NJKF拳之会主催興行「NJKF 2020 west 2nd」2020年3月15日(日)岡山コンベンションセンター・コンベンションホール▼メインイベント 日本vs スウェーデン ISKAムエタイ国際戦 58kg契約 3分5R ※ヒジあり○国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)判定3-0 ※50-45、50-45、49-46×ジョナサン・セライ(スウェーデン)
15回目を迎える同ジム主催興行は長年、ジムのある倉敷市で行われていたが、会場の閉鎖に伴い昨年から岡山市に舞台を移していた。
今大会の目玉は2つ。昨年、日本人としては初めてISKAの殿堂入りを果たした国崇がスウェーデンからの刺客を迎え撃つ国際戦と、K-1で大活躍したピーター・アーツの登場だ。アーツは19歳になる双子の子供たちを今大会に送り出してきた。
メインに登場した国崇は、この試合がキャリア98戦目。昨年はRIZIN初出場などもあったがその試合も含めて連敗中で、1年ぶりの地元での試合に連敗脱出を期して臨んだ。対戦相手はISKAからの推薦を受けてスウェーデンから初来日した“アフロサムライ”ジョナサン・セライ。28歳で、戦績は27戦23勝(7KO)4敗。タイトル歴こそないが、タイを拠点に活動するアグレッシブファイターという触れ込みだ。なおこの試合はISKAムエタイルールで行われ、ジャッジはラウンドマストとなる。
1R、国崇はローを起点に攻撃。序盤から得意のボディも繰り出していき、右ストレートやバックヒジも繰り出すなど好調を感じさせる。ジョナサンはロー、ミドルを中心に応戦し、接近戦になるとヒザを出してくる。
2R中盤には早くも国崇のローが効いた様子。ボディを受けた際にも顔を歪めたジョナサンはやや動きが鈍るが、ミドル、ボディなどを出して反撃の機会を伺う。
3Rに入ると、ここまで劣勢のジョナサンは攻撃のギアを一段アップ。しかし国崇はタテヒジを当てて生え際のあたりをカットすることに成功。さらに右ストレートをヒット。ジョナサンはドクターチェックを受けるが、ここは続行となる。国崇は引き続きロー、ボディと攻め、終盤にはタテヒジの追い打ち、そしてミドルをクリーンヒットするとその打撃音に場内からはどよめきが起きる。
4R、距離を詰めてのボディでジョナサンの動きが落ちると、国崇は再びバックヒジを繰り出し、さらにハイキックもヒット。国崇の攻勢が続くが、ジョナサンも諦めた様子はなくパンチを返す。
最終5R前半、攻め込まれながらもタフさを見せるジョナサンに、国崇はやや攻めあぐねたか手数が減るが、ボディを機に後半は再び攻勢に。押し続けたまま試合終了のゴングが鳴った。
判定はジャッジ2者がフルマークの50-45、1者が49-46というほぼ一方的な内容で国崇が勝利。98戦目を勝利して勝利数を55とするとともに、地元興行では負け知らずの12勝目。連敗は4で止めたが、昨年に続いて倒しきれなかったことについては苦笑いを浮かべた。
「やりにくい相手ではなかったし、ローなどが効いている手応えもありましたが、出してくる攻撃が軽くて、『どこかで強いのを出してくるんじゃないか』と警戒してしまって」とコメントした国崇は、あと2試合と迫った100戦目に向けては「デビューした時、『100戦しよう!』とか目指してやってきたわけではないですからね。一つの節目ではありますけど、今は早くそこは越えたいという気持ちです。その先もあるので」と語った。とは言いつつも記念試合となる100戦目に関しては、年内に国内で開催の方向で調整中だ。▼セミファイナル 交流戦 58.5kg契約 アグレッシブマッチ3分3R+ex1 ※ヒジあり〇小田武司(NJKF拳之会/NJKFフェザー級6位)TKO 3R 2分36秒×アトム山田(武勇会/JKIフェザー級10位、元WMAF世界Sフェザー級王者)
今大会では、拳之会の10代選手たちが躍進。セミでは国崇からも指導を受けるNJKFフェザー級6位の小田武司が登場。19歳の彼が対戦したのは年齢で倍以上、戦績で4倍近くの差がある大ベテランの元世界王者・アトム山田。
パンチを主体とした真っ向勝負が身上の小田は大先輩相手にもひるまず攻め込み、優勢に試合を進める。山田も大外からのフックを中心に小田に呼応して打ち合い、場内からは大歓声が湧き起こる熱戦に。その中で山田を追い詰めた小田は3Rにヒザ連打でダウンを奪うと、さらにコーナーに詰めてのパンチ連打でTKO勝利をもぎ取った。
これまでは優勢に攻めつつもヒジで切られての逆転負けを喫することも多かった小田だが、今回は最後まで攻め切っての快勝。リング上でのインタビューでは「(山田は)すっごいタフで、自分の心も折れかけたんですけど、会長の声とか応援の声を聞いて、最後の力を振り絞ることができました。楽しかったです。山田選手だから打ち合うことができました」と声を弾ませた。▼第11試合 NJKFウェルター級アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ヒジあり×JUN DA LION(NJKF E.S.G/NJKFウェルター級3位)判定0-3 ※三者とも27-30○佐野克海(NJKF拳之会/同級5位)
