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レポート

【ONE】ストロー級王者パシオが接戦制し防衛、佐藤将光がONE3連勝! 和田竜光は完封勝利、MOMOTAROは判定負け

2020/01/31 19:01
2020年1月31日(金)フィリピン・マニラのモールオブアジアアリーナにて、「ONE: FIRE & FURY」が開催された。 メインでは、ONE世界ストロー級選手権試合が行われ、地元フィリピンの王者ジョシュア・パシオが、ブラジルの挑戦者アレックス・シウバを判定2-1で退け、2度目の王座防衛に成功。 セミファイナルのライト級戦では、同じくフィリピンのエドゥアルド・フォラヤンが、当初の対戦予定だったアメド・ムイタバから試合2週間前に急遽オランダの長身ファイターのピーター・バウシュトと対戦。判定1-2で敗れる波乱があった。 また、日本から佐藤将光(坂口道場)、和田竜光(フリー)、MOMOTARO(OGUNI-GYM)の3選手が出場。佐藤が難敵クォン・ウォンイル(韓国)に1R、リアネイキドチョークで一本勝ちし、和田が初参戦のイヴァニルド・デルフィノ(ブラジル)に判定勝ちを収めたものの、MOMOTAROが元ONEキックボクシング・フライ級王者ペッダム・ペッティンディーアカデミーに判定0-2で惜くも敗れた。 ◆ONE: FIRE & FURY1月31日(金)フィリピン・マニラ@モールオブアジアアリーナ 【MAIN CARD】 ▼第11試合 メインイベント ONEストロー級(※56.7kg)世界選手権試合 5分5R○ジョシュア・パシオ(王者/フィリピン)56.65kg/1.0053[判定2-1]×アレックス・シウバ(挑戦者/ブラジル)56.60kg/ 1.0074※パシオが王座防衛 ONE世界ストロー級王者のジョシュア・パシオは、波乱万丈だった2019年を「素晴らしい年だった」と言う。「タイトルを失ったにもかかわらず、それを取り戻すことができたし、大きな勝利を収めることもできた」と。2019年1月に猿田洋祐に判定負けで王座陥落したパシオは、4月に猿田を右ハイキックKOに下し王座奪還。さらに11月にはレネ・カタランに肩固めで勝利し王座防衛も果たしている。「ここフィリピンで戦うことは非常に快適だよ。僕はここで無敵なんだ」と言う通り、地元フィリピンでの試合で敗れたことは無い。対戦相手のアレックス・シウバについても「素晴らしいライバル。元世界チャンピオンで優れたBJJを持っている。僕にとって大きな挑戦で、それに立ち向かう準備はできている」とホームのファンに語っている。 対するアレックス・シウバも王座挑戦までアップダウンがあった。「王座戦線に復帰するのに2年の長い道のりがあったよ」と振り返る通り、シウバは内藤のび太に2連敗後、猿田洋祐にも判定負け。しかし、2019年8月にステファー・ラハディアン、11月にパン・シューウェンにいずれも腕十字で一本勝ちし、ベルト挑戦にこぎつけた。「ジョシュアは若くてバランスの取れたアスリートで、彼をとても尊敬しているよ。でも、今は僕の時間だ」と磨きをかけた寝技に絶対の自信を持つ。 1R、ともにオーソドックス構え。先に左ハイを放つパシオ。ブロックするシウバは引き込みも離れるパシオは付き合わない。パシオの右に右から左を打ち返すシウバ。パシオの左ジャブの引きに合わせてテイクダウンを狙う。 パシオは右ロー、アッパー、右の三日月蹴り。しかし組んでからのシングルレッグで引き込んだシウバに離れるパシオは右のバックスピンキックを腹に入れる。さらに右ロー。左ハイはブロックするシウバだが、右ローは被弾する。 右の三日月蹴りを打つパシオ。蹴り足をつかんでガードに引き込もうとするシウバ。付き合わないパシオに立ち上がりシングルレッグテイクダウンはシウバ! ギロチンチョークを狙うパシオにクローズドガードの中に入らないシウバがパスガード、腕十字に行くも、パシオは外す。 2R、シングルレッグテイクダウン狙いから下になりハーフガードでスイープし上を取るシウバ! しかしパシオもクローズドガードに。インサイドから細かいパウンドを狙うシウバ。中腰になり足が解けたところに両足を引いてパスを狙うが上になるパシオにシウバは引き込み。すぐに体を離すパシオ。 