「DEEP 94 IMPACT」2020年3月1日(日)東京・後楽園ホール
▼第10試合 メインイベント DEEPバンタム級 5分3R○元谷友貴(フリー)[判定3-0] ※30-27×3×大塚隆史(T GRIP TOKYO)
元谷は初代・第3代DEEPフライ級王者。2018年6月のDEEP 84 IMPACTで17年バンタム級GPに参戦した難敵ムン・ジェフンをグラウンドパンチで撃破。8月のRIZIN.12では修斗環太平洋バンタム級チャンピオンの祖根寿麻をチョークスリーパーで沈め、10月に行われたDEEP86のDEEPバンタム級タイトルマッチで釜谷真に勝利し、DEEP2階級制覇を達成。2019年の大晦日「RIZIN.20」では61.2kg契約で米国のパトリック・ミックスと対戦し、ギロチンチョークに一本負けを喫している。
大塚は2017年にRIZINバンタム級トーナメントでアンソニー・バーチャック、カリッド・タハに勝利も、準決勝で石渡伸太郎に判定負け。2018年3月にDEEPバンタム級王座を返上すると、8月にはビクター・ヘンリーにもKO負けし、5年ぶりの連敗を喫した。しかし、2018年12月の赤尾セイジ戦で強いレスリング力を発揮し判定勝利で復活。2019年5月にPXCバンタム級王者のトレヴィン・ジョーンズを迎え撃ったが、リアネイキドチョークで一本負け。9月に白川“Dark”陸斗と対戦し、大塚の投げの影響か白川の右肩が外れ66秒でTKO勝ちした。
12月15日の「DEEP 93 IMPACT」では、バンタム級でハワイから帰国した高野優樹(FIGHT FARM)と対戦。打撃・レスリング・スクランブルでも上回り判定3-0で勝利し、2連勝を飾っている。
1R、ともにオーソドックス構え。右の強烈なローは元谷。レスラーの大塚の前重心の足にさらにロー! 左右で詰める大塚はローをカットせず。元谷は強い右ローをヒットさせる。
左ローもカーフで当てる元谷。さらに右ロー。詰める元谷は右を当てるが、続く跳びヒザに大塚は右でテイクダウン! しかし足を抜きながら立ち上がる元谷。追う大塚から離れる。右カーフキックを当てる元谷。頭を振りながら左フックに大塚が一瞬後退する。
2R、前足に右ローは元谷。さらに右ロー。右を当てて前に出るが、カウンターのダブルレッグは大塚! しかしそこにギロチンを合わせに行くと、大塚は離れ元谷は立つ。ガードを固める大塚にワンツーは元谷。さらに右フック! 右ローを突いて回る。大塚は組んで首相撲も突き放す元谷。大塚の右から左ボディの入りはかわして回る。大塚のアイポークから元谷若干インターバルで再開。
元谷の回転の速いパンチに大塚も左を振るが単発。ならばと大塚は左の前蹴りを腹に突く。
3R、右ローを先に当てる元谷。常に詰めるのは元谷。大塚の組み付きを剥がし右ローの快音を響かせる! ヒザを触るフェイントの元谷。大塚は左ボディを当てて組むが元谷はテイクダウンはさぜず。大塚はシングルレッグから脇を潜るが元谷も突き放す。元谷はなおも右ロー。さらに右ローとダブル。右アッパーで元谷の上体を浮かせて組みを狙う大塚だが、ダブルレッグは切る元谷。さらに右を強打! 大塚のダブルレッグをギロチンのプレッシャーで剥がすとバックテイクへ。スクランブルで上は元谷! ハーフから激しいパウンドを当てると大塚が立ち上がったところでゴング!
