修斗史上初となる女子王座を決める「THINKS INTERNATIONAL Presents 修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント」。現在までに一回戦3試合終え、黒部三奈、イ・イェジ、大島沙緒里が勝ち上がり、昨年の「インフィニティリーグ2019」を制した杉本恵を加えた4名が準決勝に進出。注目の組み合わせが決定した。
まず、2019年史上初女子で開催された「インフィニティリーグ2019」を全勝で制した杉本恵とイ・イェジの試合が決定。
レスリングで日本トップレベルのスキルを誇る杉本は初戦の原田よき戦こそ判定勝利となったが、試合を重ねる毎にギアを上げ、KO→一本勝利とMMAファイターとしての進化を見せている。トーナメントを勝ち上がれば同じAACCの大島沙緒里との対戦の可能性もあるが、「大島選手とは同門ですが、ケージの中では真剣勝負」と、同門対決も辞さない構え。
対するイェジはトーナメント一回戦で“格闘代理戦争からの刺客”梅原拓未と対戦。組んで寝技の展開に持ち込みたい梅原を打撃のプレッシャーだけで圧倒して完勝。感情剥き出し、鬼気迫る表情で戦うイェジは黒部へのリベンジ（2019年7月に黒部がイェジにRNCで一本勝ち）とタイトル奪取に向けて好発進を切った。
イェジは準決勝に向け、「2020年初戦を修斗で迎えます。大事な今年初戦です。さらに強くなった私の姿を日本のファンの皆さんにお見せします。楽しみにしてて下さい。応援お願いします」とのコメントを主催者に寄せている。
打撃で主導権を奪う“打”のイェジとタックルを軸に試合を組み立てる“投”の杉本とのマッチアップ。イェジは梅原戦同様にグラップラーの杉本の組みを断ち切れるか。杉本はケージレスリングでイェジを削れるか。
そして、準決勝のもう1カードは今回のトーナメントの大本命“女王”黒部三奈が全日本アマチュア修斗王者・大島沙緒里を迎え撃つ事に。
14勝5敗とMMAキャリアでは大きく勝る黒部に対し、柔道出身の大島は9月のアマチュア修斗全日本選手権アトム級優勝からまだプロ1勝の新鋭。しかし、1月の開幕戦では緊急参戦したリバーサルジム沖縄A・P・Pの小生由紀を対相手に抜群のボディバランスで下から仕掛ける小生をトップポジションから完全制圧。最後は身動きが取れないクルスフィックスの状態から拳を落とし続けパウンドアウトしている。
柔道の名門・東海大柔道部出身で、2014年9月の全日本ジュニア柔道体重別選手権女子44kg級で優勝（旧姓・安達）の実績を持つ大島は、AACC先輩・浜崎朱加のアドバイスも受け、番狂わせを狙う。
大島は小生戦後、「1年前は育児に追われていました。いまは総合格闘技も出来てすごく充実しています。頑張ります」と意気込みを語っている。幼少より柔道で培った技術と勝負に徹する母親のハートの強さを黒部戦でも見せるか。
一方“女王”黒部はトーナメント1回戦でドイツ王者・ターニャ・アンゲラーと対戦。スロースターターと思われていた黒部だが、勢いとパワーで勝るターニャをあえて真正面から受け止め、全局面で圧倒。試合終了8秒前にパウンドをまとめKO勝利で下し、準決勝進出を決めた。
そして、1月の後楽園ホール大会でのマイクアピールでは、「小耳にはさみましたが、2人とも素敵な旦那さんがいらっしゃる？ それ以上、何を望むんだ!? 勝っても負けても私は一人で家に帰るんだ。ベルトをください」と嫉妬も絡み、何ともわかりやすくベルトを懇願している。果たして黒部は優勝して幸せを掴めるのか。
“女王”黒部三奈と全日本アマチュア修斗王者・大島沙緒里。インフィニティリーグ優勝の杉本恵とリヴェンジに燃えるイ・イェジ。修斗史上初となる女子世界王座を巡る闘いはいよいよセミファイナルへと向かう。
【新たに決定した対戦カード】
◆THINKS INTERNATIONAL Presents 修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント
▼修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント準決勝第2試合 5分2R（延長1R）
黒部三奈（マスタージャパン）
大島沙緒里（AACC）
▼修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント準決勝第1試合 5分2R（延長1R）
イ・イェジ（韓国／TEAM J）
杉本 恵（日本／AACC）※インフィニティリーグ2019王者
【既報カード】
▼世界フェザー級チャンピオンシップ5分5R
斎藤 裕（王者／パラエストラ小岩）
デュアン・ヴァン・ヘルフォート（挑戦者・同級3位／グレイシーバッハ・ネーデルランド)
