とライブ配信が決定した。同大会は、ONE公式アプリ「ONE Super App」やABEMAを含む150カ国以上でライブ配信される。 

 全7試合のうち、4試合がオープンフィンガーグローブによるONEムエタイルール。残り3試合がMMAルールとなっている。メインイベントとコーメインイベントでは注目のムエタイ2試合が組まれている。

▼ONEムエタイ世界女子アトム級(52.2kg)選手権試合 3分5R
スタンプ・フェアテックス(王者/タイ)
アリシア・ヘレン・ロドリゲス(挑戦者/ブラジル/Phuket Fight Club)

 メインでは「ONEアトム級ムエタイ世界タイトルマッチ」として、現王者のスタンプ・フェアテックス(タイ)が、ONEスーパーシリーズ初参戦となるアユタヤ・ミラクル世界王者のアリシア・ヘレン・(アラウージョ)ロドリゲス(ブラジル/Phuket Fight Club)を相手に防衛戦に臨む。

 ロドリゲスは、タイ・アユタヤで開催された『ミラクル・ムエタイ』51kgミニトーナメント覇者。

 初戦でダンコンファー・チャオスアノイムエタイに判定勝利すると、続く決勝では、日本で白築杏奈に勝利しWPMF女子世界フライ級(50.8kg)王者となったタナンチャノック・ゲーオサムリットを相手に、左右のボディ打ちから左ヒザで2R TKO勝利し、王者に輝いている。

 また、ONEと同じくMMAグローブで戦う『ムエ・ハードコア』にも参戦しており、タナンチャノックとの再戦で、右ストレートから左ボディの対角線攻撃、右ヒジで出血させ、さらに右のボディストレートの連打でダウンを奪うなど圧倒している。

 女王スタンプは、2020年7月31日のバンコク大会で、約半年ぶりのMMAマッチに臨み、スニーサ・スリセンを1Rでパウンドアウト。2月28日のキックボクシングルールでのジャネット・トッド戦での判定負けから再起を遂げている。

 2019年6月のアルマ・ユニク(豪州)戦以来となるONEムエタイ戦に向け、スタンプは「ここバンコクから世界に、自分のパフォーマンスをお見せできることをとても嬉しく思います。すべてのアスリートが私と同じ立場にいるわけではなく、自分が愛すること、追求することを披露出来ることはとても光栄なことです。前回の試合(7月31日)から間もなくリングに戻りますが、コンディションも万全で、再び最高のパフォーマンスを披露する準備が出来ています。私のベルトを守る準備も万端です! 」とのコメントを発表。

 対する挑戦者ロドリゲスも「ONE Championshipに参戦できることを心から誇りに思います。そして、ONEアトム級ムエタイ世界王者に挑戦する機会をいただいたことは、光栄なことです。トレーニングのモチベーションも格段に上がり、万全な状態で試合に挑めるよう、毎日ハードなトレーニングを積んでいます。スタンプ・フェアテックスは素晴らしいチャンピオンですが、私の“ブラジリアン・ファイティング・スピリット”を世界にお見せしたいと思います。私のゴールは、ベルトを腰に巻いてアリーナを歩くことです!」と王座奪取を予告している。

 スピードとパワーはスタンプが上回るが、身長157cmのスタンプに比べ、ロドリゲスは161cmと手足が長く、タナンチャノックを出血させたヒジ打ち、KOしたボディ攻撃は、スタンプにとっても注意が必要だろう。

 スタンプはMMAと二足の草鞋を履いている難しさもあり、ボクシンググローブをつけての立ち技での前戦ではトッドに敗れたが、今回のムエタイマッチはMMAグローブ使用のため、距離・組みともに、MMAの練習と大きな違和感無く臨むことが出来るだろう。スタンプが虎の子の王座を守れるか、それとも同世代の新星が王座を奪うか。

▼ONE女子アトム級 ムエタイ
世界王者|スタンプ・フェアテックス(タイ)
1. ジャネット・トッド(米国)
2. アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)
3. アルマ・ユニク(豪州)
4. エカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)
5. ラズマ・アブバク(フィリピン)

セーマペッチが怪我で欠場、決勝はロートレックvsクラップダムに

 さらに、コーメインイベントでは、「ONEムエタイバンタム級(65.8kg)トーナメント決勝」として、ロートレック・PK・センチャイムエタイジム(タイ) とクラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)が対戦する。

▼ONEバンタム級(65.8kg)ムエタイトーナメント決勝
ロートレック・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
クラップダム・ソー・チョー・ ピャッウータイ(タイ)

