キックボクシング
レポート

【REBELS】鈴木宙樹がサンタナを破り初防衛&無傷の13連勝を達成、老沼隆斗が激闘で王者対決を制す

2020/02/29 22:02
「REBELS.64」2020年2月29日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第13試合)REBELS-BLACK 60kg級タイトルマッチ 3分3R+延長1R BLACKルール〇鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺/王者)判定3-0 ※30-28×3×ピラオ・サンタナ(ブラジル/チームサンタナ/挑戦者)※鈴木が初防衛に成功。  鈴木は往年の名ボクサー・高橋ナオト氏からパンチの指導を受け、右ストレートに必殺の威力を秘めたREBELSが誇るホープ。2019年6月に11戦無敗のまま王座に就いた。8月には元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者・琢磨も初回TKOに破り、戦績を12勝(8KO)無敗としている。今回は約半年ぶりの試合。  挑戦者のサンタナは、キックボクシングのほかにもMMA、ボクシング、カポエイラなどの試合を経験しているファイターで、2017年レベルスに初来日。パンチでの突進で会場をどよめかせるなど活躍し、REBELS-MUAYTHAIライト級王座決定トーナメントでは決勝戦へ進出した。その後、『LETHWEI IN JAPAN』に参戦して超過激格闘技ラウェイに挑戦して1勝1分。  1R、サンタナのローに鋭い右ストレートを合わせる鈴木。サウスポーのサンタナに対して右ミドルを多用して入らせないようにするが、サンタナはそれでも入り込んでパンチのコンビネーションを放つ。終盤、鈴木の右がジャストミートしてダウン気味にサンタナが倒れたが、これはノーカウント。  2Rも右ローと右ミドルで距離を取る鈴木。サンタナがスイッチすると左ミドルを蹴る。そしてワンツー。サンタナは距離を詰めようと後ろ蹴りを繰り出す。距離が詰まるとサンタナはアッパー突き上げるが、鈴木はかわす。前に出るサンタナにはヒザを合わせる。  3R、ジャブで距離を取る鈴木にサンタナは前へ出てのワンツー、左右フック、そしてアッパー。しかし鈴木はそれをかわしていく。鈴木は三日月蹴り、ヒザ蹴りとボディを攻め、追ってくるサンタナには左右フックをクリーンヒット。サンタナを寄せ付けない形で試合を終え、鈴木が判定勝ちで初防衛に成功した。 ▼セミファイナル(第12試合)52.5kg契約 3分3R・延長1R REDルール〇老沼隆斗(STRUGGLE/REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×白幡裕星(橋本道場/MuaythaiOpenスーパーフライ級王者)※本戦の判定は29-28、29-29、29-29。 老沼は空手仕込みの多彩な蹴り技で2018年6月に王座に就き、REBELS軽量級のエースとして君臨。12勝(5KO)2敗1分の戦績で、2018年2月にREBELSに参戦してからは無敗の快進撃を続けていたが、9月の新日本キックで元日本フライ級王者・泰史(伊原道場本部)にKO負けして連勝がストップ。12月の新日本キックで濱田巧の挑戦を退け、2度目の防衛を達成して復活を果たした。  白幡はアマチュアで多数の経験を積み、2018年10月にプロデビュー。同年11月にはキック界のレジェンド・立嶋篤史の息子である立嶋挑己からも勝利を収めた。今年12月1日にはMuayThaiOpenスーパーフライ級王座決定戦に臨み、判定勝ちで見事王座に就いた。  1R、両者とも蹴りを多用する戦い方。老沼がロー&ミドルを蹴れば、サウスポーの白幡は前蹴り。両者がもつれて倒れると、老沼は左目上から激しい流血。単発で終わりがちな老沼に対し、白幡は蹴りとパンチのコンビネーションで有効打を奪っていく。  2Rも白幡のコンビネーションを受ける老沼だが、サウスポーに慣れてきたか左ストレートをもらう場面が減り、蹴りを当てに行く。左フック、右ロー&ミドルで反撃を開始。激しい蹴り合いが続く。  3R、老沼は右ローを狙い撃ち、軸足蹴りも決めて白幡を転倒させる。右ローで一気に逆転の可能性も出てきたが、白幡はそこへ左ストレートを合わせ始める。老沼はハイキックや後ろ廻し蹴りの大技も放ち、本戦の判定はドロー。  