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【Invicta FC】浜崎朱加戦からの再起戦でジン・ユ・フレイが勝利も王座は空位に

2020/02/08 14:02
【Invicta FC】浜崎朱加戦からの再起戦でジン・ユ・フレイが勝利も王座は空位に

(C)Dave Mandel/Invicta FC

2020年2月7日(日本時間8日)、米国カンザス州カンザスシティのメモリアルホールで「Invicta FC 39」が行われた。

メインイベントでは、2019年6月のRIZINでスーパーアトム級王座を浜崎朱加と争い接戦の末に敗れたジン・ユ・フレイ(米国)が、母国に戻り再起戦。自身が保持するInvicta FC世界アトム級王座の防衛戦に臨む予定だったが、前日計量で105ポンド(47.62kg)リミットのなか、105.8ポンド(47.99kg)と8ポンドオーバーで体重超過。規定により、試合前に王座剥奪となっていた。

挑戦者の予定だったアシュレイ・カミンズ(米国)は、104.5ポンド(47.4kg)で計量をパスしており、フレイはファイトマネーの25パーセントを没収され、フレイが勝利しても王座は空位となり、カミンズが勝利した場合のみ新王者として認定される変則的な選手権試合としてメインイベントは行われた。

5Rに及んだ試合は2Rにフレイが右フックでダウンを奪うなど、再戦となるカミンズの猛攻にも決定打を許さず。判定3-0でフレイが勝利も、王座はく奪のためベルトは戻ってこなかった。

セミファイナルではフライ級タイトルコンテンダーのパール・ゴンザレス(米国)とミランダ・マーヴェリック(米国)が対戦。2019年9月の「Phoenix Series 2」で優勝したマーヴェリックがパワフルなダブルレッグテイクダウンからのパウンドを再三決め、ゴンザレスを判定3-0で撃破。次期フライ級挑戦者に名乗りを挙げた。

また、判定決着が多かった今大会で、フライ級のエリン・ブランクフィールド(米国)が、ヴィクトリア・レオナルド(米国)に2R 2分06秒、左ハイキックで見事KO勝利を収め、MMA戦績を5勝1敗としている(※唯一の敗戦は現UFCファイターのトレイシー・コルテスにスプリット判定負け)。

▼Invicta FC女子アトム級(-47.6kg)選手権試合 5分5R
○ジン・ユ・フレイ(王者/米国)
[判定3-0] ※48-47×3
×アシュレイ・カミンズ(挑戦者/米国)
※フレイが体重超過。勝利も王座は空位に

両者の対戦は2度目。2016年9月に浜崎朱加が持つ同王座に挑戦しドクターストップで敗れていたフレイは、2017年7月の「Invicta FC 24」での再起戦でカミンズと初めて対戦。判定3-0でフレイがカミンズに勝利している。

当初、両者は2019年10月の『Invicta FC 37』でベルトを懸けて再戦に臨む予定だったが、フレイの怪我により試合は延期となっていた。今回は2年7カ月ぶりの再戦となる。

浜崎が返上した同王座を、2018年7月の王座決定戦でフレイがミナ・グルサンデルに判定勝利し獲得。現Invicta FCアトム級王者となっていた。フレイは2018年12月にも同じグルサンデルをスプリット判定で退けて初防衛に成功している。

2019年6月には「RIZIN.16」に参戦。フレイは浜崎朱加との再戦で、浜崎が保持するRIZIN女子スーパーアトム級(49kg)王座に挑戦するも、ユニファイドルールとは異なるRIZINのトータル判定で敗れ、ダブルタイトル獲得はならず。今回のInvicta FC女子アトム級王座防衛戦が再起戦となる。

挑戦者のカミンズは、2012年4月の「Invicta FC 1」から参戦しているベテラン。プロMMAは7勝4敗で2017年7月のフレイとの初戦で判定負け以降は、ステファニー・アルバ(米国)、ジェシカ・デルボニ(ブラジル)にいずれも判定勝ちで2連勝。今回の王座挑戦にこぎつけた。

2019年大晦日の「RIZIN.20」では、フレイが黒星を喫しているハム・ソヒと浜崎が対戦し、ハムがスプリット判定で浜崎を破り、RIZIN女子スーパーアトム級新王者となったばかり。世界の47.6kg~49kgに注目だ。

先に登場は青コーナーのカミンズ。続けて赤コーナーからフレイが登場。キャップを目深にかぶりケージサイドで脱ぐと、集中した表情を見せる。

1R、サウスポー構えのフレイ、オーソドックス構えのカミンズ。中央を取るフレイ。カミンズも圧力をかけるとワンツーもその打ち終わりにフレイは左ストレートを当てる。カミンズはなおも詰めて左ジャブ・右ストレートのワンツーから近づき組みに。

クリンチで首相撲に取ろうとするはフレイ。外したカミンズは小外を狙うがフレイもすぐに足を引く。押し込みヒザを上げるカミンズに離れ際にヒジを打つフレイ。距離が空くとフレイは左ミドルをヒット。前がかりになるカミンズをかわして組んで右で差すが金網に押し込むカミンズは右ヒザ。四つから内股に細かいヒザを突く。さらにフレイの左足にフットスタンプ。フレイは突き放し際に左フックを狙うも空振り。

