シュートボクシング「SHOOT BOXING 2020 act.1」2020年2月15日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント 第10試合 68.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分5R延長無制限R ※ヒジあり×海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者、SB日本スーパーライト級王者)延長3R 判定1-2 ※10-9、9-10、10-9〇ピンペット・バンチャメーク(タイ/バンチャメークジム/ルンピニースタジアム認定スーパーライト級6位、WPMF世界スーパーライト級王者)※本戦の判定は50-48、49-49、49-49。延長1Rの判定は10-10、10-9、9-10。延長2Rの判定は10-10、10-9、10-10。
SBの絶対的エースとして君臨する海人は、昨年に世界の強豪との対戦を視野に階級を上げると、元Krush-70kg級王者・中島弘貴、RISEミドル級王者イ・ソンヒョン、RISEウェルター級王者“ブラックパンサー”ベイノアを下し現在3連勝中。階級(65~70kg)だけでなく、ヒジの有り無し関係なく結果を残している。
ピンペットはムエタイの“レジェンド”ブアカーオが、自身が優勝を果たした2010年のシュートボクシング・ワールドトーナメント『S-cup』から10年目となる、今年開催の『S-cup世界トーナメント2020』制覇を狙って送り込んで来た刺客。クラップダム、インディートーンといった選手とも戦っているムエタイトップクラスの選手のひとり。
1R、サウスポーから繰り出すピンペットの左ミドルを蹴る音に場内からどよめきがたびたび起こる。海人はサウスポーに構えてジャブとロー。ピンペットは海人がボディを打ってくるとヒジを放つ。
2Rはオーソドックスに戻した海人。左ボディから右ローを蹴る。ピンペットは左ミドル。再びサウスポーに構えた海人は左ローを狙い撃ち、オーソドックスに戻すと左ボディで攻める。ピンペットの強烈な左ミドルが大きな音を立てるとどよめくのは変わらず、海人は細かくパンチを当てていく。
3R、海人の右ミドルをキャッチしたピンペットは海人をマットに叩きつける。海人はじりじりと前へ出て左カーフキック。左ボディストレートを打ち、ピンペットが接近してくるとすかさず右ヒジを打つ。
4R、ロープを背にして左ミドルを蹴るピンペットに海人は右ロー。海人がサウスポーになると今度は右ミドルを蹴るピンペット。海人はミドルを腕でブロックしての連打。海人はピンペットの蹴りを受けてからでしかパンチの距離に入れない様子。
5R、ピンペットは片手倒立してのハイキック(センチャイキック)を見せ、前蹴りと左ミドルで海人を近付けさせない流しモード。しかし海人は左ボディを打ち、右フックを叩き込む。流しモードに入ったピンペットを捉えきれず本戦は終了。判定はジャッジ1名が海人を支持したがドロー。
延長戦、なおも強い左ミドルを蹴り続けるピンペットに海人は左フック、左ストレートを合わせに行く。ピンペットは組み付くと海人を転倒させる。パンチをまとめにいく海人だが、ピンペットに組み付かれて止められてしまう。海人の右ストレートがクリーンヒット。組み付かれる前に海人が一発当てる展開となり、最後は海人がヒジとヒザを見せて終了。
判定は三者三様のドロー。再延長戦へと突入する。ピンペットの右ミドルに軸足蹴りを返し、右ストレートを打ち込む海人。ピンペットも組み付くとヒジを見舞う。右ミドルを蹴られると海人はワンツー、さらに左ボディ。しかし差はつかず、ジャッジ1名が海人を支持したがドロー。
再々延長、左ミドルを蹴るピンペットに海人が右ストレートと左フック。海人が接近するとピンペットは右ヒジを見舞う。ピンペットは離れるとミドル、接近するとパンチかヒジと海人よりも多く攻撃し、首相撲でねじ伏せる。
判定は2-1でピンペットが勝利。8Rにも及ぶマラソンマッチに競り勝った。敗れた海人は足早にリングを去っていった。
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▼セミファイナル 第9試合 61.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R ※ヒジ打ちあり〇笠原弘希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級王者)TKO 3R 1分14秒 ※レフェリーストップ×前口太尊(TEAM TEPPEN/元J-NETWORKライト級王者)
