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レポート

【K-1】武尊がムエタイ王者をKO「格闘技ブームをブームで終わらせない」。武居がKO勝利、ピケオーが野杁に判定勝ち。金子が玖村との超新星対決制す! 卜部功也が王座陥落、林健太が涙の戴冠=3.10「K'FESTA.2」

2019/03/10 12:03
【K-1】武尊がムエタイ王者をKO「格闘技ブームをブームで終わらせない」。武居がKO勝利、ピケオーが野杁に判定勝ち。金子が玖村との超新星対決制す! 卜部功也が王座陥落、林健太が涙の戴冠=3.10「K'FESTA.2」

(C)Isamu Sakamoto/GONG KAKUTOGI

◆K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ~K'FESTA.2~
2019年3月10日(日) さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ
観衆=1万6千人、超満員札止め
【試合中継】AbemaTV

▼第19試合 日本vs世界・7対7 -59kg契約 3分3R・延長1R
○武尊(日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
[2R 2分43秒 KO]※左ストレート

×ヨーキッサダー・ユッタチョンブリー(タイ/ユッタチョンブリージム)

1R、ともにオーソドックス構え。身体で一回り大きな武尊は左ローから入る。ヨーキッサダーも右ローを返す。さらに左インローは武尊! ヨーキッサダーは右ハイで牽制。さらに右ミドル! 左前蹴りは届かず。右ミドルはヨーキッサダー。その打ち終わりに武尊は左右で詰める。左インローからボディを突いて顔面を狙う武尊。ガード固めるヨーキッサダーをコーナーに詰めると、ヨーキッサダーは逆のコーナーまで押返して、跳びヒザを入れる。

2R、左インローは武尊。右ミドル2発はヨーキッサダー。近距離で武尊はいつもより手数が出ない。右ミドルはヨーキッサダー! さらに左ヒザ、右ミドル! 右ローには武尊も蹴り返し、さらに左インロー! ヨーキッサダーも右ローを返す。前に出てきたヨーキッサダーは右ミドルを武尊の腕の上に当てるとワンツー! ブロックする武尊だが、ヨーキッサダーは前へ! 武尊は下がりながら右ストレート! 前のめりにダウンするヨーキッサダー。

立ち上がるヨーキッサダーだが、詰める武尊は最後は右フックから左ストレート! これまでムエタイではKOされたことがないヨーキッサダーを武尊が見事、KOに降した。

武尊「格闘技ブームをブームで終わらせはしない」

「たくさんのご来場ありがとうございました。今回、僕の人生のなかでも大一番で、死ぬ気でやってきて。それでも万全で試合出るのは難しくて。そんななかで周囲のサポートしてくれる人がいて無事に勝つことができました。ファンからのメッセージも、SNSも全部見ていて励みになります。

今回、メチャメチャ賭けてたんで……。やっぱり、いま格闘技が盛り上がっていて、同日開催の団体もあって、格闘技ブームが来ているというけど、すでに格闘技ブームだと思うんです。昔の格闘技ブームにはまだかなわないかもしれないけど、もう始まっている。今日から格闘技ブーム、スタートということで、一緒に盛り上げていきましょう。

それと、これからはもっともっとK-1が最高っていうことを証明するために戦わないといけない相手もいるんで、実現させることは難しいですけど、僕は格闘技ブームをブームで終わらせるようにはしないんで。野球やサッカーやバスケットボールと同じように、みんなに見続けてもらって、オリンピックみたいに、始まったらみんなが見る、みんなが知ってるっていうものにするためにこれからも盛り上げていくんで、よろしくお願いします。今日、勝ったんで、みんなで『K-1最高』って言ってもらっていいですか?『K-1最高!』」

武尊「こんなに僕が前に出られないことは今までなかった」

「僕の中では大一番で、正直いろんなものを背負っていたっていうのがあるし、今回の相手は思い入れがあるというか、戦うことをずっと目標にしていた相手だったので。もともとムエタイのジムに行っていて、始めたのもムエタイ系だったので、そこを超えなきゃ最強って言えないと思っていたので、ずっと対戦を要求していて今回叶いました。こんなに僕が前に出られないことは今までなかったです。自分でもびっくりしたいし、開きがない。インローしか蹴れなかったです。それぐらいの相手っていままでなかった。右足の甲を骨折してて。ミドルにまったく隙がなくて、1発蹴られて、腕に力が入らなくてヤバいなって。パンチ合わせる隙もなくて、ローキックに隙があるなっていうのが見えて、ローキックの後に隙があるなって感覚でした。今だ、って打ったのが入りました。

