2020年2月11日(火)東京・新宿FACEにて、2019年11月の『RISE GIRLS POWER』に続く、第2回大会『RISE GIRLS POWER 2』が開催された。
▼メインイベント(第8試合)RISE QUEENアトム級(-46kg)契約 3分5R無制限延長R○紅絹(NEXT LEVEL渋谷/RISE QUEENアトム級王者)[判定3-0] ※48-47,47-46×2×平岡 琴(TRY HARD GYM/挑戦者)※紅絹が王座防衛
RISE QUEENアトム級王者・紅絹(NEXT LEVEL渋谷)が、挑戦者に平岡琴(TRY HARD)を迎えての初防衛戦に臨む。
紅絹は2006年10月デビューのベテラン選手で、パンチを主体としたトリッキーなファイトスタイルで各団体にて活躍。2012年11月、J-GIRLSミニフライ級王者になったのを皮切りにタイトルマッチを多数経験。7月に那須川梨々との王座決定トーナメント決勝戦を制し、RISE QUEENアトム級(-46kg)王座に就いてベテラン健在を示した。
平岡は極真会館の全日本女子ウェイト制空手道選手権軽量級優勝の実績を持ち、多彩な蹴り技が持ち味の選手。RISE参戦後2連勝と波に乗っていたが、RISE QUEENアトム級王者決定トーナメント準決勝で那須川に敗れて連勝はストップ。9月大会で百花を延長戦の末に破り、11月のRGP第1回大会ではNJKFミネルヴァ アトム級1位・佐藤レイナに勝利した。現在3連勝中。
両者は初対決。パンチの紅絹に対して平岡は蹴りを得意とするがボクシング特訓も積んできた。前半の爆発力で平岡、後半の粘り強さと試合運びの上手さで紅絹といったところ。紅絹がまたもベテラン健在を示すか、それとも平岡が悲願のタイトル獲得なるか。
前日会見で紅絹は「初防衛戦ですが前回に寺山選手と試合をやらせてもらって、自分の中でなぜもっとやらなかったんだろう、もっと行けなかったんだろうってずっと悶々としていて。もっと自分を越していかないといけないと思っていて、それを考えて練習してきました。平岡選手と3分5Rやることで、それを少しでも見せられたらと思っています。前回より激しい紅絹が見られると思うので、そこは楽しみにしていてください」と、自分の殻を打ち破る試合にしたいと語った。
対する平岡は「紅絹選手は強敵だと思いますが、その紅絹選手に勝って巻くベルトにこそ意味があって価値がある。必ず超えてみせます」と必勝を誓った。
1R、サウスポー構えの紅絹。オーソドックスの平岡。ステップを踏む紅絹はワンツー振ってから右ロー! 平岡も右ミドルも紅絹はチェックする。ワンツーから得意のバックフィストに繋げる紅絹。ブロックして笑顔を見せる平岡は右ハイ。紅絹もブロックする。右を当てて飛び込み左ハイを打つ平岡。ブロックする紅絹も左ミドルを入れるが、平岡はリズムよく右を返す。
2R、ジャブ&ローの出入りは平岡。紅絹も右ローからステップして左の蹴りまで繋ぐ。左のショートも当てる紅絹。平岡は前蹴りで距離を取り、右ミドル! 左インローを返す紅絹。平岡も右ミドルを当てると、互いにフェントのかけあいからともに後ろ廻し蹴りをかわす。
3R、二段蹴りで飛び込む平岡。紅絹は蹴り足を掴んで左ストレート。ボディにもストレートを突く。さらにワンツーで前へ! 平岡も右に回って右ストレート! さらに紅絹の左ストレートの入りにカウンターの左後ろ廻し蹴り! がくりと片ヒザを落とした紅絹はダウン! すぐに体勢を戻して前進する紅絹を平岡は前蹴りで迎え撃つ。
4R、平岡の右の前蹴りを掴んで右ストレートで前に出る紅絹! 平岡も右のスーパーマンパンチで押し返すと再び後ろ廻し蹴り。今度はブロックした紅絹は左ストレート! 後退する平岡を追い左ミドルをコーナーで突く。追う紅絹に回り出入りの平岡。攻める紅絹に平岡はペースを落とす。
5R、最終ラウンド。詰める紅絹に左で迎撃する平岡。集中力を切らさない紅絹は左右でコーナーに押し込むと、平岡は右ヒザもそこに紅絹はカウンターの右フック! 土壇場でダウンを取り返す。すぐに立ち、ダウンじゃないとアピールする平岡。猛ラッシュの両者! 平岡の右に紅絹は左ストレート! 残り30秒でバックスピンキックの平岡もかわす紅絹も前へ。互いに強振も決定打を許さず。
倒し、倒されの熱戦の判定は3-0(48-47,47-46×2)で紅絹が勝利。判定時には涙をこらえていた平岡だが、紅絹に声をかけられ、落涙。四方に礼をしてリングを下りた。
