2月に新王者となった佐々木(左)が早くも防衛戦。20歳の若きチャレンジャー近藤の挑戦を受ける
2020年5月9日(土)大阪・コミュニティプラザ平野『Krush.114』の記者会見が3月12日(木)都内にて行われ、対戦カード第一弾が発表された。
Krushスーパー・ライト級タイトルマッチとして、王者・佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が挑戦者に近藤拳成(大成会館)を迎えての初防衛戦を行う。
佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者となった。2018年4月の2度目の防衛戦で同王座を失い、スーパー・ライト級に転向すると同年11月のK-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントでは準優勝。2019年6月大会では不可思をTKOで下している。2月大会で鈴木勇人を破り、ライト級に続いての2階級制覇に成功。早くも初防衛戦を迎えることに。
近藤はK-1甲子園2015 -65kg準優勝、2016同優勝の実績を持ち、2016年4月にプロデビューした20歳。2019年8月のK-1大阪大会で大和哲也に挑んだが判定3-0で敗れた。11月のKrush大阪大会で再起戦に臨み、左フックでKO勝ちを収めている。
中村拓己K-1プロデューサーは「佐々木選手は2月に王者になったばかりですが、大阪の皆さんにタイトルマッチをお見せしたいと思いオファーをしたところ、スタンバイOKということでタイトルマッチをお見せすることが出来るようになりました。近藤選手は持っているものはいい。思い切って挑戦してもらおうということで組みました」と説明。
3勝(2KO)3敗1分の戦績で挑戦者に抜擢された近藤は「この試合オファーを受けた時はビックリしました。11月に勝ってあと2~3試合勝っていけばタイトルマッチかなと自分の中では思っていたので、5月にいきなりきたので驚いています。でも受けたからには100%に仕上げて勝ちに行きます」と意気込み。佐々木は「オファーを受けて自分自身としても前回の試合は大きな怪我を負うことなく終えることが出来ましたし、オファーをもらえて光栄です。大阪で試合をすることが初めてなので自分としても楽しみですし、大阪にしかない熱もあったりするので、皆さんが期待できる試合が出来るようあと2カ月で作り上げていきたいと思います」と挨拶。
お互いの印象を聞くと、近藤は「パンチもキックも出来てフィジカルも強くて完璧なファイターですが、兄弟で研究して弱点はいろいろ見つけてあるので、そこを狙って1Rから倒しに行こうと思います」と、すでに対策は進んでいると答え、佐々木は「同じジムに戦った選手もいるので、そういった映像を見ていてもベーシックで基本に忠実なタイプですね」と評した。
また、近藤のコメントに関しては「逆に気になります。教えて欲しいですね。でもこの期間で近藤選手に対して、そして自分自身をどんどんレベルアップして、僕は常に探し求めているので、また違う形の自分を見せられるんじゃないかと凄くワクワクして楽しみです」と以前のままではないとけん制。
今回は近藤の地元・大阪での開催ということで佐々木にとってはアウェイとなるが、「凄い楽しみです。中国で試合した時に完全アウェイを経験しているので、そういった経験を今回は活かしていきたい」と、海外に比べれば問題ないといった表情。多くの応援団が訪れるであろう近藤は「去年11月にも大阪で試合をして、普段(東京へ)見に来れない人も見に来てくれるので、そういう人たちに勝つ姿を見せたいです」と、地元のファンの前で勝利したいと話す。
佐々木はライト級王座を過去2度防衛した経験もあるが、防衛戦はまた違う心境になるかと聞かれると「防衛戦だから…というのはないですね。それよりも大阪で出来るのが凄く楽しみ。大阪でやることで普段来てくれている東京の人が来れない状況で、多分『大阪か』と言っている人もいると思う。そういった方には映像で携帯の画面からでも伝わる試合が出来たらいいなと思いますね」と、むしろアウェイという状況を楽しんでいるようだ。
3カ月という短いスパンで防衛戦が決まり、もっとタイトル奪取の余韻に浸りたかったのでは、との質問には「勝っても負けても時は進んでいるので、僕は現状に満足することがずっとなくて常に何かを追い求めている状態です。毎日楽しくワクワクしながら生きていますね」と、余韻に浸っている暇はないという。
ベテランが若い新鋭選手の挑戦を受けるという形には「とても光栄です。どっちが上か下かは周りが決めること。僕は常に上を狙っています。どんどん自分が追い求めているものを追っていきたい」と、自分は常に上を見ているとした。
近藤は目の前にあるベルトに「カッコいいです。獲りたいです」と野心を燃やし、「練習に気合いが入ります。今から追い込んで練習しているので、仕上がりが楽しみです」と、ハードな練習を長期間積んで万全の状態で佐々木に挑むつもり。
近藤が「僕はKOを狙いに行きます。強くて完璧なファイターですが、応援の力も背負って絶対に勝ちたいと思います」とKOで王座奪取を宣言すれば、佐々木は「一撃必殺を見せたいですね。常に誰とやっても強敵。僕自身、他の選手に区別をつけていません。自分がやりたい、そうしたいのは一撃必殺を見せたいので、難しいと思いますが、今は自分の課題としてそこに重点を置いている感じですかね」と“一撃必殺”を体現したいと語った。