タイ・バンコクのインパクト・アリーナで2020年7月31日に行われたONE Championship『ONE: NO SURRENDER II』が8月14日(金)、世界に配信された。
▼バンタム級(※65.8kg)ムエタイトーナメント準決勝 3分3R◯セーマペッチ・フェアテックス(タイ)[判定2-0]×ロートレック・PK・センチャイムエタイジム(タイ)
メインイベントでは、2019年11月にONE Super Seriesムエタイ世界バンタム級タイトルにも挑戦(王者ノンオーが4R KO勝ち)したタイのセーマペッチ・フェアテックスが、日本で梅野源治を下したこともあるロートレック・P.K.センチャイムエタイジムと対戦。ロートレックは2020年1月の前戦でクリス・ショーに判定勝利し、ONE3連勝を飾っている。
また、21日の「ONE: NO SURRENDER Ⅲ」のメインイベントでは、ムエタイの2大殿堂ラジャダムナンとルンピニーの王座を獲得し、“近代ムエタイの最高傑作”とも称されるタイのセンマニー・クロンスアンプルリゾート(サティアンムエタイ)と、元ルンピニー二階級制覇王者クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)の対戦の配信が決まっている。
この両大会のメインイベントの勝者同士が後日対戦し、優勝者が現バンタム級王者ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)に挑戦することが予定されている。
1R、タイ・バンコクでのリング&オープンフィンガーグローブ戦。レフェリーは黒のマスクを着用する。
オーソドックス構えのロートレック、サウスポー構えのセーマペッチ。互いにローでの牽制から、右ジャブ左ボディストレートはセーマペッチ! さらに左ヒジを狙う。ロートレックの右ハイはかわされるが、ガード上にワンツーを打ち込む。セーマペッチは右アッパーから左ストレートと再びボディ打ち。ロートレックの右インローにすぐにセーマペッチも左ミドルをガード上ながら当てる。
慎重な出だしの展開にレフェリーから「アグレッシブに」の声に右ハイを繰り出すロートレックをスウェイでかわすセーマペッチは、サウスポー構えから左から右フックをヒット。ロートレックを後退させる。さらに喧嘩四つの前手争いからそのまま右ヒジを打つ。左から右ボディストレートと腹狙いは変わらず。再びロートレックの右ハイをかわしてすぐに左右を打ち込む。ブロッキングするロートレックだが、右ジャブを被弾する。セーマペッチは得意の右アッパーから左ストレートの入りを再び見せる。セーマペッチのラウンドに。
2R、先に左右ローで圧力をかけ手数を増やしていくロートレック。前手をジャブ、アッパーと突くが、セーマペッチもワンツーで下げさせ歩いて強烈な左ミドルを腕に叩き込む。前手がうるさいセーマペッチ。右ストレートを当てたロートレックに左の蹴りで迎撃するセーマペッチ。首相撲は早めにレフェリーが割って入る。
セーマペッチのジャブ打ち終わりに大きな左右を振るロートレックだがかわすセーマペッチ。ロートレックがワンツー右ミドルで前に出るが、セーマペッチも必ず打ち返しを入れる。ロープに詰めてワンツーでガードさせて右ヒザはロートレック! しかしすぐにセーマペッチは体を入れ替えるが詰めるロートレックは左フックをブロッキングの間に突く。右ボディから入るロートレックに左ヒジを打つセーマペッチ。首相撲ヒザも。上下に散らすロートレックは前へ。手数を増やし圧力をかけたロートレックだが、セーマペッチも決定打は許さず打ち返しは入れている。
3R、勝負のラウンド。圧力をかけるロートレックに左ミドルを当てるセーマペッチ。左ジャブ、右ミドルのロートレックにすぐに左ミドルを返すセーマペッチ。ワンツー&ローで前に出るロートレック、左ミドル、左ボディストレートを返すセーマペッチ。オープンフィンガーグローブでガツガツ打ち合う両者に、ABEMA放送席の若松佑弥が思わず「見えているから怖くないんですかね。生々しいですね」とつぶやくスリリングな展開。
ロートレックの右ミドルを左足でチェックし左ミドルを返すセーマペッチ。さらにロープを背にしながらも右前蹴り。ロートレックの右ローにはすぐに左ローの打ち返し。セーマペッチの右の前蹴りを掴んで右ストレートはロートレック! ここはクリンチに持ち込むセーマペッチ。ブレーク。
ワンツー&ローのロートレックに左の蹴りを返すセーマペッチ。その蹴り足をつかんでこかすロートレック。すぐに立ち上がるセーマペッチは先にワンツーをブロックの上に。左ミドルをロートレックの腕の上に当てる。右ミドルのロートレックに左ミドル打ち返しのセーマペッチ。ロートレックの右の強振を右に回ってかわして左ヒジを叩き込む。コーナーに突っ込みにやりと笑うロートレック。
ロートレックの右ローにここもすぐに左ローを返すセーマペッチ。首相撲からヒザを突いたロートレックに左で差し返して崩すセーマペッチ。そこを耐えるロートレック。この攻防にロートレックもセーマペッチも互いにやらせないぞと笑い声も見せる。右手を挙げるロートレックがワンツーで前に。しかし最後の左ミドル打ち返しはセーマペッチ。コーナーに詰まるセーマペッチに右を振るロートレックだが、ここもセーマペッチはするりと左に回ってかわすと左ヒジ狙い。さらに右をジャブで突く。
笑顔で効いてないと手を挙げるロートレック。ワンツー跳びヒザで押し戻すセーマペッチ。互いにローを打ち合いワンツー右ヒザはロートレック。セーマペッチは逃げ切り体勢に。ロートレックの攻めに打ち返しを入れてゴング。両者はともにヒザをマットに着いて頭を下げた。
判定は、間合いをコントロールし有効打を当てたセーマペッチが勝利。不満そうな表情を浮かべたロートレックだが、頭を振ってリングを後にした。セーマペッチは王者ノンオーとの挑戦権をかけた決勝戦に進出。8月21日のセンマニーとクラップダムの勝者を待つことになる。
▼バンタム級(※65.8kg)ムエタイ 3分5R◯メディ・ザトゥー(アルジェリア)[判定3-0]×レオ・ピント(フランス)