パシオの右ハイを掴んでテイクダウンはシウバ! シウバの噛みつきパスを越えさせないパシオだが、逆側のパスに成功。さらに肩固めも腕を内側に入れて外すパシオ。上のシウバはヒールフック狙いもゴング。 3R、テイクダウンのフェイトをかけるシウバ。パシオは右ローも浅い。シウバも左フックを返す。パシオは左ジャブ、右アッパー! シングルレッグからしつこくハーフガードに入れようとするシウバに右ヒザを当てる。 離れるパシオは右ロー。組もうとして詰めるシウバにジャブ&アッパーはパシオ。しかしシングルレッグから金網に詰めたシウバは、右で差してテイクダウン! パスを狙うがパシオもガードに入れる。蹴り上げから立とうとするパシオに右ヒザを当てるシウバ! パシオも右ロー。 4R、右ヒザで飛び込むパシオ。さらに左ヒザもそこに引き込みはシウバ。下からヒジを突くシウバ。パシオは胸に頭を着けて息を整えながらパウンド。下のシウバはラバーガード狙い。さらに腕十字狙いから足を巻き込み足関節へ移行も足を抜くパシオ。左ジャブで前に出るシウバ。そこに右ボディ、アッパーを突くパシオ。左右を振ってから右を当ててテイクダウンはシウバ。後方に返すパシオにハーフに持ち込むシウバ。ギロチンチョーク狙いからスイープするシウバだが上を取り切れない。 5R、右手を合わせて最終ラウンド。パシオのその場跳びのヒザ蹴りを掴んでテイクダウンはシウバ。すぐにギロチンを狙うパシオ。頭を抜いたシウバは上からパスガードを狙うが、パシオも足を効かせて越えさせない。その立ち際に引き込みを狙うが、付き合わないパシオ。 ブレークでスタンド再開。慎重な見合いから右ローはシウバ。バックスピンはパシオ。その打ち終わりに詰めるシウバはシングレッグから手前に引き出してテイクダウン! クローズドからギロチンチョークを狙うパシオ。逃げ切り体制のパシオはセコンドに合図を送る。ハーフから細かいパンチを突くシウバ。 ゴングに手を挙げる両者。判定は2-1と割れ、コールは「STILL」。王者ジョシュ・パシオが地元マニラで防衛に成功。「グラップリングスキルとコンビネーションを磨いてきた」と王者は語った。 [nextpage] ▼第10試合 ONEライト級(※77.1kg)5分3R×エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)76.15kg/1.0070[判定1-2]○ピーター・バウシュト(オランダ)76.75/1.0061 フォラヤンは、2019年は3月に青木真也の肩固めで一本負け、8月にエディ・アルバレスに逆転のリアネイキドチョークで敗れるも11月にツォゴーフ・アマルサナーに判定勝ち)し復活を遂げている。 今回、試合2週間前にアメド・ムイタバから長身のピーター・バウシュトに対戦相手が変更も「問題ありません。私は以前もこのような状況にありました。それは私の適応性の良いテストであり、この対戦相手は私を限界に押しやろうとしていると思います。フィリピンのファンに全力を尽くす準備ができています」とホームでの試合に臨む意気込みを語り、「世界タイトルまでもう一度走りたいと思っています」と王座返り咲きを狙う。 1R、対峙すると身長差20cmが際立つフォラヤンとバウシュト。バウシュトはMMA5連勝からONEで2019年5月に下石康太に2R TKO勝ち、10月に豪州のトニー・カルーソに判定勝ちし2連勝。ムイタバの欠場から緊急参戦を決めた。 ともにオーソドックス構え。飛び込んでの右ローから入るフォラヤン。さらに左サイドキック。左インローで長身のバウシュトの足を飛ばす。 左から右が長いバウシュト。そこに右のバックヒジを狙うフォラヤン。右ミドルを打つバウシュト。そこに左のサイドキックを合わせるフォラヤンだが金的に。短いインターバルで再開を望むバウシュト。 再開。右ハイを当てるバウシュト! さらに右ストレートを振ると組みにきたフォラヤンにギロチンを狙う。しかしフォラヤンは首を抜きながら前に踏み出しテイクダウン! サイド奪うと左で脇差しアメリカーナ狙い。そこの際で立つバウシュト。そこにギロチンを狙うフォラヤンは後方に回すが、立つバウシュト。 なおも左で差して押し込むフォラヤンは投げを狙うがすかしたバウシュトがバック狙い。ここは取らせなかったフォラヤンにバウシュトは右ハイ。ブロックしたフォラヤンは右ローを当てる。 