第11試合ではNJKFウェルター級次期王座決定トーナメント準決勝に、拳之会所属の18歳、佐野克海が出場。9戦目で同級5位の佐野は関東から乗り込んだJUN DA LIONと対戦した。小田同様、4倍近いキャリアの相手との対戦となった佐野だが、183センチの長身から繰り出す攻撃で1Rから2度のラッシュをかけると、全ラウンドを優勢に進めて判定勝利。決勝の王座決定戦に駒を進めた。1週間後の3月22日、誠至会主催大阪大会で激突する洋輔YAMATO(4位)と龍威地(6位)の勝者と対戦予定だ。
また、「スペシャルマッチ」と銘打って行われたピーター・アーツの子供たちの試合は、1勝1敗と明暗を分けた。まず長男マルシアーノ・アーツは、アマチュア85kg契約(2分3R)の一戦に出場し、前述の佐野克海の実兄・佐野勇海と対戦。
父の以前のテーマ曲である「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」で入場したマルシアーノは、佐野の突進にも伸びのあるパンチで応戦。1Rにはハイキックも繰り出したが、2R後半には佐野の右ハイを食らうなど疲れも見え始める。3Rには佐野の右ストレートがヒット。すかさずラッシュをかけた佐野の右でダウンを奪われたマルシアーノは立ち上がれず、KO負けを喫した。
一方の長女モンタナ・アーツはプロ2戦目で、この日がデビュー戦となる三宅美優と対戦。砲丸投げで培ったパワーで対抗したいと意気込んだ三宅に対し、身長で17センチ優るモンタナは初回から回転のあるパンチを軸に攻め、3Rには父譲りのハイキックも見せる。パンチで突破口を探る三宅をほとんど寄せ付けず、判定勝利を飾った。
両者のセコンドにつき、盛んにアドバイスを飛ばしていた父アーツは娘の試合後にリングに上がって挨拶。6月14日、エディオンアリーナ大阪で行われる『HOOST CUP』の大会では、この日出場したマルシアーノとモンタナ、そして昨年末にHOOST CUP日本ヘビー級王座も獲得した内田雄大のチーム・アーツ勢が揃って出場することが発表された。
〈試合結果〉
▼第10試合 交流戦 フライ級 アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり○則武知宏(テツジム/NKBバンタム級5位)判定3-0×銭神駿一(NJKF心将塾)
▼第8試合 交流戦 68kg契約 アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり〇☆HIRO☆(VERSUS/JKI Sウェルター級10位)TKO 3R 2分16秒×マサキ(多田ジム/JKIウェルター級10位)
▼第7試合 交流戦 63kg契約 アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり×MA-SHI(NJKF新日本拳法同志会/NJKFライト級10位)TKO 2R 3分07秒 〇拓磨(team Bonds)
▼第6試合 交流戦 53.5kg契約 アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり△林 佑哉(空修会館)延長1-1 ※10-9、9-10、10-10△ハオロン・ヤバチョーベース(NJKF YABA-CHO BASE)※本戦の判定は三者とも28-28
▼第5試合 スペシャルマッチⅡ ミネルヴァ国際戦 54kg契約 2分3R○モンタナ・アーツ(TEAM AERTS)判定3-0 ※三者とも30-27×三宅美優(NJKF拳之会)
▼第4試合 交流戦 56kg契約 アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり○湧也(BOSS GYM)判定3-0 ※30-25、30-25、30-26×光志(team Bonds)
▼第3試合 ミネルヴァ 48kg契約 2分3R×桜香(空修会館)判定0-3(三者とも27-30)○未來(Blaze)
▼第2試合 NJKF Sフライ級 3分3R○行成 薫(NJKF拳之会)判定3-0(30-27、30-27、30-28)×小林広幸(NJKF立真ジム)
▼第1試合 交流戦 57kg契約 3分3R○優貴(OU-BU GYM)判定3-0 ※30-28、30-28、29-28× 田中陸登(拳狼会)
〈オープニングファイト〉
▼スペシャルマッチⅠ アマチュア国際戦 85kg契約 2分3R×マルシアーノ・アーツ(TEAM AERTS)TKO 3R 0分52秒〇佐野勇海(NJKF拳之会)※本戦第5試合から試合順変更
アマチュアキックボクシングNEXT☆LEVEL▼第2試合 ジュニア-35kg 2分2R+ex1○大村絆人(魂心舘)判定3-0 ※三者とも20-18×稲田晃大(NJKF拳之会)
▼第1試合 ジュニア-35kg 2分2R+ex1×井上翔太(武魂會)判定0-3 ※18-20、19-20、18-20○庄司翔依斗(NJKF拳之会)