笠原はSB次期エース候補として期待され、2018年9月、SB日本フェザー級王座決定戦で元貴を下して王座を獲得。6月大会では前SB日本スーパーバンタム級王者・ 内藤大樹との接戦を制し、2019年9月のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチでは王者・深田一樹を2RKOで下して二階級制覇を達成した。前戦となった12月の新日本キック対抗戦では重森陽太のヒジ打ちによるカットでTKO負けを喫し、今回が再起戦となる。
前口は2010年4月にプロデビューし、同年のJ-NETWORK新人王に。2013年8月にはJ-NETWORKライト級王座を獲得した。パンチを武器にトップクラスで活躍し、近年は『KNOCK OUT』を主戦場に。2019年5月付けでPHOENIXからTEAM TEPPENへ円満移籍し、7月にRISE初参戦。5連敗と厳しい状況だったが11月に初代WBCムエタイ日本統一フェザー級王者・氏原文男から勝利を収め、連敗をストップした。SBには一昨年11月に初参戦、村田聖明と大激闘を繰り広げて会場を盛り上げている。前口のセコンドには那須川天心が就く。 1R、右ローを蹴っていく前口はワンツーを伸ばしていくが、笠原はジャブと左ローで距離を取る。笠原は鋭い前蹴りを突き刺し、右の強打も。笠原の顔面前蹴りをもらった前口は組み付いて押し倒す。前口が左右フックとヒジのコンビネーションを繰り出すと、笠原は左の縦ヒジから右フックを返した。 2R、ジャブの差し合いから左右フックを放つ前口だが、笠原が左フックを連続ヒット。笠原が強烈な右フック、右ヒジ、さらに左ヒジ、顔面前蹴りと攻勢を仕掛け、前口は右のまぶたをカットして流血する。ドクターチェック後、前口が左右フックでなりふり構わぬ猛ラッシュを仕掛け、笠原もこれに応じて打ち合いに。 3Rが始まった直後、前口の左フックで笠原がバランスを失うようにダウン。猛然と倒しに行く前口に笠原も右の強打と左の蹴り、さらにヒジ打ち、顔面ヒザ蹴りの猛攻を仕掛ける。場内熱狂の壮絶な打ち合いの中、前口が再びドクターチェック。ここでストップがかかり、笠原のTKO勝ちで激闘に終止符が打たれた。
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▼第8試合 64.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇町田 光(橋本道場/WPMF世界スーパーフェザー級王者)判定3-0 ※29-28×2、29-27×宮越慶二郎(拳粋会/WBCムエタイ・インターナショナル・ライト級王者) 町田は50戦以上のキャリアを持ち、WPMF世界スーパーフェザー級王座、所属するINNOVATIONのスーパーフェザー級王座など計5つのタイトルを獲得してきた日本トップクラスの実力者。居合い抜きの動作を応用した必殺技“居合パンチ”をはじめとする数々の必殺技を超個性的な戦い方で人気を呼ぶ。 SB初参戦となった2019年6月大会では村田聖明、11月大会ではSB日本ライト級王者・西岡蓮太を共にバックドロップで投げて勝利を収めた。 今回の相手はシュートボクサーではなく、同じキックボクサーの宮越。2011年にNJKFライト級王座を獲得すると、以後NJKFのエースとして活躍。2013年にWBCムエタイ日本統一ライト級王座、2015年にWBCムエタイ・インター王座を獲得した。その後は中国のクンルンファイトや他団体へと活動の幅を広げ、シュートボクシングの海人、新日本キックボクシング協会の重森陽太など各団体のエース級と拳を交えてきた。
“ニンジャステップ”と命名された独特のフットワークを駆使し、2018年12月にスアレック、2019年4月に新日本キックボクシング協会日本ライト級王者・勝次、8月に鈴木真治と強豪を連破して絶好調だ。
両者は2012年2月にNJKFで対戦し、この時は引き分けに終わっている。 1R、両者まるで踊るようにステップを踏みながら両手をクネクネと動かし、場内はどよめく。さっそく投げを狙って組み付く町田。ミドルキックを蹴り合った後、町田が居合パンチのポーズを見せると、宮越は手裏剣を投げるポーズで対抗。どっと沸く観客。宮越は逆ワンツーを当てていくが、町田はすぐに組み付いて投げを狙う。 2R、町田の強烈な右ローと右ミドルに宮越はワンツー、スーパーマンパンチで応戦。宮越は歩くようにスイッチしてパンチを打つ。パンチで迫る宮越に町田はタックルを合わせてテイクダウン、強い左ローも蹴る。 3R、パンチで前に出る宮越に町田は左ミドルを蹴りつつ組み付いての投げを狙う。もつれ合ってロープの外に飛び出す場面も。バックを奪った町田はジャーマンスープレックスでついにシュートポイント(後方への投げで2点)を奪う。挽回しようとパンチで前へ出る宮越だが、町田は空振りさせてタックルで組み伏せる。宮越が投げを防ごうと腰を引くとヒザ蹴り。 宮越は前へ出てワンツーをヒットさせるが、町田は執拗に組み付いて投げを狙う。試合終了のゴングが鳴ると、両者とも精魂尽き果て並んでロープにもたれかかる。場内を大いに沸かせた熱戦は町田の判定勝ちとなった。
