強敵MISAKIとの初代王座決定戦に臨むぱんちゃん。朝倉海との約束を果たせるか
2020年8月30日(日)東京・後楽園ホール『REBELS.65』のダブルメインイベント第1試合、【創世のタイガ presents】REBELS-BLACK女子46kg級初代王座決定戦で“猪突猛進娘”MISAKI(TEAM FOREST)と対戦するぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)のインタビューが主催者を通じて届いた。
勝者が、栄えある初代女王の称号とチャンピオンベルトと、勝利者ボーナスを手にする。ぱんちゃんは昨年2月にプロデビューしてここまで7戦全勝。無敗のままでプロ初戴冠なるか。決戦を前に心境を語った。
「本名の自分は好きじゃない。『ぱんちゃん璃奈』はすごい好きです」
昨年2月のデビュー以来7戦全勝。プロ8戦目に組まれた初のタイトルマッチは、新型コロナにより2度の延期を経て、8月30日(日)の『REBELS.65』でおこなわれる。
ぱんちゃんはこう振り返る。
「デビューしてから、早くて1カ月半、遅くても2カ月に1回のペースで試合をしてきて、あのままの勢いで4月にタイトルマッチをやる方法もあったと思うんですけど。今思うと、あの時点では出来てなかったことも多いので。いつも1カ月間で対戦相手の対策を作って試合してって感じで、こんなに練習ができたこともないので。やっぱりタイトルマッチをするからにはいい試合をしたいので、逆にこれだけ練習できたのでよかったと思います。MISAKI選手も条件は一緒なんですけど、しっかりと練習してきて勝率は上がってると思います」
タイトルマッチは、ぱんちゃんにとって悲願のチャンス到来だった。
「22歳の時にキックボクシングに出会って、すぐに『チャンピオンになる』って目標に掲げたんですけど、ここまで来れるなんて自分でも思ってなくて。最初は正直、自分に自信もなくて、いろんな人を見返したい、っていう気持ちで『強くなりたい』って思っていたんですけど、今は単純に、本当に応援してくれる人たちとか、今まで助けてくれた人たちに『ベルトを巻いた姿』を見せたいっていう気持ちが大きいです。いろんな人の力を借りて強くなれたので」
1年半前、デビューした頃は「まったく自信がなかった」ぱんちゃん。それには理由がある。
「自分が好きじゃないんです(苦笑)。本名の方の自分は。(リングネームの)『ぱんちゃん璃奈』はすごい好きなんですよ。
デビューした時はまだ『ぱんちゃん璃奈』は10%くらいで、本当の自分が9割。でも今はプライベートでも、常に、98%は『ぱんちゃん』でいられることが多くなってきて。なので、常に明るく、好きでいれるというか。自分があんまり出てこなくなってきてます、いいことだと思うんですけど(笑)。
自分のあこがれてる存在、なりたい存在、自分で作り上げた『像』にずっといられる感じが出来てるので。毎日、ネガティブなことも考えずに、ポジティブにいれるのかなって思ってます」
「家族はすごく変わりましたね。キックを始めた頃は誰も応援してくれてなくて、アマチュア12戦やった時も『頑張って勝ってね』とはあんまり言われなくて。『怪我しないように』ってそっちの方だったので。
プロデビューしても、家に帰ると、お父さんに『プロじゃなくて、趣味にしてたらええねん』って言われて喧嘩になったこともありましたけど、去年8月のKNOCK OUTで初めて試合を見に来てくれて『本気だ』と分かってくれて、今は家族みんなが応援してくれてます。姉は、私のことを恥ずかしがって隠してたんですけど、最近は普通に宣伝もしてくれて。嬉しいですよね。お母さんは『夢を見て、キラキラしてるぱんちゃんが好き』って言ってくれて、お父さんだけは『璃奈』なんですけど、お父さん以外は『ぱんちゃん』って、新しい自分で接してくれてます(笑)」
ぱんちゃんの「本気」は周囲を動かした。
デビュー戦の頃からプロ意識が高く、記者会見での衣装や計量で着用する水着は毎回違うものを用意。会見での発言も「頑張ります」だけで終わらせず、必ず「KOします」「今回はフックで倒します」と言った見出しになるフレーズを口にした。
また、チケットの手売りを積極的におこない、SNSを使ったプロモーションにも力を入れてきた。
その結果、数多くのスポンサーを獲得して「キックだけに専念して、強くなれる環境」を作りあげた。
「今回はすぐに売り切れてしまって『すいません、売り切れました』ってお断りした人がほぼほぼでした。チケットのやり取りは大変ですけど、新規で来て下さる方が毎回、毎回増えているのでそんなに苦ではなかったです。
本当に、応援してくれる人がどんどん増えているので、キックボクシングに専念できて、空いた時間は体のケアに時間を掛けています。今は1日3部練をする日もあるので、どうしても疲れが溜まりやすくて。怪我をしないように、ちょっとでもおかしいなと思ったら、練習をやめるんじゃなくて、ケアの方にめちゃめちゃ時間を掛けています。
今は単純に、本当に応援してくれる人たち、今まで助けてくれた人たちにベルトを巻いた姿を見せたい、っていう気持ちが強いです」