タフファイトに互いにコーナーで正座で判定を待つ両者。判定は3-0(30-27×3)フルマークで元谷が勝利した。
元谷はマット上で「決着がつかなかったけど強い選手と戦えて良かったです。今年もDEEP、RIZINに出たいと思うのでよろしくお願いします」と語った。
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▼第9試合 DEEPウェルター級タイトルマッチ 5分3R○住村竜市朗(王者/TEAM ONE)[判定5-0] ※29-28×5×悠太(挑戦者/ALLIANCE)※住村が王座防衛
住村竜市朗は、第9代DEEPウェルター級王者。2017年7月に実力者・長谷川賢に判定勝利。2019年4月のDEEP83では佐藤洋一郎相手に得意の打撃で攻め続けフルマーク判定で初防衛に成功。RIZINでは2018年8月にストラッサー起一に肩固めに一本負けしているが、10月のDEEPでの再起戦で渡辺良知に一本勝ち。青木真也の指導のもと、トータルファイターとして進化を遂げてきた。
しかし、かつて五味隆典に一本勝ちの経験を持ち、2019年12月29日の「Bellator JAPAN」では一階級上げて住村竜市朗との試合に臨んできたグアム初のUFCファイター、ジョン・タックとの試合では、右ストレートの前に1R 3分46秒 KO負け。今回が再起戦となる。
悠太は、高校3年時にレスリング部に入部。卒業と同時に高阪剛主宰のALLIANCE入門。2013年3月にDEEPウェルター級王座戴冠を果たした。同年12月には前王者・白井祐矢をKOに下して初防衛に成功。2016年4月に加藤久輝とRIZIN.1で対戦するも、KO負け。
2016年10月にはDEEPウェルター級GP一回戦で住村と初対戦。2Rにリアネイキドチョークで一本負けしている。その後、怪我で長期入院もあり1年8カ月のブランクを経て、2018年6月のDEEP84で復帰も川中孝浩に判定負け。しかし、以降はANIMAL☆KOJI、渡辺良知、佐藤洋一郎相手にいずれも判定勝利で3連勝中だ。
住村は悠太のテイクダウン&抑え込みから立つことができるか。悠太は粘り強い組みで住村を削れるか。住村のセコンドには皇治と青木真也。悠太にはお馴染みTK・高阪剛。
1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブを突く住村は、右ロー、アッパーで圧力をかける。左右からボディも突く住村に下がる悠太。さらに右ストレート! 組む悠太に小外がけは住村。金網背に倒れない悠太。
離れる悠太。右ローを当てる住村。さらに左ジャブ、シングルレッグに入る悠太に尻餅を着く住村はすぐに立つ。追う悠太から足を抜く。悠太はシングルレッグからダブルレッグテイクダウン! しかし背中見せながらも立つ住村。スタンドバックに付く悠太もゴング。
2R、詰める住村は左ジャブ連打から左右ラッシュで自らダブルレッグへ。がぶる悠太は足をかけてバックを狙うが落とす住村が上に。住村の左ジャブの打ち終わりに左フックは悠太! ダウンした住村にパウンドラッシュ。亀でしのぐ住村にリアネキドチョーク狙いも、そこで住村は正対。上を取ると悠太は上半身を金網に立てて、バックを狙ってくる住村に左で差して投げて正対し上に。背中を着かせてパウンドを打つ。
3R、ともにジャブの刺し合い。悠太も左フックを返すと、組みから際で上を取るのは住村。クローズドの悠太に住村は細かいパウンド。しかし悠太も金網まで這い、上半身を立てる。ブレーク。互いに厳しい左の刺し合いからダブルレッグテイクダウンは住村。悠太は上半身を立てるとバック狙いの住村を落として上に。パウンドを入れ、ゴング。