対策もして、アメリカにも行って修行していろんなものを学んだんですけど、今回結局出せず。どういう突破口見つければいいんだろうってずっと思っていました。これからは勝ち続けることはもちろん、意味のある試合をしていきたいです。選手生命は短いし、限られる中で、意味のある試合をやりきって、K-1最強を証明するのと、格闘技をブームの時ぐらい知ってもらいたいです。

(「実現するのが難しい」試合というのは)格闘技界を盛り上げていくのが一番。僕が勝ち続けて、意味のある試合をして、格闘技以外の活動もして。毎日全力でやるだけかなと思っています。(「ブームは始まっている」とも)会場がデカくなるのもそうだし、テレビ中継もそうだし、見たいと思う人が増えること。ワールドカップとかなら、その時間になるとみんなが見たりしますよね。街全体が一色になるのがブーム。ゴールデンタイムが渋谷の街がK-1、一色になる。そういった一大行事にしたいです」

ヨーキッサダー「パンチが重かった」

「悲しいですし、もったいないことしたなと思う。パンチが強い選手、パンチだけが強い選手だと思う。タイに戻ってしっかり練習して強くなって、またタケル選手と戦いたいと思います。想定外の重さでした。当初の考えではこれほど重いと思ってませんでした。(パンチだけが強い。インローは?)いろいろな経験を積んできてこれぐらいの足のダメージは関係ない。やはりパンチが重かった」

▼第18試合/日本vs世界・7対7/K-1スーパー・フェザー級/3分3R・延長1R
○皇治(日本/TEAM ONE)
[判定3-0]※30-29,30-28×2
×ヤン・サイコ(ドイツ/Kickboxtempel)

1R、ともにオーソドックス構え。皇治の鋭いワンツーにサイコはクリンチ。サイコは左フックから飛び込み、ヒザを突く。コーナーに詰めての皇治のワンツーにクリンチでホールディングを宣告されるサイコ。左のヒザを突くが、そこに皇治は右ストレートを合わせる。

2R、右ローを突くサイコ。KOにこだわる皇治は大きな右で飛び込む。左フックをガードの奥から打ち込む皇治。左ボディを突いてから顔面を打つ。軽く左フックの飛び込みはサイコ。しかし皇治は左ボディ、ヒザと腹に打撃をためる。

3R、右ローから入る皇治。さらにワンツーにサイコは右ヒザを合わせる。手数も多い皇治だが、大きな振りに。「狙わない」とセコンドから言われる皇治は右ハイも。

完全に圧力をかけてコーナーに詰める皇治は左ボディ! さらに右ハイも。サイコをロープにくぎ付けにしてラッシュをかける。ガードするサイコはヒザを返すが浅い。

判定は3-0で攻め続けた皇治が勝利。「なんで人ってこんな倒れるんやろう? って言いたかったけど、内山(高志)さん、なんで人ってこんなに倒れんのやろう?(苦笑)。俺は格闘技界を変えたい。命かけて格闘技界を変えていくから。あと、これから出る男前君に借りがあって。武尊、俺とやる前に負けんなよ。俺が言っていいですか。K-1、最高」

皇治「武尊に教えてもらおうと思って。どうやって倒すのって」



「人って簡単に倒れへんなって思ってます。ファンと約束したこと守れなくて、情けなくて悔しいです。ドイツからきてくれてナイスガイやったけど、弱かった。男はやっぱ貫かなあかんから、武尊の首狩れるのは俺しかいないので、スーパースターは俺しかおれへんと思っている。すべて上回ってるのは俺やけど、難しい、ほんま人倒すの。だから後で武尊に教えてもらおうと思って。どうやって倒すのって。倒したところは見てなかったけど。俺は倒れへんかったけどね。最高級のファンと、最高級の陣営でやっているので、それで倒せなかったのがマジ、ヘコんでいます。みんなの見たがっているカードが出来るように、一つひとつ頑張ろうと思っています。今は追われる立場で、やる相手がいないから男は言ったこと貫かなきゃいけないから。また大阪も地方も盛り上げたいし、とりあえずK-1を、格闘技界を盛り上げたいと思っています」