紅絹は平岡に拍手し、再びベルトを腰に巻くと、リング上で「祝日で明日もお仕事があるなか、会場に足を運んでいただきありがとうございます。直接、応援してくださって嬉しいです」と満員のファンにあいさつ。
続けて、「平岡選手、観て分かった通り、むちゃくちゃ強かったし、ぶっちゃけ私の(獲った)ダウン、ラッキーっぽかったでしょう。でも、これがこれが王者ってことですかね。でも、平岡選手のアレ(蹴り)全然見えんかった。平岡選手ありがとう、すごい強かった。これじゃ納得してないんで、また挑戦してくるの待ってます」と再戦を希望した。
さらに、防衛したベルトについて、「前回のGIRLS POWER、いろいろ反省した点があったんで、いろいろ出した結果がダウンもらうコレなんですけど、私のなかではこっちの試合の方が納得してるんで、これからも熱い試合をどんどんしたいと思っています。この46kg、いっぱいみんな若い子出てきたけど、どんどんみんな狙ってください。結構、蹴りでダウンもらっちゃうってバレたんで(苦笑)、どんどん対策してもらって挑戦してきてください」と、若手からの突き上げを期待。
最後は、「ほかの選手も熱い試合ばかりだったんで、これからもGIRLS POWERとRISEをお願いします。今日はお忙しいなか、ありがとうございました。あと、個人的なことですが、今朝、加藤トレーナーに子供が生まれた大事な日なのに、セコンドについてくれて、ほんとうにありがとうございました。おめでとうございます」と、周囲に感謝の言葉を述べて、メインを締めた。
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▼セミファイナル(第7試合)ミニフライ級(-49kg)3分3R延長1R○寺山日葵(TEAM TEPPEN/初代RISE QUEENミニフライ級王者、第8代J-GIRLSミニフライ級王者)[判定3-0] ※30-29×3×KOKOZ(TRY HARD GYM/スック・ワンキントーン・女子ミニフライ級王者)
第1回大会のメインイベントでRISE QUEENアトム級王者・紅絹とのRISE女王対決を制したRISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵(TEAM TEPPEN)が、スック・ワンキントーン女子ミニフライ級王者のKOKOZ(=ここぜっと/TRY HARD GYM)を迎え撃つ。
寺山はジュニア時代から数々のアマチュア大会で好成績を残し、高校生になった15歳でプロデビュー。得意の蹴りを駆使してシュートボクシングで活躍中のMISKAIやMIOといった女子トップファイターたちとしのぎを削り、7戦目でMISAKIに初黒星を付けられたが、2018年11月のJ-GIRLSミニフライ級タイトルマッチでリベンジを果たしている。2019年9月に初代RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座に就き、J-GIRLSミニフライ級王座と合わせて2冠王となった。長い脚を利した蹴り技を得意とし、戦績は12勝(1KO)2敗1分の18歳。
対するRISE初参戦のKOKOZは平岡琴、宮崎若菜・小雪姉妹に続き、HIROYAが送り込む第4の女子ファイター。プロ4戦全勝で、2019年6月にチェンマイスタジアム女子ライトフライ級王者・狂猫YOKKOを破り、スックワンキントーン女子ミニフライ級王座を獲得している18歳の現役女子高校生だ。これまでムエタイルールが主戦場だったKOKOZが、RISEルールでどんな戦いを見せるか。また、パンチ&ミドルキックで寺山を苦しめることができるか。
前日会見で寺山は「他団体のチャンピオンであるKOKOZ選手と面白い試合をして、RISE QUEENはこんなに強いんだぞと皆さんに思ってもらえるような勝ち方をしたい。KOKOZ選手の試合はアマチュアでもプロデビュー戦でも何戦か見させてもらっていて、冷静でパンチも蹴りも両方できて男子選手みたいな冷静さ、倒す力も持っていますし、オールマイティーな選手だという印象です。あとはモノノフ(ももいろクローバーZのファンのこと)さんの印象が強いです」とコメント。
対するKOKOZは「初参戦でいきなりチャンピオンとやらせていただけるなんてチャンスでしかないので、このチャンスをものにします。相手の印象はとにかく長いなって印象です。ジムの龍聖君が動きを真似してくれたので、その通りに動けば勝てるなって思います」と寺山対策をしてきたことを語っている。
