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【RIZIN】“幻の大会”のエア観戦が白熱! RIZIN笹原広報「必ず新しいものが生まれる」

2020/04/20 20:04
【RIZIN】“幻の大会”のエア観戦が白熱! RIZIN笹原広報「必ず新しいものが生まれる」

4月19日の横浜アリーナ大会で対戦予定だった朝倉未来と朴光哲。ファンはエア観戦でその展開を想像した。(C)RIZIN FF

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された4月19日の『RIZIN.22』横浜アリーナ大会の当日、ファンたちが「エア観戦」をSNS上で展開。横浜で行われる予定だった試合を想像し、それぞれの視点でツイート。選手・関係者も注目するなど、格闘技ファンのタイムラインをにぎわせた。

 緊急事態宣言が発令され、外出自粛が求められるなか、格闘技を楽しもうとするファンは、『RIZIN.22』が行われる予定だった前日の「公開計量」から行動を開始した。

 きっかけは、4月18日のRIZIN笹原圭一広報のツイートだった。

「コロナがなければ、今日がRIZIN.22の公開計量日でしたね」と笹原広報がツイート。

 そこに、あるファンが「#エアRIZIN22」のハツシュタグをつけて、「マネルケイプとのフェイスオフで、扇久保選手がブチ切れるシーンはハラハラしましたね!!!」と投稿。そこから『RIZIN.22』をエア観戦する動きが広がった。

 笹原広報は、「本来なら大会が予定されていた前日は、たまたま出社して別の作業をしていました。そこでふと別の広報と話をしていたときに『ほんとうだったら、今日は前日公開計量だったね』と話して……昨年の時点では、こんなことになるとは誰も思っていなかったじゃないですか。中止になるなんて全く想定していなかったので、その気持ちを素直にツイートしてみたんです」と、発端となった投稿について語る。「そうしたら思いのほか、皆さんに反応していただいて、やっぱりみんな自粛して我慢している、そしてRIZINの大会を待望している、そんな思いをあらためて感じました」。

 続々と大会延期や中止が発表されるなか、スポーツ界では2月末にツイッターで『#エアJリーグ』を行ったサッカーファンが話題となっている。そのスポーツを多角的に楽しむ動きは、多くの競技に広がり、野球やバレーボールでもエア観戦で贔屓のチームや選手を応援するツイートが投稿されている。

『RIZIN.22』の前日公開エア計量では、「朴光哲選手、仕上げてきたね。あしたのRIZIN楽しみだなー」「扇久保さんがケイプの等身大パネル持ってお尻叩きながら出てきたのクソワロタwww」などの計量の様子を伝えるツイートから、「夜行バスしんどすぎ」と、当日現地入りするファンの声まで出現。

 さらに、大会開始時間前から、「電車にKRAZY BEEのTシャツ着てる人おる……絶対目的地一緒や……」「横浜つきました!」「コロナ対策ばっちりだ!! 歓声を控えめにできるか心配だ」といったツイートで、試合を心待ちにするファンの声が続々と投稿された。

 タイムラインには、すでに発表されていた朝倉未来vs朴光哲戦、UFC入りしたマネル・ケイプと扇久保博正の幻のタイトルマッチ、さらに、ライト級GP覇者のトフィック・ムサエフvs.ルイス・グスタボ、中井りんvs.渡辺華奈など、未発表だったファンによる“妄想カード”も並んだ。

 そんな動きに、ジャッジ・レフェリー等を務めるJMOC(日本MMA審判機構)から、「RIZIN FIGHTING FEDERATION 競技オフィシャル紹介時使用曲」のリンクがハッシュタグつきで投稿されるなど、関係者からも、試合開始前の雰囲気を盛り上げるツイートが相次いだ。

 ファンからは、「あいかわらずかっこいいオープニング!」「ちょっと待って? シュメトフ? シュメトフ兄弟なの?」「シュメトフかと思ったらただの赤い人だったw」など、会場の雰囲気を楽しむコメント、さらに「TK"あーもう距離の設定しましたね"」と放送席の解説“TK”こと高阪剛の言葉の想像、試合後の海外選手の写真とともに「またお馴染みの通訳さんが最初の一言『とにかくね~!』って言ってる!」と、大会のディテールまで楽しむ様子が投稿された。

 タイムラインのファンのエア観戦を見た、前RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎朱加は、「TLでエアRIZINが流れきてなんだかほのぼのする」と参加。朝倉海戦で負傷した顎の2箇所骨折からリハビリ中の佐々木憂流迦も、「本当だったら本日RIZINか。エアRIZINのツイート流れてきて楽しいです。ベラトールも見返してるけど本当強い人ばかり。顎しっかり治して頑張るぞ」と、触発されたコメントをアップしていった。

 そしてエア観戦は、セミファイナル、メインイベントの時間に。試合の詳細をエアリポートするツイートが並ぶなか、「扇久保の執念凄かった!!!」「やっぱりかっこいい朝倉未来! めちゃくちゃ盛り上がる!」「朝倉未来キター! 朴光哲、セコンドに矢地、田村、そして、堀口恭司」「これは間違いなく神試合だろ!」「朴さんも未来もいい試合だった。感動したよ」といった興奮のコメントがタイムラインに並ぶと、RIZINラウンドガールを務める川村那月も「皆さんの沢山のファイトに感動の気持ちを込めたら、顔がなんとも言えない表情。私も益々頑張ります。一緒に頑張りましょうね」と、朝倉未来の敬礼ポーズをアップするなど、エア観戦は大盛り上がりに。

 さらに、大会後はその余韻を楽しむように、「いやぁーやっぱり格闘技って面白いわー!!」「今日も結局会場出るの22時前になっちゃった。日曜日開催だと、進行が遅いと翌日への影響気になっちゃうけど、やめられないよね。横浜と埼玉はこれからも出来るだけリアル観戦しよう。明日から、また、生きるぞ」など、試合を想像することで、活力を得たとするツイートも投稿された。

 その余波は、大会翌日の4月20日まで続き、「昨日ムサエフとマイケル・チャンドラーがリングに上がって公式に試合決まりました?」「日曜日観戦の翌日は、RIZINロスで集中力下がる、あるある」と、余韻まで楽しむ強者も現れている。

 本来は行われるはずだった大会を、リアルタイムで想像して楽しんだファンについて、笹原広報は「スポーツ、格闘技の素晴らしいところは、妄想できるところですよね。カードひとつとってもああでもない、こうでもないと言い合える。こういうときこそ格闘技ファンの妄想力を発揮していただくときです。来るべき日のために」と語る。

 RIIZNは今夏から年末にかけての“メガイベント”開催を目標としているが、いまだ新型コロナウイルスの終息は見えないままで、先行きの見通しも立っていない。しかし、笹原広報は「悲観はしていません」と言う。

「個人的な体験として感じているのは、PRIDEのときもDREAMのときも、やれんのか! のときも、状況は違いますが、イベントが出来なくなることは何度も経験しています。でもその都度、立ち上がったときには、必ず何か新しいものが生まれています。それまでに無かったものが生まれることが往々にしてある。それが格闘技の力、日本の格闘技ファンの力なのかもしれません。いまはRIZINも大会が止まっていますが、再開出来たときに必ず新たなものが生まれ、そこまで溜まっていたものもバネのように跳ね上がるだろうと思います。今回の『#エアRIZIN22』もそういったものを芽吹かせる力になると感じました。ですから、再開に向けて楽しみにしていてください」。

 このエア観戦の熱は、来るべくリアル観戦の日までどのように伝播していくか。格闘技ファンも選手も関係者も、“その日”のために、いまできることを戦っている。

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