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MMA
インタビュー

【MMA】青木真也、9月に国内でMMA復帰戦へ「格闘技そのものをやっていきたい」

2020/08/03 01:08
 自身のnoteでMMA復帰戦について記した青木真也が8月1日、囲み取材に応じた。  2019年10月13日のONE Championship日本大会でのホノリオ・バナリオ戦以降、MMA(総合格闘技)の試合を行っていない青木は、「試合の時期は9月前半」を希望し、国内での試合になることを示唆したうえで、「待っていても進まない。ここで関係各位にいろいろ協力してもらってやりたい」とし、「みんなが奇をてらう中、真っ当に当たり前に格闘技そのものをやりたい」と話した。  188日ぶりにプロ修斗が“聖地”に観客を入れて帰還した後楽園ホールで、青木が語った一問一答は以下の通り。 格闘技は必要だから残る、という強い思いがある。真っ当に真面目にやっていれば── ──青木選手ご自身のnoteで「試合します。それもMMAで」と投稿しました。経緯を教えていただけますか。 「単刀直入に試合をしてみたいな、試合をしたいなと思って」 ――詳細は? 「詳細は、まだまだ喋れること、喋れないことがあると思いますけど、なかなか試合が動かない時期で、RIZINは始まりますけど、我々(ONE Championship)はずっと動いていない状況で(7月31日バンコク大会で再開)、このままだとちょっとしんどいなというところはあると思うんです。それは僕だけじゃなくて他の選手すべても。待っていても進まないと思うので、一つここで関係各位にいろいろ協力してもらってやりたいなと思った次第であります」 ――時期的にはいつくらいをイメージしていますか。 「9月前半ですね」 ――となると、海外への渡航もまだ難しいかもしれませんね。 「国内での試合になるんじゃないでしょうか」 ――どんな対戦相手とやりたいですか。 「相手? これは難しいんですよね。言ったら全員顔じゃないと思うんです。今の世界のどんな興行を見ていても、右左両方整えることってないと思うんです。そこはあんまり我儘を言えないんじゃないかなと思いますけど」 ――4月には「Road to ONE:2nd」で世羅智茂選手を相手にグラップリングの試合をして、この間プロレスの試合もしてきて、その中で他団体も見ながら、難しさを感じる部分はどのへんにありましたか? 「結局やればやるほど“傷む”わけじゃないですか。ただ結局、今の格闘技界ってすべて“奇策”だと思うんです。本来、僕が奇をてらうことが得意だったはずなんだけど、それがいつの間にやら、結局みんな奇策になっていった。俺から言わせたら、YouTubeだって奇策だから。そうなったときに、当たり前に格闘技をやるとか、当たり前に大会をやるっていうことが誰一人として出来ていない。マスコミも疑問を言わない。それがやっぱり僕の中でも疑問ではあるから。当たり前のことを当たり前にやりたいなと思います」 ――それは無観客であったり、日本人対決であったり、いろいろな状況の中で、これまで通りのことはどこもできていないという? 「そうそう。本来の“芸事”のあるべき姿ですね」 ――“本来の試合”に関していえば、青木選手が音頭を取るというか、旗を振る役割を担っているかと。 「とりあえずそういうような立場にはなると思うけれども、まあ頑張って体を張って一生懸命やりたいなとは思います。結局しんどい仕事が多いじゃないですか、僕。いつの間にやらメインの仕事が回ってこなくなってきていますよね。(周囲を)アップさせる仕事が多くなっている。その中で自分がやらなきゃなというのはありますよね」 ――厳しい時期だからこそ、“当たり前に格闘技の試合”、MMAの試合をやると。 「はい。MMAをやらなきゃ駄目だなというのはありますね。なんだかんだで好きだし。損得でいうと、やらないほうが得でしょう。やらなくてもいい。実際、賢いやつは(無理して)やらないし。でもこれをやらなければ満足が得られない、となったら、色々とやらざるを得ないなとは思います。言うても、やっぱり好きですから」 ――その間に、4月にグラップリングであれ“試合”という実戦を行えたことは、青木選手の中ではどういう感覚を得ましたか。 「4月が僕の試合で、7月に那須川天心選手が試合をした。並べるのは彼に失礼だけど、試合をして感じたのは……やっぱり言ったら他のみんな、口を開けて(機会を)待っているだけじゃないですか。