文字通りのタフファイトの判定は5-0(29-28×5)で住村が勝利。王座防衛に成功した。住村は、「34歳ですけど、もっともっと頑張ります。これからメインイベント、高レベルの戦いになると思うのでそれを見て帰ってください」と語った。
▼第8試合 DEEPフェザー級 5分3R○横山恭典 (KRAZY BEE) [3R 3分30秒 肩固め]×巽 大佑(NEX)
2019年6月大会で大澤茂樹に判定勝ちした横山だが、9月大会では牛久絢太郎に接戦の末、判定負け。しかし12月大会で小川顕広に判定3-0で勝利して再起を果たしている。
巽はDEEP名古屋を主戦場とし、2019年11月のDEEP名古屋大会では、2002年のPRE-PRIDE.5からMMA経験を持つベテランの鬼頭潤に1R リアネイキドチョークで勝利を収めている。
1R、ともにオーソドックス構え。左で差して組む横山。押し込みボディロックテイクダウン! 左で差してパスガードする横山に、亀から立つ巽のバックへ。両足をフックする横山。いったんバックから巽の身体を伸ばすがヒザを立てて戻す巽。
2R、右を振り、右で差してテイクダウン奪う横山。ハーフからパウンド落とすと左ヒジ! 巽は左で脇差して立とうとするが剥がした横山はパウンド。
3R、ケージレスリングを挑む横山。しっかりバックを奪うとたすきからリアネイキドチョーク狙い。さらにマウントから肩固めへ。ケージ側で巧みにスペースを作り絞め上げ、極めた。
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▼第7試合 DEEPバンタム級 5分2R○CORO(K-Clann)[2R 4分11秒 TKO] ※マウントからパウンド×ドリームマン(Tarnthong Gym)
ONEで4勝のドリームマンことクリッサダー・コンスリチャイが初参戦。レスリングでは14度タイのナショナル王者に輝いたドリームマンはレスリング&ムエタイテクニックでCORO(K-Clann)もバックスローで投げるか。今回はバンタム級での参戦、階級差が気になるところだ。
迎え撃つCOROは、2018年4月に朝倉未来を相手に判定負け後、ハシャーン・フヒト、白川“Dark”陸斗にいずれもドロー。2019年10月の「DEEP 92」で清水俊一に判定勝ちし、2年ぶりの白星を掴んでいるだけにドリームマンとの試合で連勝をマークしたいところ。
1R、ドリームマンの右ロー、組みにギロチンチョークを合わせるCORO。首を外したドリームマンはボディロックからバックスロー! しかしCOROは足を手繰りダブルレッグテイクダウン。ギロチンで頭を抱えるドリームマンにパスガードからサイド奪い、ヴォンフルー狙い。腕を外したドリームマンにパウンド。
立つドリームマンにCOROはシングルレッグもギロチン合わせるドリームマン。サイドに回り、外すCOROはなおもシングルレッグのドリームマンにがぶりからスピニングチョーク狙い、さらにニンジャチョークを狙う。
2R、右ローで詰めてテイクダウンはCORO。体格差も活かし上をキープするCOROは、右で差してヒジ。さらにサイドを奪い、ヒザを突き、上四方から鉄槌。左を差してきたドリームマンの左腕を流し、右腕でパウンド。さらにマウントに移行し、ヒジ! 後ろを向いて戦意喪失したドリームマンにレフェリーが試合を止めた。
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▼第6試合 DEEPバンタム級 5分2R○才賀紀左衛門(888ジム/ K-Clann)[1R 1分22秒 TKO]×ジャック(タイ/MASTER THONG)
近年はREBELSでキックボクシングを戦っていた才賀がDEEPに初参戦、MMA復帰戦を行う。MMA(総合格闘技)での試合は、2017年12月29日「RIZIN」での朝倉海戦以来、2年2カ月振り。ROAD FCでのムン・ジェフン戦の敗戦を経てRIZINに初参戦した海を相手に、2Rに2度のダウンを奪われパウンドアウトでTKO負けしている。当初、海と対戦予定だった伊藤盛一郎の欠場により試合1週間前のオファーを才賀が受けての敗戦だった。