カミンズのワンツーに得意の右ジャブはフレイ。さらに左インローを当てる。カミンズもワンツーは遠いが続く右ミドルはヒット。フレイは左ミドル、カミンズも右ミドルをガード上に当てる。左回りのカミンズ。金網に詰まったフレイだが左ミドルを当てて左に回り込む。前足に左インローを当てるフレイ。さらに下がりながらも左ミドルをカミンズのヒジに当てる。右ミドルハイはカミンズ。ブロックするフレイも左の蹴りを返していく。ワンツーの右をガード上に当てるカミンズ。フレイも右を返す。

2R、ワンツーは届かずとも右ミドルに繋げるカミンズ。さらに右インロー。詰めるカミンズにカウンターで懐に入るフレイ。右で差すと、左で小手に巻くカミンズ。フレイは外から右足をかけてバック狙い。カミンズは右ヒザを突きながら小手で回らせず正対。体を入れ替えると右を振る。離れるフレイ。互いに喧嘩四つから左インローはフレイ。2発目にカミンズの前足が流れる。ワンツー右ハイをブロックさせて下がらせて金網まで詰めて右ストレートを突くカミンズ。フレイもさばきながら左ストレートで押し返す。

右から左フックを当てるフレイ! さらにカミンズのワンツーのカウンターで左フックを合わせるとカミンズのアゴが上がる。思わず組みにきたカミンズを首相撲からヒザを突くフレイ。さらにアゴ下に頭をつけて金網に押し込み、ボディにヒザ。右で差したカミンズは体を入れ替え、互いにヒジも当たらず。カミンズはフレイの左で右目周辺から出血する。フレイはサウスポー構えから右ロー、左インローを前足に当てる。

カミンズはワンツーの右もそこに右フックを合わせたフレイ! 腰を落としヒザをマットに着いたカミンズ。すぐに立ちあがるが、詰めるフレイはクリンチボクシングで左を連打! カミンズは左まぶたから出血が多くなる。金網に押し込むフレイ。カミンズは小外狙いから離れるもフレイが明確に取ったラウンドに。

3R、左に回るフレイ。ワンツーから左ミドルを当てて前に詰めるカミンズだが、離れ際にフレイは右ヒジをヒット! 左ミドルを返すと前に。左インローを当てる。詰め直すカミンズのワンツーに組むフレイ。互いにクリンチボクシングもヒザはカミンズ。右ミドルにはフレイも左ミドルを蹴り返す。カミンズは左ローそこに右ストレートを狙うフレイ。しかしカミンズもカウンターの右ストレート。フレイは額で受ける。

4R、右目じりからなおも出血するカミンズ。右インローはカミンズ。そこに左を突くフレイ。カミンズは出入りで右の蹴りをダブルで上下に蹴ると、フレイも右ローをダブルに。ワンツーで前に出るカミンズに、フレイも左ストレートを打ち終わりに当てる。いったん沈み込むフェイントから右を狙うカミンズ。しかしフレイの左には後退。クリンチして細かいヒザを突き、左足を踏む。カミンズの左をかわしてワンツーを打つフレイ。カミンズは右ミドルハイ。カミンズの蹴りにフレイは左カウンターを当てる。

5R、詰めるカミンズにスイッチしての右ミドルハイで牽制するフレイ。さらに右ロー! ワンツーで詰めるとカミンズも押し返し右ロー。フレイの大きな左は空を斬る。フレイのワンツーにカウンターのダブルレッグはカミンズもすぐに差し上げてヒザを突き上げるのはフレイ! 中央を取るフレイにサークリングするカミンズ。左ミドルを当てるフレイ。右のストレート、ジャブと手数はカミンズだが遠い。左ローを狙うカミンズに右を当てるフレイ。さらに左ハイはカミンズの側頭部をかすめる。ジャブを突いて前に出るフレイ。カミンズの右の蹴りはブロックして前に。ホーンにフレイは右手を挙げた。

判定は3-0(48-47×3)で、2Rにダウンを奪い、要所で試合を支配したフレイが勝利コールを受けるも笑顔は無し。試合後のインタビューで、体重超過を詫びたフレイは、インタビュアーの勝者コールに初めて両手を挙げてみせた。

◆「Invicta FC 39: Frey vs. Cummins 2」結果
2020年2月7日(日本時間8日)
米国カンザス州カンザスシティ メモリアルホール

▼Invicta FC女子アトム級(-47.6kg)選手権試合 5分5R
○ジン・ユ・フレイ(王者/米国)
[判定3-0] ※48-47×3
×アシュレイ・カミンズ(挑戦者/米国)
※フレイが体重超過で勝利も王座空位に

▼女子フライ級(-56.7kg) 5分5R
×パール・ゴンザレス(米国)
[判定0-3] ※27-30×2, 26-30
○ミランダ・マーヴェリック(米国)

▼女子アトム級 5分3R
○アリーシャ・ザッピテラ(米国)
[判定3-0] ※30-27×2, 29-28
×ケリー・ディアンジェロ(米国)

▼女子フライ級 5分3R
○エリン・ブランクフィールド(米国)
[2R 2分06秒 KO]
×ヴィクトリア・レオナルド(米国)

▼女子アトム級 5分3R
○ジュリアン・ディコージー(米国)
[判定3-0] ※29-28×2, 30-27
×リンダ・ミハレック(米国)

▼女子バンタム級 5分3R
○モニカ・フランコ(米国)
[判定3-0] ※30-27×2, 30-26
×クリスティーナ・ペティグリュー(米国)

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