1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去5月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。32回目は2001年5月27日、東京スポーツ会館で行われたKOKルールによる第1回リングス・アマチュア大会。
1995年からアマチュア大会も開催していた前田日明率いるリングスだが、1999年に開催した『WORLD MEGA-BATTLE TOURNAMENT KING of KINGS』で採用したKOKルールが公式ルールとなったことから、2001年5月27日にKOKルールによるアマチュア大会『第1回KOK Limited』を開催した。
KOKルールとは、その後のポピュラーな総合格闘技のルールから、グラウンドでの打撃を禁止したもの。安全性を高めるのと、グラウンドでは寝技の攻防をしっかりやりなさいという意味もあったが、膠着状態になればすぐにブレイクがかかった。つまり動き続けるスピーディーな試合展開を選手にさせることを目的としたルールだった。
(写真)4階級の上位2名たち。所は前列左から2人目『第1回KOK Limited』は初めての大会ということで、試合前には綿密なルールミーティングが行われ、ヘッドギアやレガースの着用以外はプロと同様のルールを採用。KOKルールの特徴であるグラウンドでのブレイクの早さから、選手のスタミナ切れが懸念されたが、そういったこともなくアグレッシブな試合展開となった。
今大会注目の選手は-70kg級に出場した所英男(パワーオブドリーム)。アマチュアバトラーツ、アマチュアコンテンダーズと2大会を制している所は、今大会一本勝ちがひとつしかなかったが、グラウンドで抜群の動きを見せた。
決勝戦の上原力(総合格闘技宇留野道場)でも、タックルを潰されてからすかさず相手の脇を潜り、バックを奪ってポジショニングで圧倒。判定3-0で優勝を決め、関係者から「早くプロで見たい選手の一人」との声があがった。
(写真)-80kg級では弘中が足を抱えてのネックロックで優勝 大会終了後、前田日明CEOは「この大会を参考にしてリングスの本大会に出場する選手をどんどん決めていきたい」と語った。なお、-80kg級では後にUFCでも活躍する弘中邦佳が優勝している。