ヤン・サイコ「下の階級の方がいいパフォーマンスできると思う」

「自分も含めて勝ちにいくという気持ちが強かった。特別な練習はしてなかったのが、負けた原因かな。100パーセントの自分のコンディションを作れなかった。試合前のコメントを聞いたら嫌な奴だと思ったけど、試合が終わったら声をかけあった。酒でも酌み交わせたら。どんな相手でもリスペクトしている。もちろんコウジに対しても。今後は自分の希望としては、このままK-1で戦っていきたい。そのために練習を見直して、もっと練習する。下の階級の方がいいパフォーマンスできると思うので、それも視野に入れてやりたい。コウジのパンチは考えていたほど強くなかった。何度か食らったけどそこまで効いてなかった。思ったほど強いパンチじゃなかった。負けた理由、一番の敗因は、100パーセントのコンディションに持っていけなかったこと」

▼第17試合/日本vs世界・7対7/-68kg契約/3分3R・延長1R
×和島大海(日本/月心会チーム侍)
[1R 2分22秒 KO]

○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス)

オーソドックス構えの木村にサウスポーの和島は奥足へローキックを当てる。木村は右ボディフック! さらに和島のガードの上から右フックをダブル! 効かされた和島はガードを固めるが、木村は左右のフックを高速連打! 右ボディも突いてから、さらに右から左フックでKO!「もう一回、ピケオーとやれるように頑張ります」

木村「トーナメントでもいいなと」

「今回は順当に作戦勝ちって感じ。狙っていたパンチが当たりました。100点。和島選手は、自分の中で意識してて、タフな試合になると思っていたけど、自分のパンチが上の階級に通用すると分かってよかったです。今後はK-1のベルトを狙います。どういう形になるかわからないけど。ウエルター級で。久保くんがいるけど、どうにかこうにかチャンスが巡ってくれば。トーナメントでもいいなと思っています」

和島「やっぱり木村選手強かったですね。印象通りパンチが強かった。2連敗しちゃったので、とりあえず勝ちたいです」

▼第16試合/日本vs世界・7対7/K-1女子-51kg契約/3分3R・延長1R
×KANA(日本/K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
[判定2-0]※30-28,29-29,30-29

○ヨセフィン・ノットソン(スウェーデン/Allstars training center)

ノットソン「KANAがリベンジのオファーを受けてくれて感謝しています」

「感情の入った試合だった。前回ああいう終わり方だったのでとても気持ちの入った試合だった。今回勝てて良かった。KANAはとてもいい選手だと思うし、人間として素晴らしい。今回のリベンジのオファー受けてくれて感謝しています。試合は全般的に作戦通りの試合運びだったのでうれしく思います。日本が、日本のファンがとても好きです。暖かいサポートに感謝しています。日本の印象はいい。今後は話し合っていきながら、自分の道を切り開いていきたいと思います」

KANA「ノットソン用に対応してきたものに、対応されました」

「ノットソンが自分より強かった。しっかりこの試合に向けて準備してきたんだなっていうのが伝わりました。K-1の女子は自分しか引っ張っている人は自分しかいないのでしっかりリスタートできるように、ちゃんと考えます。(ゲームプランは)前回は距離を取れずって感じだったので、今回は最初から至近距離で戦おうと思って、自分の距離を作ってコツコツ当てていこうという作戦。思うようにいかなかったことはなかったけど、向こうもそれに対応してきた。対応してきたものに、対応されました」

▼第15試合【株式会社 武州鳶 Presents】日本vs世界・7対7 K-1フェザー級 3分3R・延長1R
×芦澤竜誠(日本/K-1ジム総本部チームペガサス)
[1R 1分0秒 KO]

○ホルヘ・バレラ(スペイン/Team Jesus Cabello)



前回来日したことでK-1のタトゥーを左腕に入れたバレラは、芦澤の低めのガードに一気にロープまで詰めると、伸びる右ストレートをヒット! さらに左フックで最初のダウンを奪うと、続けて左フックでダウンを2度追加。バレラが3ダウンでKO勝利。アレックス・リーバスと同じTeam Jesus Cabelloの存在感を示した。

ホルへ「我々のチームには素晴らしい選手がたくさんいる」

「この日のためにかなりきつい練習もやってきた。芦澤は素晴らしい選手ですし、有名な選手なので、だからこそ一生懸命練習してきた。Kにまた戻ってきて戦いたい。必ず戦いたい。我らのチームには素晴らしい選手がたくさんいるので、彼らも日本に来て、みなさんに見て欲しい」