1R、ともにオーソドックス構え。寺山は左ローから入る。それをチェックするKOKOZは寺山の右ミドルにすぐに蹴り返し。右ミドルをヒットさせる! 右ローを当てる寺山。さらに右ミドル。KOKOZもミドルを蹴り返す。寺山の左インローをチェックするKOKOZ。しかし寺山はコーナーに詰めて左右連打でブロック上にまとめる。
2R、オーソから左ミドルで入るKOKOZ。寺山も右の蹴りを上下に連打する。打ち終わりに左フックを当てるKOKOZ。かわす寺山はさらに右ミドル。つかむKOKOZ。右ローをかわして右ローを当てる寺山。左のミドルはかわされるKOKOZ。寺山は高い右前蹴りをヒット! しかし寺山のパンチにKOKOZもカウンターの左フックをヒットする!
3R、左ミドルはKOKOZ。ワンツー&右ハイは寺山。右ミドルも。カウンター狙いのKOKOZに手数は寺山。左ハイはスウェイでかわしてワンツーから上下に散らしてボディも突く寺山。詰めて右ミドルも! さらに近づけば右ヒザ! 左右ローからワンツーと上下に散らし、右前蹴りで前に出てゴング。
判定は3-0(30-29×3)で終始ペースを握った寺山が勝利。
試合後、エース寺山は「まずは対戦してくださったKOKOZ選手、ありがとうございました。KOKOZ選手、強くて慎重になってしまって、いい試合が出来たか……もっと詰めればよかったなとか、いろいろ反省点はありますが、まだまだちょろい選手ではありますが、応援してくれたら嬉しいです」と挨拶した。
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▼第6試合 アトム級(-46kg)3分3R延長1R×伊藤紗弥(尚武会/WBCムエタイ世界女子ミニフライ級王者、WPMF世界女子ピン級王者、WMC女子世界ミニフライ級王者)[3R 1分51秒 KO] ※右ストレート○Ayaka(健心塾/NJKFミネルヴァ日本ピン級王者)
伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。ほぼ男子選手を相手に勝利を収め、あの那須川天心とも対戦している。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王者を獲得。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界ミニフライ級王座の三冠を制覇。
2018年12月の『KNOCK OUT』で新世代の小林愛三に判定負けを喫し、以後はリングから遠ざかっていたが今年12月8日の『BOM』で復活。奥脇奈々から大差の判定勝ちを収めた。戦績は17勝(4KO)3敗2分。今回がRISE初参戦でNJKFミネルヴァ・ピン級王者Ayaka(健心塾)と対戦する。
関西より参戦するAyaka(健心塾)は、現NJKFミネルヴァ・ピン級王者で20歳の伊藤よりも若い18歳。現在高校3年生で、アマチュアではTOP☆RUN Girls-50kg第3代王座に就くなど、持ち前のアグレッシブさを武器に数々の勝利。2017年12月のアマチュアSBでは、那須川天心の妹・那須川梨々と対戦し、惜しくも判定0-2で敗れたものの、その強さを見せつけた。2018年4月にプロデビューし、2020年11月にはぱんちゃん璃奈を苦しめた祥子を破り、ミネルヴァ王座に就いた。なぜか“ヒール系女子高生ファイター”の異名を持つ。
前日会見で伊藤は、「私は普段ムエタイの試合ばかりに出ているんですけれど、今回RISEで試合が決まって練習もヒジなし・ヒザなしでずっとやってきているのでいい試合を見せたい。相手の選手はガツカツ前に来るような選手ですが、私も今回キックボクシングの試合に出るためにパンチと蹴りを凄く練習してきたのでバチバチに打ち合いたいと思います」とキック仕様の自身を出すと宣言。
対するAyakaは、「対戦相手の伊藤選手は昔から知っている選手。ただ私は負けるつもりで来たわけではないので勝ちに行く。顔が可愛い選手でルックス負けしているので、試合では勝たないといけないと思います。あとは相手の選手は奇麗な試合をする選手なのでそれを崩していきたいと思います」と若きベテラン伊藤のペースにさせないとした。
1R、ともにオーソドックス構え。伊藤の蹴りの打ち終わりにローを当てるAyaka。左の高い前蹴りはAyaka。手の位置は低い伊藤は蹴り中心に。右ローも打ち終わりにAyakaはバックフィスト! 右ロー、横蹴りと伊藤のリズムに付き合わず右ロー&バックフィストのコンビネーション。伊藤も蹴り返すが変則的なAyakaの動きに詰めつつも右ミドルを3連打で当てる!
