激しい掌底打ちの応酬となった佐竹(左)vsピータース
1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去6月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。第10回目は1992年6月25日、宮城県スポーツセンターにて開催されたリングス『MEGA BATTLE 5th』より、佐竹雅昭(正道会館)が6戦目にして初の苦戦。
1991年12月からリングスに参戦を果たした佐竹雅昭。初戦は正道会館空手ルールでハンス・ナイマン(オランダ)と引き分け、1992年1月はジェラルド・ゴルドーに反則勝ちとなったもの、その後はフレッド・オーストロン、ヘルマン・レンティング、バート・コップスJr.に連続KO勝ちと波に乗っていた。
そして迎えたオランダの暴れん坊ウィリー・ピータースとの対戦。試合は3分5Rで行われた。
1R、グレコローマン仕込みのフロント・スープレックス、ワンツー掌底打ちを繰り出すピータースはなめ切った笑顔を浮かべる。佐竹は2Rに下段廻し蹴りで突破口を開きにいくが、ピータースの掌底打ちで左目が大きく腫れる。3Rにはピータースがヒジ打ち、ローキック、掌底打ちと多彩な打撃技が有効に決まるが、佐竹の下段廻し蹴りも効果を発揮し始める。ボディブローも繰り出す佐竹だが、掌打で激しい打ち合いとなり、鼻や口から出血。
4Rには佐竹の打撃に対してピータースが両足タックルを繰り出す。佐竹は上から振り下ろすヒジ攻撃で注意を受ける。5R、佐竹は執拗な下段廻し蹴りで勝負をかける。ヘッドロックからヒジ打ちを放ち、ピータースをダウンさせるが、これはブレイク後の攻撃だったためピータース陣営の猛抗議にダウンは無効となった。
5Rでは決着がつかず、1Rの延長戦に。ここでも両者は激しい打撃戦を繰り広げ、掌底打ちによる顔面攻撃で両者とも顔が血で真っ赤。壮絶なド突き合いは両者痛み分けのドローとなった。