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コラム

【1997年6月の格闘技】リングスのアマチュア大会で“ボキャ天”大賞獲った元芸人が圧勝

2020/06/08 06:06
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去6月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。第15回目は1997年6月8日、東京・スポーツ会館で開催された『第3回アマチュアリングスオープントーナメント』から、異色の経歴を持つ選手の話。 (写真)前田日明が大会会長を務め、その隣には若き日の高阪剛の姿も リングスを率いる前田日明はアマチュア総合格闘技の普及に力を入れており、リングスのアマチュア大会は1997年から春と秋の年2回開催されることとなった。  最も激戦区だった80kg級を制したのは、コマンドサンボを学ぶ谷村勲(スポーツ会館)。元芸人で、多くの人気芸人を生み出した『ボキャブラ天国』で大賞を獲ったことがあるというエピソードの持ち主。突如、芸能界を捨てて格闘家に転向し、この年3月のコンバットレスリング準優勝を皮切りに、4月にJJトライアル優勝、5月にはコマンドサンボ準優勝とアマチュア総合格闘技界で急激に頭角を現してきた。  1回戦こそ1ポイント差の苦戦を強いられたが、これは「いつも1回戦は緊張して動けないんですが、実は腰と首を捻ってしまいこの1週間は動けなかった」ため。しかし、この一戦で波に乗った谷村は、2回戦はアキレス腱固め、準決勝はV1アームロック(アメリカーナ)で仕留めて決勝進出を果たした。  もう一方のブロックからは、1回戦で竹内出を足首固めで破ったのを皮切りに2回戦も足首固め、準決勝ではアキレス腱固めと全て足関節技での一本勝ちで上がってきた鹿糠智樹(グラップリング・ユニバーサル)と対戦。  レスリングの経験もある鹿糠は、いきなりそり投げで1ポイントを先取。だが谷村もタックルでポイントを追い上げ、4-1と逆転に成功する。最後はヒザ蹴りをボディに突き刺し、3分14秒、KO勝ちで優勝を飾った。 (写真)各階級の優勝者と準優勝者。後列左から2人目が谷口「ビッグになるまでは地元・大阪の友だちには(格闘技をやっていることを)黙っていようと思っています」という谷村は、「僕はコマンドサンボをスポーツ会館で学んで、わずか1年でここまで来れた。他の道場は知らないけれど、レベルが高い人が集まっていると思います。30歳からでもできるかもしれないですよ」と、30歳を目前にしている自分が可能性に満ちていると語った。  その後、谷村は「ザ・ばばんば」というリングネームで修斗にてプロデビュー。タイトルには手が届かなかったが、岩瀬茂俊、村濱天晴らから勝利を収めるなど活躍した。
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