2R、左のサイドキックを関節に狙うフォラヤン。さらにバックスピンは空振りも右ローは当てるフォラヤン。左で差して金網に押し込むと右で小手に巻いて上げるバウシュト。フォラヤンのダブルレッグを差し上げる。突き放したバウシュト。 しかし前足を変えてスイッチするバウシュト。そこに軸足払いで倒すフォラヤン。パウンドに行くが、下からバウシュトは三角絞め、さらに腕ひしぎ三角固めに移行。 腕を抜いたフォラヤンにホームの場内は大“フォラヤン”コール。ハーフでからむバウシュト。バウシュトは下から抱き着きクラッチしてスイープ! 上からパウンドを入れてゴング。 3R、バウシュトの右の跳びヒザの打ち終わりにバックフィストを狙うフォラヤン。しかし詰めるバウシュトはフォラヤンの右ローをかわして打ち終わりに右のハイキック! ふらついたフォラヤンに長身のバウシュトはニンジャチョークへ! しかし頭を抜いたフォラヤンは左で差して金網に押し込む。突き放すバウシュト。前に出るバウシュトは右ハイ。かわすフォラヤン。 今度はいきなり右ストレートを突くバウシュト。圧力をかけると今度は左ハイ! ブロックするフォラヤン。バウシュトは右ロー。左ミドルは蹴り足を掴んだフォラヤンがテイクダウン! しかし蹴り上げからノーダメージで立つバウシュト。 判定は2-1でバウシュトが勝利。アウェーでの勝利に信じられないという表情で涙を流したバウシュトは勝利のメダルを首にかけた。 [nextpage] ▼第9試合 ONEフライ級(※61.2kg)5分3R○ダニー・キンガド(フィリピン)60.85kg/1.0053[判定3-0]×シェ・ウェイ(中国)61.25kg/1.0066 2019年は1月に和田竜光に、3月に仙三にいずれも判定勝利、8月にリース・マクラーレンにスプリット判定勝利で2018年から6連勝も、10月にデメトリアス・ジョンソンに判定負けしているキンガドは、試合前、「この1年でファイターとして、競技者として成長しました。 ONEフライ級世界GPに参加できたことは素晴らしい経験でした。世界最高の選手と競うという経験を積むという点で、本当に多くの助けになりました。今はアスリートとしてより規律が出来ているように感じています。この次の戦いで学んだすべての新しいスキルを見せる予定です」と、より厳しい練習に励み、復帰戦に臨むことを語っている。 1R、ともにオーソドックス構え。キンガドは右ロー! さらに右ロー。ウェイはキンガドの左ミドルを掴んで右ストレートをダブルでヒット! さらにがぶりからヒザを突く。下からスイッチ狙い、さらにダブルレッグから持ち上げてテイクダウンはキンガド! ハーフから足を効かすウェイに左で小手に巻いてパスするキンガドはマウントへ。その瞬間にウェイもリバーサルする。 強烈な右ローを2発当てるウェイ。しかしミドルにはその蹴り足を掴んだウェイが右ストレートを狙う。左の関節接蹴りを打つキンガド。ウェイの右ローをかわしてその打ち終わりに右ローを返す。互いに右フック。しかし右ローはキンガド。さらに左ミドルを脇腹にヒット! 2R、オーソからステップして左ミドルを打つキンガド。さらに右ロー。ワンツーで詰めるウェイだが体を入れ替えるキンガド。 さらに詰めるウェイに組みに行くキンガド。両脇を差して肩パンチを突くウェイ。左に崩すとヒザを着くキンガドだが、すぐに立ちあがるとなおも押し込むウェイ。ブレーク。 キンガドの右ローに右のオーバーハンドを狙うウェイ。キンガドはバックスピンも。さらにウェイの右ローをかわして右ローを当てる。左の関節蹴りを打つキンガド。左右で詰めるウェイにはキンガドはカウンターのダブルレッグに入る。それを差し上げるウェイ。離れ際にキンガドはバックヒジを狙う。 3R、左右ローのキンガドに左ミドルを返すウェイ。さらに右ローも当てる。キンガドの遠間からの低いダブルレッグをがぶるウェイはヒザを突く。さらにがぶり落とすウェイはヒザもその瞬間にキンガドも頭を抜く。 遠い距離を保つキンガド。右ローを当てる。その2発目をテイクダウンしたウェイ。背中を着けさせるが、ハーフからの肩パンチ気味のヘッドバッドにレフェリーがストップ。 再開。一気に詰めるウェイ。両脇差し、肩パンチ、ヒザ。キンガドもクリンチボクシング。投げの打ち合いは右で小手に巻いたウェイが上を取りかけるがここでのスクランブルが速いキンガドはすぐに立つ。