ONEはベルトだけを見て勝てばいいという甘い世界ではない(内藤)
――現在は二人ともONEを主戦場にしていますが、師弟で同じ海外の団体に出ているというのは刺激になりますか?
内藤 鈴木さんのONEでの活躍を見て凄く刺激になってました。鈴木さんよりも先にONEのベルトを獲りたいと思ったことはありませんが、二人で勝ち上がって一緒にONEのベルトを巻きたいですね。鈴木さんは先輩でありながらライバルという関係でもあります。ONEでは最低でもタイトルマッチまで行かないと鈴木さんを越せないですし、恩返しできないなと思っています。
鈴木 今までの僕はジムの先輩という立場でしたが、今はジム代表であり、指導者です。僕的には僕が辿り着いたところを超えてもらってこそ、仕事をしたと言えると思うんです。内藤には最低でもタイトルマッチをやってもらいたいなと。僕が先にチャンピオンになったら、最低でもチャンピオンにもなってもらわないといけません。
先代なんて超えて当たり前だと僕は思っています。そこに行くまでのテキスト、エッセンスはもう出来上がっているので、教え子は指導者を超えて当り前でしょ?と思うんです。もしそこまで辿り着けなかったら僕の指導者としての立場は失格だと思います。内藤は中学生の時に世界チャンピオンになりたいと言っていたのと今もその想いは変わりません。片田舎でチャンピオンになると言っていたものが今も物語が続いている最中です。
内藤 鈴木さんが昨年5月にONEタイトルマッチで僕はセコンドに付かせていただきました。会場に着いたときにでかいポスターに鈴木さんがどんと乗っていて衝撃的でしたね。チャンピオンのノンオーと向かいあっているときに、鈴木さんは凄い舞台に立っているんだ、今から日本人がベルトを獲りにいくんだなと不思議な感覚で見ていました。
――鈴木選手はONEでは日本人としては初のキックタイトル挑戦でしたね。
鈴木 僕はシュートボクシングで日本タイトルを獲らせてもらって、内藤の目の前で自分が少しずつ上がっているものを見せられています。自分が挑戦できたことで、国内の格闘技界でも1つ切り開くことができたとも思います。
僕はノンオーとやらせてもらって序盤に負傷した箇所があったのですが、次こそはという手応えも感じてます。無理になるまで僕は走り続けたい。ONEのチャンスはいつ来るかわからないので、そのためにも一戦一戦をしっかり勝ち上がって証明していくだけです。先を見るためにも目の前のことを勝ち獲るという精神でいきます。
内藤 ONEはベルトだけを見て勝てばいいという甘い世界ではないので、来たチャンスを1つ1つクリアーしていくことが大事かなと思います。ONEのスーパーフライ級は日本人の活躍が難しい階級ではあると思いますが、活躍を楽しみにしてください。
鈴木 僕は1つ上のバンタム級で勝ち上がります。この舞台で勝ち上がることで先があります。これからもシュートボクサーとしての僕の生き様を見ていてください。