2R、1RでAyakaの動きを見切ったか。ギアを上げ左右ミドルで前に出る伊藤。Ayakaも左ミドルを返すが、そこは掴んでこかす伊藤。左ミドル&ヒザを突き刺す伊藤! Ayakaの右はしっかり見切りバックフィストもブロック。組みにはヒザも突く。懐が深い伊藤。Ayakaは得意のステップが鈍くなる。
3R、ミドルの蹴り合いは伊藤が優勢。ワンツーローのAyakaも伊藤はクリンチ。Ayakaの打ち終わりに右ローを当てる伊藤。しかし、スタミナを切らさないAyakaは右のオーバーハンドフック! さらに左ボディ! 急激に動きが落ちた伊藤が後退! ロープに詰まりAyakaの右ストレートを受けた伊藤がまさかのダウン! そのまま立てず。Ayakaが逆転のKO勝利を決めた。
高校3年生のAyakaはリング上で、「今日は初のRIZINで……(笑)、すみませんRISEで、相手はチャンピオンで緊張したんですけど、いいところを見せられて良かったです。またRISEに出させてください」と、まだあどけない表情で勝利を喜んだ。
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▼第5試合 -52kg契約 3分3R○スーパーガール・アンナ(タイ/untouchable/TARGET)[判定3-0] ※30-27, 30-26×2×キム・スヨン(韓国/エキスパートジム)
タイvs韓国による国際戦。アンナは女子ムエタイで活躍する16歳の現役女子高生。一番の武器はヒザ蹴りだがストレートも得意としており、ムエタイルールとは違うRISEルールにどうアジャストするかが注目される。
対するスヨンはアグレッシブな韓国女子ファイターで2018年7月にDEEP☆KICKでAyakaと対戦経験がある。
前日会見でアンナは、「キムのことは何にも知らないし、見てもいないけれど私には武器がいっぱいあるから気を付けてください」と自身のムエタイに自信。スヨンは「アンナさんはすごく可愛いけれど、その可愛い顔も今日まで。明日は絶対に勝つので待っていてください」と日本語も交えながら語った。
1R、ともにオーソドックス構え。強い右ストレート、右ローで前に出るアンナ。カウンター狙いのスヨンは同じ位置にいるため被弾。すぐにスヨンは鼻血。出血が多くドクターチェックに。再開。右ストレートでダウンを奪うアンナ。さらに前足をチェックしないスヨンに強い右ロー! 左フックを返すスヨンをものともせず前に出るアンナはヒザを使わずワンツー&ローの強打のみで制する。
2R、ワンツーボディ。右ローはアンナ。右ミドルも当てる。鼻血のスヨンも右ローを返すが同じ距離に立つためアンナのジャブ・右を被弾する。果敢に右ロー返すスヨンはバックフィストは空振り。アンナは構わず右ストレート、右ローを返す。
3R、強いハートを見せるスヨンは回り込んでの右ロー。しかしアンナも左ジャブ&右ロー! さらにジャブにスヨンは鼻血も右ローを当てるスヨンはワンツー! しかしアンナも右ボディストレート、右ストレート、右ローの強打にスヨンが後退。ゴングにアンナは両手を挙げて笑顔を見せた。
判定は大差3-0(30-27, 30-26×2)でアンナが勝利。まだ底を見せないスーパーガールぶりを披露した。
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▼第4試合 -57kg契約 3分3R○村上悠佳(TEAM TEPPEN)[判定2-0] ※30-28, 29-29, 29-28×ファブンヤ“MAYA”TIMムエタイジム(及川道場)