延長R、老沼はパンチと蹴りで白幡の先手を取り、白幡になかなか攻めさせない。右ストレートを巧みに当て、白幡が相打ちで左ストレートを放ってくる打ち合いも。激しい打ち合い、カウンターの取り合いが続き、老沼は組み付くと首相撲で崩して白幡をマットに叩きつけ、優勢を印象付ける。  判定はジャッジ三者とも老沼。苦しい試合で白幡を振り切った。 [nextpage] ▼第11試合 REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント1回戦 3分3R+延長1R REDルール〇KING強介(team fightbull/元REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者)TKO 2R 2分02秒 ※カーフキック→レフェリーストップ×タネヨシホ(直心会)  今大会より「55.5kg級王座決定トーナメント」(REDルール=ヒジあり)が開幕。準決勝は4月24日(金)『REBELS.65』、決勝戦は7月8日(水)『REBELS.66』で会場はすべて後楽園ホール。  強介は大野貴志、HIROYUKIに連敗を喫し、一時は引退も考えたが、妻の実家の三重県伊賀市に移住。育児と介護、宮大工の仕事と慌ただしい生活の中で地元の有志とチームを結成し、格闘技ジムのない地で一から環境を作ってのカムバック。  タネは強打とアグレッシブファイトを武器にKNOCK OUTで活躍したが、2019年2月に計量オーバーで失格に。1月に復帰を果たし、REBELSに初参戦を果たす。  1R、ジャブを突いていく強介。両者ジャブ&ローで探り合いの中、いきなり強介が右ストレートを強振してダウンを奪う。立ち上がったタネも左右フックの強打で反撃。  2R、タネはスピードのある左ハイ&ミドルのコンビネーションキックを繰り出し、スピードでかく乱していこうとするが、強介は右のカーフキック。一度ダウン気味に倒れたタネだが、レフェリーはスリップと判断。  タネは一気に前へ出てパンチで襲い掛かるが、再びカーフキックをもらってダウン。何とか立ち上がるもカーフキックで2度目のダウンを喫したところでレフェリーが試合を止めた。  健在ぶりを示した強介は「REBELSのリングに上がるのは半年ぶり。最高の結果で帰ってこれて最高です。タネ選手も強くて一生懸命に練習してきて最高の試合になったと思いますが、次の2回戦で決着を付けたい相手がいるのでその人には必ずリングに上がってもらいたいと思います」と、トーナメントにエントリーしている小笠原瑛作との再戦(2018年10月に対戦し、小笠原が判定勝ち)をアピールした。 ▼第10試合 REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント1回戦 3分3R+延長1R REDルール×森岡悠樹(北流会君津ジム)判定0-3 ※9-10×3〇小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)※小笠原が準決勝へ進出。本戦の判定は29-29、30-29、29-29。  当初、小笠原は大野貴志との1回戦が決まっていたが、大野が試合3週間前に練習で負傷。代わって2月11日のKNOCK OUTで大川一貴に勝利した森岡がトーナメント参戦に名乗りを上げた。  小笠原は『ONE』に参戦して初戦でKO勝利を飾るも、海外の強豪に3連敗。日本でも2019年4月にシュートボクシングで笠原弘希、11月にKNOCK OUTで宮元啓介に敗れて泥沼の5連敗中。今回のトーナメントに再起をかける。対する森岡は3連勝中と勢いに乗っている。  1R、小笠原は右ボディストレートから右クロスで森岡をグラつかせるとヒジを交えて一気にラッシュ。しかし森岡も右を当て返してラッシュと互角の攻防。終盤にも小笠原が右ボディからの右ストレートをヒットさせる。  2R、ジャブで試合を作る小笠原だが、森岡が強烈な右を連打でヒットさせる。その後は組みの展開が増えていく。  3R、小笠原が左ボディからの右フックで有効打を奪うが、残り1分で森岡がカモンゼスチャーから右ストレートを連続ヒット。打ち合いに応じる小笠原だが右をもらう。  本戦の判定はドローとなり、延長戦へ突入。小笠原は左ボディと右ヒジを狙い、森岡も右ヒジを返す。小笠原が森岡の入り際へ左フック、右ストレートで下がらせての左フック、さらに首相撲から顔面へのヒザ蹴り連打と畳みかけ、森岡を振り切った。 [nextpage] ▼第9試合 70kg級契約 3分3R+延長1R REDルール〇喜多村誠(伊原道場新潟支部/元新日本キックミドル級王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)  喜多村は空手出身で、大学の空手部では主将を務めた。大学卒業後にキックを始め、2005年7月にプロデビュー。2011年10月に日本ミドル級王座を奪取し、2015年にはラジャダムナンスタジアム王座にも挑戦している。2018年10月には元ラジャダムナン認定スーパーウェルター級王者T-98をTKOに破った。  津崎は2019年に開催されたスーパーウェルター級リーグ戦で決勝へ進出。10月の吉田英司との王座決定戦に臨んだが、敗れて王座獲得ならず。今回が再起戦。  1R、いきなり右ローに右ストレートを合わせられる喜多村。これでペースを握られたか、喜多村はバタバタとした動きで焦りが見え、津崎は右のパンチ、ヒジで攻めていく。ラウンド終盤にはもう一度右ストレートを合わせられ、尻もちをつく喜多村。  2Rも津崎の右で大きくグラつく喜多村。しかし、津崎はなぜかここからクリンチが多くなり、喜多村が蹴ってはクリンチ状態となることが続く。喜多村は組み付く津崎にヒジを見舞っていく。  3R、ミドルとローを蹴った喜多村が右を連続ヒット。そこからまた組みの展開となり、喜多村が組み際にパンチ、蹴りを出し津崎が組み付く。ヒザを蹴り合うが、喜多村はヒジも入れる。本戦はジャッジ1名が喜多村を支持したがドロー。  延長Rも組みの多い展開。その中で喜多村が組み際にハイキック、右ストレート、右ボディを入れ、ヒジも見舞う。粘る津崎を喜多村が振り切った。 ▼第8試合 三浦翔引退試合 57.5㎏契約 3分3R+延長なし REDルール〇三浦 翔(クロスポイント大泉)TKO 1R 1分50秒 ※セコンドからのタオル投入×MAUA(HIDE GYM)  22歳の三浦は2017年6月にプロデビューし、7勝(5KO)1敗の戦績で将来を期待されていたが、就職して仕事に専念するため引退を決意。J-NETWORKでフェザー級10位にランクインしているMAUAを相手に引退試合を行う。  1R、右ストレートをヒットさせた三浦は一気にラッシュ。左フックで腰を落としたMAUAに左右フックを見舞い、ダウンを奪う。  その後は飛びヒザ蹴り、左右ストレート、右ハイとMAUAを追い込み、最後はロープを背負わせての右フックでダウンさせ、セコンドからのタオル投入でTKO勝ち。有終の美を飾った。  マイクを持った三浦は「デビューしてから応援していただいた方のおかげで頑張ってこれました。ありがとうございました」と挨拶し、最後のリングから降りた。 [nextpage] ▼第7試合 REBELS-RED 53.5㎏級王座決定リーグ戦 3分3R+延長なし REDルール〇安達浩平(team AKATSUKI/J-NETWORK バンタム級王者)判定2-0 ※29-28、29-29、30-28×前田伊織(北流会君津ジム) 「RED(ヒジ打ちあり)53.5kg級王座決定リーグ戦」が開幕。6人の選手が総当たりリーグ戦で争い、最も獲得ポイントの多い選手が初代53.5kg級王者に認定される。  テーマは「育成」で、2018年に行われたスーパーフライ級リーグ戦で老沼隆斗(STRUGGLE)が優勝し、その後REBELSを代表する選手になったように、まだまだ知名度もキャリアもこれからの選手たちが1年をかけたリーグ戦でキャリアを積みファンに認知してもらう事で、REBELSを背負う選手に育ってほしいというもの。  安達は右ローキックと首相撲からのヒザ蹴りを武器に、5月のJ-NETWORKで延長戦の末に日畑達也を右ボディブローでKOして同団体の王座に就いた。前田はジュニアキック出身で2018年7月にプロデビューしている。  前田はまだ17歳で、2018年7月にプロデビュー。戦績は3勝3敗2分。32歳の安達に挑む。  1R、前田は蹴りを上中下と蹴り分け、安達が入ってくると左フックを強振。安達は前へ出ていくと徹底的に右ローを狙い撃ち。  2Rもテクニックを見せる前田に安達は徹底した右ローで対抗。  3R、安達は組んでのヒザ蹴り勝負に持ち込み、お互いに蹴りを出すが押し込んでいるのは安達の方。さらにヒジも見せる。判定2-0で安達が勝利を収めた。 ▼第6試合 REBELS-RED 53.5㎏級王座決定リーグ戦 3分3R+延長なし REDルール×工藤“red”玲央(TEPPEN GYM)判定0-3 ※27-29、27-30、27-30〇響波(Y's glow)  工藤はファイヤー原田の愛弟子としてJ-NETWORKで活躍、ジムの閉鎖とともにTEPPEN GYMに移籍してファイヤー譲りの根性に加えて技術を磨く。響波は空手出身で多彩な足技を持ち、MA日本キックボクシング連盟とJ-NETWORKでランキング入りした。  響波は2016年7月にプロデビューした19歳で戦績は6勝(4KO)5敗。178cmの長身を誇る。  1R、身長で優る響波が工藤にヒザを突き上げる。一気にラッシュする響波がパンチ&ヒザ蹴りも工藤も打ち合い、右オーバーハンドで逆襲。  2R、響波がカウンターのヒザ蹴り、右ストレート、ヒジで攻めれば工藤は右オーバーハンドを当てていく。有効打は響波が多いが、工藤の一発の印象が強い。工藤は左目上をカットしてドクターチェック。再開後、前に出てパンチを打って行く工藤だが、左ミドルからの右ストレートでダウンを喫する。  3R、前に出る工藤が左右フックを繰り出し、ボディも打って行く。響波はリーチ差を活かしたストレートと、カウンターのヒジ。工藤がコーナーへ詰めたところで響波のヒジがヒット。工藤は2度目のドクターチェック。再開後も前へ出てパンチを当てに行く工藤だが、響波も左右ストレート、左ハイで反撃。  自分の距離で戦い続けた響波が判定3-0で勝利を収めた。 [nextpage] ▼第5試合 61kg契約 3分3R+延長なし BLACKルール×小磯哲史(テッサイジム)判定0-2 ※28-29、28-28、27-29〇オノリュウ(クロスポイント吉祥寺/チームオノリュウ)  かつてRISEで活躍したオノリュウは2008年に引退するも、2017年に突然復活。富山県で自分の道場を持ち、指導と練習を重ねて今回がREBELS初参戦。44歳。  対する小磯は2019年10月、J-NETWORKライト級王座を獲得。1999年プロデビューのベテランで46歳。  1R、距離感がつかめてない様子のオノリュウに小磯はジャブ、左ミドル、右ボディと次々に攻撃を当てに行く。2Rは徹底して左右ローを蹴るオノリュウ。さらに相打ち覚悟の打ち合いも仕掛ける。ややオノリュウにペースが傾いたが、小磯は左ミドル、パンチのラッシュで逆襲。オノリュウを左フックでグラつかせる。  3R、オノリュウは相打ち覚悟の強力はジャブを連打して小磯を押していく。そして右ストレート。小磯も応じて打ち合いになり、オノリュウが連打を決めてスタンディングダウンを奪う。小磯は逆転を狙って打ち合いに持ち込み、あわやの場面も作り出すがオノリュウもジャブを打ち返し、判定2-0で勝利を飾った。 ▼第4試合 67kg契約 3分3R+延長なし REDルール×CAZ JANJIRA(JANJIRA GYM)判定0-3 ※29-30、28-30、27-30〇助川秀之(Turning Point)  1R、助川はサウスポーのCAZに右ミドルを蹴り、CAZが前に出るとテンカオを合わせ、そのまま首相撲で組んでのヒザ蹴り連発。2Rも助川が前蹴りと右ミドルで翻弄。3R、左ストレートで勝負をかけるCAZだったが、組まれると助川のペースになりヒザやヒジをもらう。助川がムエタイの上手さで判定3-0の勝利。 ▼第3試合 59kg契約 3分3R+延長なし REDルール×NIIZUMAX!(クロスポイント吉祥寺)判定0-3 ※29-30、29-30、28-29〇力也(WSRフェアテックス湖北)  2Rに力也が首相撲でヒザ蹴りからの右ヒジでカットを奪ったかに見えたが、裁定は偶発的なバッティング。3R、力也が右ローを蹴ってからの右ストレート、組まれるとヒジ&ヒザで有効打を重ねていき、粘るNIIZUMAX!を振り切った。 ▼第2試合 K.O TRYOUT 57.5kg契約 3分3R+延長なし REDルール〇新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)判定2-0 ※30-29、29-29、30-28×来(888GYM) ▼第1試合 K.O TRYOUT 61kg契約 3分3R+延長なし BLACKルール〇井樋大介(クロスポイント吉祥寺)KO 1R 0分57秒 ※飛びヒザ蹴り×金田拓也(ワイルドシーサー前橋)
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