クラウドファンディングを始めたり、業界のごっちゃん体質が出たと思います。でもそれって僕は、芸事をやる人の正しい姿じゃないと思ってるから。“そういうことじゃないんだよね”というのが、いろいろなところで散見された。そういう意味で本来あるべき──“あるべき”という話はあんまり好きじゃないけど、格闘技というか、格闘技そのものをやっていきたいなと思います」 ――青木選手のnoteで気になったのは、お金の話もありましたけど、それと同時に、「試合を受ける返事をしました。2017年のようなどん底から優しさで立ち上がるように」と、“優しさで”と書いていたことでした。今回もそのような状況にある、ということでしょうか。 「2016年と2017年に2つ負けて(2016年11月にエドゥアルド・フォラヤンに敗れONEライト級王座から陥落、2017年11月に一階級上のONEウェルター級でもベン・アスクレンに敗戦)、やっぱりその負けって大きいわけですよ。アスクレンに負けた後に、さすがに“もう上がり目ないですよね”みたいなことを、僕自身も感じたし、周囲も感じたし。そうなったときに、みんなに助けられてきたというか、“もういっちょ”というのがやっぱりあった(※以降、青木は4連勝)。2017年11月24日のアスクレン戦後、幻冬舎の箕輪(厚介)、僕、GOの三浦(崇宏)、あともう1人。その4人で食事していて“やっぱりもう1回立ち直ろう”というときに彼らがいて、またそのメンバーが幸いなことに今もいる。そこに感謝もしているし、そこに助けられてきた3年とかだったから、もう1回、この辛いときに、みんなに支えられて、まっとうなことをまっとうにやりたいなと思う気持ちがあります」 ――それは当時とリンクしている? 「リンクしています。あのときに絶望というか、下に落ちて、周りに何も無かったときに助けられたというのがあるから、そこにもう一度、という成功体験があるからこそ、もう1回できるという強みはありますよね」 ――いま支えてくれる人たちと、そういう場で戦いたいと。 「そういう場でというか、そういう場を“創りたい”かなという気持ちはあります」 ――昨日には北岡悟選手の試合もありました。どうご覧になりましたか。 「どう思いました?」 ――北岡選手も試合が決まらないなか、やりきったと思います。なかなかいろいろな特殊なこともあったとは思いますが。 「その特殊さに疑問はありませんか」 ――特別なルールはありました。でも、ホームで自らやるというのはそういうことだとも思います。 「そう。だからまさにそういうことで“最高の自流試合”ですよね。何て言うんだろう……“そこまでするんだ”という彼の狂気性は出たと思います。でも、そこを周りが言わない異常性も感じます。だから僕は良い・悪いじゃなくて、僕が創りたいものとちょっと距離があったかなという気持ちがあるんです」 ――青木選手としては、苦しい状況ではあるけども、逆にご時世がどうとか、事情がどうのということとは関係がないところでやりたいと。 「というか、みんな辛いですからね。俺たちだけがいじめられてないんです。2007年のPRIDE(大会が消滅)のときって、俺たちだけが割りを食っていて、俺たちだけが辛かった。だから、“やれんのか”となったと思うんだけど、今みんなキツいから。“俺たちだけ”っていうと、良からぬ方向に燃える可能性があるじゃないですか。いまはみんなが辛いというのが一つのテーマだと思うんです」 ――今回はみんなが辛い中で、見ている人たちに何かを届けたいという思いがあると。 「届けたい……結局そもそも主義主張とか、思想信念を持ってやっている。その立ち上がる姿だとか、そういうものに共感する商売をしているんだから、それを見て何か人の感情を揺さぶりたい。俺たちだけが辛いんじゃないということが一番重要なんだと思う」 ――格闘家として、人の感情を揺さぶり、共感させられるかどうかだと。 「僕、ずっと言ってるんですけど、格闘技も必要無かったら無くなるし、必要なかったら無くなっていいと思ってるんです、本気で。だから、“格闘技を残すために”とか、“この文化を残すために”みたいなのは、ちょっと違うと思っていて“残るものしか残らない”。その点で僕は自信がある。必要だから、格闘技は残ると。その格闘技が必要だという僕の強い思い、強い信念があるからこそ、僕は大丈夫だと思っている。残るんだもん。ただし、真っ当に真面目にやって、当たり前のことをやっていれば」
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