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▼第7試合 SB日本フェザー級(57.5kg) エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇笠原友希(シーザージム/SB日本フェザー級1位)延長2R 判定2-0 ※10-9×2、10-10×魁斗(立志會館/SB日本フェザー級3位)※本戦の判定は30-30、30-29、29-29。延長1Rの判定は10-9、10-10、10-10。 魁斗は立志會館・坂口立起館長の実子で“西の天才”と評されている18歳のテクニシャン。現在、前述のリーグ戦に出場し、勝ちポイントが足りずトップ通過者になれなかったが、出場選手に全勝して勝率は100%だったことから敗者復活のチャンスを得た。このビッグチャンスを得たことで、全身全霊をかけて何がなんでも勝ちをもぎ取りにくるほどの勢いでこの一戦に臨むことになるだろう。 一方、昨年には国内トップの小笠原瑛作を3RにヒジによるカットでTKO勝ちの大金星を上げるなど現在4連勝中の笠原は、2018年11月にSB日本スーパーバンタム級王座決定トーナメントを勝ち上がったものの植山征紀にKO負けしタイトル奪取ならなかった。
18歳の東(笠原)と西(魁斗)のホープ対決。 1R、両者サウスポーからスタートするが、魁斗は頻繁にスイッチ。笠原がワンツーを繰り出すと魁斗は左フックを合わせに来る。それに対して笠原は左右の連打。笠原の前蹴りをキャッチした魁斗が右フックをクリーンヒットさせると、笠原はすかさず連打を返して右フックの強打。 2Rになると両者のストレートが激しく交錯する。笠原が左ストレート、右フックを打てば魁斗は4連打を返す。笠原はカウンターのテンカオをタイミングよく突き刺し、左ストレートを伸ばす。魁斗も右ストレート、右フック。 3R、笠原は左ミドルを蹴りながらのワンツー、魁斗も左フックで応戦。攻める笠原にカウンター狙いの魁斗と言う図式になり、笠原の左に魁斗が右のカウンターを入れる。 本戦の判定はジャッジ1名が笠原を支持したがドロー。延長戦へ。両者ともパンチから投げを狙うが不発。残り30秒で笠原が左の蹴りを交えながらパンチの手数を増やしていく。甲乙つけがたい攻防は延長戦もドロー。再延長戦へ突入する。 左で蹴っていく笠原だが魁斗は軽くパンチを合わせる。魁斗は左フックと前蹴り、笠原は左の蹴りから左右フックを放つが、魁斗のジャブと右フックを被弾。笠原もすぐに左を打ち返す。2度目の延長戦も甲乙つけがたい大接戦となったが、判定2-0で笠原が競り勝った。笠原は4月22日のタイトルマッチ出場権を獲得した。
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▼第6試合 49.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R×女神(TIA辻道場/SB日本女子ミニマム級王者)判定0-3 ※8-10×3〇sasori(テツジム/NJKFミネルヴァ・ライトフライ級王者)※本戦の判定は28-28、29-28、28-28。 sasoriはアグレッシブなファイトスタイルで12戦8勝(1KO)2敗2分と高い勝率を誇る現NJKF女子王者。2019年9月、小林愛三や寺山日葵ら国内トップクラスと拳を交えてきた喜多村美紀との同門対決を制し、王座に就いた。サウスポーからパンチの連打とローキックで突進し、薙ぎ払うような左右フックで相手を仕留めに行く。 迎え撃つ女神は豊富なアマチュア経験を持ち、2019年7月に16歳でプロデビュー。『Girls S-cup 2019』でSB日本女子ミニマム級王座決定トーナメントに抜擢されると、1回戦(デビュー戦)でいきなりNJKFミネルヴァ・ピン級王者MARIを破り、決勝ではSB日本女子ミニマム級1位MISAKIをKO。2戦目にして王座に就くという衝撃デビューを果たした。
その後は韓国人選手やタイ人選手との国際戦を経験して現在5戦5勝3KOと無敗。今回はタイトル獲得後初めて国内の他団体王者を迎え撃つ。 1R、アグレッシブにパンチで前へ出るsasoriに女神は左右ロー。サウスポーからの左ボディをヒットさせて前へ出ていくsasoriに女神は打ち合うが左フックを被弾してフラつく。さらに攻撃の手を休めず打ち合いにもっていくsasoriは左フックで何度も女神をフラつかせた。