村上は極真空手をバックボーンに持ち、破壊力抜群の蹴りを武器にアマチュアキックでは1年弱で11戦全勝6KOの戦績をあげてプロに転向。デビュー戦ではダウンを奪って勝利したが、2戦目でいきなりJ-GIRLSフェザー級王者・空手こまちと対戦して判定負け。しかし、その後はQueenマオ、カン・イェジン、ウー・ユティンに3連勝と負けなし。特にウー戦ではプロ初のKO勝ちを飾り、戦績は4勝(1KO)1敗の20歳。
対する初参戦の“MAYA”ことファブンヤはタイ在住の幼少期からムエタイを学び、来日後はムエタイジムで指導を行いながらプロ選手活動も行い、戦績は5勝1敗1分の24歳。昨年12月にはHOOST CUP女子スーパーライト級王者・溝口孝湖とスーパーライト級(-63kg)で対戦し、溝口のハンマーパンチをもらいながらも前へ出て打ち合いに行く闘志を見せた。
前日会見で村上は、「今回の試合は絶対に負けられない試合なので、いま(MAYAから)蹴りでKOと言われたので私も蹴りで対抗していこうと思います相手の印象は凄いタフな選手。ガンガン前へ来て打ち合う選手だなと」と目には目をの戦い方で上回ると語り、対するMAYAは、「普段はムエタイ選手でキックボクシングは2戦目。蹴りでKOします。村上選手の印象は前蹴りとか蹴りが強そうでテクニックもある。私も同じようなテクニックなので楽しみです。私も蹴りで倒します」と蹴撃を予告した。
1R、サウスポー構えの村上にオーソドックスのMAYA。左ミドルを当てる村上。詰めるMAYAは右ストレートを狙うがそこにカウンターの左ミドル、ヒザは村上! さらに右前蹴りでMAYAを飛ばし尻餅をつかせる。腹に蹴りを溜める村上。右の前蹴り、パンチャーのMAYAは右ストレート狙い。村上は左インローを前足にヒット。MAYAの動きが鈍くなる。
2R、村上の左ハイをスウェイでかわすMAYA。村上は左ミドルも蹴り足を掴んだMAYAは右を狙う。左にずらして右を打つMAYAフ。しかし村上も左のヒザの連打で前に! 村上も消耗か互いに手が出なくなるなか、ワンツーはMAYA。
3R、右ローで前足を狙う村上。MAYAの右の蹴りにすぐに蹴り返す村上。MAYAのワンツーに下がる村上は右前蹴りを返すと、詰めるMAYAの体を入れ替えワンツーの右、さらにヒザを突き返す村上だが、MAYAの右ミドルに村上は尻餅! しかし村上の前蹴りにMAYAも尻餅。村上はヒザで詰めて反撃し判定へ。
判定は2-0で村上が勝利。中盤から意外な粘り強さを見せたMAYAに村上は危なげなくも辛勝した。
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▼第3試合 ミニフライ級(-49kg)3分3R×RAN(MONKEY☆MAGIC KICKBOXING STUDIO/第7回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジ女子Bクラス-55kg級優勝)[判定0-3] ※28-29, 29-30, 27-30○AKARI(TARGET/2018年KAMINARIMON全日本女子-52kg級優勝)
前回大会で勝利したAKARI(TARGET)は、初参戦のRAN(MONKEY☆MAGIC KICKBOXING STUDIO)と対戦が決定。RANは2勝3敗の戦績でAKARIと同じ現役高校生(17歳)。昨年のK-1アマチュア大会Bクラスで優勝経験を持っている。
AKARIはジュニア時代から第2代RISE QUEENなど5冠王の神村エリカに憧れ、教えを乞い神村の遺伝子を継ぐ15歳の女子高生ファイターで、9月大会にてプロデビューを飾り判定勝ち、11月大会でも宮崎若菜に勝利して2連勝を飾っている。
前日会見でRANは「ここで躓いている場合ではないので絶対に勝って次に進みたいと思います。相手の印象は顔は可愛いし、リーチもある選手。でも一発一発はこっちの方が力があるし、どこを潰そうか、そこをお楽しみに」と不敵に勝利宣言。
