円熟味を増して安定感が出てきたアンディ(左)はセフォーに飛び後ろ蹴りの大技を放つ
1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去4月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。41回目は1999年4月25日に横浜アリーナで開催された『K-1 REVENGE』から、アンディ・フグ(スイス)vsレイ・セフォー(ニュージーランド)のリベンジマッチ。
アンディとセフォーは1998年12月にK-1グランプリの準々決勝で対戦。アンディが2R2分28秒、右ストレートでKO勝ちしている。今回の試合はその4カ月後に組まれたダイレクトリマッチとなった。
K-1に転向して5年目を迎えた1998年、アンディはそれまでの不安定さが消え、円熟の境地に差し掛かっていた。序盤からカカト落としを繰り出し、パンチの打ち合いになっても連打で積極的に攻めていく。蹴りも後ろ廻し蹴り、ハイ、ローと自在に蹴り分け、バックハンドブローでセフォーをグラつかせる。
しかし、セフォーも一歩も退かずにワンツーやアッパーなど強烈な連打を繰り出して応戦し、見ごたえのある試合となった。
4R、ローを金的に受けたセフォーが倒れる。この試合の前に行われた武蔵vsゲーリー・グッドリッジ戦もローブローで反則決着になっただけに「まさかまた?」と会場は騒然。
だが2分の休憩後、試合は続行に。アンディはパンチで怒涛のラッシュを仕掛け、ダメージがあるはずのセフォーも前蹴りでアンディをストップしてパンチを連打する。まさに“魂のド突き合い”が展開された。
アンディはバックハンドブロー、飛びヒザ蹴りまで繰り出し、ショートの連打。そして終盤にはまずローキック、続いてハイキックで2度のダウンを奪う。
足を引きずりながらも気力で立ち上がったセフォーだったが、5Rが始まる前にセフォーのセコンドからタオルが投入され、アンディのTKO勝ちに。またも無念の涙をのんだセフォーだったが、これまでにない気迫をしかと感じさせてくれた一戦だった。