その後、2018年8月に「REBELS 57」で小磯哲史を相手に2年ぶりのキックボクシング復帰戦で判定勝利。2019年2月には「PANCRASE REBELS Ring 1」のREBELS 60kg級王座決定トーナメント1回戦で浅川大立と対戦し判定勝利も、続く決勝戦を「諸事情により欠場」。また、2019年6月の「RIZIN.16」では、国崇とのキック戦が予定されていたが、過去に負った左眼窩底骨折の後遺症による「視野狭窄」で全治1カ月と診断されドクターストップで欠場。以降、試合から遠ざかっていた。
2019年12月13日にタレントのあびる優との離婚を発表している才賀は、親権並びに監護権(育児権)を持っており、娘の育児写真をインスタグラムにアップ。YouTubeでもチャンネルを開設し、「子供が一番なので、まだまだ未熟ですが、これからはシングルファザーとして子供のことを守っていけるように頑張ります」と決意を語っている。
対戦相手のジャックはタイのMASTER THONG所属の23歳。師匠マスター・トンは、チームアルファメールの打撃コーチを務め、現在はバンコクでONE Championshipで活躍中のシャノン・ウィラチャイやリカ・イシゲ、ティファニー・テオらの指導もしており、ジャックはトン氏やソムリエ恵介の指導を受け、アマチュアの「NEO Fight Championship 2019」で優勝を果たしている。
MMAでは3勝4敗と負け越している才賀にとっては、新鋭ながらプロデビューとなるジャックを相手にしっかりと勝利したいところだ。
1R、詰めるジャックの左にダウンする才賀。ジャックのパウンドにガードから金網を使って立つ才賀。ジャックの猛攻に軸がブレる才賀だが、金網に詰めての左ボディがローブローとジャックが主張。中断後再開。右ストレートで詰める才賀は左ボディ! 少し間を置いてジャックは腹を押さえて倒れた。
2年2カ月振り、MMAで復活の勝利を挙げた才賀は、ケージのなかで、「格闘技すごい好きで。この何年か、あまりいい結果を出せず、久しぶりに勝利できて、やってるときに娘の顔が浮かんで絶対に負けれないと思って、応援してくれる皆さんのおかげです。すごく厳しい世界ですけど、たくさんいい勉強できるんで。今日も楽しかったので、今後もっとDEEPに出たいです。あと、お店がオープンするので来てください」と継続参戦と自身の店舗をアピールした。
▼エキシビションマッチ グラップリング 5分1R-神龍 誠(フリー)[勝敗無し]-越智晴雄(CAVE)
越智のダブルレッグにギロチンチョークを狙う神龍。スクランブルから立つ越智をバックからリフトする神龍。越智はなおもダブルレッグへ。がぶる越智はカニ挟みから足関節狙い。立つ越智はリフトしてテイクダウン。上四方でコントロール。リバーサルからバック狙いの神龍はまたもバックスロー。その立ち際にギロチンを見せる越智。外す神龍はがぶりからスピニングチョーク狙いからマウントへ。バックからバナナスプリットからギロチンでタップを奪った。再開。互いに足関節でゴング。
目まぐるしく動き回ったエキシビション後、越智は、「年末はDEEPの良さを証明できなかったので今後、勝って証明していきます」と抱負。
神龍は「越智選手ありがとうございました。一緒に盛り上げていきましょう。ひとつ言いたいことがあります。今日、身体ぴんぴんしてるんで、RIZIN横浜、ぜひ出させてください」と、4月19日の横浜大会出場をアピールした。