対するAKARIは、「3戦目で躓いてはいけない試合だと思うので、勝つのは大前提で内容でしっかり前回よりも成長した姿を見せられるように頑張ります。相手の印象はパンチが強そうだなと映像を見て思いましたが、次の試合につなげるにはぶっ倒して勝つしかないと思っているのでKOできるように頑張ります」とKOを予告した。
1R、ともにオーソドックス構え。強い右ローを互いに蹴ると、AKARIは上下に蹴りを散らす。前手でストッピングするRAN。詰めるAKARIにRANはジャブ。すぐにAKARIは右ハイを打つ。右下段蹴りはRAN。詰めるAKARIにRANはジャブでステップイン! AKARIは打ってクリンチの展開に。
2R、近い距離で右ローはRAN、突き放して右ミドルはAKARI。回るRANをミドルで止めるAKARI、右ミドルを当てるとRANはバックフィストも空振り。その打ち終わりにAKARIは右ミドルを当てる。ステップが落ちて来たRAN。クリンチからヒザを当てる。ワンツーで前に押し込む。AKARIにホールディングで注意(減点無しのイエローカード)。
3R、右ハイをスナップ効かせて狙うAKARI。前に出るRANとクリンチに。右ミドルから入るAKARI。右ストレートで飛び込むRAN。互いに単発に。左前蹴りを当てたAKARI! 互いに組みが多く消耗する。左右で詰めるRANに背中を見せるAKARI。
判定は3-0(29-28, 30-29, 30-27)でAKARIが勝利もコールに笑顔は見せず。師匠・神村エリカが上げたロープを潜ってリングを後にした。
▼第2試合 -44kg契約 3分3R△松谷 綺(VALLELY KICKBOXING TEAM/NJKFアマチュア-46kg王者)[判定1-1] ※30-29, 28-29, 29-29△小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝)
松谷は前回のGIRLS POWERで宮崎小雪とドローだったが、先日の『Stand Up』で上仮屋真莉を判定で破っている。
一方、プロデビュー戦となる小林はRISEで活躍する原口健飛が主宰するFASCINATE FIGHT TEAM所属のファイター。空手での経験が豊富で、これまで数々の大会で優勝経験があり満を持してのプロ転向となった。
前日会見で松谷は、「前回ドローという結果に終わってしまって凄く悔しい思いをしたので、今回はしっかり勝って注目されるような試合をしたいと思います。空手で実績を残している強い選手だと感じました。でも自分も幼い頃からずっと空手をやってきて空手タイプの選手に苦手意識はないので、打ち合って勝ちたいと思います」と空手対決にも望むところと語った。
対する小林は、「デビュー戦ですが、周りの凄い選手たちよりも面白い試合をして勝ちます。相手の印象はけっこう距離を取って戦う選手やなって印象です。殴り合いが好きなのでバチバチ打ち合ってくれたら嬉しいです。パンチが当たったら倒れるので」とパンチ力に自信を見せた。
1R、ともにオーソドックス構え。軽やかなステップで前に出る小林。松谷も右ミドルで飛び込みヒザ、右ロー! 小林もワンツーで飛び込み。左右ボディを連打する。右の高い前蹴りは松谷もかわす小林は右ボディストレート! 距離が空くと松谷も右ミドル&ヒザをヒット。
2R、ジャブから右ミドルの飛び込みは松谷。小林も右を返すと右ミドル! 右の蹴りの松谷に小林はボディ打ち。常にステップする松谷は角度をつけて右ミドル。小林も右フックを返す! その入りにカウンターの右を突く松谷。
3R、前に出る小林に右の前蹴り、さらにサイドにステップを踏む松谷。首を押さえてのヒザも! 小林の右にカウンターを狙う。右ロー連打は小林。松谷の右ローに右ストレートを合わせる小林! しかし押し返す松谷も左ヒザ、右ミドル。大振りになる小林は若干、消耗。右まぶたをカット。
