2020年2月15日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2020 act.1』のセミファイナル(第9試合)で、元J-NETWORKライト級王者・前口太尊(TEAM TEPPEN)と対戦するSB日本スーパーフェザー級王者・笠原弘希(シーザージム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
笠原はSB次期エース候補として期待され、2018年9月、SB日本フェザー級王座決定戦で元貴を下して王座を獲得。6月大会では前SB日本スーパーバンタム級王者・ 内藤大樹との接戦を制し、2019年9月のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチでは王者・深田一樹を2RKOで下して二階級制覇を達成した。前戦となった12月の新日本キック対抗戦では重森陽太のヒジ打ちによるカットでTKO負けを喫し、今回が再起戦となる。
■僕の闘志はすでに火が付いています
――昨年は4戦3勝(1KO)1敗でしたが、ご自身にとってどういう1年でしたか?
「4月の小笠原裕典戦、6月に内藤大樹戦、9月の深田一樹戦をクリアーして流れは良かったのですが、12月の最終戦で重森陽太選手に負けたことで大切な試合を落としてしまい全く締まらない一年になりました」
――延長戦で重森選手のヒジによるカットで負けてしまいましたが、敗因は何でしょう?
「タイ人トレーナーのダムさんからパンチを狙い過ぎて蹴り数が少ないことを指摘されました。重森選手は左ミドルを得意としていますが、そこまで嫌な攻撃だとは思わなかったですし、ヒジありルールがプロで2度目ということもあり慎重な戦いになってしまい、重森選手の距離で戦ってしいました。重森選手は僕がパンチを狙っていたことがわかっているようで、前に出たところにヒジを合わせられてしまいました。改めてヒジありの難しさや奥が深いなと感じました」
――初の新日本キックとの対抗戦ということで気負いはありませんでした?
「そこまで気負いはありませんでした」
――今回の相手、前口太尊選手についてはどのような印象がありますか?
「パンチが重い選手で大振りのフックは気を付けないといけません。生物的にも強そうな選手ですし、試合ではバチバチに打ち合うスタイルなので戦うのが楽しみです。強打を持っているだけに今から試合が待ち遠しくて、僕の闘志はすでに火が付いています。やはりバチバチに打ち合ってくれる選手が相手だとやる気はいつも以上に燃えているんです」
――ジムの先輩の村田聖明選手が前口選手に勝っていますが(2018年11月18日)、意識してきますか?
「先輩からはこういう攻撃が重い、どういう攻撃に気を付けた方がいいといったアドバイスをいただけました。先輩以上のいい勝ち方をしないといけないとは思いますが、自分なりの戦いを貫いて自分なりの勝ち方を見せるだけです」
――再起戦ですが、どういう姿を見せたいですか?
「前回負けてしまい、今回も負けてしまったらシュートボクサーとしての立場もなくなってしまいます。僕が勝たないと応援している方々にも申し訳ないので、しっかり勝つだけです」
――試合に向けて強化していることは?
「前戦は手数が少なかったので、手数を増やせるようにコンビネーションを強化しています。タフな深田選手からKOすることができたりと最近はパンチにも自信を持っているのですが、他のどの技でも倒せるように準備しています」
――今回もヒジありルールとなりました。
「前回ヒジで斬られているのでもう恐怖心は全くありません。一回斬られたことがもう身体に染ついたので、これからはヒジで斬られることはないですし、逆に自分もヒジを強化したので斬るところを期待していて下さい。ダムさんはヒジありだと熱が入るみたいで、今まで以上に引き出しを多く出してくれるので凄く参考になります」
――弟の友希選手は今回勝てば、タイトルマッチに進出することができます。
「弟の仕上がりを見ているともうバッチリだと思います。練習に対する気迫が違いますし、試合では問題ないと思います。最近は身長を抜かされてしまった上に力が付いてきて、首相撲をやると苦戦するようになってしまいました(苦笑)。弟にはぜひベルトを巻いてもらい、SBで笠原兄弟の一時代を築きます」
――昨年6月に勝っている内藤選手が先日インドネシアで開催されたONEで強豪を相手に勝利し、ONEで3連勝となりました。そういうのは意識してますか?
「そうですね。生中継もチェックしていて、世界の舞台でSBの強さを証明してくれているのに対して、自分といえば、前回落としちゃいけないところで負けてしまい、こんなところで何をやっているんだ!? と思ってしまいましたね。僕はSBの二階級チャンピオンなのに負けてやばいだろと自分を凄く攻めましたね。今までに4敗しているのですが、前回の敗戦が一番落ち込み、二週間は何もしない状態が続きましたね」
――また気持ちを奮い立たせたものはなんだったのでしょう。
「僕の友人たちがケーキを用意して『いつも感動を与えてくれてありがとう』と負けた僕を励ます会をしてくれたんです。まるで祝勝会のようにしてくれて、そこで僕が落ち込んでいてはダメだなと。友人に喝を入れてもらったので、もう負けた姿は見せないよう、友達の気持ちにも答えていきます」