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2020年7月23日(水・祝)東京・新宿FACEにて、観客を入れて開催される『DEEP JEWELS 29』の前日計量が22日、都内にて行われた。
第5試合では女子バンタム級相当の61kg以下契約で、杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)と、ARAMI(フリー)が対戦。計量では、杉山が60.8kg、階級下のARAMIは58.50kgでパスしている。
杉山は、空手道禅道会から2008年11月にDEEP JEWELSの前身であるJEWELSの旗揚げ戦でプロデビュー。5連勝を飾るなどJEWELSの主力メンバーとしてレギュラー参戦を果たす。豪州留学のため一時期試合から離れたが、2012年7月に国内復帰。トップ選手として活躍し、2017年と2018年のRIZIN年末大会に出場したがいずれも渡辺華奈に敗れた。
2019年3月に韓国で開催された『Double G FC 02』で、UFCで近藤朱里とも対戦(女子ストロー級・52.2kgで近藤にスプリット判定負け)したジョン・チャンミに判定勝ち、同年9月には新鋭の赤林檎に腕十字で一本勝ちし、今回は約10カ月ぶりの試合となる。
一方、加賀谷花野(柔術&MMAアカデミーG-face)の欠場により、急遽、参戦を決めたARAMIは女子アトム級(-47.6kg)のファイター。2017年のプロデビュー後4勝2敗で、プロ初戦の「Road FC 39」でホン・ユンハに判定勝ちした新鋭だ。ユンハは2019年12月に富松恵美に判定勝ちしており、当時成長過程にあったとはいえ、ARAMIがアウェイでユンハに勝利したことは特筆に値する。その後、2戦目でも古瀬美月(古瀬はプロ4戦目)にマウントからのパウンドでTKO勝ちしており、テイクダウンからポジショニングで相手を制するグラップラーだ。
体重超過した2018年9月の「DEEP JEWELS 21」では、青野ひかるの序盤のテイクダウンに苦しみながらも、2R目には右で差しての得意の後方への投げでテイクダウンを奪い返し、バックマウントまで持ち込んでいる。判定は減点2があったARAMIが敗れたが、ドローに近い内容で、その力強さは計量オーバーによるものか評価が分かれるところだ。
その後、2019年10月には、「ONE Warrior Series」で2勝1敗のソ・ジヨン(1敗は鈴木祐子に逆転の一本負け)と50k契約で対戦。左で差したジヨンの小外がけでテイクダウンを奪われ、金網背に左で差しながらの立ち際で、クォーターネルソンにとらえられて頭が下がったところにジヨンの左ヒザ蹴り&左フックをもらいダウン。続くリアネイキドチョークでタップ負けしている。-50kgの実力者ながらムラがあるのが気になるARAMIだ。
そんなARAMIとの試合を直前に控えた杉山しずかに、計量後、話を聞いた。
──計量後のコメントでは、「とりあえず計量がクリアできて嬉しいのと、(試合が)1年ぶりってことにビックリしています。変わらず練習はしてきているので、一番いいパフォーマンスができると信じてます」と笑顔で語っていました。減量も順調だったのでしょうか。
「そう思われると思いますが、実は……水抜きで失敗しちゃってキツかったです。クリアできてよかったです」
──試合に向けた減量も久しぶりだったわけですね。コロナの自粛期間中、格闘技へのモチベーションを保つことは難しくなかったでしょうか。
「普段から練習をしたり・しなかったりという波は無くて、気持ちの上げ下げも無く、練習を好きでやっているので、試合のためだけに練習をするスタイルではなくて、試合間隔が空くことについてもそんなに問題なかったです。ただ、自粛期間があったことについては、57kgを作るのが難しかったというのはあったので、いろんな面で救われている部分もあって、このタイミングで練習を再開出来て、試合が出来ることはありがたいです」
──対戦相手が当初の加賀谷花野選手からARAMI選手に急遽代わったことについては、どのような影響がありましたか。
「そこは特に問題はなかったですね」
──階級違いもあり、いままで接点の無かったARAMI選手をどうとらえていますか。
「これまでにないぐらいの、ガッツのある選手と思っているので、そこは負けたくないなと思ってます。そして技術もありますし、それがはたぶん総合の技術だと思うんですけど、私と似ているところもあるのですが……私以上に力を使ってるんだろうなというスタイルを感じます。力負けするとは思わないですけど、最初にもらったらびっくりすると思うので、そこをびっくりしないようにと思っています」
──組んでテイクダウン&パウンドが強い。
「彼女の得意なところでも勝負したいのが本音です。それは(セコンドから)許されてないと思うんですけど……(苦笑しながら山崎剛 Me,We代表を見る)」
──ARAMI選手は、ボディロックからの後方へのテイクダウンも得意としていますね。
「ああ、青野ひかる選手との試合でも見せていた動きですよね。ただ、そうなった経緯みたなものも研究できたので、私はそうはならないかな、という感じです」
──なるほど。ところで、YouTubeチャンネル「しぃやんチャンネル」は、着実にチャンネル登録が広がっているそうですね。
「ありがとうございます。いままでやらなかったのは何でだろう? と思うくらい、時間を上手に使えている気がします。格闘技ファンや視聴者からも『見ています』と声をかけられることが多くなりました」
──計量では、狐のようなピースサインも見せていました。
「狐?……ああ、あれはNiziU(※日韓合同のオーディションにより選出された9人のアイドルグループ)の『Baby I'm a star』のキメポーズです。私は元々、ももクロのようなアイドルが好きなんですが、NiziUのメンバーが新たな努力を重ねる姿を見て、自粛中、その力強さに元気をもらいました。それで今回やってみました。ちなみにK太郎のKと、もうひとつのポーズは敬愛する中邑真輔選手のポーズであります」
──ああ、勉強不足ですみません。「コン!」と何かを招集したのかと思いました(苦笑)。さて、この試合を越えて次をどのように見据えていますか。
「試合をどんどんしていきたいです。タイミングを見て。自分の本質をしっかり……仕事は試合をすること、というのを忘れないようにしたいと思います」
──最後にファンにメッセージを。
「私が言うのも何ですが……いつもJEWELSを応援してもらってありがとうございます。明日は『私史上最高の試合』になるようにやりますので、ぜひ応援お願いします!」
ARAMI「いつもより力強い試合を見せられる」
「楽しみですね、すごく。画面越しだった相手と戦えるのはすごく楽しみ。階級上の相手だということで体重で悩んだり、またRIZINなどで見ていた相手なので、若干怖じ気づいたり、ワクワクしたりとしましたけど、今は戦いたいという気持ちです。いつもガチガチのパワーファイターなんですけど、いつもよりもっと力強い試合を見せられると思います」