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▼第5試合 DEEPフライ級 5分2R×島袋チカラ(CORE王子豊島)[判定0-3] ※18-20×3○藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)
精力的に試合をこなし経験を積む藤田大和はMMA3勝3敗。2017年10月にRIZIN MMA 特別ルールで那須川天心と対戦。判定3-0で敗れ黒星デビューとなると、同年大晦日には那須川とキックルールで再戦し、1R KO負けを喫した。MMAでは2018年12月の「DEEP 87 IMPACT」で初白星を飾るも、2019年3月に鮎田直人に判定負け、5月に森脇公三に2R KO勝ち、9月に伊藤裕樹に1R リアネイキドチョークで一本負けと、白星と黒星を繰り返している。2019年12月15日には桜井宇宙と対戦予定も桜井の欠場で3週間前に出場を決めた松丸息吹に判定勝利している。
島袋は2019年は3連敗。3月に神龍誠に判定負け、7月にFighting NEXUSでKOREAN TOP TEAMのオ・ヒョプチャンに1R TKO負け。10月DEEPでランボー宏輔のギロチンチョークに1R 一本負けとなっており、連敗を止めたいところだ。
1R、ともにオーソドックス構え。蹴りから右で差して小外がけテイクダウンは藤田。脇差し立つ島袋は、跳びヒザから再び小外テイクダウン狙いの藤田にギロチンチョーク! いったんはクローズドのなかに入れるが、スタンドで首を抜いた藤田は右手で島袋の右腕をしばり上からパウンド。手首を外した島袋はキムラ狙い。腕を外した藤田も鉄槌を打つ。2R、先に詰める島袋は跳びヒザ。かわして金網に押し込む藤田だが展開無くブレーク。島袋の左ハイをかわす藤田は右の突きの跳び込み! 島袋はバックフィストから二段蹴りも狙うが跳びヒザはキャッチされ、藤田がテイクダウン。
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立つ島袋に詰める藤田はボクシング勝負。藤田の左をもらい下がる島袋。さらに右! 金網に詰めて右ミドルも当てる藤田。さらに組んでボディロックから小外テイクダウン。立つ島袋のバック狙い。正対する島袋だが、藤田が押し込みゴング。序盤のギロチン以外は、藤田がキックボクシング、組みともに上回り、判定は3-0(20-18×3)で藤田が完勝した。
▼第4試合 DEEPライト級 5分2R○大山釼呑助(INFIGHT JAPAN)[1R 反則] ※スタローンがグラウンド状態で反則のヒザ蹴り×ハリー・スタローン(MACACO GOLD TEAM JAPAN)
約2年ぶりの復帰戦に臨む大山はプロボクサーからMMAに転向。柔術を学び、得意の腕十字で一本勝ちを重ねて「寝技で一本を取れるボクサー」を名乗る。アグレッシブファイトでDEEPライト級のエース候補として佐伯繁DEEP代表も期待を寄せていたが、2018年2月のムン・ギボム戦で敗れてからは試合から遠ざかっていた。
スタローンは柔術ベースで、ブラジル生まれの静岡育ち。2019年12月にDEEP初参戦。牛久絢太郎と対戦したが、寝技の攻防であばらを痛めて1R1分50秒、TKO負けを喫している。
1R、ともにオーソドックス構え。組んできたスタローンに首相撲ヒザを打つ大山。スタローンはなおもダブルレッグも大山は小手に巻いて払い腰テイクダウン。しかしすぐに立つスタローン再びダブルレッグへ。テイクダウンからグラウンド状態から立とうとする大山に右のヒザ連打はスタローン。アゴにヒザの連打をもらった大山は反則を主張。スタローンにイエローカードが出される。
いったんは立ち上がった大山だが、椅子に座り金網にもたれかかり試合続行不可能。1R、大山の反則勝ちとなった。
▼第3試合 DEEPフェザー級 5分2R○神田コウヤ(パラエストラ柏)[判定3-0] ※20-18×3×遠藤来生(パワーオブドリームス)