リズミカルに3Rを動き続けた両者。甲乙つけがたい判定は1-1(30-29, 28-29, 29-29)三者三様のドローとなった。
▼第1試合 ミニフライ級(-49kg)3分3R○宮﨑若菜(TRY HARD GYM/2019年KAMINARIMON全日本女子-52kg級優勝)[判定2-0] ※30-29,29-29,29-28×武内紗耶香(格闘技スタジオBLOOM)
宮崎はフルコンタクト空手出身で、2019年10月に福岡で開催された『RISE WEST ZERO』でプロデビューし、同門の先輩・平岡琴を相手に善戦した樋田智子から判定勝ち。GIRLS POWER第1回大会ではAKARI(TARGET)と対戦してパンチで詰めるも判定で敗れた。今回はデビュー戦の武内と対戦する。
前日会見で宮﨑は、「ここで足踏みしている場合ではないのでしっかり倒して勝ちたい。武内選手はテクニックやスピードと言うよりかは一発のパワーがあるかなと思ったけど、パワーでは私も男顔負けのパワーを持っていると言われているので、どっちが先に倒れるか楽しみです」とパワー対決でも負けないと語った。
対する武内は、「誰も私のことは知らないと思うので一人でも多くの人に知っていただけるように爪痕を残していきたい。宮崎選手はこの前のGIRLS POWERも見て、凄くアグレッシブに戦う選手だと感じました。でも私もけっこうバチバチでやりたいタイプなので面白い試合になるんじゃないかなと。プロデビュー戦ですが、打たれ強さにも自信があるので、男子顔負けのバチバチの試合ができたら楽しいかなと思います」と打ち合い上等の構えを見せている。
1R、ともにサウスポー構え。右前蹴り、左下段蹴りは宮崎。武内は大きな左。前に詰めて距離を潰す。サウスポーから右ミドルをダブルで当てる宮崎。武内の入りに前蹴りで止めるが、武内の圧力に真っすぐに下がる場面も。宮崎は打点の高い右前蹴りを顔面に当てる。
2R、右ハイ、左下段蹴りは宮崎。詰める武内に近距離で打ち下ろしの下段を前足に3連打。さらに前足を突く宮崎。近距離では右ヒザも。武内も果敢に詰めてワンツーから左で前に! 左ローを打つ宮崎に、カットせずに前に出る武内は左右のパンチ連打。
3R、右腿を赤く腫らせた武内。足を止めた打ち合いではパンチは武内だが、宮崎は下段を左右で蹴る。押し返して左下段蹴りは宮崎。左ハイも狙うが武内もブロック。ひたすらワンツーで押していく。蹴りの宮崎に右フックを返す武内。
ノンストップの激闘の判定は2-0(30-29,29-29,29-28)で蹴りの有効打を当てた宮崎が接戦を制した。
▼オープニングファイト2 Point captureルール -47㎏契約 2分2R×阿部葉月(TEAM TEPPEN)[2R 0分12秒 KO]○横山優美(LEOジム)
1R、ロングスパッツ着用の横山は一気に詰めてオーソからの蹴りで先にポイントを奪うとさらにパンチラッシュで連続4Pを奪う。間合いが落ち着くとサウスポー構えの阿部も左ミドルで反撃。1Pを返す。
2R、前に出る阿部だがそこに左のカウンターがヒットし、阿部が腰を落としダウン。すぐにレフェリーが止めた。
▼オープニングファイト1 Point captureルール -42㎏契約 2分2R×Crazy SHARK(DUROジム)[ポイント 7-2]○島田美咲(SQUARE-UP KICKBOXING道場)
オードソックス構えの島田に対し、サウスポー構えのSHARKは左ミドル、ハイでポイントを奪う。蹴りのSHARKに対し、距離を詰める島田はパンチの連打で反撃。バックフィストも放ち、ポイント7-2で勝利した。