レスリング全日本女子選手権4連覇、世界選手権史上最年少優勝(1991年・17歳)などの実績を持ち、RIZINでMMA6勝4敗の山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE22)が、グアムPXCの元バンタム級王者で現在、RIZINに参戦中のカイル・アグォンのプロポーズを受け、婚約したことを本誌に明かした。
グアム「SPIKE22」で美憂のMMAコーチであるアグォンから「練習をオフにして、ビーチでメディテーションをしよう」と提案を受けた山本は、人がいないビーチで2人で泳いだ後に、さらに『砂浜で打ち込みをしよう』と練習に誘われたという。
「最初はアグォンがすごく遠い距離からタックルに入ってきて、レスリングに関しては私がコーチですから、しっかり切ってバックを奪ったんです。それで今度は私の番だ、と思って、やる気満々でタックルに入ったら、カイルがヒザを砂浜に着いていて、手を挙げていて、その先に指輪がありました」
ドラマチックなプロポーズに山本は「プロポーズをするタイプではないと思っていたので、すごくびっくりしました。嬉しかったです」と、その瞬間を語る。
実は、両者は2020年に入ってから籍を入れるべくグアムの役所に婚姻届を提出することを話していたが、新型コロナウイルスの影響により同地の公的機関も休業。結婚が先延ばしになっていた。
最初の出会いは、弟の山本“KID”徳郁が縁だった。KIDは、愛するグアムで盟友メルカ・マニブッセンSPIKE22代表のもとで、ガン闘病を決意。KIDとともにグアムに渡った美憂は、同地でアグォンからMMAの指導を受けることになった。
「KIDがグアムを大好きだったんですよ。私はトレーニング状況とか分からずに、とにかくKIDについていく、沖縄にも一緒に行ったし、グアムにもついていこうと思って、で、グアムに行ってみたら、練習環境が私にとってすごくプラスだった。グアムに行って、アグォンの指導を受けてから、自分のMMAの幅が広がって、自分の出来なかったことができるようになって穴がどんどん埋まっていきました。私には家族がいて、子供たちが住みやすいところが一番で、家族が幸せじゃないとやっぱり戦っている意味もないので」
2018年9月のアンディ・ウィン戦前にもこう語っていた山本は、今回のアグォンとの縁を、「メルカとノリ(KID)は昔から兄弟みたいで、病気が発覚してから、最期までずっと一緒にいてくれたんです。メルカのジムの彼(アグォン)もコーチとして練習を見てくれるようになって、みんな家族のようなチームで……ノリがここに連れてきてくれました」
アグォンと出会ってから石岡沙織、アンディ・ウィン、長野美香、浅倉カンナを相手に4連勝。2019年10月に後の王者となるハム・ソヒには敗れたが、その試合は唯一、アグォンが台風のためセコンドにつくことが出来なかった試合だった。続く大晦日にはアム・ザ・ロケットも下し、再び王座戦線に返り咲いている。
3度の結婚を経て、グアムにたどり着いた山本は現在、長男のアーセンと家族、次男のアーノン、長女のミーア、そしてKIDの家族らとともにグアムを住処としている。コロナの影響で閉鎖中のジムでは練習できないが、自宅やガレージでアグォン、アーセンとともに練習を積んでいる。
「自分がここにいるのは、たくさんの皆さんのおかげで、いろんなことがあって、そこにも理由があってここにこうしていられるので、感謝をして、練習を欠かさず強くなって、自分が出動できるようになったら、少しでもいい試合ができるように頑張ります」(※山本美憂インタビユーは後日掲載!)