2019年3月2日、名古屋国際会議場イベントホールにて「HEAT 44」が開催された。
メインでは、2017年4月の『RIZIN』でのヒース・ヒーリング戦以来の日本での試合となる石井慧が出場。HEAT総合ルールヘビー級王者カルリ・ギブレインの持つ王座に挑戦した。石井は前戦、2月16日の「SBC 20」でホドリコ・カルロスを相手に1R1分42秒、鉄槌連打でTKO勝利し、SBCヘビー級王座の初防衛に成功したばかり。現在4連勝中だ。対するギブレインはMMA3戦ながら負けなしの3連勝中だ。
試合は、1Rから早々にテイクダウンを奪う石井がサイドからコントロール。腕や首を極めにいくが、そこにギブレインは下から反則のヒザ蹴りを当てる。石井は感情を抑えながら、2Rに再びサイドからパウンドを入れながらアームロック狙い、最後はアメリカーナ(V1アームロック)で極め、ギブレインをタップさせると、怒りを爆発させた。
HEATヘビー級のベルトを獲得した石井は、リング上で「ベルトをディフェンス出来るように頑張って練習して、またここに来たいと思います。3週間後にKSWの試合が決まっています。また応援よろしくお願いします」と挨拶。リングを降りると、列をなしてサインや記念撮影を求めるファン全員のリクエストに応じてから、会場を後にした。
控え室では試合後の怒りについて、「KSWの試合に照準を合わせていて、そこに万全で行きたいというのがあった時に(反則の)ヒザを受けて……試合直前にもレフェリーからルール説明があって、日本語も流暢に答えていたのにあんなことしちゃダメですよ」と説明。また、東欧最大のMMAプロモーションであるKSWと契約(3月23日「KSW47」でブラジルのフェルナンド・ロドリゲス(MMA12勝4敗)と対戦)したことについても、「一昨日、PFLからも(KSWと)『両方出ていい』と許可が出たので、両団体で戦います」と力強く、北米と東欧をまたにかけて戦っていくことを宣言した。
◆「HEAT 44」2019年3月2日(土)名古屋国際会議場イベントホール開場14時30分 開始15時
▼HEAT総合ルール ヘビー級 タイトルマッチ 5分5R×カルリ・ギブレイン(王者ブラジル/BRAZILIAN THAI)[2R 3分54秒 アメリカーナ]◯石井 慧(挑戦者/チームミルコ)
1R、打撃のフェイントからシングルレッグテイクダウンは石井。サイドからキムラ狙い、センタク挟み、ストレートアームバーも。2R、右ローをキャッチした石井がテイクダウン! サイドからパウンド入れながらアームロック狙い、最後はアメリカーナで極め、タップ奪うと、試合途中の相手のヒザ蹴りの反則に激昂した。
▼HEATキックルール スーパーヘビー級 スペシャルワンマッチ 3分3R◯ジェロム・レ・バンナ(フランス)[2R 2分47秒 TKO]×楠ジャイロ(ブラジル/フリー)
左ミドルはバンナ、さらに右ローも。タフなジャイロは腹は効かせないが、バンナは右ロー連打! さらに左インローも。最後は右ローにジャイロがダウンし、セコンドからタオルが投入された。
▼HEAT総合ルールライト級選手権試合 5分5R×オク・レユン(王者/韓国 BUSAN TEAM MAD) [判定0-3]※46-49×2,45-49◯トム・サントス(挑戦者/ブラジル ブラジリアン・タイ)
1R、息詰まる間合いの攻防のなか、サントスが右ロングフックでダウン奪うが立つレユンはホーンに救われる。2R、ジャブロー、さらにボディロックからテイクダウンはレユン。3R、圧力をかけるレユンにサントスは右フック! 尻餅ついてダウンするレユン。4R、左右で詰めるレユンが四つから小外でテイクダウン! ハーフのサントスをパス、マウント奪う。5Rもスタンドバックから崩して上はレユン! ハーフからパウンドにサントスは出血。接戦の判定はダウンを2度奪ったサントスが3-0勝利。新王者となった。
▼HEATキックルール ライト級 王座決定1DAYトーナメント 決勝戦 3分3R◯将暉(RKS顕修塾)[延長判定2-1]※10-9×2,9-10×ヘンリー・セーハス(ボリビア/ブラジリアン・タイ)※将暉がトーナメント優勝
セーハスはこの日2試合。1試合目もフルランドの打ち合いを戦ってきているためダメージが心配される。1回戦は対戦相手の失格により、この試合が初戦となるサウスポー将暉は、オーソドックスのセーハスの右に抜けて左ミドル。左奥足ロー。3R、勝負をかけて詰めてラッシュかけるセーハス。将暉の右ローにバランス崩すなど2試合目のセーハスはダメージ厳しいが前進し、右フック当てる。本戦判定は1-0セーハスに一票も延長へ。左ミドル、左ボディ、左ロー当てる将暉にセーハスもワンツー返すが判定は2-1で将暉が勝利。コールに勝者も敗者も崩れ落ちる熱戦だった。
名古屋格闘技のトップファイターと重鎮が大会を視察。会場は南米系のファンも含めた熱い声援に包まれていた。
▼HEAT総合ルール バンタム級 5分3R◯春日井 寒天たけし(志村道場/元HEAT総合ルール・バンタム級&フライ級王者)[1R 0分28秒 ギロチンチョーク]×清水俊一(宇留野道場)
※清水のシングルレッグに春日井がアームインギロチン。ゆっくり頭抜きかけた清水だが春日井はクローズドに。タップを奪った。春日井「日本拳法の打撃を出せませんでしたが(苦笑)、もう少し頑張ります。応援よろしくお願いします」
▼HEAT総合ルール ヘビー級 5分3R◯チョン・ダ・ウン(韓国/KOREAN TOP TEAM/HEAT総合ルールライトヘビー級現王者)[3R TKO]×サシャ・ミリンコヴィッチ(クロアチア/CRO COP TEAM)
ダブルレッグテイクダウンはサシャもダウンはスイッチから立つ。2Rもスタンドバックから引き込むサシャだが押さえ込めず。ダウンはジャブ突く。3R左右で金網詰めるダウンのラッシュ、さらにダブルレッグテイクダウン! サシャがマウントも許し、ヒジ打ちにレフェリーが間に入った。
▼HEAT総合ルール 55kg契約 5分2R×鈴木万李弥(志村道場)[判定0-3]※18-20×3◯本野美樹(AACC)※払腰首投げから袈裟固めは本野。2Rにはマウントパウンドも。
▼HEATキックルール スーパーライト級 3分3R×ヴィトル・トファネリ(ブラジル/ブラジリアン・タイ)[判定1-2]※29-28×2,28-29◯石田勝希(RKS顕修塾)
▼HEATキックルール ミドル級 3分3R◯ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場)[2R 1分29秒 KO]※右ストレート×チョ・ギョンジェ(韓国/Jung Woo Gym)
▼HEATキックルール 65kg契約 3分3R◯安川侑己(志村道場)[2R 2分24秒 TKO]※左フックで3KO×加藤 駿(Nine Lives)
【HEATキックルール ライト級 王座決定 1DAYトーナメント】
▼HEATキックルール ライト級王座決定トーナメント 3分3Rチャオ・ロゲート(タイ/志村道場)※体重超過で失格将暉(RKS顕修塾)
▼HEATキックルール ライト級 王座決定1DAYトーナメント 1回戦 3分3R◯ヘンリー・セーハス(ボリビア/ブラジリアン・タイ)[判定2-0]×ジュ・キフン(韓国/Bu Gwang Gym)