1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去5月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。38回目は2004年5月3日、東京・後楽園ホールで行われた『プロフェッショナル修斗公式戦』で行われた高谷裕之(格闘結社田中塾)vsステファン・パーリング(アメリカ)。
高谷は2003年2月から修斗に参戦。その年の新人王を獲得し、2004年1月には日本人を相手に無敗を誇っていた実力者ジョン・ホーキと引き分けて評価を上げていた。同年3月には全日本キックボクシング連盟でキックボクシングの試合にも挑戦。修斗では4戦無敗で今回の試合を迎えた。
対するパーリングは“神の拳”と称される強打を武器とし、五味隆典と無敵の修斗世界ライト級王者アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラには敗れたものの、2002年5月には山本“KID”徳郁にプロ初黒星を付けている。
1R、高谷はパンチを出さずローを蹴りながら距離をとる。パーリングもジャブで距離を取り、両者慎重な出足に。しかし、パーリングが左フックを放ったところで高谷の左ハイキックがカウンターでクリーンヒット。
パーリングは大の字になって倒れ、そのまま起き上がることができず1R2分11秒、高谷の豪快KO勝ちとなった。高谷はマイクを持つと「次はチャンピオンと戦いたいです」とアピール。
強敵パーリングをマットに沈めたことについて、高谷は「キックの試合に出るためにキックのジムへ出稽古へ行って、その後も定期的に行くようになりました。パーリングは蹴っていっても蹴り足を掴まれる心配がないから、完全にキックボクシングだけを意識して、のびのびと蹴っていけたんですよね」と、勝因を語った。