 7月31日の準決勝では、セーマペッチ・フェアテックスが判定2-0でロートレックを下していたが、怪我により欠場。敗者のロートレックが代わりに決勝に進出した。

 もうひとつの準決勝では、“近代ムエタイの最高傑作”と称されるセンマニー・クロスアンプルリゾートを、左ストレートでKOに下したクラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイが決勝進出を決めており、“鋼の肉体を持つ”ロートレックと、21歳の“強打者”クラップダムによる、無骨な一戦が期待できそうだ。

 このトーナメントの勝者は、“生ける伝説”と称される現世界王者ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)とのONEバンタム級ムエタイ世界タイトルマッチの挑戦権を獲得する。 

 トーナメント決勝戦に向け、ロートレックは「このパンデミックの影響で多くのアスリートが試合を出来ない状況の中、短いスパンで戦いに戻れることに特別な思いを感じています。同時に、自分の立場にとても感謝しています。残念ではありますが、セーマペッチが怪我によりトーナメントを離脱しました。しかし、私は前回の試合で自分が勝利したと感じています。そして遂に、クラップダムとの決勝に臨みます。自分の夢であるONE世界王者まで、あと一歩です」と、チャンスを逃さずベルトにたどり着く意気込みを語っている。

 対するクラップダムも「私は、ロートレックに勝つことを確信しています。彼が経験豊富なベテラン選手であることは分かっていますが、自分は若くアグレッシブでチャンピオンシップの経験もあります。この試合で、自分のベストパフォーマンスを披露したいと思います。一か八かのこのトーナメント、もし自分が勝利したいなら、最高の状態でなくてはなりません。この瞬間のために厳しい練習を積んできました。ファンの皆さんの記憶に残る試合をする準備は万端です!」と優勝を誓った。

 ほかムエタイルールの試合では、ナショナルムエタイ王者に2度輝いたワンダーガール・フェアテックス(タイ)がKC カルロス(フィリピン/米国)と対戦する。

▼ONEムエタイ女子ストロー級(56.7kg)
ワンダーガール・フェアテックス(タイ)
KC カルロス(米国)

 スタンプと同門のワンダーガールも、7月のONEデビュー戦で1R KO勝利しての連戦。前に出て戦うアグレッシブファイターで、組み付いてのヒザ蹴りが得意だが、タイガージムのブルック・ファレル(豪州)を相手にパンチ主体の圧倒的なKO勝利を見せている。

 対するフィリピン系米国人のカルロスはヒューストン育ち。テコンドーを12年間習った後にムエタイを学び、プーケットに移り住んだ。オーソドックス構えから、長い前蹴り、強い右ストレートを武器に右ミドルも放つが、パンチでの打ち合いにも応じる好戦的なファイターだ。

 また、フライ級で中国のファン・ディンが、クン・クメール世界王者のソク・ティー(カンボジア)と対戦。

▼ONEムエタイ フライ級(61.2kg)5分3R
ファン・ディン(中国)
ソク・ティー(カンボジア)

 ファンは7月大会でファディ・カレッド(チュニジア)に判定負け。対するティーはカンボジア版ムエタイと呼ばれるクン・クメールの世界王者。2019年5月にはロッタン・ジットムアンノンに挑んだが、2R1分36秒、ロッタンの強烈なローとボディでKO負けを喫している。7月大会では、タイのモンコルペット・ペッティンディーアカデミーを相手に判定まで持ち込んでいる。

MMAでザンボアンガ兄妹が揃って参戦

 また、MMA(総合格闘技)ルールの試合では、フィリピンの無敗のスター、デニス・ザンボアンガ(フィリピン)が、タイのワシャピニャ・ガオコーと対戦する。

▼ONE女子アトム級(52.2kg)5分3R
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
ワシャピニャ・ガオコー(タイ)

 2020年2月の前戦で山口芽生(V.V Mei)を破り、女子アトム級世界王者アンジェラ・リーへの挑戦権を手にしていたザンボアンガは、MMA7戦無敗でONE2連勝中。山口との試合ではレスリング、柔術の対応も目覚ましく、山口の距離で戦うことなく打撃を当て、判定で元王座挑戦者を下している。