芦澤「俺はこのままのスタイルでいく」

「1ラウンド決着だったから負けたけどいいと思います。俺より強いから倒せたと思うので、強いと思います。このまま行くので負けたからといってキャラを変える必要ないと思うし、俺はこのままのスタイルでいく」

▼第14試合 日本vs世界・7対7 K-1ウェルター級 3分3R・延長1R
×野杁正明(日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
[判定0-2]※29-29,29-30×2

○ジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym)

1R、野杁は右から左アッパーをヒット! すぐにピケオーは打ち返しで左右からヒザまで繋げる。野杁のガードの間にまっすぐを突くピケオー。近間で手数多く左右を突く。ガード固める野杁は奥足にこつこつローを突く。

2R、近い距離で額を突き合わせて突く両者。そこから左ハイを効かせた野杁! グラつくピケオーに跳びヒザ、さらに左右ボディから右ローを連打で突く。しかし驚異的な回復力を見せるペケオーは右フックをヒット! 野杁をコーナーにくぎ付けに。野杁もヒザを返す。右ハイをガード上に当てるピケオー。右ストレートを返す野杁。右ハイはピケオーのアゴ先をかすめる。

3R、左から右フックを当てるピケオー。ロープを背にカウンターを狙う野杁。右フックのショートも。近間の左ヒザは野杁! しかしピケオーの右アッパーに手が止まる。拍子木を合図に左右をコンパクトにまとめるピケオー! さらにヒザも! 野杁もヒザを返すが力に欠ける。判定は2-1でピケオーが勝利。

予想に違わぬハイレベルでタフな戦いでの勝利にピケオーも歓喜。試合後、ピケオーは「久保優太、この試合を見ていたかい? 2人とも勝った。戦わない理由はない。対戦しよう」と王座戦をアピールした。

ピケオー「野杁のいいヒザが入ってかなり効いた」

「とてもタフな試合でした。1Rの攻撃は野杁のいいヒザが入ってかなり効いた。2Rもいいパンチも入った。しかし、今回は負けられない試合。先週の土曜日が息子の1歳の誕生日だったので、必ず勝利を持ち帰るという気持ちでいたのが、今回の結果に繋がった。野杁は本当にいい選手。自分が野杁にパンチを食らわせれば、前に出てくる野扖が下がると思っていた。試合運びのなかで、自分は必ずパンチでその状況を切り崩していく。タフな試合だった。野杁は今まで戦った日本人の中でも一番強い選手に入る。久保優太のタイトルに挑戦したい。久保が11月に自分に試合を申し込んだので、戦う気でいた。大した面白い試合じゃなかったので、自分が面白い試合を見せたい。今年は面白い試合をしたい。必ず勝つと約束をして、守って帰っています。次は久保に勝って、Kのチャンピオンになる。そしてパーティーをして、日本のファンを楽しませたい」

野杁「目もパンチも死んでなかったので、怖かった」

「ピケオーが強かった、それだけ。試合前と変わらず、ほんと強かったなってぐらいです。タイトル挑戦が遠ざかって、0からのスタートだと思うけど組まれた試合をクリアして、今年中に2階級制覇して、ピケオーにリベンジしたいです。手応えを感じてそこで一気に攻めることができたら勝てたかも。そこで詰め切れなかったのが自分の弱さ。目もパンチも死んでなかったので、怖かったです」

▼第13試合 日本vs世界・7対7 K-1スーパー・バンタム級 3分3R・延長1R
○武居由樹(日本/POWER OF DREAM)
[1R 2分54秒 KO]※左右ラッシュ

×サンドロ・マーティン(スペイン/THAIDRAGON CADIZ)
※アレックス・リーバスは家族に健康上の問題が見つかり試合を辞退、欠場に。

1R、サウスポーの武居に、右構えのマーティン。ロープに詰める武居は、左ハイを効かせラッシュでダウン奪うと、左右ボディ受けガード固めたままのマーティンがスタンディングダウン。武居はリング上で「ほかの団体も盛り上がっていますけど、K-1が世界一です。K-1は負けません」とマイクでアピールした。

武居「自分が先鋒戦で、1RでKOで勝ててよかったです。相手選手は準備期間がなかったと思うけど。それでも強かった。今後はこのベルトの価値を上げていきたいなと思っているのでどんどん強い選手とやって。武居とベルトの価値を上げていきたい。(どこにも負けないというのは)他団体、RISEとかONEとかに絶対、負けてほしくないので。その気持ちです」

