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インタビュー

【RIZIN】ムサエフの同門ケラモフ「リングの雰囲気を感じながら、フルラウンドを使って勝利した」、アグォン「愛しかないんだ」

2020/03/06 12:03
【RIZIN】ムサエフの同門ケラモフ「リングの雰囲気を感じながら、フルラウンドを使って勝利した」、アグォン「愛しかないんだ」

(C)RIZIN FF

2020年2月22日(土)静岡・浜松アリーナにて『RIZIN.21』が開催され、第3試合でトフィック・ムサエフの同門ヴガール・ケラモフと、山本美憂のパートナーでもあるカイル・アグォンが66.0kg契約で対戦した。

朝倉未来を軸とする今年開催予定のフェザー級GPに向けたサバイバルマッチで、ベールを脱いだアゼルバイジャン第二の男は、紛れもない実力者アグォンを相手に、序盤からスイングフック、強いパウンドの圧力で優位に立ち、アグォンのテイクダウンを切って3R判定で勝利した。

MMA11連勝を決めたケラモフは試合後、「ト─ナメントなどがあることも見据えてリングの雰囲気なども感じながら、フルラウンドを使って勝利した」と、あえて3Rを使って“試し”を行っていたといい、「世界中どんな場所でもすぐに戦える準備を心掛けています」と常在戦場の心構えを明かした。

一方、元PXCバンタム級王者でPANCRASEで王座挑戦経験も持つアグォンは、タフなケラモフとの競り合いを、「リングに立つお互いがハ─ドワ─クして試合に臨んでいる。俺たちは、愛みたいなものを共有し合っていた」と、振り返った。格闘技で戦うことの本質が表れている、敗者の言葉も紹介したい。

ケラモフ「今すぐ1カ月後に出場を、とオファ─されても応じられるような準備ができている」

──試合を終えた率直な感想からお聞かせください。

「勝つことができたのでとても嬉しいです」

──対戦相手のカイル・アグォン選手の印象は?

「彼の試合を見ていまして、体格的に大きく、体幹も強くて体力があることを知っていたので、それに対応できるようトレ─ニングしてきたつもりでした。そういった相手に勝つことができてホッとしています。1Rで終わらせることも不可能ではなかったと思いますが、初参戦なので、ト─ナメントなどがあることも見据えて、リングの雰囲気なども感じながら、フルラウンドを使って勝利しました」

──「フルラウンドを使った」という勝利の決め手は?

「今までの試合のなかでは、テイクダウンからのパウンドで勝利したことも多いのですが、初参戦のRIZINで、テイクダウンだけではなく、スタンド(立ち技)でもきっちり試合ができることを自分自身でも確認し、見ているお客さんやプロモ─タ─に証明して見せるということを意識していました。そのために3Rしっかり使って勝てたことが良かったと思っています」

──コーナーについた同門のトフィック・ムサエフ選手からアドバイスは?

「もちろんありました。試合が始まる前から、始まってからも様々なアドバイスをもらいました。同じチ─ムで同じようにトレ─ニングをしているので、どう動くか、どこにパンチを出せ、と細かく飛んでくる指示をしっかり聞くようにしていました。注意点を頭に入れながら試合を運んでいました」

──初めてのRIZINの舞台はいかがでしたか。

「とても気に入ってます。RIZINはいまや世界のプロモ─タ─のなかで最大のうちのひとつ。組織もしっかりしていて雰囲気もとてもいい。ファンの皆さんのことも含めてとても気に入っています」

──今後の展望は?

「今すぐ1カ月後に出場を、とオファ─されても応じられるような準備ができています。世界中どんな場所でもすぐに戦える準備を心掛けています」

アグォン「俺たちは戦ってる。だけど、俺たちがいかにしてこのリングにたどり着いたかってことへの感謝の気持ちで一杯なんだ」

──試合を終えた率直な感想からお聞かせください。

「試合直後の今は複雑な気持ちです。負けたことは最悪な気分に決まってるけど、そうしてばかりもいられないから、敗戦を受け入れて前を向いていかないといけない。だけど、まだ試合の流れを思い出しては、“自分にはどうすることができただろうか”って考えたりすることがたくさんある。でもそれは起きてしまったことだから、もう今となってはどうにもできないだろうかから、前進あるのみだよ」

──勝負を決めたのは3Rだと思いますが、手数が少し減ってスタミナはどの程度残っていましたか。

「いや、なんていうか、3Rでガソリンのペダルを踏み込めてなかったというか、この競技をながくやっているけど、まだまだ勉強中のことっていうのがすごい一杯あって、僕が3Rに消耗して見えたのは、対戦相手がどうだったっていうようなことは何にもないというか、3R、僕自身がもっとハ─ドに対処していかなきゃいけなかったってことだけだ」

──試合をしてみて対戦相手のヴガール・ケラモフ選手の印象は変わりましたか。

「いや。自分と対峙する対戦相手が誰であろうと、僕自身は格闘家というのが何者かを分かっているから、それに見合う敬意というのを払うまでだ。このスポ─ツにはとりわけ、みんながどう見ているかということ以上のものがすごくあって、ただ観てるだけだとすごくエンタ─テインメントだけど、実際のところ、花道をわたり、リングに上がってあんなラフなことをするっていうのは大変で、簡単にできることじゃないんだ。

だから、対戦相手と向き合ったらいつだって、お互い何を仕掛けるか展開も分からないけれども、どうあれ、そこに立つお互いがハ─ドワ─クして試合に臨んでいるわけで、それってつまり俺たちは、愛みたいなものを共有し合っているんだ。だから誰であろうと自分と戦うってことをしてくれている人と対峙するのに、相手へのラブというもの以外ない。そうだよ、俺たちは戦ってる。だけど、俺たちがいかにしてこのリングにたどり着いたかってことへの感謝の気持ちで一杯なんだ、ただそれだけだ。ただそのことが美しいんだよ」

──……1R目の強烈なパウンドでダメ─ジはいかがでしたか。

「いや特に、今あれでダメ─ジだったと思うことはない。全然すぐ戻って戦えてたし、ただまあ特にラウンドの序盤でそういう展開になると立ち直れなくなる選手もいるのかもしれないけど、自分としては問題なかった。僕も彼にダメ─ジを与えられていたし、すべては内面的なものだった。フィジカルなダメ─ジはないかったよ」

──フェザー級の実力者同士の戦いで判定で敗れました。今後の展望をどのように考えていますか。

「またこのリングに戻ってきてリベンジがしたい。皆さんの前でまた戦いぶりを披露できたら、“すごい選手がいる”と思ってもらえるようにしたい。そのために映像を見て分析して次を考えたいよ」

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