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コラム

【2001年4月の格闘技】小比類巻貴之がダウンを奪われ意識を失うも本能のヒザ蹴りで逆転KO

2020/04/24 17:04
【2001年4月の格闘技】小比類巻貴之がダウンを奪われ意識を失うも本能のヒザ蹴りで逆転KO

逆転KOに両手を上げて喜ぶ小比類巻だったが、この時、意識はなかった

 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去4月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。50回目は2001年4月29日に開催された『K-1 WORLD GP in 大阪』から、小比類巻貴之(チームドラゴン)vsサミール・ベルバーチ(フランス)の一戦。


(写真)踏み込みが速く、キレのある左ストレートでベルバーチがダウンを奪う

 小比類巻は全日本キックボクシング連盟、J-NETWORKを経て1999年10月にK-1初参戦。その後も定期的に参戦し、2000年1月にはラモン・デッカーから日本人で初の勝利を奪うなど活躍。今回が6戦目となる。

 対戦相手はサミール・ベルバーチ(この試合ではラニ・ベルバーチと紹介された)。ジェロム・レ・バンナのチームメイトで、バンナからの「パンチはあるし、いい選手だ」とのお墨付きを得ての参戦となった。


 開始から速いリズムで蹴りとパンチを繰り出すベルバーチが1R、左ストレートで小比類巻からダウンを奪った。カウント7まで聞いて立つ小比類巻。ここから徹底して組みヒザで攻めるも、終盤にはまたベルバーチのパンチ連打を喰って後ろを向く場面も。


 しかし、2R以降は小比類巻の独壇場に。首相撲に相手を捕まえると徹底した組みヒザ。そのヒザ蹴り連打で場内が沸き、3R開始と同時にまたヒザ蹴りの連打を加える小比類巻。ヒザをアゴに受け、失神して崩れ落ちるベルバーチを蹴りつけるおまけ付きの逆転KO劇に、場内は大いに盛り上がった。

 小比類巻は涙を流し、勝ち名乗りを受けるとコーナーに登って右手を上げ観客にアピール。が、逆転KOでテンションが上がったのか、はしゃぐ時間が少し長すぎて観客の反応は鈍いものに。


 実はダウン後、小比類巻は意識を失っており、控室に戻るまで何も覚えていなかったという。首ヒザは本能で繰り出していたものだった。意識を取り戻した小比類巻は「次はK-1 J-MAX(K-1 WORLD MAX前の名称)でトップを取って世界のトップと戦っていきたい」と意気込んだ。

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