2R、パンチでラッシュをかけるsasoriに女神は押されるが、首投げでシュートポイントを奪う。さらに打ち合いへ行くsasoriに女神も足を止めて打ち合う。前蹴り、バックハンドブローといつもの動きが出てきた女神だが、sasoriはパンチを全く止めずに打ち合いへ行く。左ストレートをもらって後退する女神。
3R、投げを狙う女神だがの突進は続く。左ストレートを顔面とボディへ打ち込み、女神も打ち合うがパワーで押される。連打で女神の頭が揺れるが、突進してきたsasoriを再び首投げでシュートポイントを奪った。
本戦の判定はジャッジ1名が女神を支持したがドロー。延長戦へ突入する。
延長戦も手を休めないsasoriの猛攻に女神もパンチを返すが左ストレートを顔面とボディにもらう。ロープに追い詰められ、sasoriの左フックでついに女神がダウンを喫する。左目の上をカットして流血しながらも最後まで左右フックで攻め続けたsasori。判定3-0でsasoriが女神にプロ初黒星をつけた。
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▼第5試合 SB日本バンタム級(52.5kg) エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R×佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ/SB日本バンタム級1位)判定0-2 ※28-29、29-29、28-29〇伏見和之(シーザー力道場/SB日本バンタム級2位) SB日本バンタム級の上位ランカー対決として同級1位・佐藤と同級2位・伏見が激突。川上叶が保持する王座挑戦に向けて前進するのはどちらか。 1R、圧力をかけてくる伏見に佐藤は左ロー&ミドルから右ストレート、伏見は得意の左ボディを打つ。左の横蹴りをアゴにヒットされた伏見は怒涛の連打で佐藤をコーナーへ追い詰め顔面とボディに強打を叩き込み、右フックで佐藤は腰が落ちかけるが反撃して持ちこたえる。 2Rも前に出ていくのは伏見。右の強打を中心に叩き込み、左ボディも強烈に決まる。佐藤は左の蹴りを返しつつバックハンドブロー。佐藤のm着いフックがテンプルに決まり、伏見が腰を一瞬落とす。 3Rも前に出るのは伏見。このラウンドは左ミドルを多めに蹴っていく。佐藤も左の蹴りを返し、右服を狙う。伏見の右フックがヒットするが、佐藤は落ち着いて左ミドルを蹴り返してバックハンドブロー。 判定は前へ出て攻めていった伏見に凱歌が上がった。
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▼第4試合 SB日本ライト級(62.5kg) エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇村田聖明(シーザージム/SB日本ライト級1位、元SB日本スーパーフェザー級王者)延長R 判定3-0 ※10-8、10-9、10-9×増井侑輝(真樹ジムAICHI/SB日本ライト級3位)※本戦の判定は29-29×3。 増井はこれまでにJ-NETWORKでタイトルに挑戦した実績があるほか、ホームのMA日本キックボクシング連盟を始めとして常に複数団体の上位ランカーとして活躍し、勝っても負けてもKO決着の多い激闘ファイターとして知られる。これまでSBに2度参戦し、2019年6月の初参戦ではSB日本ライト級王者・西岡蓮太に判定負けも、8月にはSB日本スーパーフェザー級4位ポッシブルKを左ハイキックでKOしている。 その増井を迎え撃つ村田は無尽蔵のスタミナから繰り出される手数を武器に、2017年9月にSB日本スーパーフェザー級王座を獲得。2階級制覇を狙い、昨年9月にSB日本ライト級王座決定戦で西岡蓮太と対戦。7Rに及ぶ大接戦の末に敗れたが、前口太尊、マサ佐藤戦、山口裕人といった国内強豪との一戦を次々とクリアー。前戦となった昨年12月大会では、ラウェイ戦士・東修平にフルマークの判定勝ちを収めている。 1R、サウスポーの増井は得意の左ミドルを多用し、左ストレート、左ローと左の攻撃を村田へ放っていく。
2Rは様子を見た村田だがこのラウンドはワンツーを放って前へ出る。増井も左ストレートと左ハイで応戦。村田は右ボディを集中打。村田がバックドロップの体勢に入ると増井はロープをつかんでしまい注意1。圧力をかけていく村田の有効打が目立った。 3R、増井は左ミドルと前蹴りで距離を上手くとり、前へ来る村田は左ストレートを当てていく。前に出づらくなった村田は鼻血を出し、増井の左ストレートに右ストレートを返すが被弾する場面が増えた。増井は左ロー、左ハイも蹴る。