 対するガオコーはMMAデビュー戦。ムエタイで46勝12敗、柔道でタイの国内王者という肩書を持つが、実力者ザンボアンガとどこまで戦えるか。

 なお、デニスの兄ドレックス・ザンボアンガ(フィリピン)も同大会に参戦。タイのデッチャディン・ソンシリスッパティンと対戦する。

▼ONEフライ級(61.2kg)5分3R
ドレックス・ザンボアンガ(フィリピン)
デッチャディン・ソンシリスッパティン

 MMA8勝5敗のドレックスは、URCCバンタム級世界王者。フェザー級で斎藤裕と韓国のムン・ギボムに3R TKO負け後、バンタム級で石橋佳大に判定で敗れ、3連敗を喫したが、2019年4月の前戦「URCC 77」では、かつて日本の「BLADE.2」で谷山俊樹に敗れているチョ・ソンヒュンを相手に、フライ級(56.7kg)で3R TKO勝ちを収めている。今回はONEフライ級(61.2kg)でのONE初参戦となる。

 デッチャディン・ソンシリスッパティンは、MMA8勝5敗。バンコク開催の「Full Metal Dojo」などで活躍し、ONEやDEEPに参戦しているドリームマンことクリッサダ・コンスリチャイとのバンタム級王座戦で敗れて以降は6勝2敗と好戦績をマークしている。「ONE Warrior Series」には「1」から出場し、2勝2敗で本戦出場を決めた。

 フルコンタクト空手出身でキックでも活躍したドレックスは173cmの長身。斎藤戦で見せた後回し蹴り、さらに右ハイキックを着地させてそのまま右の突きを放つなど変則的な打撃に加え、オーソドックス構えから長いワンツーでソンヒョンをダウンさせるなどスタンドを得意とする。また柔術・グラップリングも学び、グラップリングが強い石橋佳大にバックを取られるも極めさせない防御力も持つ。

 対するデッチャディンは160cm、オーソドックス構えから右ミドル、相手の頭を下げさせてのヒザ蹴りなど際の打撃を得意としており、組み技寄りの打撃はドレックスを苦しめそうだ。

 さらに、フライ級では、マックススタジアムムエタイ王者のヨッカイカー・フェアテックス(タイ)が、グラップラークエスト王者のアレックス・シルド(米国)と対戦する。

▼ONEフライ級(61.2kg)5分3R
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)
アレックス・シールド(米国)

 ヨッカイカーは7月31日大会で英国のジョン・シンクと対戦。サウスポー構えからシンクの右にカウンターの左ストレート効かせ、右から左ストレートでKOしたばかり。「Full Metal Dojo」や「Kunlun Fight MMA」で活躍し、ONEデビュー戦での勝利でMMA5勝2敗1分となっている。

 米国のシールドは、MMA5勝3敗。タイガームエタイ所属で、タイを主戦場に「WSOF Global Championship 1」にも出場。2019年10月の「ONE Warrior Series 8」では、内藤頌貴に強い右ミドルを当てたが、内藤の左の打撃をもらい判定負け。しかし鼻骨骨折をしながらも最後まで気持ちを折らすことなく戦うハートの強さも見せている。

 7月31日の「ONE: NO SURRENDER」に続く、バンコク大会に向け、チャトリ・シットヨートンCEO兼会長は、「バンコクでの『ONE: NO SURRENDER』シリーズの開催を無事に成功し、再びタイの首都バンコクでライブイベントを開催します。『ONE: A NEW BREED』は、ONE Championshipのアスリート達の素晴らしいパフォーマンスを通して、私たちの強さやブレることのない精神を証明するイベントとなるでしょう」とコメントしている。

ONE:A NEW BREED

8月28日(金)タイ・バンコク  

▼ONEムエタイ世界女子アトム級(52.2kg)選手権試合 3分5R
スタンプ・フェアテックス(王者/タイ)
アリシア・ヘレン・ロドリゲス(挑戦者/ブラジル/Phuket Fight Club)

▼ONEバンタム級(65.8kg)ムエタイトーナメント決勝 3分3R
ロートレック・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
クラップダム・ソー・チョー・ ピャッウータイ(タイ)

▼ONE女子アトム級(52.2kg)5分3R
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
ワシャピニャ・ガオコー(タイ)

▼ONEムエタイ女子ストロー級(56.7kg)
ワンダーガール・フェアテックス(タイ)
KC カルロス(米国)

▼ONEフライ級(61.2kg)5分3R
ドレックス・ザンボアンガ(フィリピン)
デッチャディン・ソンシリスッパティン

▼ONEムエタイ フライ級(61.2kg)5分3R
ファン・ディン(中国)
ソク・ティー(カンボジア)

▼ONEフライ級(61.2kg)5分3R
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)
アレックス・シールド(米国)

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