UFCバンタム級ランキング最高5位にランクされ、RIZINで「打倒・堀口恭司」を目標に、UFC再挑戦を目指していた水垣偉弥(36・SONIC SQUAD)が2020年6月3日、SNSで引退を発表した。2005年のプロデビューから15年の現役生活でMMA戦績は39戦23勝14敗2分。
水垣は、アマチュアパンクラスを経て2004年9月20日、第11回全日本アマチュア修斗選手権大会フェザー級(※現バンタム級)で優勝。2005年、9名参加のフェザー級新人王決定トーナメントでプロ修斗デビューを果たし、決勝で徹肌ィ郎に判定勝ちで新人王を獲得した。
2007年9月から、国内でいち早くケージを導入したCAGE FORCEに参戦。2008年12月「CAGE FORCE 09」のバンタム級王座決定トーナメント決勝で大石真丈にTKO勝ちを収め同級王座獲得に成功した。
2009年から北米MMAに参戦。同年4月にWEC初参戦となった「WEC 40」でミゲール・トーレスの持つWECバンタム級王座にいきなり挑戦。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞する5ラウンド死闘の末、判定負けで王座獲得に失敗。同年8月の「WEC 42」でジェフ・カランと対戦し、判定2-1でWEC初勝利を飾った。
2010年4月の「WEC 48」では強豪ハニ・ヤヒーラに判定勝ち。WEC2勝目を挙げると、11月の「WEC 52」でユライア・フェイバーと対戦。リアネイキドチョークで一本負けを喫した。WEC2勝3敗からWECを吸収した「UFC」に参戦。
翌2011年の3月にUFC初参戦しルーベン・デュランに判定勝ち。9月の「UFC 135」でコール・エスコベドを2R TKOに下すと、2012年2月と2013年3月のUFC日本大会にも出場。ブライアン・キャラウェイから逆転の判定勝利をマークしている。
【写真】WOWOW/Fukuda Naoki
特に2012年11月のジェフ・ホウグランド戦以降、UFC5連勝は圧巻。前述のキャラウェイ、エリック・ペレス、ナム・ファン、フランシスコ・リベラを連続で下し、2014年9月の「UFC 178」でバンタム級ランキング10位のドミニク・クルーズとの対戦にこぎつけた。
クルーズ戦は1RKO負けに終わり、続くアルジャメイン・スターリング(現バンタム級2位)戦で一本負け。しかし、2015年9月の「UFC Fight Night: Barnett vs. Nelson」では、ジョージ・ループを相手の復活の判定勝利。さいたまスーパーアリーナを沸かせた。
しかし、2016年8月のコーディ・ガーブラント戦後、エディ・ワインランドにも敗れるとUFCをリリース。ロシアの強豪が揃うACBに主戦場を移すも、ルスタム・ケリモフ、ムラッド・カラモフに敗れ4連敗。2018年5月にACBでピエトロ・メンガを破り、REBEL FCと契約を果たすも、試合が実現せず、2019年に国内マット復帰を果たした。
2019年5月の「DEEP 89 IMPACT」で昇侍を判定で下すと、2019年8月にRIZIN初参戦。「RIZIN.18」でのちにバンタム級王者となるマネル・ケイプと対戦し、2R KO負け。現役引退となった。
水垣は、現役最後の舞台となったRIZINの公式HPで、「RIZINファンの皆さま、こんにちは。水垣偉弥です。昨年の8月のマネル・ケイプ戦を持ちまして選手生活を終えることにしました。選手生活最後の大勝負として『打倒・堀口恭司』という事ことを目標にRIZINに参戦したのですが、一発目でやられてしまって、それで堀口選手と闘うということが遠退いてしまったことと、自分に対する自信が持てなくなってしまったということで引退することにしました。ただMMAを好きという気持ちは全く変わりません。これからは1ファンに戻りますが、MMAをずっと楽しんでいきたいと思います。RIZINでは1試合しか出来ませんでしたが、応援してくれた皆さん本当にありがとうございました。またどこかでお会いしましょう」とのコメントを発表している。
DAZNでBellator解説を務め、ロードレースでもテレビ解説を行なうほど熱心なサイクリストとしても知られる水垣は、横浜の「Pedalist」の「Fight&Fitness事業部」で続けてきた「筋トレスクール」に加え「格闘技スクール」も開講。「MMAをずっと楽しんでいきたい」という通り、2020年7月31日の北岡悟主催の『iSMOS.1』の解説を強めることも決定している。
水垣の引退発表を受け、現役最後の相手としてリング上で対峙し、UFC入りを決めたマネル・ケイプは「すべての敬意をタケヤ・ミズガキへ。アリガトウ」とツイート。水垣も「ありがとう。次のステージで頑張ってください!! 僕はUFCでのあなたの成功を願っています!」と返信し、エールを送っている。