サンドロ「残念なのは準備する時間がなかった。次はしっかりやる。素晴らしい選手だと思うけど、今度やる時はしっかり準備してやりたい。もっと練習してもっと強くなりたいと思います。スペインに帰って2週間後ムエタイの試合ある。もう一度このK-1に戻ってきたい」

▼第12試合【DIVINER Presents】 K-1 WORLD GPウェルター級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
○久保優太(王者/日本/K-1ジム五反田チームキングス)
[延長判定2-1]※10-9×2,9-10

×城戸康裕(挑戦者/日本/谷山ジム)
※本戦判定1-0(30-29,30-30×2)

1R、サウスポーの久保にオーソドックスの城戸。互いにローを突き、久保は縦蹴り。両手を前にズムを取る城戸は左ロー。久保もすぐに強い右ローを返す。左ローは城戸。さらに右を伸ばすが、久保はかわす。左ミドルを久保の右腕に当てる城戸。二発目は久保がかわす。城戸は左まぶたを腫らす。互いに厳しい間合い合戦。

2R、詰める久保に前手を立てて久保の前蹴りを警戒する城戸。左伸ばして、左ローを当てる。さらに城戸は左ハイ。ブロックする久保は詰める久保の右の打ち終わりに左ローを粘り強く打つ。さらに左ハイは城戸。近づくと久保は右のボディを突く。

3R、先に前足に左右ローから入る久保。城戸は左ミドル。久保も左ローを返す。互いにサウスポーに。左ハイを入れる久保。浅いが久保は前へ。城戸の左をかわして右を入れる。近距離から左フックは久保。右ジャブは相打ち。久保も左目を腫らし鼻血を流す。城戸の左ハイをダックしてかわす久保は詰めるがゴング。互いに決定打は許さなかったが……本戦判定は30-29久保一票、30-30×2。

延長R、互いに左構えに。近づいてワンツーで飛び込む久保。右にかわす城戸は左ロー。久保は左右ボディ打ちで飛び込む。城戸が左脛から出血。ドクターチェック後、再開。左ローから入る久保。城戸は痛めた左足でローを蹴る。右の縦蹴りは久保! さらに右で飛び込む城戸はヒザを入れながら飛騨るストレート! ミドルは潰す久保が左右で前へ! ゴングでマスト判定に両者は手を挙げて勝利をアピール。

両者のベルトへの思いが伝わる緊張感ある斬りあいの延長判定は2-1(10-9×2,9-10)で王者・久保が防衛に成功。コールに城戸はヒザをマットに着くと、勝ち名乗りを受けた久保もヒザをついて城戸に言葉をかけた。

久保はリング上で「本当は結構練習していたんです。やった勝ったと思って、3Rで集中力が切れたしまいました。延長Rで城戸選手のベルトに対する執念を感じました。強かったです。ありがとうございました。あと何戦できるか分かりませんが応援をよろしくお願いします」と挨拶をした。

久保「城戸選手のベルトに対する執念を感じた」

「ベルトが返ってきてとりあえずホッとして良かったなと。3Rで勝ったと思って気を抜いていたところがあって、延長は城戸選手がベルトに対する執念を感じて、負けられないと思って頑張りました。どっかのタイミングで、目を骨折しているので、とりあえず家に帰って休みたいです。頭が合った瞬間がありました。(ピケオー戦については)今日のところは疲れすぎてて次のことは考えられないです。ピケオーと野杁選手の試合を見れなかったので、見たら燃えるんじゃないかなと思うので。体重もきつかった部分もあって、その辺、体調管理どうしようかなって。計量もすごいしぼんでました。今日はリカバリーしてムキムキになっていて。体重どうしようかな。とりあえず怪我を治すことに専念しようかなと」

城戸「まだまだ頑張ります、ほんとに」

「どんな試合だろうが、面白い試合だろうが、面白くない試合だろうが、ベルト取ることが目標だったので、そういう意味では全然ダメだったなとしか思えない。うまいですね。僕もキャリアが長いし久保くんも長いし、ほぼどっこいですが、うまいなと。格闘家みんな思うと思うけど、負けた時、犯罪者みたいに周りが見てるメンタルになったりするけど、休まなかったら終わらないと思っているので、ベルト取るまで頑張ろうかなと思っています。まだまだ頑張ります。まだまだ頑張ります、ほんとに」

▼第11試合 K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
○村越優汰(王者/日本/湘南格闘クラブ)
[判定3-0]※30-28×3

