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2020年2月7日(金・現地時間)インドネシア・ジャカルタのイストラ・セナヤンで開催されるONE Championship『ONE: WARRIOR'S CODE』にて、松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)が、キム・ジェウォン(韓国)と対戦する。
松嶋は、2019年8月にマーティン・ウェンの持つONEフェザー級世界王座に挑戦も2R TKO負け。ONE3戦目で初黒星を喫した。「前回負けてしまってベルトからは一番遠ざかってしまった。今回の試合を機に上位に浮上し、ベルトを巻けるよう頑張りたい」と、王座再挑戦への第一歩と位置づけている。
対戦相手のジェウォンはテコンドーベースの元TOP FCフェザー級王者。MMA10勝3敗で、2019年11月のマニラ大会でのONEデビュー戦でハファエル・ヌネスのテイクダウンと寝技を断ち切り、ヒザ蹴りを決めて3R KOに下している。試合後には松嶋との試合をアピールしており、今回早くも実現に至った。
1月20日の会見『ONE SCRAMBLE』で松嶋は、「マーティンとやって自分の足りないところや弱い部分が凄く分かりました」と、王者との試合で課題を見つけたことを語ると、「練習ではそれを詰めるために、今できることをやってきて、なかでもグラップリング面では、ただ倒すだけではなくてその後を意識したり、打撃面では一つひとつキレのある打撃を出すように練習をしてきました。また、相手にやられているときに、次にどう繋げるかとか。そういう動きを練習してきました」と、MMAとしての繋ぎの部分を強化してきたことを明かした。
対戦するジェウォンについては、「相手は凄く勢いがあって、打撃の思い切りがある選手で僕の対策もしてきていると思いますが、飲み込まれないで、練習してきた部分を出して、僕の打撃をしっかり当てて殴り倒す勢いでいきます」と抱負を語っている。半年ぶりの試合で松嶋はどのように成長した姿を見せるか。
――2月7日の試合に向け、年末年始はどのように過ごしてきましたか。
「大晦日以外の12月30日&1月1日に練習があったので、正月らしい正月は過ごさず、31日だけちょっと休みました。年末は基本的に北岡(悟)さんが試合していることが多いですし、そうじゃなかったら普通に練習があるので実家でゆっくり過ごすとかそういったことはないですね」
――国内・海外でも様々な試合がありましたが、気になった試合はありましたか。
「うーん、この間の(江幡)塁選手の試合(vs那須川天心)とか、衝撃はありましたね。あれだけ強い。もっといい試合になると思ってたので。だからやっぱりあの試合は印象深かったですね」
――勝負というのは難しいものですね。実力者同士が戦って、そのときの様々な状況で自分のものにしなくてはいけない。今回の試合は、松嶋選手にとって、2019年8月にマーティン・ウェンが持つフェザー級王座に挑戦して以来、半年ぶりの試合となります。あの試合、1Rは松嶋選手がテイクダウンし、ウェンがロープ外に逃げるほどの圧力をかけ、2Rは松嶋選手のタックルを切って強打を打ち込むウェンに松嶋選手は引き込むこともありました。さきほどの会見では、「相手にやられているときに、次にどう繋げるか」という言葉が前戦での課題として挙げられたのが気になりました。
「この間の試合で1ラウンド目、自分がいいところを出せたんですけど、2ラウンド目に相手に合わせられて、強打は分かっていたのですが、どんどん自分が劣勢になった。そういったときに“とりあえずタックルにいくしかない”となってしまい……それを切られ、“じゃあどうする? 立ってどうやって勝つんだ?”とナーバスになったところで打撃を合わされて、最後はパウンドで負けました。心を折られたような形でした。その良くないところが、この間の試合で身に染みて感じたので、自分が悪い時にどう動くか、そこをもっと意識をしながら練習をしてきました」
――自分の攻撃の時には強いけど、そこに合わされ上回れたときに詰んでしまったと。
「そうですね。流れにのって最後まで行ければいいけど、やっぱり強い選手ってそうはさせない。そこをウェン戦では身に染みて感じました。その部分をどうしていこうと考えることができた半年でした。それを試合までやってこれたかなと思います」
――より攻防のなかでの動きが練られたようですね。パンクラスイズム横浜に加え、パーツ練習では出稽古にもいかれたのですか。
「レスリングでは専修大学に出稽古に行っています。練習では相手の攻撃を待つんじゃなくて、自分からどんどんタックルに入るようなスパーリングでやっているので、それを試合でも出せていけたらと思います。それに空手の稽古も再開し、ボクシングジムにも通って、打撃面も見直しました」
――今回の対戦相手のジェウォンですが、ボクシングというストロングポイントが際立ちます。
「本当にスタンドの勢いがあって、決まった形・強い形を持っていますね。打撃での圧力が強くて勢いがある。そこをしっかり止めていかないといけない。キム選手の距離感がボクシングの間合いで戦っていると思うので、そこに入らず自分の攻撃をどんどん仕掛けていきたいです」
――と同時に、テイクダウンを切る強さも持っています。
「腰もすごく強いストライカーではあると思います。打撃で戦ってはいけないと思わせるくらいの。でも正直、ハファエル・ヌネス選手に勝っていると言っても、ヌネス選手がそこまで鋭いテイクダウンを持っているというわけでもないので、僕がタックルは取れないと言う気はないですし、向こうも僕がタックルで来ると思って準備をしていると思うので、そこで、わざわざ不用意にタックルに行く必要もないかなと思っています。その中でどうやって自分の打撃を強めて、どうやって相手を崩していけるのかを重視して練習をしてきました」
――松嶋選手には強い体幹からの左右のパンチもありますが、初期動作の少ない蹴りも武器の一つかと思います。今回の相手には……。
「ちょっとハード気味に蹴っていきたいなと思っています。そこの部分ではまだちょっと(相手に)穴があるかなと」
――王者との試合を経て、再起戦でどのような姿を見せたいでしょうか。
「(相手が)試合に勝って僕と『やりたい』って言ったのは、いくら『相手を尊敬をしてる』とか言っても、僕に勝てるからって目算があって言っているのだと思うので。ちょっとナメるなっていう気持ちもあります。相手の勢いに飲まれずに、自分の動きを最後までやって、ぶん殴ってやりたいなって」
――勝負どころで強気で畳みかける松嶋選手と相手に合わせた動き、ちょっと新しい松嶋選手が見られそうですね。
「そうですね。一つ気持ち的にもこの間負けて、成長をしなきゃいけない部分もあったので、やっぱりそこは成長できたところを出したいですし、それでいて今までの自分のいい部分も無くしちゃいけないと思ってるので。そういう部分を出しながら、いい展開を生んでいきたいと思います」