キンガドをがぶるウェイはヒザを突くが、それが後頭部と判断され試合が再びストップ。インターバルから再開。右を当てるウェイはキンガドの頭をがぶるがゴング。ウェイは両手を挙げて見せる。 判定は3-0でキンガドが勝利。的確な打撃を当て、ウェイに決定打を当てさせなかったキンガドだが、ONE Hero Seriesで4連勝、ONE Warrier Seriesで1勝と5連勝中だったウェイも身体の強さ、ポテンシャルを見せた試合だった。 ▼第8試合 ムエタイ フライ級(61.2kg)3分3R〇ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)60.75kg/1.0023[判定2-0]×MOMOTARO(日本)61.05kg/1.0176 元WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者のMOMOTARO(OGUNI-GYM)が、元ONEキックボクシング・フライ級王者ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)と対戦する。 MOMOTAROは、3月のONE初参戦でケニー・ズィー(中国)に判定勝ちも、4月に元ルンピニー3階級王者ルーシラー・プーケットトップチーム(タイ)に判定負け。しかし、9月のシントンノーイ・ポーティラックン(タイ)との試合では、41秒KO勝ちの番狂わせを起こした。11月にはホームリングのNJKFで琢磨に3R判定勝ちを収めており、連勝中だ。 ペッダムは元ONEキックボクシング・フライ級王者。ジョシュ・トナー(豪州)、工藤政英(新宿レフティージム)をKOし、2019年5月にはエリアス・マムーディにテクニカル判定で勝利。ONEキックの同級王座を獲得したが、8月のイリアス・エナッシ(オランダ)との初防衛戦で3R左フックでKO負けし王座陥落している。今回は、ムエタイルールでの試合となり、ボクシンググローブではなく、オープンフィンガーグローブでの戦いとなる。ペッダムはダンスをしながらゆっくりと入場。現地の観客は大ウケだ。 1R、サウスポー同士。MOMOTAROは遠い距離から前足の蹴りを多用する。しかしペッダムはその長い距離を全く苦にせず、強力な右ローを蹴る。MOMOTAROはペッダムが組み付いてくると首相撲で崩す。 続いてペッダムのミドルにストレートを合わせにいくMOMOTARO。ペッダムが首相撲からヒザ蹴りに来ると、その蹴り足をつかんで投げ飛ばす。さらにMOMOTAROがパンチを連打して前進すると、ペッダムは防御しながら左ヒジを合わせる。MOMOTAROは構えを右に変え、バックボーンである伝統派空手の構えを見せた。 2Rも首相撲で崩し倒すMOMOTARO。ペッダムの左ミドルには左ストレートを合わせる。さらにカカト落としも繰り出すMOMOTARO。前に出てくるペッダムは距離をとろうとするMOMOTAROを首相撲に持ち込む。 序盤は突き放したり投げたりして対処していたMOMOTAROだが、段々と削られ捕まっている時間が長くなる。離れるとMOMOTAROは組まれないようにパンチを繰り出す。 3Rもペッダムの左ミドルに左ストレートを合わせに行くMOMOTARO。ペッダムは首相撲で組んでのヒザ蹴り。ペッダムの左ミドルもヒットし始め、MOMOTAROのストレートが届かなくなってきた。MOMOTAROは自ら組みに行ってパンチを放つが時間切れ。 2R序盤まではいい動きを見せていたMOMOTAROだったが、首相撲で削られ判定2-0でペッダムが勝利を収めた。 [nextpage] ▼第7試合 ONEバンタム級(※65.8kg)5分3R×クォン・ウォンイル(韓国)65.45kg/1.0031[1R 4分05秒 リアネイキドチョーク]○佐藤将光(日本)65.60kg/1.0107 佐藤将光の父親はマイルス・デイヴィスの衣装を長く担当していた世界的なファッションデザイナー“KOHSHIN SATOH”こと佐藤孝信さん。次男の将光は、ジャンルは違えど、クリエイティブな試合運びに定評がある。父がデザインしたガウンで入場する佐藤。 32歳でMMA34勝16敗3分というベテランの佐藤は現・修斗世界バンタム級王者。2019年5月のマーク・アベラルド戦では、2Rにシングルレッグテイクダウンから中腰のパウンドを効かせてTKO勝ち。