本戦の判定はドローで延長戦へ。増井が左ミドルから左ストレートの連打で追い込み、右を打ち返す村田はさらに左ストレートを連打していく。しかし、ここで村田が起死回生の首投げでシュートポイント獲得。増井もバックドロップを狙うが失敗。さらに終盤、村田は右ストレートを中心に左右の連打を増井に連続ヒットで圧倒。村田が判定勝ちで熱闘にピリオドを打った。
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▼第3試合 SB日本ウェルター級(67.5kg) エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R×太聖(岡山ジム/SB日本ウェルター級4位、INNOVATIONウェルター級王者)延長R 判定0-3 ※8-10×3〇村田義光(シーザージム/SB日本ウェルター級5位)※本戦の判定は30-30、29-29、30-30 1R、サウスポーの村田は左ストレートで太聖をコーナーへ詰めると首相撲からのヒザ蹴り連打。さらに左ミドルで快音を響かせる。太聖は右オーバーハンドを繰り出すが、村田は身長差(11cm)を利してつかまないヒザ蹴りを顔面へ。太聖は首投げを狙うが失敗。 2R、太聖はセオリーとは逆にサウスポーの村田に対して右へ回り込んでいく。村田はヒザ蹴りで迎え撃つ。何度も首投げや組んでのスープレックスを狙う太聖だが失敗が続く。村田は左ミドルとヒザ蹴りで攻めていった。 3R、村田のヒザ蹴りに投げで対抗しようとする太聖だが、村田は防ぐ。太聖は左右フックを叩きつけるが村田のヒザ蹴りから逃れられない。思い切りオーバーハンドを振る太聖だが、村田の左の蹴りとヒザ蹴りをもらった。 しかし、村田の投げを防ぐ場面が多くディフェンシブと捉えられたか、判定はドロー。延長Rへ突入する。 あくまでも投げを狙う太聖に村田はヒザ蹴りと左ハイ。組み合ってもつれる場面が長く続いたが、終了直前に村田が左飛びヒザ蹴りをヒットさせてダウンを奪う。村田が延長戦で太聖を振り切った。
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▼第2試合 SB日本スーパーウェルター級(70.0kg) エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R×坂本優起(シーザージム/SB日本スーパーウェルター級4位)判定0-3 ※28-29、28-30,28-29〇高木覚清(岡山ジム/INNOVATIONウェルター級8位) 坂本35歳、高木18歳の17歳差対決。 1R、高木は強い左ミドルと右ローを蹴り、坂本はパンチで前へ出る。すると高木も足を止めて打ち合いに応じ、両者のパンチが激しく交錯して場内どよめき。前へ出るのは坂本だが、高木の右ストレート、左フックのヒットが目立った。 2Rも序盤から激しい打ち合い。足を止めて打ち合う中、両方がヒットを奪う。高木が左ボディ、右ストレートをヒットすれば坂本は右フックを返す。坂本は被弾しても下がらず前へ出る。 3Rはさらに激しい打ち合い。両者のワンツー、左右ボディがヒットし、前へ出るのは坂本。高木はヒザ蹴りも繰り出す。果てしない打ち合いが繰り広げられ、前に出る坂本に口を大きく開けながらも打ち返す高木。両者殴りに殴ったりの試合は、高木が判定で制した。場内には大きな拍手が起こった。
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▼第1試合 CAESAR’S LEAGUE 2019ランキング戦 SB日本フェザー級(57.5kg) エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇手塚翔太(Sublime guys・GONG-GYM坂戸/SB日本フェザー級4位)KO 3R 1分20秒 ※肩固め×TSUTOMU(TIA辻道場/SB日本フェザー級10位)
1Rはローの蹴り合いから手塚が左フックを織り交ぜる。必ず2発以上返す手塚。2RはTSUTOMUがパンチで前へ詰め、手塚が左フックと右ストレートを打ち終わりに狙う展開で手塚の有効打が目立つ。TSUTOMUは首投げでシュートポイントを奪うが、その直後に手塚が首投げで投げ返してポイントを奪い返す。
3Rはパンチの激しい打ち合いが繰り広げられ、前に出るTSUTOMUが打ち勝ったかと思われた時、手塚がスタンディングの肩固め。キャッチが入り、その体勢が長く続いたためレフェリーは手塚のKO勝ちを宣告。打撃、投げ、立ち関節技の三拍子が揃ったこれぞシュートボクシングという試合が展開された。