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コラム

【2008年4月の格闘技】魔裟斗が元ボクシング世界王者をパンチでKO、5年ぶり王座奪回への第一歩

2020/04/29 11:04
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去4月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。63回目は2008年4月9日に広島グリーンアリーナで開催された『K-1 WORLD MAX 2008 World Championship Tournament FINAL16』より、メインイベントの魔裟斗(シルバーウルフ)vsヴァージル・カラコダ(南アフリカ)。  魔裟斗にとって7度目のK-1 WORLD MAX世界トーナメントがやって来た。2003年で優勝して以来、5年ぶりの王座返り咲きを目指して1回戦に臨んだ。  その相手はプロボクシングのIBC(マイナー団体)世界スーパーウェルター級王座、IBFインターコンチネンタル同級王座に就いたボクシング出身のカラコダ。2005年5月からMAXに参戦し、佐藤嘉洋、小比類巻貴之と魔裟斗のライバルから勝利を収めている。戦前には「魔裟斗は口だけだ。打ち合いと言っても実際は逃げて蹴っての繰り返しだろ」と挑発的なコメントを残した。  1R、始まってすぐに右ローを蹴る魔裟斗。続いて左ミドル。魔裟斗はパンチを繰り出しては左右ローにつなげる。カラコダもジャブ、右ストレートを放つが、魔裟斗はパーリングで受け止め、自身の右フック、左ボディを入れてはローを蹴る。右クロスにカラコダはフラつく。返しの左フックをたびたびもらう魔裟斗だが、パンチとローのヒット数ははるかに多い。  2R、コンビネーションを回転させる魔裟斗にカラコダの右ストレート。後退した魔裟斗だがすぐに前へ出て右ストレートからの左ボディ。魔裟斗の左ボディが次々と決まり、左右ローもカラコダは嫌がる。魔裟斗は随所でプッシングを多用。前に出てくるカラコダを押し戻し、カラコダのガードの上から押して動きを止めてのローキック。カラコダの左フックを被弾する場面もあるが、左ミドルや左ヒザでもカラコダのレバーを攻めていく。  3Rも魔裟斗の左ボディに左フックを合わせにくるカラコダ。魔裟斗はすぐに離れてローやミドルを蹴る。左ミドル2発で下がったカラコダが再び前へ出てくるところに、魔裟斗はジャブを打ってカラコダのガードを中央に移動させると、間髪入れず渾身の右フック。この一発がカウンターで決まり、カラコダはダウン。カラコダは立ち上がるも完全に足元がフラつき、レフェリーは即座に試合をストップ。  3R22秒、魔裟斗が見事な右フック一発でKO勝ち。鮮やかなKO劇に場内は総立ち状態に。マイクを持った魔裟斗は「今年はやるでしょう。いい加減にやるよ。見てて。バリバリやるからさ。ガンガン打ち合ってみんなぶっ倒して。次は佐藤(嘉洋)かな? ぶっ倒してやるよ。見てて。俺がチャンピオンになるから。今年は男になるよ」と優勝宣言。  次の準々決勝での佐藤戦は実現しなかったが、準決勝でその佐藤戦は実現。そして5年ぶりの世界王座返り咲きへ――その第一歩となるカラコダ戦でのKO劇だった。
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