1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去6月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。第13回目は1995年6月10日(現地時間)、アンディ・フグ(スイス)が母国スイスにて初めて主催したK-1の大会。
アンディ・フグがプロモーターとなり、母国スイスで初のK-1大会『K-1 FIGHT NIGHT』を開催した。会場はチューリッヒ最大の競技場ハレン・スタジオン。スイスで大規模な格闘技の工業が行われるのは初めてのことであり、前売りチケットは発売から2カ月で3000枚、2週間前には7000枚が売れ、当日は約10000人の観衆が会場を埋め尽くした。
東西に設置されたスクリーンにアンディの雄姿が映るだけで、場内はもうすでに大歓声。「アンディ・フグ」というコールが聞こえないくらいの歓声が場内に響く中、メインイベントに出場するアンディが空手衣をまとってゆっくりと入場する。場内は総立ちとなり、ボルテージはマックス。対戦相手はデニス・“ハリケーン”・レーン(アメリカ)。
1R、速いフットワークでリングを回り込む両者。アンディの第一攻撃はやはり左のカカト落としだ。ふくらはぎ部分が当たり、レーンは難を凌ぐ。アンディの攻撃にはジャブがなく、フックで出る出鼻に時折レーンのストレートがヒットする。大きくのけ反るアンディにヒヤヒヤとさせられるが、2分40秒、アンディは左ストレートで最初のダウンを奪った。
レーンがすぐに立ち上がったところにフックで畳みかけると、レーンは再び揺れるようにしてダウン。それでも何とか立ち上がったところをゴングに救われた。
インターバルの間も、場内はアンディ・コール一色に染まる。2R、回復したレーンはフックで詰めるアンディに右ストレートをクリーンヒットさせたが、アンディはこれに耐えると反撃に移る。フックをレーンがガードしたところへ渾身の左アッパーをさく裂させ、またもやダウンを奪った。
立ち上がるも防戦一方のレーンは再度ゴングに救われたが、3R開始前に自ら棄権を申し入れ、アンディの2R終了TKO勝ちとなった。地元で錦を飾ったアンディは、リング上で出場全選手からの祝福を受けた。