仮想カリミアン7体を相手にミット打ちを行った愛鷹。本番の試合でもこのオーバーハンドがカリミアンの顔面に炸裂するか
2020年3月22日(日)さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K'FESTA.3~』に出場する、愛鷹亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が7日(土)神奈川の所属ジムにて公開練習を行った。
愛鷹はK-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチとして、王者シナ・カリミアン(イラン/パワー・オブ・ドリーム)に挑戦する。
愛鷹のために現れた仮想カリミアン軍団に苦笑する愛鷹
両者は2019年8月のK-1大阪大会にてノンタイトル戦で激突。愛鷹が右フック一発でカリミアンをマットに沈め、11月の横浜大会でタイトルマッチによる再戦が組まれていたが、カリミアンの負傷により延期となっていた。
その時の公開練習で愛鷹は、身長2メートルのカリミアンを想定して肩車された相手のミットを打つ練習を公開したが、今回はさらにパワーアップ。愛鷹のためにとその場にいたKRESTの選手たちが一致団結で協力し、なんと合計7体もの仮想カリミアンが出現。
カリミアンは前回の試合後、ジムをパワーオブドリームに移籍しており、さらに速く動くことが予想される。この練習はカリミアンがステップで動いたことを想定し、愛鷹がサイドステップで追いかけながらフックを打ち込んでいくというもの。
軽快な動きでフックを放ち、連続ミット打ちを終えた愛鷹は「コンディションもバッチリいい感じなので最高の状態で練習できていると思います。今日のはカリミアン選手の顔の高さに合わせたミット打ち。前回もやりましたが、試合では実際にあの顔の高さで殴るのでリアルな感じでできました。決してふざけているわけではありません」と説明。
改めてカリミアンの印象を聞かれると「身体が大きい割にはいろいろな技を出すテクニシャン。リーチがあるけれどインファイトで殴り合う気持ちの強さもある。全体的にまとまっている印象です」と評し、前回の試合は「1Rで自分のことを倒しに来ているのは分かりました。でも大体あそこに飲まれて負けるパターンは見ていたので、それを乗り越えたら彼がどうなるのかと思っていてまず1Rは耐えました」との作戦を明かした。
次に「カリミアン選手がパワーオブドリームに移籍したのは脅威。強い選手が多いし、会長も教え方が定評あって進化してくると思う」と警戒する。「移籍する前は前回と同じように1Rから詰めてくると思っていましたが、いい指導者で戦術を考える人が付いたので、リーチを活かしてサークリングしてくるんじゃないかなという気がしています」と、前回とは違う戦い方をしてくるのではと予想。
「それと格闘技は個人競技ですが、一番大事なのはチームの力です。結束が高いチームに入ると全てにおいてパワーアップする。彼もレベルが上がる。それが脅威ですね」と、チームとしての力も脅威になるという。
しかし、「でも特に対策を変えることはない。今まで通りの戦い方で前に出るスタイルで殴りに行きます。リングの中は限られた空間なので、そこまで攻め込んでぶん殴ってやろうかなと思っています。移籍してまだ1カ月なので、人間そんなにすぐ進化できるものではない。今回の試合ではそこまで重視していませんが、今後は脅威になってくるでしょうね」と、大きくは変わらないだろうと予想している。
「KO決着はイメージしています。リーチもあって技も多彩な選手に判定で勝つのは難しい。前回は勝ちましたが彼がチャンピオンでトーナメントを勝ち抜いてきた強豪であることには変わりない。チャレンジャーとして突っ込んでいきます。自分の中のイメージは一撃で倒すことです」と、前回のような一撃KOをイメージしていると言い、前回のKOパンチであるオーバーハンドのフックに関しては「もちろんオーバーハンドには自信があるので狙っては行きますが、それを当てるための過程で何をするか。それ以外でも倒せる技を持っているのでそれをどう当てるかですね」と、オーバーハンドだけではないと話した。
当初の11月よりも「練習期間が延びたのでレベルアップする時間が増えました。11月よりも自信を持っています」と勝つ確率は上がったとし、KRESTとパワーオブドリームの戦いという見方もできるとの問いには「正直そこまでは意識していませんでしたが、見る人から見ればそれで盛り上がってくれれば。自分が勝ってKRESTが強いことを証明します」と、KRESTを背負って戦うと答えた。
そして「この中で一番面白かったと言ってもらえるタイトルマッチにしたい」と、大会ベストバウトと言われる試合をすると意気込んだ。