那須川天心の試合が7月には無観客試合ながら見られることになりそうだ
2020年6月14日(日)神奈川・横浜ぴあアリーナMMでの開催が決まっていた『RISE WORLD SERIES 2020 -63kg Tournament 1st ROUND』の中止が発表された。これで3月から7大会が中止となっているRISEの現状について、伊藤隆RISE代表に聞いた。
「3月から4カ月連続で大会が中止となり、厳しい状況です」と伊藤代表。しかし「現状が現状なのでどうしようもない。選手たちも、日本だけでなく世界、スポーツ界全体が大変な影響を受けている。でも最近は一般スポーツ(野球、サッカーなど)も始動しましたし、我々も始動します」とする。
では、大会再開の時期はいつを目指しているのか。伊藤代表は新型コロナウイルスの感染状況にもよるがと前置きし、「7月が再開の目途」とした。
「当面は通常のようにお客さんを入れられないと思うんですよね。会場とも話し合いながら、当然ソーシャルディスタンスなどを考慮しますが、それでも観客が入れられなかったら無観客試合も念頭において7月から動こうと考えています。これからは、コロナと共存していかないといけないので、ABEMAと無観客の大会も考えているところです。7月は2~3回大会を開催していきたいと考えています」と、無観客でのネット中継を視野に入れている。
「トップ選手からは、観客の前でやりたいとの声が多いです。やはり会場の声援は選手達のモチベーションやパフォーマンスアップに繋がるしRISEの会場の一体感や盛り上がりだったり熱を糧にしている選手が多いので。ただ、現状が現状なので納得していただいて、我々が映像をABEMAとTBSで発進することによって元気や感動を提供できれば。我々が最大限にできるのはそこなので、そこは選手たちも納得してくれていると思います」と、無観客での開催に踏み切るようだ。
そこで気になるのが、昨年大晦日の『RIZIN』での試合が最後になっている那須川天心(TARGET/Cygames)だ。那須川は4月の"ザ・ロケッティア"アンドレイ・メゼンツェフ(ウクライナ/ムエタイスピリットジム)戦が中止、6月の裕樹(ANCHOR GYM)戦が延期と2試合が流れている。裕樹戦の延期を受け、那須川は自身のSNSで「無観客で試合をするのは嫌だ、と言うのはもうわがままになってしまうと僕は思います」と、無観客での試合も辞さないと表明した。
我々はいつ、那須川天心の試合を観ることが出来るのか。伊藤代表は「7月には出来ると思います、今はまだ調整中です。皆さんの前で試合をする環境はまだ作れないですけれど、映像を通して天心の試合をABEMA生中継で配信します」と、早ければ7月にも那須川の試合が行われるように調整中だとした。
(写真)WORLD SERIESはメンバーを一部入れ替えて秋の開幕を目指す
本来4月に開幕するはずだった白鳥大珠、原口健飛らがエントリーしている世界トーナメント『WORLD SERIES』に関しては「当初は8月からスタートしようと思っていたんですが、8月だと外国の情勢を見ても練習が出来なくて選手が万全ではない、来日出来ないことも国によってはあります。全選手万全にして臨んでほしいので、開幕は秋からかと考えています。会場はほぼ決まっていて、年内2大会やって来年に決勝1大会か、年内に開幕戦だけやって来年に準決勝・決勝か。その2パターンで考えています。外国の選手たちも期待してくれているので必ず開催したいと思います」と、秋の開幕を目指す。
出場メンバーに関しては「ほぼ変わりありませんが、欠場する選手の代わりにいい選手が決まっています。さらに凄い選手がはまったのでそれはまた発表します」と、さらにパワーアップするようだ。同時開催される那須川への挑戦権を争う『ASIA SERIES』に関してはすでに中国とイランの選手が欠場、リザーブマッチの選手が繰り上げ出場となっており「入れ替えた現状でやりたいと思っています」とのこと。
(写真)那須川天心への挑戦権を懸けて争われるASIA SERIES
RISEの原点である大森大会については「若手育成大会を無観客で行うことも考えています。ただそれ以上に、アマチュアの育成は我々としても大切なところの一部なので開催できないのは厳しい。Nova(アマチュア)は人が集まるので開催が難しいです。狭い会場で選手、関係者で700~800人になり密になるので、やりたいですが様子を見ています」と、頭を悩ませるところだ。
また、伊藤代表はこんなアイデアも。「NOVAは野外でやりたいですけれどね。RISEだけではなく何かのイベントと一緒にやるのは面白いかもしれないです。以前に福岡で駅前のロータリーの一角を借りてやったこともあるので、考えたいです」とした。
最後に伊藤代表は「詳細は6月上旬までには発表したいです。 ABEMAさんとは画期的な企画も考えています。しばらくは映像で試合を楽しんでいただく状況になるかもしれませんが、ABEMAとTBSの二本柱で発信して行きますのでよろしくお願いします」と話している。