×卜部弘嵩(挑戦者/日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
※村越が王座防衛

オーソドックス構えからいきなり右で飛び込む弘嵩。サウスポー構えの村越は右回りにかわす。ワンツーから左フックに繋ぐ弘嵩。さらに跳びヒザ狙い。そこに村越は右ジャブを当てる。村越の左ローにすぐに右ローの蹴り返しは弘嵩。村越の左ミドルに左フックがヒットする! さらに右ミドルを入れたところでゴング。

2R、右ローから入る弘嵩。村越は連打をさばいて左ミドルを返し、右ジャブを入れる。ワンツーの右は遠い弘嵩。かわす村越はその入りにヒザを入れて弘嵩は尻もちをつく。ダウンにはならなかったが、ペースを握ったのは村越。

3R、左からのワンツー、左ミドルが入るようになった村越。弘嵩のスピード、まっすぐの入りを見切るようになった村越は、左右のヒザ! 弘嵩の左右は空振りに。あるいは左右にさばく村越は弘嵩の右ストレートに左のテンカオ! 最後まで詰める弘嵩だがゴング。

判定は3-0(30-28×3)で初回の弘嵩の奇襲を凌いだ村越が勝利。ベルトを防衛した。

弘嵩「ここで辞めちゃったら、後輩とか下の選手に何も伝えられない」

「うまく作戦にはめられちゃった感はありましたけど。気持ちが先にいき過ぎちゃったかな。いいファイターだし、今日やってみて、またさらにいいファイターだと思いました。率直な気持ちで言うと、僕は村越より弱くて負けたわけじゃなくて。今すぐにでもやりたい。フェザー級のタイトルマッチに挑戦する。どうやってたら最短でできるか考えている。バレラとかいい選手とやって結果出すことが最短かなと思っています。(功也の試合の)影響はなかった。驚きはありましたけど。試合間隔は数試合あったし、逆に自分が勝ってやろうと思ったし。プラスの気持ちになった。ここで辞めちゃったら、後輩とか下の選手に何も伝えられない。ここでもう一回登りつめたらいろんな人にパワー与えられる。根っからのファイターなので、何度も立ち上がってやろうという気持ちです」

▼第10試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R・延長1R×
×佐々木大蔵(日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
[判定0-3]※28-29,27-30×2

○安保瑠輝也(日本/team ALL-WIN)

1R、オーソドックス構えの佐々木に、左構えの瑠輝也は左ハイを打ってそのまま前進すると左ストレート! ダウンする佐々木。左ミドルを当てて落ち着きを取り戻す。。ワンツーから左スーパーマンパンチ、さらに左ヒザとラッシュする瑠輝也! ブロックで凌ぐ佐々木。

2R、オーソに構え直した瑠輝也は左ジャブ。そこに佐々木は左アッパーを入れ、左ジャブさらに、左前蹴りを顔面に当てる。瑠輝也の左ミドルには右ローキックを返していく。さらに瑠輝也の蹴りをスウェイでかわす。

3R、右ローを当てていく佐々木。ガードを固める瑠輝也に速いジャブを当てていく。ロープに詰めるのは佐々木! 瑠輝也の左アッパーに左フックを当てる。しかし、3R残り20秒で瑠輝也も左フックを返すと、佐々木も右ストレートで前進し、ゴング。

判定は1Rにダウンを奪った瑠輝也が3-0勝利。

安保「勝つことができたけど、内容は全然納得していない」

「勝つことができて良かったけど、内容は全然納得してなくて、自分が口だけの選手になった気がしてふがいないです。効いた攻撃はなにひとつない。近いやつとか経験を積んだ分うまくてやりにくい。ここでKOでバッチリ勝って、この階級には俺しかいないと言おうと思ったけど。また派手な安保に戻って。魅せられる選手になろうと思います」

▼第9試合 スーパーファイト/K-1スーパー・ライト級 3分3R・延長1R
○左右田泰臣(日本/K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
[判定3-0]※30-29×3

×松花征也(日本/リバーサルジム横浜グランドスラム)

松花「2年ぶりの試合だったので、感覚とかがない状態だったので、焦った部分も多々ありました。試合をやれたので良かった。(相手の)パンチがすごいうまいと感じました。1発1発もすごい重かった。ボクシングテクニックも全然向こうの方が上だったな。今回負けたので大きなこと言えないけど次は勝てるように1日1日を大事に過ごしていきたいです」

▼第8試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R・延長1R
○小宮山工介(日本/K-1ジム北斗会館)
[判定3-0]※30-29×2,30-28

