シュートボクシング
インタビュー

【シュートボクシング】エースは今何を思うのか、海人「この期間は無駄な時間ではないと思います」

2020/05/29 02:05
 2017年は7試合、2018年は10試合、2019年は5試合とこの3年間は1~3カ月間隔で試合を続けてきたシュートボクシングのエース・海人(TEAM F.O.D)だが、新型コロナウイルスの影響で大会が中止となり、2020年は2月以来試合を行えていない。  11月には2年に一度の立ち技格闘技の祭典『SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S-cup2020』の開催が予定されており、2年前に初優勝して世界王者となった海人に2連覇の期待がかかるところだが、格闘技イベントの開催は先行きがまだ見えていない状況だ。  シュートボクシングのエースは今何を思うのか。現在の状況を聞いたところ「僕は練習場所が自分のジム(自宅に隣接)なので、ある程度はジムで練習できています。でもいつも通りに出稽古でスパーリングをすることはできないので、今はどちらかと言えばフィジカル面のトレーニングが多いですね。上の階級でやることが多くなってきたので、それに向けてのトレーニングを多めにやっている感じです。コロナが流行る前と完全に同じ練習ができているかと言えばそうではありませんが、ある程度はジムでできています」と、不足している部分はあるものの練習自体はできているという。  試合に追われていないため考える時間も増えた。「いつも試合があって、試合に集中してそればかり考えていたんですけれど、こうして試合が無い期間になると細かいこととか誰々の対策とかではなく、自分の対策ができるというか。穴埋めであったり、細かいステップであったり、パンチの打ち方など、自分のスタイルに追加するもの、何が増やせるかを考えることができる時間になっています。自分の試合をいくつか見直して、スタイルを考えました」と、その時間で自分を見つめ直す。  試合ができず、先行きも見えない状況については「プロになってから初めてのことです。アマチュアでもこんなに試合間隔が空くことはなかったので、ある意味、新鮮な感じではあります。モチベーションの部分では難しいところですが、強くなれる期間、階級を上げていくために身体を大きくする期間だと考えれば、無駄な時間ではないと思います。いつか皆さんに強くなった姿を見せられると考えると、いい期間だとも思います」と、自分をブラッシュアップするいい機会だとポジティブに考えている。  フィジカルトレーニングの成果は「自分ではまだそんなに大きくなったとは思えないですけれど、他の人からは大きくなったと言ってもらえるようにはなりました」と言い、「今は67.5kg前後でやっていきたいと思っていますが、相手がいなければ70kgでも挑戦していくべきなのかなと思っています」と、昨年同様に階級をまたいで試合をしていくことも視野に入れている。  ただ、現段階で新しく強くなった海人が見られるかと言えば、そうではないとのこと。「練習ではできるんですが、対人練習としてはできていないので今は何とも言えないですね。いつもなら対人練習して自信が湧いて変えた自分を見せられるんですが、今は何とも言えません」  同じ関西の選手たちと意見交換などは「ほとんどないです。いつも通りに出稽古ができていれば、みんなと話す機会もありますが、今は出稽古に行けない期間なので話す機会はなくなっています。練習は父と兄とだけ。スパーリングはほとんどできていません」とのこと。  2月の試合は“ブアカーオからの刺客”ピンペット・バンチャメーク(タイ)に8Rにも及ぶマラソンマッチの末に敗れており、黒星のまま時間が止まっている。 「正直もやもやします。負けたままなので。いつもなら4月に試合があって、そこで勝ったら直接リベンジしたわけではないですが負けたもやもやはスッキリするのですが…。今は試合もできず2月に負けた時のもやもや感はずっとあります」と、もやもやを胸に抱いたまま。 「試合がしたいです。S-cupは特にですけれど、その前に試合をしたい気持ちは強いです。試合のことを考えるとうずうずしますね。スパーリングだけでもできたら違うんでしょうけれど。どれだけ自分を改善しても、試すところがないとどう変わったかも分からないので、試合をやりたいですね」」と試合を渇望。でも、もしS-cupがぶっつけ本番になったとしたら――海人は「うーん…そうなったら覚悟を決めてやるだけです」と答える。 「S-cupは2年に一度のシュートボクシングのビッグイベントであり、前回2年前にあったS-cupでは優勝できているので、また世界の強敵たちとトーナメントで試合ができるのは僕の中でも凄くいい経験になるのでやりたいです」  無観客での大会開催も各団体は模索しているが、「やったことがないので何とも言えませんが、それはそれで経験として面白いのかなとも思います。誰もが出来ることではないですし、自分もやったことがないのでいいのかなと思います」と、無観客でも試合をやりたいとした。  そして最後に海人は「コロナが収束して、また皆さんにリングの上から会えることを楽しみにしています」とファンにメッセージを送った。
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