神田は高校の時にレスリングで全国高校総体や全国高校生選手権で活躍。卒業後は大東文化大学で東日本学生選手権春季大会で優勝するなどの結果を残してMMAに転向した。プロデビュー戦となった2018年6月のDEEP84では平澤宏樹にKO勝ちを収めて期待の大型新人として注目されたが、10月の第2戦で高塩竜司に秒殺負けを喫してプロの厳しさを味わった。その後は4戦して3勝1敗。勝利の全てが1RでのTKO勝ちであると共に、2敗はいずれも1RでのTKO負けと一本負け。
山本喧一の弟子・遠藤がDEEP参戦。2016年5月にプロデビューし、戦績は11勝5敗3分。11勝のうち3勝がKO、4勝が三角絞めやリアネイキドチョークによる一本。前戦は2019年11月のFighting NEXUSで高橋憲次郎に右ストレートでダウンを奪ってのパウンド連打でTKO勝ちしている。
1R、サウスポー構えの神田、オーソドックス構えの遠藤は右ローを突く。強い左ハイをガードの上から当てる神田。後退する遠藤。神田は左ストレートを当てる。
ダブルレッグは遠藤も差し上げる神田は左で差して後方に投げ! サイドを奪うが、蹴り上げから立つ遠藤。しかしその振りに神田は組み付きスタンドバック狙い。さらに離れ際にヒザを突く。
2R、左のテンカオで飛び込む神田! 左で差して金網い押し込むもブレーク。オーソから左ミドルは遠藤。神田もサウスポーから右ミドルを当て、打ち合いのなか徐々に詰めてダブレッグテイクダウン。金網背に立つ遠藤。ブレークからなおも組む神田。ボディロックから引き込みも見せるが、立つ遠藤を押し込みゴング。
打撃から組みの展開でリードした神田が判定3-0で勝利した。
▼第2試合 DEEPバンタム級 5分2R×ハシャーンフヒト(NEX)[判定0-3] ※18-20×3○笹 晋久(パラエストラ柏)
1R、サウスポー構えの笹。オーソドックス構えのフヒトは左回り。右ミドルを当てる。左フックを当てる笹は右で差して金網に押し込むとダブルレッグでクラッチしテイクダウン。しかしすぐにスイッチから立つフヒト。なおも笹はダブルレッグで再びテイクダウン。金網で立つフヒト。ブレーク。すぐに組む笹に体を入れ替えるフヒト。笹も入れ替え首相撲から離れ際の打撃を狙う。
2R、ワンツーから先にダブルレッグはフヒト。しかしガブル笹はダブルレッグテイクダウン。すぐに金網背に立つフヒトにシングルレッグでなおも倒す笹。手を着いて立つフヒト。ブレーク。スタンドで左右振る笹はダブルレッグへ。そこにキムラクラッチを組むフヒト。しかし笹は腕を外されず。ボディロックに行く笹に体を入れ替え押し込むるフヒト。そこに笹はギロチン! ケージを蹴るフヒトにいったんはマウントのギロチンとなるが、エビでずらした外して立つフヒト。
判定は3-0でドミネートした笹が勝利した。
▼第1試合 DEEPフライ級 5分2R×石神保貴(EXFIGHT)[判定1-2] ※19-19×2マスト渋谷、19-19マスト石神○渋谷カズキ(高本道場)
石神は、2009年2月にプロ修斗デビューを果たし、12年4月には初参戦のDEEPで清田秀樹に完勝。その後、2014年9月のTTF CHALLENGEでパンクラスの現役王者であった清水清隆にKO負けを喫すると共に怪我により長期間の欠場を余儀なくされた。しかし、2016年4月に約1年半振りに復帰し、2017年5月には後にフライ級王者となる神龍誠に引き分け、 6月には中国で開催されたWLFで勝利を飾った。続く10月のDEEP80でも聡-S DATEに完勝するなどでキッチリと結果を残したが、2018年4月のDEEP83で島袋チカラにKOで敗れ、10月のDEEP86ではランボー宏輔のフロントチョークに連敗を喫した。この厳しい状況下で、2019年5月のDEEP89では曾我英将と生き残りを賭けた戦いで勝利を奪い、今大会では渋谷カズキを迎え撃つ。