×郷州征宜(日本/K-1ジム総本部チームペガサス)

前進し右クロスを当てる郷州。小宮山は打点の高い前蹴りでストッピングし、左右にステップでさばく。しかし郷州は出足を止めず、タフファイトに持ち込み、ともに打ち合いのままゴング。2014年以来の再戦を再び小宮山が制した。

▼第7試合 スーパーファイト K-1スーパー・バンタム級 3分3R・延長1R
○金子晃大(日本/K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
[延長判定3-0]※10-9×3

×玖村修平(日本/K-1ジム五反田チームキングス)
※本戦判定は0-0(27-27×3)

1R、ともにオーソ。近い距離でパンチを交錯させる両者。玖村のワンツーの右にアゴが上がる金子だが、すぐに反撃。右ロー。さらに左右連打から右ヒザを突く。玖村はバックフィストも金子は動じない。

2R、右ミドルは金子。さらに右ミドルハイをガード上に当てる。さらに右ミドル。玖村はワンツーから左ミドル。さらに金子は左ボディ効かせて左右フックをガード上に当て、右フックでダウンを奪う。

しかし玖村が右バックフィストでダウンを奪い返すと、さらに6連打! 金子から2度目のダウンを奪う。

3R、激しい打ち合いを望む両者。金子は左ボディを突き、ヒザ蹴り! 玖村は回転の速い連打で金子の動きを一瞬止める。右を当て右ミドルまで繋ぐ金子。コーナーに詰まる金子は右ボディ効かせてから右フック! 拍子木に左手を前に左右ラッシュは玖村!

本戦判定は0-0(27-27×3)ドロー。延長へ。

延長1R、先に右ミドルは玖村。互いに鋭い右が交錯する。さらに玖村の左に金子のアゴが上がる。しかし金子は右の蹴り、ヒザで玖村を下がらせると、ジャブから右ストレート!コーナーに詰まる玖村。右を狙うが、金子はヒザで飛び込み的を絞らせない。さらにワンツーから右バックスピンキック! 倒れない玖村。試合は判定へ。延長判定3-0(10-9×3)で金子がスーパー・バンタム級の超新星対決を制した。

▼第6試合 K-1 WORLD GPライト級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
×卜部功也(王者/日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
[延長判定0-3]※9-10×3

○林 健太(挑戦者/日本/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/FSG)
※本戦判定は0-0(※29-29×3)

1R、左構えの功也にオーソの林。コーナーに詰める林はヒザ! 功也はジャブから左ストレートを狙う。さらに左ミドルをヒット! さらにそこにボディも突く。右ストレートからボディは林。左を振るが頭を振ってかわす功也。林は蹴りも織り交ぜローも入れるがローブローに。

2R、ジャブ連打からワンツーで迫る林に功也は左ストレートを当てるが、林も下がらず。右ストレートのダブルで功也のアゴを上げさせる。さらに右ボディストレート。しかし功也も左ミドル。その距離にさせず詰める林だが、功也の左ヒザがローブローに。再開。ジャブから右ボディを狙う林に頭が下がるところに左ミドルを当てる功也。そこで下がらず林も詰める。

3R、大きな右で迫る林にコーナーを抜ける功也。さらに詰めると右のヒザ! 功也は下がりながら左を当てるが、そこで林は止まらずスタミナ惜しまず詰めていく。しかし左ボディを当てる功也が左ストレート! さらに左ミドルも。しかし、なおも詰める林は右フック! 効かされた功也がグラついて後退するとロープ間で座りダウンは免れるが、林は詰めてラッシュ! 功也も凌ぐ。判定は

延長R、詰めるのは林。左を上下に当てると功也は動きが鈍る。しかし、功也の左のまっすぐがヒット! 左ミドルも打つ。林は手数止めず詰める林は額突き合わせ右アッパー! さらに右を突き上げると効かされた功也の足どりが流れる。ラッシュする林。功也は右も受けるが、倒れない功也は左をここで返す! しかし林も後退せず。ゴング。

判定は9-10×3で林が新王者に! コールに泣き崩れた林は、リング上で「毎日、減量やプレッシャーでいろいろ辛いことがあって、子供たちに塩対応で……ファイトマネーもらったら、行きたいところ全部行こう! これから応援、よろしくお願いします」と涙で語った。