続く10月の両国大会では、PANCRASE王者のシウバを2R TKOに下し、その実力を知らしめている。 対するは、DEEPでプロデビューし、GRACHANやGLADIATORなど日本でキャリアを積んできたストライカーのクォン・ウォンイル(韓国)。 佐藤は、「クォン選手はもともと1階級上の選手。1RでKOした試合も4試合ほどあって、早い段階んでのKOを狙って最初から圧力をかけてくる。それに対して自分はステップを使いながらかわして、相手に圧力をかけていければと思います。常にフィニッシュは狙いますが、勝ちが一番なので、勝ちに行きます」と、試合への意気込みを語っている。 1R、ともにオーソドックス構え。いきなり詰めるウォンイルは右。佐藤も右カーフキックを打つ。そこに右ストレートを狙うウォンイル。組んで左を首後ろに巻く佐藤。突き放すウォンイル。 前後にステップ踏む佐藤は、右で飛び込んでの右ロー! さらにニータップから押し込んで組むが、ここは離れるウォンイル。佐藤は右ローを再び当てる。しかしウォンイルも右ストレートを返す。 ワンツーの後にヒザを触り、さらに右を当てる佐藤! 攻撃を散らして詰めると続けてニータップから金網まで押し込み左で差す佐藤は足をかけてバック狙い。脇を潜りスタンドバックから後方に崩すと、すぐに両足をかけてリアネイキドチョークへ。最初はパームトゥパームからすかさず頭後ろに組み直してタップを奪った! 【LEAD CARD】 ▼第6試合 ONEフライ級(※61.2kg)5分3R×イヴァニルド・デルフィノ(ブラジル)59.35kg/1.0102[判定0-3]○和田竜光(日本)61.25kg/1.0222 和田竜光は、2019年9月のマニラ大会でのフライ級GP準決勝でデメトリアス・ジョンソン(DJ)と対戦して以来の試合。DJとの試合では1Rにバックを奪いながら、中盤からテイクダウンされ判定負けを喫したが、元UFC世界王者と接戦を繰り広げている。 対するブラジルのイヴァニルド・デルフィノは、ONE初参戦でMMA8戦無敗。ジャングルファイト等で活躍も試合動画が皆無で、和田は未知の強豪と対戦することになる。 1R、ともにオーソドックス構えから。先に圧力をかけるデルフィノ。和田は右ローのカーフキックを当てるとすぐにデルフィノはカウンターを狙う。2発目の右ローを掴んでテイクダウンはデルフィノも、すぐに立つ和田は首相撲から右で差して足払いで崩し。さらに内無双を狙うデルフィノに押し込むと、引き込むデルフィノ。 下のデルフィノの足関節に回転して上を取る和田。デルフィノはハーフからカーフスライサー狙いも鉄槌・パウンド当てる和田に対し、足を外してクローズドに入れる。オープンガードにするデルフィノに中腰からパウンドを当てる和田! デルフィノの潜りをヒジで引きはがし、縦ヒジも! 片足を抜いてハーフになる和田にデルフィノはバック狙いも和田は正面に入る。 2R、右前蹴りはデルフィノ。かわす和田はまたも右カーフキック! 一瞬、サウスポー構えに変えるデルフィノ。右を狙うがその打ち終わりに右! さらに右ローを当てると詰めて右を差して内股で煽りながらバックを狙う。 右ヒザを突く和田。正対し左腕で差し上げるデルフィノ。ならばと和田は首相撲からヒザ。デルフィノは左腕をスイッチで差し込む。首相撲ヒザからヒジは和田! デルフィノは右ボデイ打ち! しかし和田も右を返し左ボディ。デルフィノにダブルレッグに切り替えテイクダウン! 和田のヒジ連打にデルフィノは出血する。 3R、早々に詰めて首相撲は和田。左に煽ってから右に足払いテイクダウンは和田! しかしすぐに立つデルフィノ。金網に押し込み右で差す和田は再び左に崩してから戻してくるデルフィノを右に足払いでテイクダウン! 背中着くデルフィノはハーフガードも右ヒザを突く和田。さらに和はグラウンドで縦ヒジを突き刺す! 下から腕十字を狙うデルフィノの足をすぐにさばき中腰からパウンド。横三角を狙うデルフィノだが、察知する和田。デルフィノはダブルアンダーフックで両脇を差して密着。 「ノーホールディング」のレフェリーの声の中、クラッチを外したデルフィノに和田はパウンド、右ヒザのラッシュ。ゴング。判定は3-0で和田が勝利。DJに敗れたマニラの地での復活に和田はVサインを見せた。 [nextpage] ▼第5試合 ムエタイアトム級(52.2kg)3分3R×アルマ・ユニク(豪州)52.20kg/1.0059[判定0-2]○アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)51.65kg/1.0005 金網のなかでオープンフィンガグローブ着用の女子ムエタイアトム級戦。ユニクは豪州出身の19歳でWBCとIPCCの世界王者。2019年6月にはスタンプ・フェアテックスが持つONEムエタイ世界女子アトム級王座に挑戦し敗れるも、判定まで持ち込んでいる。ホグスタッドはGlory of Herosなどで活躍する北欧ノルウェーのムエタイファイター。 ともにオーソドックス構え。1、2R、遠目の距離から右の高い前蹴りはユニク。ホグスタッドは手数で反撃。ユニクの蹴り足を掴んでのステップしての攻撃に注意。 3R、首相撲ヒジをヒットさせるホグスタッド。マジョリティ判定はホグスタッドが勝利した。 ▼第4試合 ONEストロー級(※56.7kg)5分3R○リト・アディワン(フィリピン)56.80kg/1.0112[1R 3分02秒 キムラロック]×ポンシリ・ミートサティート(タイ)56.65kg/1.0102 チームラカイのリト・アディワンは、2018年10月のONE参戦から4連勝中。前戦2019年10月には仙三の腕をアームロックで再三攻め、仙三の負傷を呼びこみTKO勝利。同門の世界王者ジョシア・パシオとONEの同階級で存在感を増している。対するミートサティートは、2019年8月に中国のミャオ・リータオ、11月に内藤のび太にいずれも判定負けで2連敗中。 1R、ともにオーソドックス構え。半身構えのアディワンは、徐々に詰めると右ミドルを当てて左右の強打でミートサティートを崩すと、そのまま押し倒すようにまたいでマウントへ。 ミートサティートもブリッジからケージを蹴って脱出! しかし、さらにダブルレッグからボディロックで後方に回してテイクダウンはアディワン。 サイドから袈裟固めでアメリカーナを狙うが、バックにつくミートサティートは立ち上がりスタンドからコントロールを狙う。しかしアディワンは背後のミートサティートにアームロック狙い。回して上を取るとキムラロックを極めた! 鮮烈勝利のアディワンはONE5連勝、MMA7連勝をマークした。 ▼第3試合 ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R○ジーナ・イニオン(フィリピン)52.05kg/1.0195[判定3-0]×アシャ・ロカ(インド)52.00kg/1.0180 ※2019年は2月にジヒン・ラズワンにスプリット判定勝利しているイニオンが、ロカから再戦テイクダウンを奪うと、金網押しつけギロチンチョークも。 ▼第2試合 ムエタイバンタム級(65.8kg)3分3R○ロートレック・P.K.センチャイムエタイジム(タイ)65.30kg/1.0152[判定3-0]×クリス・ショー(スコットランド)65.40kg/1.0044 ▼第1試合 ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R-ジョマリー・トーレス(フィリピン)51.55kg/1.0044[1R ノーコンテスト] ※偶発的な急所への打撃-ジェニー・ファン(台北)51.35kg/1.0031 (試合前コメント)ジョマリー・トーレス「ファンは危険なグラップラーで打撃も持っている」 「私が言えるのは、私がジェニー・ファンと向き合うことに興奮しているということだけです。彼女は危険なグラップラーであり、しっかりした打撃を持っています。かなり印象的で、かつてのONE世界王座挑戦者(2017年にアンジェラ・リーに3R パウンドでTKO負け)なので、最高のレベルでその経験を持っています。勝つために全力を尽くします」※トーレスは前戦2019年7月にジヒン・ラズワンにスプリット判定勝利。 ※体重の横の数値はハイドレーション値。1.0250以下の水分補給値は合格。1.0251以上の値は失敗。1日目または2日目に体重と水分補給のテストに失敗した選手には、大会の朝にテストをクリアする別の機会が与えられる。
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