渋谷は、3歳から始めた体操で17歳の時に東京都の個人総合で優勝。卒業後に総合格闘技を習い、プロデビュー戦となった2015年10月のパンクラス270で勝利したが、の後勝ち星に恵まれず。しかし、2018年10月のパンクラス300で立花恵介、12月のFighting NEXUSで中村真人から一本勝ち。そんな中、2019年4月のFighting NEXUS初代フライ級王者決定トーナメント1回戦で池田一歩を下し、7月のBブロック準々決勝で敗れたがここ一年で大きく飛躍している。前戦は2019年11月、Fighting NEXUSで佐野椋將に判定勝ち。
1R、オーソドックス構えの渋谷は右ロー、サウスポー構えの石神。ニータップ気味に右でダウンを奪う渋谷。パウンドも凌ぐ石神は下から三角絞め狙いも抜ける渋谷。そこで石神も立つ。
渋谷のテイクダウン狙いを切る石神。パウンドを入れながら片足をパス。ヒジを打つ。左足を手繰ろうとする渋谷だが、石神はハーフのまま右のパウンド。渋谷はヒールフックも石神はパウンド。
2R、渋谷のテイクダウン狙いを切る石神。がぶり肩固め狙いに渋谷は亀に。リアネイキドチョーク狙いの石神に正対して立つ渋谷は右を振る。渋谷のボディロックを左正対して小外でテイクダウンは石神! サイド奪いコントロール。ゴング。
判定は2-1(19-19×2マスト渋谷、19-19マスト石神)で、1Rにダウンを奪った渋谷が接戦を制した。
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▼オープニングファイト第2試合 DEEPストロー級 5分2R○中村真人(レンジャージム)[判定3-0] ※20-18,19-19×2マスト判定中村×多湖力翔(ネックスイチムエ)
1R、ともにオーソドックス構え。右で中村の腰を落とさせる多湖力。中村の打ち返しにダブルレッグテイクダウンは多湖力。背中着かせる多湖力だが、マウントからバック狙いを中村が前に落とす。リバーサルした多湖力。
2R、右で詰める多湖力に左ジャブ突く中村。さらに多湖力の左に右ミドルを入れる。ダブルレッグテイクダウンは多湖力。中村はブリッジからリバーサルしアームバー狙い。腕を抜いた多湖力だが下に。中村はインサイドからパウンド。腰をずらしながらも立ち上がれない多湖力。ゴング。判定は3-0で中村が勝利した。
▼オープニングファイト第1試合 DEEP JEWELS 49kg以下3分1R グラップリングルールエキシビションマッチ-吉川桃加(禅道会)[勝敗無し]-マヤ(パラエストラ柏)
吉川は2017年に『有吉反省会』で放映された女子相撲の大会で“可愛すぎる女子相撲選手”として話題となった。女子相撲と並行して高校1年生で総合格闘技を始め、DEEP JEWELSのアマチュアに出場。山崎桃子、平田樹、永尾音波らに敗れてプロ昇格を果たせていないが、今回こそ勝利してのプロデビューを目指す。今春から女子大生となる。
対するマヤは浅倉カンナの後輩となる高校生。2019年9月のDEEP JEWELSアマチュア大会に出場。キックボクシングルールでTKO負け、MMAルールで一本負けと結果が残せなかった。当初この試合は49kg契約のアマチュアSPルール3分2Rで行われる予定だったが、マヤが当日計量で2.2kgオーバーしたため3分1Rのグラップリングルール、エキシビションマッチに変更となった。
吉川が腕十字で二本奪い(エキシビションのため一本をとっても続行される)、圧倒する形に。エキシビションが終わるとマヤは涙をぬぐいながら吉川と観客に謝罪し、「いつか吉川選手と試合がしたい」とマイクアピール。吉川はもらい泣きしながら「今年は格闘技で頑張っていきます」と語った。