林「肉を切らせて骨を断つ試合だった」

「功也くんはK-1ファイター、立ち技の中で一番強いと思っていたし、見本にしていた選手。試合が決まった時はいけるかな? と迷いがあったけど、自分が今どれだけできるか楽しみだと思うぐらい練習してきて勝てたのでよかった。警戒していたストレートが速くていっぱいもらっちゃった。この前のトーナメントでももらったので、避けることを意識して練習してきた事ができたかな。(今後は)盛り上げる試合みんなが興奮してワーッとなる打ち合いをしていきたいです。世界中で打ち合いができるファイターを呼んでもらって、リング上でバチバチ打ち合いたいと思います。(作戦は)自分の持ち味ってプレスをかけて(相手を)しんどくさせる、距離を潰すことなのでそうしました。功也くんは最強だと思っているので、パンチやキック、どれかはもらうとは思っていた。肉を切らせて骨を断つって言うんでしょうか。普段の試合の時は同じジムの仲間ですし、先輩ですから、(試合後は)これからも練習でもよろしくね、って言ってくれました。いい先輩です、ほんまに」

功也「ラストスパートだって、ずっと自分の中で感じていた」

「同門の健太が強かったですね。気持ちもすごい出てて強かったです。堅実っていうか、相手の流れに持ち込まれたなっていうのがある。すごいいい選手です。頑張って欲しいです。(今後は)考えらえれないですね、わかんないっす。長くやっているので、あとはどう(現役を)締めるかって。そのぐらいですね。(ローブローは)当たっちゃったみたいな感じがあった。蹴るやつは蹴るので。僕の性格的にもうちょいいけばよかったんですけど、いけなかった。もう一回取られると印象悪いなと思ったので。ラストスパートだってずっと自分の中で感じていたので、どこで締めるか。もう一回ベルトを目指そうという気にならないです。試合前から負ける覚悟をしているので、それを受け入れて。負けたら負けたでどういうプランニングかって考えていたので」

▼第5試合 K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
○シナ・カリミアン(王者/イラン/WSRフェアテックス・イラン)
[判定3-0]※30-29,29-28×2

×加藤久輝(挑戦者/日本/ALIVE)

1R、いきなり左の下段蹴りで飛び込むサウスポーの加藤。さらに左ロー。オーソのカリミアンはそこに右ストレートを合わせる。さらに長いワンツー。加藤はまっすぐ後退する。カリミアンは左の前蹴り! パワフルなカリミアンに加藤は体力を削られ口で息をするが、加藤も左ストレート! カリミアンの足が止まる。拍子木に両者見合う。

2R、前手を出して左の下段蹴りを連打する加藤。詰めるカリミアン。さらに左ロー。しかしそこにカリミアンは右のカウンターを狙う。スイッチしての左ミドルはカリミアン。さらに右ロー。跳びヒザから軸足蹴りのカリミアンに後退する加藤。カリミアンはさらにクリンチ気味に後頭部を連打。効かされた加藤は左ストレートで反撃する。

3R、コツコツと左下段蹴りを打つ加藤。押し込んでの左ローも。手数・足数はカリミアン。右アッパーも。左ストレート返す加藤だが、カリミアンが今度はお返しの右ロー。下がる加藤にカリミアンは首相撲からヒザに口頭注意。ラスト10秒、加藤は左から右がヒット! 下がるカリミアンだが決定打は許さず。

判定3-0で王者が初防衛に成功。エプロンで加藤と笑顔で言葉をかわしたカリミアンは、リング上で「ミナサン、コンバンハ、ヨロシクオネガイシマス! 会場に来て応援してくれたファンに本当に感謝しています。またさいたに戻ってベルトを防衛できて本当に嬉しく思います。もうすぐお正月のイランの国民にこの勝利を捧げたい。6カ月、日本に滞在して日本の方々にとても優しくしてもらいました。ありがとうございました」と挨拶した。

カリミアン「名前が知られている大きな選手にチャレンジしたい」

「自分の試合には満足してない。もっとできたと思うけど、できなかった。でも幸いにこの試合に勝つ事ができた。彼は試合前にかなり私を挑発してきたので、もっといい選手だと思っていたけど、期待はずれだった。これからは今まで以上にこの道で主張していきたいと思うし、この業界で名前が知られているビッグネームにチャレンジしたいと思います」

加藤「負けましたね。これからコーチたちと何が足りなかったか分析して、次の試合では失敗しないように頑張ります。去年よりはレベルアップしている。やりづらかったから、分析してまたリングに戻りたいと思っています」

大会リポート前半

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